自動車関連

2020年10月13日 (火)

トヨタテクニカルセンター下山を視察しました

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 トヨタ自動車のテストコース兼研究施設である「トヨタテクニカルセンター下山」は私が県議だった頃より準備が進められていたが、現在その整備が本格化している。

 昨年4月、カントリーコースを中心とする中工区の工事が完了し、「トヨタテクニカルセンター下山」の一部運用が開始された。

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(トヨタテクニカルセンター下山中工区竣工式、2019年4月25日)

 昨年の完成式典にも出席したが、この度、「東西エリアの工事も進んできたのでぜひ現地視察を」と招かれ、9月23日(水)に訪問させていただくこととなった。

 豊田市と岡崎市の市境の区域に建設プランが発表された14~5年前には、「トヨタは将来、ここに宇宙空港でも建設するのでは?」と思えるほど広大な計画であった。しかしその後、自然環境対策、動植物保護などの問題が提起され、最初の3分の2ほどの面積に計画変更されることとなってしまった。とはいえ、それでも総面積650万キロメートル(東京ドーム140個分)に及ぶ、大きな施設であることに変わりはない。

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 山間地独自の自然環境に対する影響を極力減らすため、厚地の山をならして平面化することに努め、出土した御影石も砕石化して地盤改良に使ったという。植物の生育にも十分気配りをしており、地元の植物による植栽・植樹にこだわっている。
 建物の建設にも地元産材を多く使用することに配慮している。外観も周囲の景観にうまく溶け込むようにダーク系の色彩に統一されている。

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 カントリーコースは、ドイツのニュルブルクリンクにある、全長20km、高低差300mのコースをお手本にしている。それを4分の1にギュッと凝縮した、1周5.3km、75mの高低差のある試走場は、あらゆる天候、道路条件の変化に対応した試験走行が可能となっており、7本の橋で全体が結ばれている。テストコースの機能は勝りこそすれ劣ることはないそうである。

 トヨタテクニカルセンター下山がこの地域の新たな観光スポットになってほしいと考えていたが、基本的にはこの施設は自動車開発のためのものであり、企業秘密の保持が大変重要となる。部分的には公開され、地域との交流イベントも行っているが、この施設を使った自動車レースや他の目的のイベントが行われる予定はないそうである。
 いずれにしても、私達の地元にこうした将来に向けて期待感の大きい施設が存在することは心強く、ありがたいことと強く感じるものである。
 自動車産業は非常にすそ野の広い産業であり、テストコースの完成によって、本市においても広い分野での雇用や産業振興に繋がっていくことを期待している。

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2020年10月 8日 (木)

六ツ美地域で快走!「チョイソコ」地域バス

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 10月1日(木)から六ツ美地域で、地域バス「チョイソコおかざき」が走り始めた。
 乗合送迎サービスとしてスタートした「チョイソコ」はアイシン精機が開発した専用システムで、路線バスのように時刻表による運行ではなく、電話予約が入るとワゴン車で利用者を送迎する、新しいスタイルの公共交通機関である。
 かねてから地域バス導入を希望していた六ツ美中部学区でエリアバス運営協議会が立ち上がっており、地元の皆さんの熱心な活動がこの度の事業の大きな後押しとなった。バス停の設置などの準備も順調に進み、本市初の乗合送迎サービスが実現した。地元の皆さんの御尽力に深く感謝を申し上げます。

 そもそも公共交通は「都市の装置」とも呼ばれており、従来の路線バスは、道路に沿ってある程度まとまった乗客があることを前提として、時刻表をもとに大型バスを運行していた。
 今回、乗合送迎サービスを導入した六ツ美中部学区は集落が広く分散しており、病院や商店といった「行き先」も点在している。従来のようなバス停は、まとまった集落の中にあってこそ効率が良いが、住宅が点在している地域ではどうしても無駄なルートが多くなってしまう。そこで考えられたのが、予約を前提とした、確実に乗客がいる時だけ走らせる「デマンド(需要)型乗合タクシー」である。

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 乗客のいないバスは「人ではなく、空気を運んでいる」と表現されることもあるが、たとえ空気を運んでいてもバス車両と運転手、燃料が必要になってくる。なかでも運転手不足は深刻で、少子高齢化の進行もありバス会社では採用に非常に苦労しているそうである。貴重な財源や運転手を効率よくサービスにあてるため、行政としては、よりしっかりと需要を見込んでいく必要がある。

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 本市では「まちバス」を、名鉄の「路線バス」に替えた例がある。専用の車両、専用の運転手が担当していた「まちバス」から「路線バス」に替えた結果、1キロ走るためにかかる経費は半額になった。これを数字に表すと、

まちバスは1キロ走るのに約800円
路線バスは1キロ走るのに約400円

 という計算になる。直感的に言えば、現行の経費のままで市内の路線バスを全て「まちバス」にすると、バスの台数はだいたい半分になってしまう。
 幸いにして本市には、1キロ約400円で運行できる民間バス路線があり、路線図の距離を合算すると1600キロ近くにもなる。これは本州最北端の青森から下関まで繋いだ高速道路よりも、さらに50キロほど長い距離である。この狭い市域に、本州を走破できるバス路線があって、しかも1日何往復ものバスが走っているのは非常に心強いことである。人材不足の中、必死になって運転手を確保していただいているバス事業者の皆さんには改めて感謝したいと思っている。

 本市のバス路線に仲間入りした「チョイソコおかざき」が、末永く走り続けてもらうために、利用者の皆さんと地元の六ツ美中部学区エリアバス運営協議会の皆さんの力強いお力添えを、今後もお願いしたいと思っている。

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2019年11月 6日 (水)

市長定例記者会見(2019年10月24日)

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 来年、世界ラリー選手権が日本で開催されることが決まり、岡崎市にコースが設定されることとなりました。11月9日(日)に開催される「おかざきクルまつり」「セントラルラリー愛知岐阜2019」など、関連する事業について御説明申し上げます。
 以下は、10月24日(火)に行った定例記者会見の内容です。


台風19号により被災された方々へ
 まず初めに、10月12日、関東地方を中心に、全国各地に甚大な被害をもたらした台風19号により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、負傷された方々を始め、被災された方々に、謹んでお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧を、心よりお祈り申し上げます。
 本市におきましても、「中核市・災害相互・応援協定」などに基づき、被災地であります長野市に対し、支援物資の提供や職員の派遣を行っているところです。
 また、本市と「ゆかりのまち」として提携している佐久市にも、先週の17日に、清水副市長が現地を訪問し、被災状況を確認するとともに、本市・幹部職員からの義援金と支援物資を、届けてまいりました。
 加えて、昨日から職員を派遣し、一層の支援を行っております。さらに、総務省、県からの要請により、栃木県・栃木市への支援も予定しております。
 今後も被災地からの支援要請に対し、積極的に支援を行っていきたいと考えております。

世界ラリー選手権の日本開催決定
 かねてより誘致活動を行ってまいりました、WRC、世界ラリー選手権につきまして、先日、日本ラウンド招致準備委員会からの発表があり、2020年から3年間の日本開催が決定し、岡崎市においてもコースが設定されることとなりました。
 それに先立ち、テストイベントである「セントラルラリー愛知岐阜2019」が、「クルまつり」の共催イベントとして、11月9日に開催されますので、お知らせします。
 WRCは、世界的にF1と並んで人気があり、サーキットではなく、一般道や荒野、林道、農道を使用して開催される、モータースポーツであります。
 本市におきましては、昨年度から愛知県、県内市町、招致準備委員会と共に、WRCの日本開催に向けて、誘致活動を行ってまいりました。その中で、FIA・国際自動車連盟の視察を受けた折には、中央総合公園のロケーションの良さについて高評価を受けたと聞いております。この度、関係者の悲願であった日本開催が実現しましたことは、大変喜ばしいことであります。

おかざきクルまつり
 さて、来年度のWRC開催に先立ちまして、本年11月7日から、長久手市の愛・地球博・記念公園を中心としたWRCのテストイベントが開催され、本市においても、中央総合公園および額田・宮崎地区の2か所でのコースが、設定されております。

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 このため、11月9日土曜日は、中央総合公園で毎年開催されております「クルまつり」の会場の一部を、ラリーカーが走行することになり、大迫力のラリー観戦も、同時にお楽しみいただけることになりました。
 「クルまつり」は、ご承知のことと思いますが、本市の主要産業の1つである、自動車産業の振興などを目的として、様々な年代に、自動車やものづくりに対して関心を持ってもらえるようなイベントです。自動車メーカーや販売店のブースでは、市販車の展示や試乗会、衝突回避・支援システムの体験、また国内・最有力・レーシングチームであるトヨタ・ガズーレーシングからは、WRC出場車両レプリカの展示などが行われると聞いております。
 また、自動車に対する関心を高めるイベントとしまして、「はたらく くるま」の展示、体験スペースを設けます。こちらでは、大型トラックやバス、タクシーをはじめ、クレーン車や各種重機、高所作業車、自衛隊車両、郵便車、はしご車、レッドサラマンダーなど、様々な車両が集まります。皆さんが、普段・まちなかで目にするものの、なかなか触れることのない車両ばかりですので、お子さまにはきっとお楽しみいただけると考えています。
 毎年お越しいただいていた岡崎市出身のレーサーの中嶋一貴選手ですが、今年は海外でレースがあるということで、お越しいただけません。代わりに「ミニナカジマミュージアム」と称しまして、中嶋選手のパネル、ヘルメット、レーシングスーツなどの展示や、eスポーツラリーを体験していただくコーナーをご用意しています。また、岡崎おもてなしキャラバン隊キッチンカーによる、食事等の提供もご用意しており、一日中、中央総合公園で楽しんでいただけるよう、計画を行っております。

テストイベント「セントラルラリー愛知岐阜2019」
 セントラルラリーの詳細なコースについては、近々主催者から発表があるかと思いますが、先ほども申し上げた通り、本市では中央総合公園内及び千万町町(ぜまんぢょうちょう)を中心とした宮崎地区に、スペシャルステージという区間を設定していると聞いています。この区間において、タイムアタックといって、ラリーカーが一台ずつそのスピードを競うもので、午前と午後のそれぞれ1回ずつ競技が実施されます。
 今回のセントラルラリーには、現在WRCに参戦しているWRカー、トヨタのヤリスが走行するのも目玉となっています。

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 愛知県出身の勝田貴元選手が、ドライバーとして搭乗されるとのことですので、本物のWRカーの迫力ある走行にご期待ください。
 また、場内では、タイムアタックに合わせて、フリーアナウンサーの安東弘樹アナによる実況中継も行われ、安東アナと岡崎出身のレースクイーン・タレントである橘香恋さんによるトークショーなども予定しています。

 中央総合公園へのアクセスについては、パーク・アンド・ライドを計画しています。
 今回、中央総合公園の駐車場の大部分がラリーのコースとなっており、そのような状況下で、市内外から多くのお客様がお見えになり、中央総合公園の駐車場が相当・不足することが予想されます。
 そこで市内の企業の三菱自動車工業株式会社岡崎製作所様、アイシン・エィ・ダブリュ株式会社岡崎工場様、株式会社ジェイテクト花園工場様、株式会社FUJI岡崎工場様、アンデン株式会社岡崎工場様、株式会社オチアイ・ネクサス様の駐車場をお借りし、そこから中央総合公園までを無料シャトルバスで結ぶ予定です。
 なお、バスでご来場いただいた方のうち、先着3,000名には、オカザえもんラリーバージョンのオリジナルハンカチをプレゼントいたします。このハンカチは多目的広場に設けました特別観覧スペースに入場いただけるチケットとなっています。この特別観覧スペースでは迫力のあるラリーを間近で観戦いただくことができます。
 ご来場の際には、ぜひとも、パーク・アンド・ライド、無料シャトルバスをご利用いただきますようお願いします。

 WRC開催国における、国外からの来訪者数は、数十万人と聞きます。今後、本市においては、このWRCを活用し、地域活性化に取り組んでいきたいと考えています。
 今回のセントラルラリーの経験を活かし、来年度以降・開催されるWRCに向け、着実に準備を行ってまいります。そして、WRCが来るまち・岡崎市として、国内外にPRしてまいります。

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2016年12月29日 (木)

自動走行実験車・試乗体験報告

自動走行実証実験(岡崎市)

 近年の高齢化社会の進展と高齢運転者による交通事故の増加を踏まえて、にわかに注目を集めているのが、この「自動運転車」の実用化である。
 去る11月9日(水)、福祉の村に用意された自動走行実験車に試乗する機会を得ることとなった。用意された車は私の家で使っているタイプと同じ2代目のプリウスであり、色まで同じメタリック・グレーであった。
 車の屋根の上には、金属製の箱を付けた機械が備え付けられており、360度先回しながら周囲を監視するセンサーが回っていた。車内にも前方・後方を確認するカメラが取り付けられており、それらから得られた視覚データとGPSの地図情報から得られたデータを元にしてコンピューターが車の操作を行うのである。

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 システムを担当しているアイシン・エィ・ダブリュの担当者はじめ、マスコミ関係者の集まる中、「岡崎市福祉の村」から「愛知県三河青い鳥医療療育センター」の入口までの注総合公園を通る3.5キロほどのコースを往復することとなった。

自動走行実証実験の走行区間

 運転手の酒部孝さんの手動でテスト用の自動車道まで進み、指に付けたリングのボタンを押すことで試乗実験は始まった。坂道からの半路発進となったためか、遊園地のカートのようにガクッという小さな衝撃と共に車は発進した。
 平均時速は30~40キロで、最速でも50キロほどであった。本線に入り、手放し運転をしている実験車の運転手の姿を見て追い越してゆく車の中の人々の怪訝そうな顔が愉快であった。実験車は道路上の車線や交通標識、信号も自動認識し、市民病院交差点ではスムーズに自動停止した。しかし前方の車両が急に減速した時、自車を減速するタイミングが遅かったため、運転手が手動で減速をしなくてはならなかった点が少し気になった。

 いずれにせよ、まだ実証実験の段階であり、開発が進み十分な安全性が確認されるまで確たることは言えないが、将来的には高齢者や身体障害者の移動用車両や、中山間地における定時運行バスの運用に活用したいものと考えている。2020年頃には実用化されるということであるので大きな期待を持っている。

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 現在、自動走行車の研究はアメリカとドイツが先行している。もし実用化が早まることがあれば、自動車産業を経済の大きな柱とするこの地域も安閑としてはいられない。アメリカの自動車業界の拠点として栄華を誇りながら、技術革新と価格競争に遅れをとることによって衰退したデトロイトと同じ運命をたどらないとも言えないからである。
 もちろんそんなことは、長年生き馬の目を抜く厳しい国際競争をくぐり抜けてきた日本のメーカーのことであり、対応策をとっていない訳はない。
 ことに「モノづくり」を経済の基軸とする我が愛知県、三河地域に在住する我々としては、これからも大きな関心をもって見守ってゆくべき分野であることは確かなようである。

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2014年8月10日 (日)

モータースポーツ・中嶋兄弟・市役所訪問

Kazuki Nakajima and Daisuke Nakajima (August 1, 2014)

 8月1日(金)午前11時、岡崎生まれのニュー・ヒーローが二人そろって岡崎市役所を訪問してくれた。二人とは、日本人初のフルタイム参戦F1(フォーミュラワン)レーサーである中嶋悟氏の長男一貴(かずき)君と次男大祐(だいすけ)君である。彼らは今や、我が国の若手一流レーサーとして名を馳せている。
 若くしてレーシングカーのパイロット(ドライバーとは呼ばない)になれば、皆がチヤホヤして女の子にももててしようがない存在だろうから、少しくらい気位が高くてもしょうがないかな、などと思いながらドアを開けて応接室に入った私であった。ところがレーシング・スーツに包まれた二人はきわめて礼儀正しく、謙虚であり、話すほどに好青年であることが分かった。

 その日、市役所に挨拶にみえたのは、夕刻から伝馬通りで行われるレーシングカーのデモ走行が実現したことに対するお礼を兼ねてということであった。
 しかし本当にお礼を言わなければならない相手は、私ではなく、愛知県で初の試みを許して頂いた岡崎警察署の鈴川信視署長や署員の皆さんであると思っている。なにせ、まだ日本国内においては、東京のお台場と横浜の元町等数回しか前例はなく、ことに現在、全国交通死亡事故No.1の位置にいる愛知県のド真ん中でレーシングカーの公道走行をしようというのである。反対されても致し方のないところである。
 私も署長さんに頭を下げてお願いはしたものの、今回、格別の御理解を頂いたことについては心から感謝している。それだけに絶対に事故などはあってはならないし、今回は〝交通安全啓発パレード〟として行われたものであることを強調しておきたい。

交通安全啓発パレード(2014年8月1日)

 実は私は二人の父上の悟氏と同学年である。中学生の頃、岡崎天満宮のお祭りで共通の友人から紹介されて出会ったことがあるらしいのだが、はっきりとは覚えていない。先方も同じと思う。しかし、その後の悟氏の活躍についてはモータースポーツ・ファンの友人からよく聞かされており、私の方は一方的に存じ上げている。
 ことにF2レースで活躍して有名になられた頃から、F1レーサーがこの岡崎から誕生するかもしれないと、私も期待感を込めて注目していた一人であった。
 その後、日本でもグランプリが開かれるようになり、中嶋氏の夢は実現し、4位入賞に輝くこともあったが年齢的な理由で引退されたと記憶している。もし彼が若くしてF1に参戦することができ、経験を積み、優れたエンジンと車体、ベテランのメカニックチームと契約できていたら、日本人として初の優勝を飾ることも可能であったかもしれないと思うことがある。
 とは言え、実際のF1の世界はレース場で競うだけでなく、場外での産業界の思惑や様々な政治的駆け引きの入り乱れる所であり、日本人が勝つことはそれほど簡単なことではないのだろう。(そんなことになれば、またルールが変更される。)

 いずれにしても、悟氏のおかげで日本のテレビでもF1レースの様子は毎回放送されるようになり、アイルトン・セナとアラン・プロストの対決やナイジェル・マンセル、ネルソン・ピケ、そして初めの頃は老雄ニキ・ラウダの勇姿と、数多くのバトルを楽しむこともできた。時に深夜の放送まで観ていたこともあったが、もともと本格的なモーターファンではなかった私は、ブームが去り、テレビ放映がなくなった頃から関心も薄れていった。(ちょうどアイルトン・セナが事故死した頃からだ。)
 しかしこの度、私の子供達と同世代の中嶋二世の二人がモータースポーツの世界で活躍されるようになったことに対し、隔世の感を抱くと共に、再び岡崎から若きヒーローが出現したことに率直な喜びを禁じえない。
 私達は、自分達の身近な所から様々な分野で活躍する人物が出現することにより、新たな世界に対する認識と知識の広がりを得ることができる。また人によっては、先人に触発されて隠れていた才能を開花させる切っ掛けを得る人もある。
 そうした意味からも、有名になられてからもあくまで岡崎に在住し活動してみえる父上の悟氏には感謝している。ぜひ一貴君、大祐君の二人にも、先駆者として大成してほしいものである。

 今回の夏まつりにおけるデモ走行イベントは、今年2月に岡崎公園で開催された中嶋兄弟とオカザえもんのトークショーが切っ掛けとなり、岡崎活性化本部が企画したものである。本物のレーシングカーが公道を走行するこということから、より安全性を考えて車のスピードは時速30キロに抑え、実物のレーシングカーの走行を間近で目にしてもらうことと、実際の爆音を楽しんでもらうことを中心に計画が組まれることとなった。
 加えて、走行後は籠田公園会場において車両の一般公開を行い、市民やファンの皆さんに直接触れてもらえるにようにも配慮をした。

Super Formula SF13

SUPER GT Petronas Tom's SC430

 当日はオカザえもんもレーシング・スーツ姿で登場し、誕生40周年キャンペーンで全国を回っているキティちゃんと共にクラシックカーでパレードを行った。実は私も、中嶋兄弟から送られたサイン入りのレーシング・キャップをかぶって、英国製のモーガンという車に同乗してパレードに参加させてもらった。ちなみにこの車はかつて映画俳優の北大路欣也さんの所有していたものであり、ダッシュボードの中にはサインがされていた。

 一貴君の乗るスーパーGTレクサスSC430(トヨタ)と、大祐君の乗るスーパーフォーミュラSF13(ホンダ)によるデモ走行の後は、恒例の五万石おどりと手造りみこし等の競演も行われた。以前はそれぞれ独立して一夜を担っていたのであるが、時代の変化に伴う参加者の減少によって、今回のような形式での催しとなった次第である。
 また、本年の実施結果についても、しっかり検証を行い、反省点を洗い出し、さらに市民の声をお聞きする中で、来年の夏まつりのあり方を考えていかなくてはならないと思っている。
 プレイベントでこれだけやってしまって、来年、再来年は大丈夫だろうか、ネタ切れにならないかと少々心配するものであるが、とにもかくにも許可を頂き、警備に御尽力頂いた警察、消防並びに各種団体、ボランティアの皆様に重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。

キティちゃん、オカザえもん(2014年8月1日)

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