連合愛知三河中地協 市長との懇談会
9月30日(水)、連合愛知三河中地域協議会の「岡崎地区議会報告会」がシビックセンターで開かれました。連合愛知の皆様からお声がかかり、市政報告の機会を設けさせて頂きました。ご厚意に感謝申し上げます。
当日お話した内容を掲載いたします。
皆様、こんばんは。市長の内田康宏です。
本日はこのような機会をいただきまして、本当にありがとうございます。また、4月には、市長選に向けて早々にご推薦いただき、改めて御礼申し上げます。
さて、本年は2月以降、新型コロナウイルス対策に明け暮れる一年となっておりますが、岡崎市としては、今回の件を災害の一つとしてとらえ、初期の段階からできる限り素早く対応してきました。
これまで国、県と共同で総額470億円を超える財政出動を決定し、対応にあたっております。本日お見えの市議の先生方にも、毎月のように開催する臨時会等にご対応を頂いており、感染症対策や医療・検査体制の強化はもちろんのこと、市民生活の支援や事業者への支援などを決定し、各課題の解決に努めているところであります。
今回のコロナ対策は、まずは感染症対策、そして経済対策がカギとなってまいります。さらに、本市では飲食・小売等の事業者支援として、総額18億円を超える、去最大規模のプレミアム付き商品券事業を実施しております。
今回、特に打撃の大きな飲食業の支援のため、より大きなプレミアム率の食事券を設けるなど、市内経済の支援につなげたいと考え企画しましたが、食事券や商品券に対しまして、のべ7万人あまりの市民の皆様から、合計30万セットを超える応募がありました。ご応募いただいた皆様方に感謝申し上げますとともに、抽選の結果、落選、あるいは希望のセット数より少なくなってしまう場合もありますので、ご理解頂きたいと存じます。
また、新生児を抱える世帯の経済的負担の軽減を目指す本市独自の施策として、特別定額給付金の期限を過ぎて生まれた子供を対象に1人10万円を支給してまいります。
PCR検査機につきましても、豊田市と同じく2台目を導入し、1日80人の検査が可能となっております。幸い本市では、まだ検査数に余裕があります。いざという時には、国立研究所の機器もお借りできることとなっております。
新型コロナウイルスの終息までは、まだしばらくかかるものと思われます。このところ、連続してクラスターが発生し、ご心配をおかけしておりますが、今後も、動向を注視しながら必要な対応をきちんと進めてまいりますので、皆様方の引き続きのご協力をお願い申し上げます。
さて、これで2期8年となる私の市政につきましては、皆様の御協力のおかけで順調に進んでおります。とりわけ、この7年間で、市税は70億円増加し、増え続けていた借金も100億円減らすことができました。これは、国や県との連携が良好であり、PFIにより民間の力を上手に活用できた結果であります。これからも、こうした強力体制をもとにしっかり努力を続けて参ります。
そして先日、大変うれしいニュースが入ってきました。現在、日本には中核市と呼ばれる人口30万人以上の市が50市ほどありますが、その中核市における2020年版の住民幸福度ランキングにおいて、本市は全国3位となりました。これは単なる人気投票ではなく、33の項目を専門家によって客観的に採点した結果のものです。中でも「健全財政」、「人口増加率」、「出生率」、「一人当たりの所得の平均」、「選挙の投票率」など主要6項目の評価においては、なんと岡崎市が全国No.1でありました。
このことは、健全財政を維持しながら、各施策をバランスよく進めてきたことが評価されたものとうれしく思っております。現在の政策を継承することにより、岡崎市はもうワンランク上の先進都市になれるものと確信しております。
安全・安心なまちづくりの取り組みとして、自動車のペダル踏み間違い防止装置の設置に対する補助制度やオレオレ詐欺などの特殊詐欺対策としての録音機の設置補助、そして、1000台を目標とした、市内全域への街頭防犯カメラの設置を進めているところであります。こうした取り組みを継続した結果、私の就任後の8年間で犯罪の発生が半減しております。
子育て支援の取り組みとしまして、保育園の建設や増築を計画的に進め、保育の定員増を図ってまいりました。
また、児童の放課後の居場所づくりとして、児童育成センターの増設や民間児童クラブへの補助を実施しております。現在、本市の放課後児童クラブの学区カバー率は100%となっております。
学校教育の現場においては、昨年の全小中学校へのエアコン設置に続き、今年度はタブレット端末の配備を進めているところであります。この8月に全中学生と小学6年生に「Myタブレット」を配備しました。年内には全小学生に1人1台のタブレット端末を配備予定であり、危機管理時においても安心して授業が可能となる、岡崎版GIGAスクールの実現を目指してまいります。
医療体制の強化につきまして、この4月には、市民病院において、がんの診断・早期発見、で力を発揮するPET-CT検査装置を稼働させました。同じく4月には、手術支援ロボット、「ダビンチ」も導入しました。今回、機器の導入にあわせて手術経験の豊富な医師を招聘(しょうへい)したことにより、予定より早く、第1例目の手術を行っております。
また、南部地域において本市が誘致し工事が進められていました「藤田医科大学 岡崎医療センター」が、この4月に診察を開始しました。こちらも「ダビンチ」や「PET-CT」など最新の技術や設備が設けられており、緊急の入院や手術にも24時間365日体制で対応されます。新病院の周辺では、新たな商業施設がオープンし、岡崎警察署や消防署・南分署の移転も計画されており、本市としてはアクセス性の向上や交通量の増加に対応するため、引続き、国や県と協力して接続道路や環境整備に力を入れてまいります。
次に、高齢化社会を迎え、多くの地域でご要望をいただいているバス運行についてであります。これまで本市では、公民連携のもと民間事業者による路線運営が行われており、他市町と比較にならない程の多くの路線を維持してまいりました。
藤川では買物バス、病院バスも運用されておりますし、加えて、これまで六ツ美中部学区で検討されてきました、本市初となる事前予約型の乗合送迎「チョイソコおかざき」がいよいよ明日から運行を開始いたします。
今後も地域の状況を踏まえながら、地域バス等の運行を支援したいと考えております。
また7月には、本市のスポーツ振興をになう新たな拠点、龍北総合運動場がグランドオープンを迎え、新たなスポーツの拠点として生まれ変わりました。長年、本市のアスリート達が待ち望んでいた全天候型の陸上競技場は、スタンド席と芝スタンドあわせて約5,000人の観客を収容できるものとなっております。また、硬式野球が可能な野球場、本市初となる人工芝のサッカー・ラグビー場、クラブハウスを備えた8面のテニスコートなども整備しております。
この施設を使った最初の大きな大会として、同じ7月に中学生の市長杯を開催いたしました。これは5月の中学総体のコロナウイルスによる中止決定によりがっかりしていた中学生の皆さんに、新たな挑戦と思い出作りの場を提供したいと願い、開催を決定したものであります。陸上競技場を使った種目において、6件の新記録が出ており、今後、新たに生まれ変わったこの運動場から全国、世界へ羽ばたくアスリートが誕生することを期待しております。
また、地域の産業振興や雇用の安定に向けて、本市と致しましても大いに力を入れております。若者の就活支援をする若者おいでんクラブの設置や合同企業説明会の開催、復職希望の女性や事業者を対象としたテレワークの体験プログラムの実施など、各対象者に向けた支援を実施しているところあります。
そして、本市のものづくりの拠点として、新たな工業団地、阿知和地区工業団地を2024年度の完成を目指して整備しているところであります。工業団地に隣接する、東名高速道路の阿知和地区へのスマートインターチェンジの開設も国からの認可を受け、現在、着々と準備を進めております。
加えまして、地域で課題となっている通勤時間帯の渋滞緩和を図るため、3方向からのアクセス道路の新設も同時に行うことで、利便性の向上にもつなげてまいります。
本市をはじめ、この地域の豊かさの根源は「モノづくり」であり、これからも変わらぬ支援を続けてまいりますが、岡崎市におきましては、次の時代に向けたもう一つの経済の柱として、岡崎独自の美しい自然と歴史的な文化資産を活(い)かした、「観光産業」の育成が重要であると考えております。
そして、その第一歩となるのが、現在進めている「乙川リバーフロント計画」であります。
今年の3月22日には新たな人道橋、桜城橋が開通いたしました。当日は規模を縮小して橋の開通式典を行い、あわせて橋から延びる中央緑道において徳川四天王の酒井忠次と本多忠勝の石像のお披露目も併せて行いました。残りの2体、榊原康政と井伊直政の像も年内には完成いたします。
新たな橋は、地元産材の活用のひとつの象徴として、額田のヒノキをふんだんに使った木装の橋に仕上がっています。橋の基礎部分は鉄骨とコンクリートの頑丈な造りで、表装には板ではなく、12センチ角の木材を敷きつめてあり、災害時には緊急車両も通れる強度を備えています。この橋は、ただ渡るだけの橋ではなく、橋の上に電源や水栓が設けられ様々に活用できるものとなっております。今後は民間活力を導入して、橋上レストランや物品の販売などをできる施設を設けたり、橋詰広場にトイレ等を設置するなどしてまいります。
先日、整備された河川敷エリアでは、「おとがわびより」というイベントが開催され、桜城橋の上にも各種店舗やブースが設けられ、にぎわっておりました。また、リバーフロント地区内で、今年度になってから複数の飲食店や宿泊施設が新規に出店するなど、このエリアに対する魅力が増し、民間事業者からも、ここでなにかをやろうという機運が高まっていることをうれしく感じております。
これまで常々申し上げてきたことでありますが、まちづくりはただそこに形を作って終わりというものではなく、それをいかに活用していくか、いかに新たなにぎわいにつなげていくかが重要なポイントであると考えております。これまで進めてきたまちづくりや道路などの基盤整備の結果、いまや本市は、全国有数の超一流企業から「投資したくなるまち」に選ばれる都市になっております。
最近の事例で言えば、本宿駅周辺のアウトレットは三井不動産が開発し、市中心部のコンベンションホールに併設されるホテルは、三菱地所が自らの資金で建設が進められます。今後、コンベンションホールを含めた東岡崎駅周辺の再開発事業にも、そのノウハウや資金の投入を期待しております。
いずれも、我が国トップクラスの不動産ディベロッパーであり、東京や大阪ではなく、この岡崎を「魅力的なまち」として評価し、投資していることに、たいへん大きな価値があると思っております。
一部、「中心部ばかり」と言われる方もありますが、この取り組みは、あくまで、市の骨格となる中心部に、しっかりと稼ぐ力をつけてもらうことを目標としたものであります。これまで本市は、モノづくり産業から得られた豊かな財源を市域全体に配分することで、市民福祉の向上を図ってまいりました。これからは、それに加えて、商業や地場産業など、もっと幅広い方々が稼ぎやすい環境を創っていくのが私の使命と考えています。
そして、そのための仕掛けの一つが、現在進めている新しいシティホテルとコンベンションホールであります。河川敷などの整備やQURUWA戦略は目に見える形になり、皆様方にもその変化を実感して頂いているところでありますが、これに、新ホテルとコンベンションホールが加わることで、岡崎は、もっと稼ぎやすいまちになると確信しております。今までは、大きなイベントは市外に流れていましたが、コンベンションホールが完成すると、これまでとは逆に、外から消費者を取り込むまちに変わっていきます。
例えば、ホテル事業に限定して考えたとしても、ひとりのお客さんが、1泊1万円のホテルに泊まり、5,000円の夕食をとり、八丁味噌や地酒、伝統工芸品など5,000円ほどの土産を買えば、それだけで、1人2万円を使ってもらえることになります。さらに余った時間に観光をしてもらうことで、バスやタクシーにも乗ってもらえますし、これから、名所旧跡も、もっと整備が進んでいきます。1,000人のイベントを市内に取り込めば、一晩で2,000万円以上を売り上げるまちになります。もちろんイベントが1000人などということはほとんどなく、その数十倍の効果を考えております。
「観光産業」というのは、宿泊や食事、お土産、出版・印刷そして交通事業者まで広がる、裾野の広い産業であります。ここしばらくはコロナウイルスの影響があるものと思いますが、鎮静後を見据えたまちづくりは、「モノづくり」に続く経済の柱になる「観光産業」確立のための、必須の事業であります。ことに岡崎市の将来を考えた時、絶対に重要な施策であると考えます。そして、中心部や工業団地で稼いだ財源を、全市域のすみずみまで届けることによって、先ほど申し上げました、防犯カメラや地域バスといった住民福祉の一層に充実につなげてまいりたいと考えております。
以上、本日は、現在岡崎市が取り組んでいる施策の一端をご紹介させていただきました。
こうした政策の究極の目的は、いつも口癖のように申しておりますが、岡崎の市民、殊に子ども達が自らのふるさとに対し、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる、そんな「夢ある新しい岡崎」を築き上げることであります。
市民の皆様に「岡崎に住んでよかった、ここに生まれてよかった」と心から実感していただけるよう、引き続き、福祉や医療、防災や教育といった基本施策の充実はもちろんのこと、さらなる魅力あるまちづくりに邁進してまいる覚悟です。
今後とも皆様方のお力添えをお願い申し上げまして、私の話を終了したします。ご静聴ありがとうございました。
| 固定リンク
最近のコメント