労働組合

2020年10月 4日 (日)

連合愛知三河中地協 市長との懇談会

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 9月30日(水)、連合愛知三河中地域協議会の「岡崎地区議会報告会」がシビックセンターで開かれました。連合愛知の皆様からお声がかかり、市政報告の機会を設けさせて頂きました。ご厚意に感謝申し上げます。
 当日お話した内容を掲載いたします。


 皆様、こんばんは。市長の内田康宏です。
 本日はこのような機会をいただきまして、本当にありがとうございます。また、4月には、市長選に向けて早々にご推薦いただき、改めて御礼申し上げます。
 さて、本年は2月以降、新型コロナウイルス対策に明け暮れる一年となっておりますが、岡崎市としては、今回の件を災害の一つとしてとらえ、初期の段階からできる限り素早く対応してきました。

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 これまで国、県と共同で総額470億円を超える財政出動を決定し、対応にあたっております。本日お見えの市議の先生方にも、毎月のように開催する臨時会等にご対応を頂いており、感染症対策や医療・検査体制の強化はもちろんのこと、市民生活の支援や事業者への支援などを決定し、各課題の解決に努めているところであります。
 今回のコロナ対策は、まずは感染症対策、そして経済対策がカギとなってまいります。さらに、本市では飲食・小売等の事業者支援として、総額18億円を超える、去最大規模のプレミアム付き商品券事業を実施しております。
 今回、特に打撃の大きな飲食業の支援のため、より大きなプレミアム率の食事券を設けるなど、市内経済の支援につなげたいと考え企画しましたが、食事券や商品券に対しまして、のべ7万人あまりの市民の皆様から、合計30万セットを超える応募がありました。ご応募いただいた皆様方に感謝申し上げますとともに、抽選の結果、落選、あるいは希望のセット数より少なくなってしまう場合もありますので、ご理解頂きたいと存じます。
 また、新生児を抱える世帯の経済的負担の軽減を目指す本市独自の施策として、特別定額給付金の期限を過ぎて生まれた子供を対象に1人10万円を支給してまいります。
 PCR検査機につきましても、豊田市と同じく2台目を導入し、1日80人の検査が可能となっております。幸い本市では、まだ検査数に余裕があります。いざという時には、国立研究所の機器もお借りできることとなっております。
 新型コロナウイルスの終息までは、まだしばらくかかるものと思われます。このところ、連続してクラスターが発生し、ご心配をおかけしておりますが、今後も、動向を注視しながら必要な対応をきちんと進めてまいりますので、皆様方の引き続きのご協力をお願い申し上げます。

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 さて、これで2期8年となる私の市政につきましては、皆様の御協力のおかけで順調に進んでおります。とりわけ、この7年間で、市税は70億円増加し、増え続けていた借金も100億円減らすことができました。これは、国や県との連携が良好であり、PFIにより民間の力を上手に活用できた結果であります。これからも、こうした強力体制をもとにしっかり努力を続けて参ります。

 そして先日、大変うれしいニュースが入ってきました。現在、日本には中核市と呼ばれる人口30万人以上の市が50市ほどありますが、その中核市における2020年版の住民幸福度ランキングにおいて、本市は全国3位となりました。これは単なる人気投票ではなく、33の項目を専門家によって客観的に採点した結果のものです。中でも「健全財政」、「人口増加率」、「出生率」、「一人当たりの所得の平均」、「選挙の投票率」など主要6項目の評価においては、なんと岡崎市が全国No.1でありました。
 このことは、健全財政を維持しながら、各施策をバランスよく進めてきたことが評価されたものとうれしく思っております。現在の政策を継承することにより、岡崎市はもうワンランク上の先進都市になれるものと確信しております。

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 安全・安心なまちづくりの取り組みとして、自動車のペダル踏み間違い防止装置の設置に対する補助制度やオレオレ詐欺などの特殊詐欺対策としての録音機の設置補助、そして、1000台を目標とした、市内全域への街頭防犯カメラの設置を進めているところであります。こうした取り組みを継続した結果、私の就任後の8年間で犯罪の発生が半減しております。

 子育て支援の取り組みとしまして、保育園の建設や増築を計画的に進め、保育の定員増を図ってまいりました。
 また、児童の放課後の居場所づくりとして、児童育成センターの増設や民間児童クラブへの補助を実施しております。現在、本市の放課後児童クラブの学区カバー率は100%となっております。

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 学校教育の現場においては、昨年の全小中学校へのエアコン設置に続き、今年度はタブレット端末の配備を進めているところであります。この8月に全中学生と小学6年生に「Myタブレット」を配備しました。年内には全小学生に1人1台のタブレット端末を配備予定であり、危機管理時においても安心して授業が可能となる、岡崎版GIGAスクールの実現を目指してまいります。
 医療体制の強化につきまして、この4月には、市民病院において、がんの診断・早期発見、で力を発揮するPET-CT検査装置を稼働させました。同じく4月には、手術支援ロボット、「ダビンチ」も導入しました。今回、機器の導入にあわせて手術経験の豊富な医師を招聘(しょうへい)したことにより、予定より早く、第1例目の手術を行っております。
 また、南部地域において本市が誘致し工事が進められていました「藤田医科大学 岡崎医療センター」が、この4月に診察を開始しました。こちらも「ダビンチ」や「PET-CT」など最新の技術や設備が設けられており、緊急の入院や手術にも24時間365日体制で対応されます。新病院の周辺では、新たな商業施設がオープンし、岡崎警察署や消防署・南分署の移転も計画されており、本市としてはアクセス性の向上や交通量の増加に対応するため、引続き、国や県と協力して接続道路や環境整備に力を入れてまいります。
 次に、高齢化社会を迎え、多くの地域でご要望をいただいているバス運行についてであります。これまで本市では、公民連携のもと民間事業者による路線運営が行われており、他市町と比較にならない程の多くの路線を維持してまいりました。
 藤川では買物バス、病院バスも運用されておりますし、加えて、これまで六ツ美中部学区で検討されてきました、本市初となる事前予約型の乗合送迎「チョイソコおかざき」がいよいよ明日から運行を開始いたします。
 今後も地域の状況を踏まえながら、地域バス等の運行を支援したいと考えております。

 また7月には、本市のスポーツ振興をになう新たな拠点、龍北総合運動場がグランドオープンを迎え、新たなスポーツの拠点として生まれ変わりました。長年、本市のアスリート達が待ち望んでいた全天候型の陸上競技場は、スタンド席と芝スタンドあわせて約5,000人の観客を収容できるものとなっております。また、硬式野球が可能な野球場、本市初となる人工芝のサッカー・ラグビー場、クラブハウスを備えた8面のテニスコートなども整備しております。

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 この施設を使った最初の大きな大会として、同じ7月に中学生の市長杯を開催いたしました。これは5月の中学総体のコロナウイルスによる中止決定によりがっかりしていた中学生の皆さんに、新たな挑戦と思い出作りの場を提供したいと願い、開催を決定したものであります。陸上競技場を使った種目において、6件の新記録が出ており、今後、新たに生まれ変わったこの運動場から全国、世界へ羽ばたくアスリートが誕生することを期待しております。
 また、地域の産業振興や雇用の安定に向けて、本市と致しましても大いに力を入れております。若者の就活支援をする若者おいでんクラブの設置や合同企業説明会の開催、復職希望の女性や事業者を対象としたテレワークの体験プログラムの実施など、各対象者に向けた支援を実施しているところあります。
 そして、本市のものづくりの拠点として、新たな工業団地、阿知和地区工業団地を2024年度の完成を目指して整備しているところであります。工業団地に隣接する、東名高速道路の阿知和地区へのスマートインターチェンジの開設も国からの認可を受け、現在、着々と準備を進めております。
 加えまして、地域で課題となっている通勤時間帯の渋滞緩和を図るため、3方向からのアクセス道路の新設も同時に行うことで、利便性の向上にもつなげてまいります。
 本市をはじめ、この地域の豊かさの根源は「モノづくり」であり、これからも変わらぬ支援を続けてまいりますが、岡崎市におきましては、次の時代に向けたもう一つの経済の柱として、岡崎独自の美しい自然と歴史的な文化資産を活(い)かした、「観光産業」の育成が重要であると考えております。
 そして、その第一歩となるのが、現在進めている「乙川リバーフロント計画」であります。
 今年の3月22日には新たな人道橋、桜城橋が開通いたしました。当日は規模を縮小して橋の開通式典を行い、あわせて橋から延びる中央緑道において徳川四天王の酒井忠次と本多忠勝の石像のお披露目も併せて行いました。残りの2体、榊原康政と井伊直政の像も年内には完成いたします。
 新たな橋は、地元産材の活用のひとつの象徴として、額田のヒノキをふんだんに使った木装の橋に仕上がっています。橋の基礎部分は鉄骨とコンクリートの頑丈な造りで、表装には板ではなく、12センチ角の木材を敷きつめてあり、災害時には緊急車両も通れる強度を備えています。この橋は、ただ渡るだけの橋ではなく、橋の上に電源や水栓が設けられ様々に活用できるものとなっております。今後は民間活力を導入して、橋上レストランや物品の販売などをできる施設を設けたり、橋詰広場にトイレ等を設置するなどしてまいります。

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 先日、整備された河川敷エリアでは、「おとがわびより」というイベントが開催され、桜城橋の上にも各種店舗やブースが設けられ、にぎわっておりました。また、リバーフロント地区内で、今年度になってから複数の飲食店や宿泊施設が新規に出店するなど、このエリアに対する魅力が増し、民間事業者からも、ここでなにかをやろうという機運が高まっていることをうれしく感じております。
 これまで常々申し上げてきたことでありますが、まちづくりはただそこに形を作って終わりというものではなく、それをいかに活用していくか、いかに新たなにぎわいにつなげていくかが重要なポイントであると考えております。これまで進めてきたまちづくりや道路などの基盤整備の結果、いまや本市は、全国有数の超一流企業から「投資したくなるまち」に選ばれる都市になっております。

 最近の事例で言えば、本宿駅周辺のアウトレットは三井不動産が開発し、市中心部のコンベンションホールに併設されるホテルは、三菱地所が自らの資金で建設が進められます。今後、コンベンションホールを含めた東岡崎駅周辺の再開発事業にも、そのノウハウや資金の投入を期待しております。
 いずれも、我が国トップクラスの不動産ディベロッパーであり、東京や大阪ではなく、この岡崎を「魅力的なまち」として評価し、投資していることに、たいへん大きな価値があると思っております。
 一部、「中心部ばかり」と言われる方もありますが、この取り組みは、あくまで、市の骨格となる中心部に、しっかりと稼ぐ力をつけてもらうことを目標としたものであります。これまで本市は、モノづくり産業から得られた豊かな財源を市域全体に配分することで、市民福祉の向上を図ってまいりました。これからは、それに加えて、商業や地場産業など、もっと幅広い方々が稼ぎやすい環境を創っていくのが私の使命と考えています。

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 そして、そのための仕掛けの一つが、現在進めている新しいシティホテルとコンベンションホールであります。河川敷などの整備やQURUWA戦略は目に見える形になり、皆様方にもその変化を実感して頂いているところでありますが、これに、新ホテルとコンベンションホールが加わることで、岡崎は、もっと稼ぎやすいまちになると確信しております。今までは、大きなイベントは市外に流れていましたが、コンベンションホールが完成すると、これまでとは逆に、外から消費者を取り込むまちに変わっていきます。
 例えば、ホテル事業に限定して考えたとしても、ひとりのお客さんが、1泊1万円のホテルに泊まり、5,000円の夕食をとり、八丁味噌や地酒、伝統工芸品など5,000円ほどの土産を買えば、それだけで、1人2万円を使ってもらえることになります。さらに余った時間に観光をしてもらうことで、バスやタクシーにも乗ってもらえますし、これから、名所旧跡も、もっと整備が進んでいきます。1,000人のイベントを市内に取り込めば、一晩で2,000万円以上を売り上げるまちになります。もちろんイベントが1000人などということはほとんどなく、その数十倍の効果を考えております。
 「観光産業」というのは、宿泊や食事、お土産、出版・印刷そして交通事業者まで広がる、裾野の広い産業であります。ここしばらくはコロナウイルスの影響があるものと思いますが、鎮静後を見据えたまちづくりは、「モノづくり」に続く経済の柱になる「観光産業」確立のための、必須の事業であります。ことに岡崎市の将来を考えた時、絶対に重要な施策であると考えます。そして、中心部や工業団地で稼いだ財源を、全市域のすみずみまで届けることによって、先ほど申し上げました、防犯カメラや地域バスといった住民福祉の一層に充実につなげてまいりたいと考えております。
 以上、本日は、現在岡崎市が取り組んでいる施策の一端をご紹介させていただきました。
 こうした政策の究極の目的は、いつも口癖のように申しておりますが、岡崎の市民、殊に子ども達が自らのふるさとに対し、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる、そんな「夢ある新しい岡崎」を築き上げることであります。
 市民の皆様に「岡崎に住んでよかった、ここに生まれてよかった」と心から実感していただけるよう、引き続き、福祉や医療、防災や教育といった基本施策の充実はもちろんのこと、さらなる魅力あるまちづくりに邁進してまいる覚悟です。
 今後とも皆様方のお力添えをお願い申し上げまして、私の話を終了したします。ご静聴ありがとうございました。

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2020年5月 6日 (水)

連合愛知との政策協定、推薦協力成る!

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 連合愛知三河中地域協議会と、市政の目標と政策課題について政策協定を締結しました。そして4月14日(火)に推薦決定書を頂き、4月21日(火)の執行委員会において正式に推薦が承認される運びとなりました。
 これで10月18日執行予定の市長選挙は、連合愛知の全面協力のもとに行われることになります。今回は対立候補陣営による「デマ宣伝」との戦いになることが予想されますので、改めてお一人お一人の皆様の口コミやSNSによる御協力をよろしくお願い申し上げます。

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2020年4月29日 (水)

連合愛知三河中地協・岡崎市長懇談会(2020年4月)

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 4月2日(木)、毎年恒例の「連合愛知三河中地域(なかちいき)協議会」の皆様との懇談会を開きました。昨年10月の要望書に対する回答を行いましたので御報告いたします。
 なお回答書の一部を写真で掲載しました。クリックすると拡大します。

―挨拶―
 皆様、こんにちは。市長の内田であります。
 連合愛知三河中地域協議会の皆様には、日頃から市政に対し、格別なご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
 現在、新型コロナウイルス感染症が国際的な広がりを見せており、企業や労働者の皆様にとっても予断を許さない状況が続いております。現在では保健・衛生のみならず国の医療制度、教育体制、経済までゆるがす事態となっており、より慎重で適確な対応を心がけてまいります。
 本市でも藤田医科大学岡崎医療センターにおいて感染者を受け入れるなど、ご心配をおかけしましたが、市民に感染を広げることなく完了することができ、安堵しております。
 地域の皆様への支援策につきましても検討を進めておりまして、市の信用保証料・補助制度の拡充などの対策を開始したところであります。
 このような中、昨日からは公共施設を再開し、小中学校についても春休み明けから再開します。引き続き、市中感染の拡大防止に向け、市民の命と健康を守ることを最優先に取り組むとともに市民生活や社会機能の維持に不可欠な業務は適切に継続してまいりますので、よろしくお願い致します。

 さて昨年度は、若き日の徳川家康公像が完成したほか、本市の玄関口である東岡崎駅、岡崎駅の駅前整備、さらには桜城橋が開通するなど、本市の新たな顔となるもが目に見えて形となってまいりました。おかげさまで市民にお約束した公約の9割が完成に向かっております。
 令和2年度につきましては、「市民生活を守り、さらなる賑わいを生み出す予算」と位置付け、皆様からいただきました要望事項にも配慮した予算編成と致しました。具体的には、産業政策として、阿知和地区工業団地ならびにスマートインターチェンジの整備を進めてまいります。
 また、児童育成センターの増設や、地域包括支援センターの人員の増加のほか、市内全域への防犯カメラの設置や自動車のペダル踏み間違い防止装置の設置に対する補助制度など、市民生活を支える基本施策の充実を図ってまいります。

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 そして、かねてよりご要望のありました公契約条例の制定につきましては、この4月1日から施行されました。引き続き労働者の皆様が安心して働くことのできる環境づくりに努めてまいります。新型コロナウイルス感染症対策については、今後も国の動向を見ながら県と共に対応してまいりたいと考えております。
 新年度においても、いつも申しておりますとおり、岡崎の市民、ことに子ども達が自らのふるさとに対し、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる「夢ある新しい岡崎」を築き上げるため、一層邁進してまいりますので皆様には引き続き変わらぬご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、私からの挨拶とさせていただきます。

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2019年11月 8日 (金)

連合愛知三河中地協・要望書提出懇談会(2019年10月)

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 今年もまた恒例の、連合愛知三河中地域(なかちいき)協議会の皆様との「政策要望書提出懇談会」を10月1日(火)に開催しました。御報告申し上げます。
 正式な回答は来年の予算編成終了時に行う予定です。

―挨拶―
 皆さん、こんにちは。市長の内田康宏であります。
 連合愛知三河中地域協議会の皆様には、日頃から、労働環境の改善や雇用の確保に努めて頂きますと共に、市民生活や地域社会の向上にご貢献いただくなど、本市の市政に対しまして、格別のご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
 私も市長就任以来、市民対話集会をはじめ、各種講演会や政策説明会など、「顔の見える民主主義」実現のため、様々な機会を捉えて、これまで380回以上にわたり、市民の皆様との対話の機会を重ね、市民の声を市政に反映する努力を続けてまいりました。昨年度からは、若い世代の声を聞こうと、高校生を対象とした市民対話集会を実施し、これまでに10校、本日午後に11校目の対話集会を行う予定です。

 さて、皆様のご理解とご協力のおかげをもちまして、これまで進めてまいりました各種事業も順調に進めることができております。
 現在、整備を進めております、乙川リバーフロント地区においては、7月には籠田公園がリニューアルオープンし、東岡崎駅につきましては、11月2日の北東街区のグランドオープンに合わせ、市民の皆様のご協力により、1億円を超える浄財を得て制作を進めております、高さ9.5メートルという、日本一の高さと偉容を誇る若き日の徳川家康公の騎馬像が、いよいよお披露目となります。
 さらに、来年3月には、桜城橋が完成するなど、いよいよその全容が目に見える形となってまいりました。
 しかし、これらの事業は、形ができただけで終わりとするのではなく、これからが新たなステージの始まりであると考えております。できたものに命を吹き込み、新たな賑わいを創出していくことこそが重要であり、そのためには、皆様のお力添えが不可欠でありますので、引き続きのご協力をよろしくお願いいたします。

 また中心市街地に偏ることなく、昨年度、額田地区においては「額田センター・こもれびかん」を開設致しました。また、各種、山間地活性化事業も進めております。
 そして市南部においては新総合病院の建設やJR岡崎駅周辺の整備、ことに道路事業には力をこめております。さらに東部ではアウトレットモール誘致と本宿駅周辺の区画整理事業に着手しております。
 加えて、北部では、経済界待望の「阿知和地区・工業団地」やスマートインターチェンジ事業も、間もなく実施の段階に入ってまいります。スマートインターについては、9月27日に正式に事業認可が決定いたしました。

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 このように、市域全体の地域特性やニーズに沿った、将来を見据えたまちづくりを進めると共に、全国で頻発しております自然災害への対応や、今年度実施しました小中学校へのエアコン設置など、必要な事業に適切に対応してまいります。
 これからも引き続き、岡崎市民、ことに子ども達がふるさと岡崎に対して、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる「夢ある新しい岡崎」を築き、誰もが訪れたい、住んでみたいと思うまちづくりを目指してまいりますので、一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、私からの挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いします。

―要望に対するコメント―
 本日は、来年度に向け、各分野にわたる要望を頂戴しましたが、私からは、本年度の取り組みについて、いくつか報告させていただきます。

1.「産業・雇用・労働政策」
 地域の産業振興や雇用の安定は、地域経済の成長や活性化の最も重要な要素であることから、市と致しましても大いに力を入れているところであります。
 特に、この地域におきましては、ものづくりの拠点として、阿知和地区・工業団地の造成について、多方面からご要望をいただいており、2024年度末の分譲を目指し、整備を進めております。
 併せて、阿知和地区・工業団地へのアクセス道路を整備し、交通渋滞の緩和を図るほか、スマートインターチェンジの設置が、国の管轄で進められていくことが決定いたしましたので、今年度は、事業用地の確保及び周辺道路の予備設計に、取り組んでいるところであります。
 「観光産業」につきましては、多分野に経済効果をもたらすことから、かねがね、岡崎の経済のもう一つの柱として、育て上げてまいりたいと考えております。
 そこで「岡崎観光お土産品づくり推進プロジェクト」といたしまして、「岡崎に来たら誰もが買っていくお土産」づくりを目指した、認証制度を開始いたしました。

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 今年度は7品目を認証し、観光みやげ店などで販売を開始しております。また、今年度、ファミリーマート並びにセブンイレブンの2社のコンビニエンスストアとも協定を締結しており、今後は市民や来訪者が手軽に購入できるよう、販路拡大も進めてまいります。
 そして、経済界からも強い要望をいただいております、コンベンション施設の整備とホテル誘致につきましては、9月には募集要項を公表し、いよいよ公募の段階へ入り、今年度末には事業者が選定される予定です。開業は2023年4月を予定しております。
 乙川と岡崎城という、本市の魅力的な景観の中で、リバーフロント地区の他の事業と連携した、岡崎ならではの施設として、多くの方にご利用いただけるものと期待しております。

2.「男女平等政策」
 本市では、職業生活と家庭生活の円滑で継続的な両立を可能とするため、ワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んでいるところであります。
 こうした中、7月にはテレワークを推進するイベントとして、「エンパワードジャパン2019 in 岡崎」を開催致しました。女性と事業所の双方を対象とした、テレワーク・体験プログラムの実施を通じて、時間や場所にとらわれないテレワークを提案することで、働くことへの意識啓発や、育児・介護による離職防止を目指してまいります。

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(Empowered Japan 2019 in OKAZAKI。2019年7月12日開催)

 また、子育て施策につきましては、本日から「幼児教育・保育の無償化」がスタートしました。すべての子どもが健やかに成長するように支援するもので、主に、3歳から5歳までの幼稚園、保育園、認定こども園などを利用する子どもたちの利用料が無償化されます。非常に多くの方に関わる、大きな制度改正でありますので、引き続き、円滑な新制度への移行に努めてまいります。
 また、放課後や長期休業・期間中における、児童の安全・安心な居場所を提供するため、新たに7学区で「放課後・子ども教室」を開始し、市内全学区での実施が実現しました。
 病児保育につきましても、市内の小児科医から開設のお申し出をいただきましたので、国の基準に基づき、施設整備・運営に関する補助を行い、9月に開設いたしました。

3.「福祉・社会保障政策」
 高齢者福祉における重要な課題であります「介護職員の確保」に対しましては、昨年度から資格取得研修・受講料の補助を行っているところでありますが、新たな取り組みといたしまして、介護職の魅力向上、新規就職を促進するために、介護事業所と連携した「岡崎市福祉フェア」を6月に開催し、さらに11月にも開催いたします。
 また、地域包括ケアシステムの充実といたしまして、高齢者が住み慣れた地域の中で、必要に応じた生活支援を一体的に受けられるよう、業務を拡充し、支援を継続してまいります。

4.「教育政策」
 昨年度から進めてまいりました、小中学校へのエアコン整備につきましては、6月末までに全ての小中学校に設置を完了することができました。また、子どもの貧困対策事業といたしまして、生活困窮世帯への学習支援事業を行ってまいりましたが、今年度は支援対象世帯を拡大し、より多くの児童・生徒に支援が行き届くよう、体制を充実させてまいります。

5.「環境・エネルギー政策」
 地球温暖化・防止策としましては、今年度も太陽光発電など住宅用・地球温暖化・対策設備の設置に対する補助金や、電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車などの次世代・自動車の購入に対する
補助制度を設けておりますので、ご活用いただきたいと思います。また、市域の6割を占める森林資源の活用と、木材利用の促進のため、林業の活性化・6次産業化についても検討を進めてまいります。
 特に、市の公営施設の内容、公園の施設整備に木を使って参りたいと考えております。

6.「まちづくり政策・消費者政策」
 本年も、全国で災害が相次いでおり、改めて災害対策の重要性を認識しているところであります。
 特に、発生が懸念されております、南海トラフ地震などの大規模地震への対策と致しましては、倒壊の危険性がある、耐震基準を満たさない住宅やブロック塀などの、除却・撤去費用の補助制度を設けております。
 また、安全・安心なまちづくりといたしまして、竜美丘学区に簡易設置型・防犯カメラを50台設置し、7月から運用を開始いたしました。当該カメラの設置は、県警本部が他の地域において既に実施し、高い効果を発揮していると聞いており、本市においても同様の効果を発揮するものと期待しております。さらに今後は、市内全域で1000台の設置を目標に、事業を進めてまいります。この事業を行うにあたり、広く市民の皆様に寄附を募り、より安全で安心なまちづくりを実現したいと考えております。
 そして、本日から消費税が10%へと引き上げられます。
 これに合わせて、市民税・非課税者・子育て世帯の消費に与える影響を緩和するとともに、地域における消費を喚起・下支えするため、市民税・非課税者と子育て世帯主を対象者に、市内の店舗で利用できる、25%のプレミアム付き商品券を、本日から発行しました。
 また、キャッシュレス決済によるポイント還元も実施されます。キャッシュレス決済は、今後益々・多様化するライフスタイルへの対応や、観光産業都市を目指す上では、有効な手段の一つであると考えています。こうした時代の流れに即して、本市と致しましても、事業者側、消費者側の双方への喚起を図ることが必要と考えています。

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 そこで、11月に開催されます、秋の市民まつりにおきましては、岡崎信用金庫をはじめとした金融機関のご協力をいただき、キャッシュレスの体験ブースを設ける予定としています。

7.「行財政改革」
 昨年度から検討を進めております公契約条例につきましては、6月に条例案についてのパブリックコメントを実施いたしました。
 いただいたご意見等を参考に、制定に向けてさらなる検討を進めているところであります。また、権限移譲につきましては、愛知県が定めた中核市への移譲可能事務・88件のうち、すでに80件の事務について移譲を受けています。
 今後も、県内他市の状況を注視しつつ、市民サービスの向上につながる事務の権限移譲・受入れについて、検討を行います。
 なお、私は、今年度から中核市市長会の副会長に就かせていただいております。こうした機会を活かして、地方の声を国に届けることで、より現実的な地方分権を図ってまいりたいと考えております。
 以上、今年度の取り組みを報告させていただきました。
 本日いただきました要望に対しては、次年度の予算編成を終えたのちに、正式に、書面で回答させていただきます。
 私の目指します「夢ある新しい岡崎」の実現には、皆様方のご協力が不可欠であります。そのためにも、本日のように皆様からのご意見を伺う機会を継続すると共に、必要な支援もしっかりと行ってまいりたいと考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。私からは以上です。

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2019年6月 9日 (日)

連合愛知三河中地域協議会における市政報告

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 6月3日(月)、日頃、市政運営に大きな御理解と御協力を頂いている「連合愛知三河中地域協議会」の幹部、代表者の皆様方と市政についての対話集会を行いました。
 当日は市政報告の後、各出席者からまちづくり、防災、道路建設、渋滞問題、公共交通等について中身のある意見交換の場をもつことができ、感謝申し上げます。
 以下は当日の市政報告の内容です。


 皆様、こんばんは。市長の内田康宏です。
 皆様方におかれましては、市政運営に対しまして格別のご理解とご協力をいただいておりますことに改めて感謝申し上げます。また、このたびは私の市政報告の時間をいただきまして、ありがとうございます。
 このように自ら市民の皆さんのところに出向き、直接語りかけるというのは、顔の見える民主主義を標榜しております私独自の政治手法でありまして、市長就任以来、これまでに市民対話集会をはじめ、各種講演会や政策説明会として繰り返してまいりました。

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 昨年からは高等学校でも行い、時には小中学校に出向くなど、様々な機会を捉えてこれまで360回以上にわたり、映像と共にこうした市政についてお話をさせて頂いております。今回もそうした1回であります。
 本日は最新の内容となっておりますので、どうぞよろしくお願いします。

 さて、私が市政を担当させていただきまして、これで7年目を迎えております。
 これまで皆様方をはじめ、多くの方々のご理解とご協力のおかげで各事業を順調に進めることができました。物事が達成されるには、天の時、地の利、人の和が必要であると言われますが、まさにこうしたものを得て、当初の公約の9割方が完成に向かっていることを感謝しております。
 また、幸いなことに、現在、岡崎市を含むこの地域の産業構造は堅調であります。日本中の多くの地方都市が人口の減少と財政難で四苦八苦している中、愛知県の工業製品出荷額は46兆8,000億円と、全国で断突の1位であります。それも、ここ40年ほど連続して1位であります。
 しかも、2位の神奈川県が17兆9,000億円、3位の大阪府が16兆8,000億円である中、驚くことに、岡崎市と豊田市と安城市の3市だけで19兆円を超えております。
 まさにこの地域は日本の産業の中枢を担っており、「ものづくり」によって豊かな地域が支えられていることがわかります。トヨタ自動車の豊田章男社長自らが、これからの産業構造の変化を予言してみえますので、油断はできませんが、まだしばらくは現在の「ものづくり」の体制は続くと考えております。

 本市の経済の柱であります「ものづくり」にはこれからも変わらぬ支援を続けてまいりますが、岡崎市におきましては、これに加えてもう一つの経済の柱として、本市独自の美しい自然と歴史的な文化資産を活かした、「観光産業」の育成が重要であると考えております。
 殊に観光産業は観光に従事している方だけではなく、印刷や食べ物など他の分野への波及効果も大きいものであり、その進展に力を込めております。
 そのための第一歩となるのが現在進めております、乙川リバーフロント地区の整備であります。事業を始めて以来、皆様方をはじめ多くの方々のご理解とご協力のもと着実に整備が進み、今や乙川河畔が生まれ変わりつつあります。

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 この春には、人道橋の名称と、橋から籠田公園に向かう通りの愛称が正式に決まりました。
 橋は「桜城橋(さくらのしろばし)」と名付けられ、通りは、「天下の道」となりました。これは共に市内の中学生から提案頂いた名前であります。今回、市民の皆様をはじめ全国から応募いただいた4000件もの名前を、夏の生徒市議会からの提案を採用して、市内の中学生に選考していただき、選ばれた各5つの名称を、ふたたび市民の皆様の最終投票により決定したものであります。

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 現在、各施設の整備がいよいよ大詰めを迎えているわけでありますが、残念ながら未だに橋に100億もかかると誤解されている方がお見えになります。先日、偶然乗ったタクシーの運転手さんから「どうして橋に100億もかけるんですか」と言われガックリきてしまいました。これは一部の政党が意図的に流したデマ情報の影響であります。
 実際には東岡崎駅前のペデストリアンデッキや乙川河川緑地、籠田公園、中央緑道など中心市街地の整備の事業の総額が99億7千万円であります。しかもこの半分近くが国の特別交付金によって事業が進んでおり、この点が我々の努力の成果であると思っております。
時に、特別待遇と言われますが、今年度も交付金は満額回答をいただいており、この事業全体の有用性がしっかりと国から認められている結果であると思っております。
 橋自体は約22億円でありまして、これも決して安い金額ではありませんが、ただ渡るだけの橋ではなく、このエリアに新たな賑わいを生む拠点の一つにしたいと考えております。橋の表面や手すりなどに岡崎産のヒノキを使用した木装の橋として仕上げてまいります。
 また、橋の上には電源設備を設けるほか、民間の方からの要望に応え、屋根を取り付けられるような整備をしてまいりたいと考えております。こうすることで、橋の上でカフェや物品の販売など、天候を気にせずにできるようになります。すでに農協さんなどに、地元産野菜や果物の販売などをお願いしていることころであります。

 また、桜城橋から籠田公園の整備ではすべての世代が楽しくすごせる公園環境をつくり出すとともに、安心してその場所を歩いていただき、休憩やくつろげる場所を提供していきたいと考えております。併せて、イベントなど様々な用途に使えるよう電源設備や水道を整備するほか、欧米の公園のようにキッチンカーの乗り入れもできるようにしてまいります。

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 さらに通り沿いには岡崎の石工職人の腕と力を存分に発揮していただいた徳川四天王の石像も配置してまいります。この石像は、それぞれの武将が持つ歴史的エピソードを再現したものであり、完成後にはスマートフォンなどをかざすと4,5か国語の多言語の案内が聞けるようにしたいと考えております。
 この石像はすでに完成しており、緑道の完成に応じて設置する予定です。
 これらの整備については、決してこのエリアだけが良くなればいいというものではなく、有効なものは市内に250ほどある公園整備等で、地元の意向もふまえながらそれぞれの地域に合った形で取り入れていきたいと考えております。

 先日、籠田公園の工事の進捗を見てまいりましたが、木装風のひさしが多く設けられ、温かみのあるLED照明も設置されていました。この照明は家の中でくつろげる程度の明るさとのことで、本なども十分読めそうなほど明るいものとなっていました。他の町で同様のものを作ったところ、夜は受験生が集まっているそうです。

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 併せて、暑い日に子供が遊べるような噴水も設置してまいります。この写真は私がフランスで見たものであり、市街地の一角に設けられていたものです。この噴水周辺には柔らかいゴムチップを敷き詰め、登って遊べる丘も設けます。
 手前のテーブルや椅子から子供の遊ぶ姿を見ていられますし、一日中、快適に公園をご利用いただけるようになるものと期待しております。そして、この公園の整備には額田の木材も使うことで、山林の整備につなげていきたいと考えております。山林の整備は防災にもつながりますし、豊かな海をつくることにもなります。
 今回のリバーフロント計画は、ただ形を作って終わりではなく、出来上がった空間をいかに活用してまちのにぎわいを生み出すかということが一番のポイントであると考えております。そうした意味で、これからが本番だと思っております。

 ただ今、リバーフロント地区内の豊富な公共空間を活用してエリアの活性化を目指す公民連携プロジェクト「QURUWA戦略」に取り組んでいるところであります。これは、名鉄東岡崎駅を出発点として、桜城橋、籠田公園、りぶら、岡崎城、乙川河川敷までをめぐる動線がアルファベットのQの字になること、そして、この動線が岡崎城の外周、すなわち総曲輪に重なることからこれらをかけて「QURUWA(くるわ)」と名付けたものであります。

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 現在、このエリア内では、公共空間を利用したさまざまなプログラムを実施いたしまして回遊性など検証する社会実験や、乙川の豊かな水辺空間で楽しみ、新たな賑わいの創出を目指した「おとがワンダーランド」などが実施されております。
 さらに、乙川に直径約8cmのLEDボールを流し川面を青く染める中部地区最大級の光の祭典「岡崎泰平の祈り」などの事業を官と民で連携して取り組み、これまで4年間、まちの賑わいを生み出す活動に取り組んできたところであります。
 中には、泰平の祈りが縁結びの機会となり、「結婚できました」とお礼を言われることもありました。殊に、泰平の祈りは毎年大変な人出であり、今年からより多くの来場者にゆっくり楽しんでいただけるよう、実施エリアを拡大する予定であります。
 本当は吹矢橋からと言いたいところですが、本年は明代橋から桜城橋、殿橋をくぐるようにしてまいります。ちょうど今までの倍の長さとなり、より多くの方に楽しんで頂けるものと思います。

 さらに今年度からは、「コンベンション施設・整備業務」として、「太陽の城跡地」を有効活用し、公民連携によるコンベンション施設の整備や、ハイクラスの民間ホテルの誘致を進めるにあたり、この秋より事業者の募集を行ってまいります。
 これまで商工会議所はじめ、ロータリークラブやライオンズクラブ、医師会の皆様など本当に多くの方から、「岡崎で大きな会議や式典ができない」「大事なお客さんを招待できない」との声をいただいてきましたが、この施設ができることで、そうした要望にもお応えできるものと思っております。
 また、乙川リバーフロント地区の西側に隣接する、名鉄線路下流のテニスコート、ローラースケート場を再整備し、加えて、多目的広場、駐車場などの整備に取り掛かってまいります。これをすべて臨時駐車場として使うと、約400台の車が止められるようになり、桜まつりの渋滞緩和や乙川河畔のさらなる利用促進につながるものと期待しております。市内には多くの民間駐車場がありますが、臨時駐車場として大型イベント時のみの使用ですので競合の可能性は避けられるものと思います。また、駐車場の総合的管理とパネル表示による利便性の向上を考えています。

 次に東岡崎駅周辺の整備についてであります。
 駅の北側では、この秋からお使いいただけるよう中央デッキの工事が進められております。このデッキの上には、市民の皆様方からのご寄付を頂いた1億円を超える浄財を得て、「若き日の家康公」のブロンズ製の騎馬像がお目見えします。

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 この像を手掛けていただいているのは、日本のブロンズ像制作の第一人者であり、日展の審査員でもある神戸峰男先生であります。
 この像は台座も含めて高さ9.5mという日本一の高さと威容をほこる騎馬像となります。完成後は、駅のホームや名鉄電車の窓からも見ることができ、間違いなく岡崎の新たなシンボルになると思っております。
 さらに、このデッキの先では、乙川河畔という絶好のロケーションを活かした9階建ての新しいホテルや岡崎にはこれまでなかったようなおしゃれなカフェやレストランが入った施設「オト リバーサイドテラス」の工事が着々と進んでおります。この名称ですが、乙川の「乙」とJAZZの街に響く楽器の「音」に由来するとのことであります。

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 この新たな商業施設は、今月より駐輪場がオープンしたのを皮切りに、9月には立体駐車場やホテル、一部店舗が順次開業し、11月2日にグランドオープンを迎えます。これら店舗は、夜間まで営業しているということで、私も楽しみにしております。
 先日、国のお役人を案内して現地視察してまいりましたが、像を背景に乙川の流れと岡崎城、夕陽を臨む風景は、一幅の絵のようでした。このエリアは今後、さらに快適で魅力的な駅前空間として大きく変わってまいりますので、大いにご期待ください。

 そして、本市の観光の起点となります岡崎公園でありますが、これからは家康公生誕の城にふさわしい史跡として再整備をしてまいります。
 特に、公園内にある戦国期から江戸時代にかけて整備された堀や石垣は、専門家が見ても歴史的価値の高いものであり、岡崎城の最大の売り物であると思っております。ただ今、可能な限り当時の様子が分かるような城跡整備を進めているところであり、その第一歩として、これまで菅生川端石垣をはじめ、岡崎公園とその周辺で発掘調査を実施してまいりました。

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 昨年9月には、天守台石垣の発掘調査で、徳川の家紋である三つ葉葵の金箔瓦が発見されました。これは名古屋城に続き全国で2例目であり、岡崎城と徳川家の強い関りを示す大変貴重な歴史的資料であるとのことであります。現物を見ると、「よく判ったな」と思うほど微妙なものであり、目利きの学芸員のお手柄であります。
 また名古屋城と同様に、岡崎城についても遠からず、延命か建て替えか、はたまた木造か鉄筋かという問題に直面する時がまいります。旧家の多い本市であります。倉庫やお蔵の中からこれはと思う資料などを見つけられましたら、ぜひ、その情報を市までお寄せください。

 また、岡崎市にはお城以外にも徳川家ゆかりの寺社仏閣をはじめ、歴史ある建造物が数多くあります。市民の方にもあまり知られていませんが、国の文化財指定の施設だけで13あります。なんとこれは名古屋と同数です。
 これら施設、とりわけ宗教関係の建物に対して、行政では文化財に指定されてないと保存・修理などの手助けをすることが難しい状況にあります。さらに、特定の宗教法人に対する支援であると、議会からも反対の声も聞かれます。この課題に対応するため、今後、民間と協力して支援する組織・財団を立ち上げるなど、何らかの形で支援できる仕組み作りを検討してまいります。
 そのような中、滝山寺の隣にある日吉山王社(ひよしさんのうしゃ)の修復において、地元や民間企業の皆様がNPO法人を立ち上げ、修繕費を募っているとのことであります。民間からこのような動きがあることを大変心強く感じているところであります。

 そして、これらの事業以外にも、岡崎市内各地において多くの事業が動き出しております。
 まず、市の北部では、愛知県から移管を受けた、旧 県営グラウンド、龍北総合運動場の整備がはじまりました。今回の整備では、1,000人収容のスタンドを持ち、最大で5,000人が入ることのできる第3種公認の陸上競技場を整備することをはじめ、本市初となる人工芝をはったサッカー・ラグビー場や硬式野球のできる野球場を設けるなど、これまで以上に使いやすい施設としてまいります。

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 来年、2020年7月に全面供用開始予定ですので、ご期待ください。また、かつてあった流水プールのように、親子で一日楽しめ、フード・コートをもつ大型プール、できれば砂浜やヤシの木、夜間照明を持つ施設を民活により実現したいものと考えております。

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 商工会議所はじめ、各民間事業者からの強いご要望を多くいただいております、新たな工業団地、阿知和地区工業団地を2024年度の完成を目指して整備してまいります。
 併せて、東名高速道路の阿知和地区へのスマートインターチェンジの開設に向け、着々と準備を進めているところであります。先日も国へスマートインターチェンジの開設に向けた要望会に行ってきたところであります。さらに、個別の企業による移転計画にもなるべく柔軟な対応をとってゆきたいと考えます。

 そして、南部地域におきましては、本市の南の玄関口でありますJR岡崎駅前の再開発事業が進んでおります。
 駅の東口では、昨年、新たな顔となる商業施設「ララシャンス岡崎」がオープンし、駅前の「出会いの杜公園」も整備されました。この公園は、イベントなどで利用できる電源設備を設けており、地元の協議会の方々を中心に定期的なマーケットが開催されるほか、夏祭りをはじめ各種イベントが実施されております。
 この秋には駅と公園をつなぐペデストリアンデッキも完成するほか、駅の西口においてもこれから整備に取り掛かってまいります。

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 また、市民待望の藤田学園の新大学病院につきましては、24時間365日の救急医療に対応し、市民病院の2/3の規模となる、22の診療科と400床の病床を持つ総合病院が来年、2020年4月の開院を目指して整備が進められております。藤田学園としても三河地域への初の進出であり、エース級の医師と新型の手術支援ロボット「ダビンチ」をはじめとした最新の医療設備を投入するという、大変強い意気込みで取り組んでいただいております。
 高齢化の時代を迎え、循環器系の疾患が増えています。脳や心臓の病気の発症に対しては、時間との戦いになります。そうした意味でも南部にとって大きな安心となると考えられます。

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 また、この大学病院の隣接地には、藤田学園監修の健康器具を備えた周遊コースをもった、駅南中央公園を整備してまいります。この公園は非常時には、ヘリコプターも発着場所としても利用できるものであります。
 さらに、スーパーやホームセンターなど各種商業施設の進出も決まり、岡崎警察署もこのエリアへの移転に向けて動き出しております。
 この事業は市民はもちろんのこと、周辺地域からの期待も高く、本市といたしましても、接続道路や環境整備に力を入れているところであります。

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 これからこの周辺はさらに大きく変わってまいります。まちづくりの専門家からは、行政の大切な役割として「まちが変わってゆく」という空気をつくることと言われています。それができれば、あとは民の力で自然に進展してゆくということです。今まさに南部がそのサイクルにあると思っております。
 また、新病院の誕生により、これまで以上に高度医療に特化できるようになる市民病院につきましては、愛知病院との合併によりさらに進んだ病院となるよう、PET-CT検査機の導入などの施設整備を行ってまいります。

 次に矢作地区におきましては、矢作川右岸南北道路をはじめとしたいくつかの道路計画を進めてまいります。南北道路につきましては、昨年度に引き続き用地の取得などの調査を進めていくほか、一部区間では工事に取り掛かってまいります。
 また、JR西岡崎駅においてエレベーターを設けるなどのバリアフリー化の推進を支援しているほか、現在検討を進めている2つの新学校給食センターのうち、1棟を矢作に作る方向で担当部局と調整しております。
 そして、本宿駅周辺では民間事業者によるアウトレットモールの進出計画が進展しています。先般、地元の方々を中心に周辺の区画整理を進める団体が建ち上がりました。数年のうちに、アウトレットモールも工事に入りますし、周辺の区画整理も始まる予定です。この事業が実現すれば、2000人規模の雇用が見込まれており、東部だけでなく、額田を含む広い地域の活性化に対して大きなインパクトがあることから、本市としても地元の方と協力しながら、積極的に事業の推進に努めてまいります。

 また、市域の6割を中山間地とする本市では、東部から額田地域を中心とした中山間地域の活用についても検討を進めてまいります。市街地からほど近くにある豊かな自然を活用した、民間資本による同一市内で完結できる中山間リゾートができないものかと考えているところであります。人口減少対策として、まず、山の生活を味わい楽しんでもらえるためのものであります。

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 また、この4月より、国の「森林経営管理制度」が始まりました。本市におきましても、まずは本市の森林の状態を改めて確認するための実態調査を行ってまいります。その結果を踏まえて、行政として森林の適切な管理と林業の支援に努めてまいりたいと考えております。

 これらあらたな事業を着実に進めるためには、まず、組織の活性化をはかる必要があります。これまで取り組んできた組織改正に加えて、若手職員の活用や女性職員の幹部登用に力を入れているところであります。
 殊に、女性は決定した方針を生真面目に遂行しようとする点を評価しております。今年度の管理職に占める女性職員の比率は女性部長2名、女性課長12名をはじめ全体として27.8%となり、これは県下でもトップクラスであると自負しております。
 今後も引き続き、女性の活躍できる環境作りを率先して進めていきます。
 さらに、昨年夏の猛暑を受け、本市では西三河各市に先駆けて小中学校へのエアコン設置を進めてまいりました。この6月末までに全小中学校への設置してまいります。本事業が遅滞なく実現できましたのも、他の事業が順調に進み、国庫補助による財政的な余裕ができたからでもあります。
 これに加えまして、昨今問題になっている先生の働き方改革にも取り組むことで、子供たちにとっても、先生にとっても快適で効率的な学習環境が提供できるよう努めてまいります。

 いよいよ「令和」という新たな時代が始まりました。岡崎市におきましても、本日ご紹介した施策を着実に進めることで、この1~2年でさらに大きく変わってまいります。
 こうした政策の究極の目的は、いつも口癖のように申しておりますが、岡崎の市民、殊に子ども達が自らのふるさとに対し、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる、そんな「夢ある新しい岡崎」を築き上げることであります。
 引き続き次の100年を見据え、福祉や医療、防災や教育といった基本施策の充実はもちろんのこと、さらなる魅力あるまちづくりに邁進してまいる覚悟です。一部政党は、あたかも私が福祉や教育をないがしろにして、多くの事業を推進しているようなことを言いますが、岡崎の福祉や教育は、全国でも上位にあることを報告しておきます。
 今後とも皆様方のお力添えをお願い申し上げまして、私の話を終了したします。ご静聴ありがとうございました。

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2018年10月13日 (土)

連合愛知三河中地協・要望書提出懇談会(2018年9月)

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 台風の近接する気ぜわしい時でありましたが、本年も「働く者の代表」として日夜御尽力頂いている連合愛知三河中地域(なかちいき)協議会の皆様から新年度予算に向けての御要望を頂きました。9月27日(木)、意見交換を行うことができました。
 納税者・市民に心から喜んで頂ける、より効果的な施策を行うためには多くの皆様からの多様で率直な意見に耳を傾け、検討してゆくことが必要であると思います。
 なお、正式な回答は来年の予算編成終了時となります。

―挨拶―
 皆さん、おはようございます。市長の内田康宏です。
 連合愛知県三河中地域協議会の皆様には、日頃から岡崎市政に対しまして、格別のご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。また、労働環境の改善や雇用の確保に努めていただいておりますと共に、市民生活や地域社会の向上にご貢献いただき、心より感謝申し上げます。
 私も市長就任以来、「顔の見える民主主義」を唱え、これまで市民対話集会(50回)、各種講演会、政策説明会など様々な機会を捉えて、300回以上にわたり市民の皆様との対話を重ねてまいりました。今年度からは各高等学校でも行っております。先日、民政クラブの先生方にもお話をさせていただきましたが、もし機会を頂けるならば、各組合員の皆様がお集まりになる際に可能な時間の範囲で、市政報告ならびに質疑を行わせていただきたいと考えておりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。

 さて、皆様のご理解とご協力のおかげをもちまして、これまで進めてまいりました各種事業も順調に進めることができております。
 現在着々と整備が進む乙川リバーフロント地区をはじめ、東岡崎駅やJR岡崎駅周辺整備、さらには大学病院や龍北総合運動場の整備に加え、阿知和地区の工業団地やスマートインターチェンジの整備が進んでまいります。
 こうした岡崎のまちづくりは様々な分野で高い評価をいただいておりまして、今年の3月末には、岡崎市が新たに国の地方再生モデル都市に選定しました。これは地域の稼ぐ力の向上など、公民が連携し、まちづくりを進めているまちを国が短期的・集中的に支援する制度でありまして、このたび本市のQURUWA戦略が評価され、今年度だけで12億円、うまくすると3年間で20億円を超える多額の補助金が別枠で頂けることとなりました。
 さらにモデル事例として全国的に紹介されることで情報発信力が高まり、民間事業者の参画が促進されることなども期待できます。そして何より国からの補助のおかげで、他の事業に回せる予算が増えることをありがたく思っております。
 また、先日東京で行われました「行きたいまちNo.1」を決定するイベント「全国ふるさと甲子園」におきまして、全国から55の地域が参加する中、岡崎市が初出場にしてグランプリに輝くことができました。
 そして愛知県市長会の折にわかったことですが、総務省からの講師が持参した資料によれば、西暦2040年においても人口増を保っているのは県下の30万以上の都市で岡崎市のみでありました。

 このように、今後も将来を見据えたまちづくりを進めると共に、近年の異常気象に対応し小中学校へのエアコン設置や、全国で頻発しております自然災害への対応など、必要な事業に適切に対応してまいります。
 これからも引き続き、このまちに生まれ育った子ども達が自らのふるさと岡崎に対して、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる「夢ある新しい岡崎」を築き、誰もが訪れたい、住んでみたいと思うまちづくりを目指してまいりますので、一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、私からの挨拶とさせていだきます。本日はよろしくお願いします。

―要望に対するコメント―
 本日は来年度に向け、各分野にわたる要望を頂戴しましたが、私からは本年度の取り組みについていくつか報告させていただきます。

1.「産業・雇用・労働政策」
 地域の産業振興や雇用の安定は、地域経済の成長や活性化の最も重要な要素であることから、市と致しましても大いに力を入れているところであります。
 ものづくりの拠点であります、この地域におきましても社会構造の変化の中で製造業を取り巻く環境は変化してきております。それに応えるためには技術力を高める必要があり、多くの企業が新製品や新技術の開発、既存製品の高付加価値化に取り組んでいただいているところであります。

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 こうした取り組みを岡崎から全国に向けて発信し、販路拡大や人脈形成を図るきっかけの場として、7月には「ものづくり岡崎フェア」を開催いたしました。
 また、地域経済を担う市内のものづくり事業所への支援制度と致しまして、今年度も「岡崎市ものづくり支援補助金」の制度を設けておりますので有効にご活用いただきたいと思います。
 さらに、多方面からご要望をいただいております阿知和地区工業団地につきましては、造成に向けた調査を進めてまいります。
 併せて、東名高速道路の阿知和地区では国の準備段階調査に決定されたことを受け、スマートインターチェンジ開設に向けた準備会を設立し、今年度は周辺道路整備計画の策定に取り組んでいるところであります。

2.「観光産業」
 「観光産業」は多分野に経済効果をもたらすことから、岡崎の経済のもう一つの柱として育て挙げてまいりたいと考えております。
 そこで今年度は、新たな「岡崎の観光土産」づくりの支援や、市内の寺社などと連携しての体験事業など、岡崎ならではの観光プロモーションを展開してまいります。
 さらに、今年は観光ポスターをきっかけとしまして、民間事業者の皆さんと一緒になり、岡崎市出身のマルチクリエイターであります、内藤ルネ氏のイラストを使ったプロモーションを進めています。

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 内藤ルネ氏は1950年代から60年代にかけ、少女時代の表紙や挿絵で人気を博し、本市の観光ポスターになった「ルネガール」や「ルネパンダ」を生み出し、日本のポップカルチャーを開拓、確立させたことから、「ルーツ・オブ・カワイイ」と呼ばれております。
 7月末から行われた「岡崎城下 家康公夏まつり」においても、各会場でイラストが飾られたほか、南公園や道の駅藤川宿といった市の施設をはじめ、イオンモール岡崎やNEOPASA岡崎などの民間施設など、様々な場所で「カワイイに出会えるまち、オカザキ」として展開しています。当時を知る年代の方には懐かしい、また若い世代の方には新しい岡崎の魅力として、今後もシティプロモーションのポスター等への起用のほか、様々な場所で活用してまいります。

3.「男女平等政策」
 職業生活と家庭生活の円滑で継続的な両立を可能とするため、ワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んでいるところであります。こうした中、今年度は、結婚・出産などで離職した女性の就業支援としまして、岡崎市では初となる無料託児付き合同企業セミナーを開催してまいります。
 また、女性の就労拡大などに伴い増加する保育需要に対応するため、3歳未満児の保育を行う「南部乳児保育園」を開園いたしました。
 そして本格的な少子高齢化の時代を迎える中で、女性と元気な高齢者のお力をお借りすることが日本の社会に必要であります。岡崎市はそのモデルでありたいと考えており、多くの再任用の採用と人事において2人の女性部長と10人の女性課長を配しております。これは三河地域ではNo.1であります。
 高齢者福祉における重要な課題であります「介護職員の確保」に対しましては、介護職の魅力を高め、離職の防止、キャリアアップや新規就職を促進するために市内の介護事業所に対し、資格取得のための研修費用や受験費用の一部について、新たな補助制度を創設いたします。
 また、4月にリニューアルオープンいたしました「友愛の家」では、障がいのある方や支援をされる方が楽しみや生きがいをもって生活できるような講座やイベントなどを開催しています。今後も「友愛の家」を拠点として市の福祉サービスの一層の向上を図ってまいります。
 また、大学病院の整備や、市民病院と愛知病院の再編など医療体制の整備にもしっかりと取り組んでまいります。

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4.「教育政策」
 この夏の異常な暑さにより、全国で熱中症被害が相次ぎました。こうした中、少しでも早く子ども達に快適な学校生活を送ってもらいたいという思いのもと、早期のエアコン設置を決定したところであります。
 来年6月末までに、特別支援学級を含む小学校の普通教室と中学校の特別支援学級に設置し、来年中には中学校の普通教室への設置が完了するよう事業を進めてまいります。さらに、理科室や家庭教室などの特別教室をはじめ、給食配膳室にもエアコンを設置することで、子ども達だけでなく、働く人にとっても快適な環境を提供できるものと期待しているところであります。
 また、平成28年度から配置しておりますスクールソーシャルワーカーにつきましては、昨年度は各学校から40件を超える様々な事案について、延べ1500回を超える支援を行ってまいりました。スクールソーシャルワーカーの要請件数は年々増加してきており、一つの事案に対してよりきめ細かな対応をするため、今年度より4人増員し8人の専門職で対応する体制としております。

5.「環境・エネルギー政策」
 地球温暖化防止策としましては、今年度も太陽光発電など住宅用地球温暖化対策設備の設置に対する補助金や、電気自動車やプラグインハイブリッド車などの次世代自動車の購入に対する補助制度を設けておりますので、ご活用いただきたいと思います。
 また、今年4月から中央・八帖の両クリーンセンターにおいて受入品目の拡大を行い、3分別や新聞・雑誌といった資源類の受入れも実施することで資源の再資源化の促進に取り組んでいます。

6.「まちづくり政策・消費者政策」
 本年は全国で地震や風水害が相次いでおり、改めて災害対策の重要性を認識しているところであります。特に地域における自主防災組織の活性化や、自助・共助による事前の備えが重要であることから、今年度、新たに「岡崎市自主防災指導員制度」を新たに立ち上げました。

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 これに伴い、防災指導や防災啓発活動のできる専門知識を持った人材の育成を行っています。
 地震対策と致しましては、先般の大阪でのブロック塀倒壊の事故を鑑み、小中学校を始め公共施設のブロック塀なでの緊急点検を行い、危険性が確認された施設につきましては撤去・改修工事を進めております。
 一方、民間所有のブロック塀につきましては、今年度よりブロック塀等撤去費補助制度を新設すると共に、優先度の高い通学路沿いのブロック塀について緊急の安全点検を実施し、必要に応じて所有者に注意喚起などを行っています。
 交通安全の推進では、道路照明灯について電気料が安価で長寿命であるLEDへ、デザイン灯を除き、すべて取り換えることとし、環境への配慮や交通事故の防止に努めてまいります。

7.「行財政改革」
 権限移譲(いじょう)につきましては、愛知県が定めた中核市への移譲可能事務88件のうち、すでに80件の事務について移譲を受けています。
 今後も県内他市の状況を注視しつつ、市民サービスの向上につながる事務の権限移譲受入れについて検討を行います。
 また、かねがねご要望を頂いております公契約条例につきましては、今年度、外部有識者等で構成する検討会議を設置し、制定に向けた条例案などの作成を進めているところであります。

 以上、今年度の取り組みを報告させていただきました。
 本日いただきました要望に対しては、次年度の予算編成を終えたのちに書面で回答させていただきます。
 私の目指します「夢ある新しい岡崎」の実現には、皆様方のご協力が不可欠であります。そのためにも本日のように皆様からのご意見を伺う機会を継続すると共に、必要な支援もしっかりと行ってまいりたいと考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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2018年4月11日 (水)

連合愛知三河中地協・岡崎市長懇談会(2018年3月)

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 3月28日(木)、毎年恒例となっている「連合愛知三河中地域(なかちいき)協議会」の皆様との市長懇談会が行われました。これは昨年10月に受けた政策要望に対して回答するものであります。
 当日は各出席者の皆様から、個別に御意見、御質問を頂き中身のある意見交換ができたものと思っております。

―挨拶―
 皆様、おはようございます。市長の内田康宏です。
 連合愛知三河中地域協議会の皆様には、日頃から市政に対し、格別なご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
 本日は、昨年10月に皆様からいただきました要望事項に回答させていただきますが、これに先立ちまして、ひとこと、ご挨拶申し上げます。

 平成29年度は、これからの100年の礎を築くための初年度として、未来を見据えた「新しい岡崎づくり」に向けて、多くの市民や事業者の皆様とともに、力を合わせて推進する体制づくりにつながったと思っております。これまで地道に準備をしてきた施策が、国や県、また民間の皆様の協力を得て、これから一つ一つ目に見える形で実現していくことになってまいります。引き続き、次の時代につながる事業の推進に、積極的に取り組んでまいります。

 さて、日本経済は、アベノミクスの取組の下、企業収益が過去最高の水準となり、雇用や所得環境が改善し、消費の持ち直しなど経済の好循環が実現しつつあります。国は、「人づくり革命」や「生産性革命」として、人材や設備への投資促進などを重点施策として掲げています。
 本市におきましては、平成30年度は、将来にわたり成長する持続可能なまちづくりを進めるため、市民福祉の向上や、まちの活性化及び魅力の創出に取り組んでまいります。これらを踏まえて編成してまいりました当初予算案は、お手元にありますように、「夢ある新しい岡崎の実現に向け、着実に施策を進める予算」と位置づけたところであります。これらの総合的な施策を通しまして、私の究極の目的であります、岡崎の子ども達が自らのふるさとに対し、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる、そんな「夢ある新しい岡崎」を築いてまいりたいと思います。
 市政の推進について、引き続き、皆様と力を合わせて全力で取り組んでまいりますので、今後ともご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。
 本日はよろしくお願いいたします。

―要望回答―
 それでは、ご要望をいただきました各項目につきまして、主なものを説明させていただきます。

1.「産業・雇用・労働政策」
 本市の強みであり、経済基盤を支える「ものづくり産業」の発展と、更なる雇用の創出に引き続き取り組んでまいります。
 企業の立地需要に対応するため、阿知和地区での工業団地 整備計画の早期事業化を目指すほか、社会的な環境変化に臨機応変に対応するため、旧・男川浄水場の跡地に企業立地が可能となるよう、土地利用を図りながら、産業競争力の強化を通じて、地域経済の活性化と雇用の維持・創出を図ってまいります。

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 また、観光産業をものづくりと並ぶもう一つの経済の柱とすることも重要な課題であり、総合計画・後期基本計画の重点プロジェクトの一つとしているところであります。来年度は、市民の郷土愛の象徴であり、本市の新たなシンボルとなる「若き日の家康公像」が完成に向かっていく年であります。本年度、観光基本計画アクションプランに基づき、公民連携の戦略会議を立ち上げて検討してまいりました、「家康公と三河武士」を柱にした、岡崎オリジナル観光プロモーションを来年度より展開してまいります。
 観光協会も法人化され、公民連携により岡崎の観光を総合的にプロデュースできるよう、観光推進体制の強化を図り、「稼ぐ力」の向上に、地域一丸となって取り組んでまいります。

2.「男女平等政策」
 「ワーク・ライフ・バランスの実現」としては、まず、子育て環境の整備であります。この4月より、南部市民センター分館の敷地内に、南部乳児保育園が開園いたしますが、本市南部の岡崎地域における今後の保育需要の増加に対応するため、新たに保育園を整備するための用地取得に向けて準備を進めてまいります。
 放課後児童の居場所作りについては、児童育成センターを、男川、六名学区で増設するほか、放課後子ども教室を新たに7学区で実施し、児童の健全育成に努めてまいります。
 介護環境の整備としては、市内の介護事業所に対し、資格取得のための研修費用や受験費用の一部について、新たな補助制度を創設いたします。介護職員の離職防止やキャリアアップを促進し、介護職員の確保を通して、介護サービスの充実につなげてまいります。

3.「福祉・社会保障政策」
 生活困窮者の支援では、地域住民の相談を包括的に受け止める場の設置や、相談ボランティアを養成するため、新たにコミュニティソーシャルワーカーを2名配置します。
 また、福祉の村にある、発達に心配のある子どもを総合的にサポートする複合施設「こども発達相談センター・すくも」につきましては、オープンしてからこの4月でちょうど1年になります。来年度は、体育館などを含めた既存施設を改修して、平成31年2月に全面オープンし、発達支援の拠点として、子ども一人ひとりの特性に合わせた、子どもたちの自立や成長のサポートに取り組んでまいります。

4.「教育政策」
 教育環境の整備としまして、来年度は、個別の支援を必要とする児童・生徒へ対応するための教員補助者を増員し、非常勤講師を配置していきます。
 今年度より、全中学生を対象に実施している「学級集団適応心理検査(ハイパーQUテスト)」を、小学校高学年まで拡大するほか、スクールソーシャルワーカーを増員し、家庭・地域・学校の連携を深め、生徒支援や相談活動を充実させ、複雑化する児童・生徒の悩みに早期に対応できる体制を
整えてまいります。
 また、昨年度から始めました、4月分の給食費無料化を引き続き実施し、進級、進学時の各家庭における、経済的な負担の軽減を図ってまいります。

5.「まちづくり政策」
 地震災害に伴う非常時に、優先的に給水を必要とする救急病院や広域避難所等に対し、安定した給水機能を確保するため、水道管の耐震化整備や橋梁の長寿命化は、これまでの事後保全的な対応から、計画的かつ予防的な対応に転換が必要になっております。
 また、南海トラフ地震などの大規模災害時に災害対応を機能的に行うため、防災指導員制度を新たに立上げ、防災指導及び防災啓発活動のできる専門知識を持った人材を育成してまいります。
 加えて、大規模災害が発生した際に、国や他の自治体、ボランティアなどからの応援を迅速かつ円滑に受け入れるため、受援の方法や受入体制をあらかじめ具体的に定める受援計画を策定してまいります。

 以上、私からは予算の重点施策を中心に説明いたしました。
 このほか、本市の未来につながる、中長期的な視点での事業推進など、着実な市政の発展と、健全な行財政運営の、両面に目配りした予算編成であると自負しているところであります。よろしくご理解いただきますことをお願い申し上げます。

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2018年1月27日 (土)

岡崎市労連「旗開き」

岡崎市役所職員労働組合連合会

 1月12日(金)、岡崎市役所職員労働組合連合会(岡崎市労連)の「旗開き」が竜美丘会館で開催され、来賓として出席しました。
 当日の祝辞を掲載します。


 皆様、新年あけましておめでとうございます。正月も12日目を迎えておりますが、希望に満ちた輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。今年もこうして「旗開き」が盛大に開催されましたことを重ねてお祝い申し上げます。
 皆様方におかれましては、組合員の生活向上と市民サービスの充実のため、日々熱心に取り組んでいただいており、深く感謝と敬意を表する次第であります。
 人口減少社会に突入し、労働者人口が急激に減少する中、政府は「働き方改革」を提唱しその取り組みが始まっております。本市におきましては生産性、効率性の向上及び職員の健康やワークライフバランスを推進するため、7月と8月に時間外勤務の縮減に取り組み、一定の成果が出たものと思っております。
 引き続き、皆さんが実力を発揮しやすい労働環境の改善に向け、可能な限り取り組んでまいりたいと考えておりますので、皆様方の引き続きのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

 さて本市におきましては、昨年は市制101周年を迎え、次の100年に向けて新たな一歩を歩み出す大変重要な年でありましたが、皆様のご理解とご協力のおかげで各種事業を順調に進めることができました。これから数年のうちにそうした事業が次々と実現してまいりますことを感謝しております。そして施設の空間をいかに活用するかが問われることになると思います。
 今後も福祉や医療、防災や教育といった基本施策の充実には、引き続きしっかりと取り組みながら新たな事業を積極的に展開することで、私の究極の目的であります、岡崎の市民、ことにこども達が自らのふるさとに対し、これまで以上により大きな愛情と誇りを持てる、「夢ある新しい岡崎」を築き上げることができると考えおりますので、皆様にはさらに英知を集めていただき、より一層のご努力をお願いいたします。

 終わりに、岡崎市役所職員労働組合連合会の今後ますますのご発展と、皆様方のご健勝とご活躍を祈念申し上げまして新年の挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

岡崎市役所職員労働組合連合会

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2017年10月11日 (水)

連合愛知三河中地協・要望書提出懇談会(2017年10月)

連合愛知三河中地協・要望書提出懇談会

 選挙前のたいへん慌ただしい中でありましたが、10月6日(金)、連合愛知三河中地域(なかちいき)協議会の役員の皆様や各議員の皆様とともに「政策要望書提出懇談会」を行いました。
 当日の挨拶と、要望に対する私の答弁をご報告いたします。

―挨拶―
 皆さんこんにちは。市長の内田康宏です。何かと気ぜわしくなってきた世相の中、本日はご苦労様です。
 連合愛知三河中地域協議会の皆様には、日頃から岡崎市政に対しまして、格別のご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
 また、皆様が、雇用の確保や労働環境の改善に尽力されておられるほかにも、市民生活や地域社会の向上に貢献しておられますことに、深く敬意を表するとともに感謝を申し上げます。私もこれまでの5年間に市民対話集会44回、各種講演会・政策説明会を300回以上行い、市政と市民の声を反映する努力を重ねて参りました。

 さて、岡崎市は昨年市制100周年という節目のときを迎えまして、次の100年に向けて、ただ今新たな歩みを始めたところであります。この歩みを持続するには、将来にわたって安定した財源というものが必要となってくるわけであります。
 そこで、これからの財政におきましては、現在本市の経済の柱となっております自動車産業を中心としたものづくりに加えて、もう一つの柱として、本市の特徴であります独自の自然と歴史文化資産を活かした観光産業の育成が重要であると考えております。観光産業というのは、決して観光に関わる人たちだけが潤うものではなくて、たいへん大きな波及効果があります。印刷業にもありますし、それから飲食業、さらに他の業種にもお土産を作っていただくようなことで、製造業にも影響が大きく出るというふうに期待しておるわけです。
 そして、その第一歩となりますのが、現在着々と進めております、乙川リバーフロント地区の整備であります。
 今回のリバーフロント計画は、行政によるハード整備を目的としたものだけではなく、公共が整備したこうした空間というものを、民間の皆様方に上手に活用していただきまして、ここで儲けていただく、そういったことであります。その結果、行政には税金が入ってくるわけでありますし、こうした「稼げるシステムというのをつくりたい」と考えているところであります。

 こうした趣旨の下、乙川リバーフロント地区では10月28日にこれまでにない規模の社会実験「めぐる、QURUWA」を実施します。これは新たな公共空間の使い方を市民の皆さんに体感していただくため、地区の約半分を占める河川や道路、公園を活用するもので、まちの活性化、暮らしやすさ向上に向けて、ワークショップやフォーラムなど、これまでの参加者からいただいた提案に基づき実施するものです。

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 例えば、りぶら前の道路や駐車場、連尺通りの一部に人工芝を敷きつめ、テーブル、ベンチ、タープなどを設置し、市民の方がくつろげる空間を演出し、飲食等の民間事業を展開します。大人好みの企画も実施されますので、ぜひ一度足をお運びいただきたいと思います。
 この「QURUWA(くるわ)」でありますけれども、乙川リバーフロント地区の5つのエリア、殿橋下流付近の乙川河川敷、中央緑道、籠田公園、連尺通り、りぶら前・シビコ西広場を結ぶ形状が、岡崎城の総構え、すなわち総曲輪(そうぐるわ)と重なりまして、その形状がちょうどアルファベットの「Q」の字に似ていることから「Q・U・R・U・W・A」、くるわと名付けておりますので、皆さまにもどうぞこの名前をかわいがっていただきたいと思います。

 次にハード整備の状況であります。
 殿橋下流の河川敷の整備がほぼ終わりまして、きれいに明るくなった河川敷におきましては、多くの方が散歩やジョギング等を楽しんでいらっしゃいます。当初から若いカップルの利用は予想しておりましたけれども、高齢のご夫婦も散歩や犬を連れて歩くことを大変楽しんでおみえになります。

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 また、殿橋と明代橋の間におきましては、平成31年の完成を目指す「(仮称)乙川人道橋」の工事が進んでいるところでありますが、現在、橋脚が2基、橋台が1基完成いたしまして、目で見て整備の状況が分かっていただけるところとなっております。
 しかしいつも申しておりますが、こうしたハード整備をすることが最終の目標ではなくて、これにより出現した空間を使って、いかにかつてのような町のにぎわいを取り戻すのかが一番重要なポイントであると考えております。今後は、QURUWAに沿って楽しく歩いていただき、人をまちへ呼び込むための工夫や、人々の好奇心をそそるソフト事業の取り組みも進めたいと考えております。
 また、その考えをもとに健康づくりを支援するために新たな取り組みといたしまして、9月1日に「スマートウエルネスシティ首長研究会」に加入いたしました。これは、歩いて健康、食べて健康、そういったことをまちの中で実感できるように、にぎわいの他にも健康づくりの視点からもまちづくりを考えていくということであります。是非この具体事業を民間事業者と共にQURUWA上で展開したいと考えております。

 このように、私の公約の柱である乙川河川空間の整備や利活用、そして、これにつながる中心市街地の活性化についてはこの4年間で特に進捗を図ってきたところであります。ただ今はリバーフロント計画を中心にお話致しましたが、その他に全市各地域にて様々な施策を行っており、これから数年のうちにそうしたものが次々と実現して参りますので、ぜひご期待下さい。こうしたことは「天の時、地の利、人の和」という三つの要素の後押しによるものと感謝しているところであります。
 これからも引き続き、私の究極の目的であります、岡崎の子ども達が自らのふるさとに対し、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる、そんな「夢ある新しい岡崎」を築き、誰もが訪れたい、住んでみたいと思うまちづくりを目指してまいりますので、一層のご理解とご強力を賜りますようお願い申し上げ、私からの挨拶とさせていただきます。

連合愛知三河中地協・要望書提出懇談会

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―要望に対するコメント―
 本日は来年度に向け、各分野にわたるご要望を頂戴しましたが、私の方から本年度の取り組みについていくつか報告させていただきます。

1.「産業・雇用・労働政策」
 地域の産業振興や雇用の安定化は、地域経済の成長や地域の活性化に寄与し、賑わいのあるまちづくりの原動力として、市も大いに力を入れているところであります。近年、労働人口の減少や、効率的な高品質サービス、高度な情報化社会の適応等、企業の生産性向上のためロボットに対する期待が高まっています。
 これらの状況を踏まえ、人とロボットの協業によって経営力を強化するため、ロボットの利活用や新たな事業展開、強化すべき技術などをテーマに8月に「ものづくり岡崎フォーラム」を開催したところであります。
 地域経済を担う市内のものづくり事業所への支援制度としては、昨年に引き続き「岡崎市ものづくり支援補助金」を展開していますので、有効にご活用頂きたいと思います。
 また、昨年12月に100周年記念事業として開催した「岡崎モータースポーツフェスティバル」は、ものづくりの地域として各企業の最新技術の紹介や、本市の産業の発展を図るため今年も12月に開催予定であります。

岡崎モータースポーツフェスティバル

2.「男女平等政策」
 ワーク・ライフ・バランスの実現については、昨年度より男女共同参画課を新設して取り組んでいるところでありまして、女性活躍の支援やワーク・ライフ・バランスの推進等に取り組もうとする事業所に対し、アドバイザーの無料派遣を行っております。
 10月14日、17日には、中小企業経営者や個人事業主、総務担当者などを対象として「働き方改革セミナー」を開催いたします。

3.「福祉・社会保障政策」
 今年度から、地域の特性に応じた健康づくりを推進するため、保健師の地区担当制を導入しております。家庭訪問など、地域に根ざした活動をモデル地区において実施し、きめ細やかな体制づくりに努めてまいります。
 子育て支援としましては、総合子育て支援センターにおいて、妊娠期から出産・育児への切れ目のない支援のため保育コンシェルジュを中心とした、子育て支援に関する情報を集約し、保護者に必要なサービスや子育て情報を提供するとともに、その家庭の置かれている状況や希望に応じた助言を行っているところです。
 保育人材の確保につきましては、無料の職業紹介所の役割を担う「保育士支援センター」を開設し、潜在保育士などの再就職に関する相談や就職斡旋を行っています。また、再就職支援研修の実施等により、新たな保育人材の確保と離職防止の取り組みを行っているところです。
 加えて、今年オープンしました「こども発達センター・すくも」では、受けた相談を医療や療育につなげるだけでなく、保育所や幼稚園などの関係機関とも連携した支援を行っております。
 続いて、高齢者福祉の関係ですが、医療・介護を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築に取り組んでおります。その中核的な役割を果たしていく地域包括支援センターは、21か所すべてにおいて、医療機関などと連携を図りながら増加する高齢者に対応するとともに、高齢者の皆さんの暮らしを支えています。
 また、介護保険制度の改正を受け、4月から要支援者対象の「介護予防訪問介護」と「介護予防通所介護」を地域支援事業へ移行して実施しております。

4.「教育政策」
 すべての子どもたちが、家庭の経済事情にかかわらず未来に希望を持ち学校生活を送ることができるよう、これまで入学後に給付しておりました学用品などの購入費を平成30年度新入学の児童生徒分から、入学前に受給できるよう就学援助制度の変更をしてまいります。
 教育環境の整備につきましては、本市は平成17年度より市独自予算で教育補助者を配置しました。平成28年度には当初より115名増の215名になっております。限られた予算を有効に使い、現場の状況に寄り添った実質的な施策によって成果を上げてきたと考えております。

5.「まちづくり政策」
 7月に発生した九州北部豪雨では、本市から全地形対応舎「レッドサラマンダー」が愛知県の派遣部隊として、本市の救急消防救助隊とともに出動しました。被災地の皆さまのお役に立てたのではないかと思っておりますが、近年頻発する局地的な集中豪雨や自然災害は、いつ、どこで発生するか分かりませんし、南海トラフ地震の発生が心配されるところであります。南海トラフ地震による甚大な被害想定に対応するため、「地震対策アクションプラン」を今年度中に策定し、個々の対策を具体的に定め、迅速に対応できるようにしたいと考えています。
 4月には、浸水地区の住宅や事業所に対して被害を未然に防ぐための「止水板設置補助」を開始し、7月には、市街化区域の新築住宅などに対して河川や下水道への雨水の流出抑制を図る「雨水浸透ます支給制度」を開始したところです。

岡崎市地域総合防災訓練

 また、9月3日には地域防災訓練を、住民参加の地域訓練会場22箇所、避難所開設・通信訓練会場85箇所のほか、支所会場や道の駅会場でも実施しました。住民の皆さんはもちろん、消防団を始め関連団体や関連企業の皆さまにご参加をいただき、様々な主体が協働して対処していく訓練を通して、地域全体の防災意識の高揚と災害対応力が向上されたと思っております。

6.「行財政改革」
 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、若年層の政治や選挙への関心を高めることは行政にとっても大きな課題として取り組んでいるところです。
 昨年7月に執行された参議院議員通常選挙におきましては、本市の18歳及び19歳の投票率は、岡崎市57%、全国46.78%と、全国数値と比べて高い方であったと分析されているようですが、今後も引き続き啓蒙活動に取り組んでまいりたいと思います。
 その一つとしまして、10月22日の衆議院議員総選挙においては、イオンモール岡崎において期日前投票所を開設し、若い世代が選挙を身近に感じ、関心をもっていただく場となればと考えております。

 以上、今年度の取り組みを報告させていただきましたが、この要望書に対しては次年度の予算編成を終えたのちに書面で回答させていただきます。要望の趣旨を十分検討させていただき、対応してまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

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2017年4月 1日 (土)

連合愛知三河中地協・岡崎市長懇談会(2017年3月)

連合愛知三河中地域協議会

 昨年9月、「連合愛知三河中地域(なかちいき)協議会」の役員、議員の方々から7項目の分野にわたる要望書を頂きました。
 3月30日(木)朝、その回答と懇談の機会を持ちましたので御報告します。おいで頂いた皆様と中身のある意見交換を行えたことに感謝申し上げます。

―挨拶―
 おはようございます。市長の内田康宏です。本日は朝から御苦労様です。
 連合愛知三河中地域協議会の皆様には、日頃から市政に対しひとかたならぬご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。本日は、昨年9月に皆様から頂戴いたしました要望事項に回答させていただきますが、これに先立ちまして、ひとことご挨拶を申し上げます。

 平成28年度は市制施行100周年という節目の年にあたり、先人の築き上げた歩みを振り返るとともに、「新世紀岡崎 飛躍祭」と銘打って、市民の皆様とともに様々な事業を実践し、一年を通して本市の魅力を再発見してまいりました。そして、新世紀となる来年度以降の「新しい岡崎づくり」を、多くの市民や事業者の皆様とともに力を合わせて推進する、そんな公民連携の仕組みづくりにつながったと思っております。
 私事ではありますが、昨年秋の市長選挙では三河中地協様のご推薦をいただき、おかげさまで多くの市民の皆様からのご支援を受け再び市政運営を担うことになりました。
 一期目で提案し、説明を行い、準備をしてきた施策が、国や県、また民間の皆様の協力を得て、これから一つ一つ目に見える形で実現していくことになってまいります。引き続き、次の時代につながる事業の推進に積極的に取り組んでまいりますのでよろしくお願いします。

連合愛知三河中地域協議会

(2016年11月17日、連合愛知三河中地協第27回総会)

 さて、日本経済は数々の経済対策の推進によりまして、雇用や所得環境が改善し、民間の需要を中心とした景気回復が見込まれております。国は働き方改革などの一億総活躍社会の実現に向けた主要な取り組みを行うとともに、経済再生と財政健全化の両立を目指しているところであります。
 この地域におきましては、機械・自動車関連事業を中心に経済は堅調に進んでおります。これも皆様がしっかりガンバっておられるおかげと思っております。先日、ある販売会社の新任支店長さんがご挨拶にみえましたが、「現在地方の多くは人口減少も含め、財政運営にも四苦八苦している所が多いのに、岡崎のように元気な地方があることに驚いています」といううれしい言葉を頂いております。

岡崎モータースポーツフェスティバル

 本市におきましては、平成29年度はこれからの100年の礎を築くための初年度となることから、未来を見据え持続可能なまちを創っていくことが重要と考えています。そして、これらを踏まえて編成してまいりました当初予算案は、お手元にありますように「未来を見据えたまちづくりを進める予算」と位置づけたところであります。
 これらの総合的な施策を通しまして、誰もが訪れたい、住んでみたいと思うまちづくりに誠心誠意取り組み、そしていつも申しておりますとおり、岡崎に生まれた子ども達が自らのふるさと岡崎に対し、より大きな愛情と誇りを持てる「夢ある新しい岡崎」を築いてまいりたいと思います。またここ数年でお約束してきた多くの事業が実現してまいりますので、ぜひそちらもご期待下さい。
 今後の市政の推進については、引き続き皆様と力を合わせて全力で取り組んでまいりますので、さらなるご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

―要望回答―
 それでは、先般ご要望をいただきました各項目につきまして、主なものを説明させていただきます。

1.「産業・雇用・労働政策」
 本市の強みであり、経済基盤を支える「ものづくり産業」の発展と、さらなる雇用の創出には引き続き取り組んでまいりますが、観光産業をものづくりと並ぶもう一つの経済の柱とすることも重要な課題であり、実施計画における重点施策の一つとしているところであります。
 本年度は「観光産業都市・岡崎」として、観光基本計画アクションプランを策定いたしましたが、来年度は本市の誇るべきブランドである「徳川家康公」を柱にして、マーケティングの実施や家康公観光プロモーションの計画策定、岡崎公園の活用方法について検討を行う予定であります。特に家康公のブランドを生かした観光プロモーションの展開では、公民連携の戦略会議を立ち上げて地域が一丸となって「稼ぐ力」の向上に取り組んでまいります。

2.「男女平等政策」
 「女性活躍のための支援」としては、働きたい女性に対する就労支援や、育休中及び育休復帰後の不安解消が重要であります。また、女性の労働力の需要が高まり、働きながら安心して子育てや介護のできる環境を整備する必要があります。
 まず、子育て環境の整備でありますが、本市南部の岡崎地域における保育需要の増加に対応するため、南部市民センター分館の敷地内に、新たに3歳未満児専用の保育園を整備し、平成30年度の開園を目指してまいります。
 また、老朽化により建替えを行っております山中保育園及び、増改築を行っている私立(わたくしりつ)美合保育園は、年内の完成を予定しているところであります。
 そして4月からは、梅園、広幡、矢作、3園の公立幼稚園を幼保連携型の認定こども園へ移行し、幼児教育と保育と一体的に行うこととなります。これにより、幼稚園と保育園の持つそれぞれの良いサービスを提供できるほか、保護者の就労状況にかかわらず施設を利用していただくことができるようになります。
 放課後の留守家庭児童の居場所づくりについてでありますが、来年度は児童育成センターを常磐学区に新設するほか、細川、六ツ美北部、北野の3学区で増設し、児童の健全育成に努めてまいります。

3.「福祉・社会保障政策」
 こどもの貧困に対する経済的支援として、民間の児童クラブを利用する方への補助を拡充してまいります。
 具体的には経済的に不安定な状況に置かれている世帯への支援として、生活保護を受けている世帯においては月額の利用料の全額を、児童扶養手当を受けている世帯はその半額を補助いたします。
 また、私立幼稚園を利用する家庭に対する就園奨励費につきましても拡充をはかり、低所得世帯やひとり親世帯の経済的負担を軽減いたします。

岡崎市こども発達センター すくも

 この4月より福祉の村において、発達に心配のある子どもを総合的にサポートする複合施設として、「こども発達センター すくも」がオープンいたします。就学後に集団生活になじめない子どもが増えているとのことですが、こういったお子さんは乳幼児からの早期発見、早期支援が大変重要であるということであります。今後は、子ども一人ひとりの特性に合わせて、医師、保育士、保健師などの専門スタッフが連携し、子どもの自立や成長のサポートをする体制が整うこととなります。

4.「教育政策」
 すべての子どもたちが家庭の経済事情にかかわらず未来に希望を持ち、学校生活を送ることができるよう就学援助制度を変更いたします。
 これまで入学後に給付しておりました学用品などの購入費を、平成30年度新入学の児童生徒分から入学前に受給できるようにいたします。また、本年度から始めました4月分の給食費無料化を引き続き実施し、進級、進学時の各家庭における経済的な負担の軽減を図ってまいります。

5.「まちづくり政策」
 災害に強いまちづくりとしましては、東日本大震災の教訓や南海トラフ地震の新たな被害想定を踏まえ、本年度から「地震対策アクションプラン」の策定に取り組んでいるところであります。地震対策は、市民や事業者などの様々な主体が協働して対処していくことが重要であるため、多くの方からの意見をお聞きし平成29年度末の策定を予定しております。

岡崎市総合雨水対策計画

 また近年、頻発する局所的な集中豪雨などの水害対策のため、「総合雨水対策計画」を策定したところでありますが、来年度は具体的な施策を盛り込んだアクションプランを定めてまいります。並行して、住居などへの浸水防止のため止水板の設置費用に対しまして、新たに補助制度を開始いたします。
 住居の耐震化対策といたしましては、来年度は「木造住宅 耐震改修費」の補助を拡充いたします。これまでは補助額の上限は1戸あたり90万円でありましたが、上限を120万円に増額し、木造住宅の耐震化を促進してまいります。

 以上、私から予算の重点施策を中心に説明いたしました。
 このほか、本市の未来につながる中長期的な視点での事業推進など、着実な市政の発展と、健全な行財政運営の、両面に目配りした予算編成であると自負しているところでありますのでよろしくご理解いただきますことをお願い申し上げます。

連合愛知三河中地域協議会

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