
1月以来、各種新年会、講演会、パネルディスカッション、シンポジウム、対話集会などが続き、さらに新年度予算編成や新人事の打ち合わせなどが重なり、家に帰り着くとフロに入るや入らずで寝てしまう生活が続いている。
そのため昨年まで週2回ほどのペースだった私のブログも更新が遅れている。すでに手元に書きかけの原稿が7~8つ溜まってしまった。
時事のニュースというものは生鮮食品と同じであり、発表するタイミングを逃すと陳腐なものとなってしまう。しかしこのまま捨てる訳にもいかないので、いずれ振り返る形で順番に御披露致します。ご容赦下さい。
そんなことを思っている内に、2月末日より3月定例会が始まった。まずは初日の市長提案説明について御報告します。
開催にあたって
開催に当たり、所信の表明と平成28 年度当初予算の施策のあらましを申し上げ、議会及び市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
日本経済は、昨年からの足踏みした状態から、アベノミクスによる経済の好循環の継続などを背景に、緩やかな回復軌道に戻ると予想されております。国の平成28 年度予算は、昨年、新たに打ち出されました「強い経済」、「子育て支援」、「社会保障」からなる「新3本の矢」で、一億総活躍社会の実現を掲げた予算案となっております。この予算で、子育て支援や介護サービスの充実、教育費の負担軽減、地方創生の本格展開などを進めるとされております。
さて、本市は、本年平成28 年7月1日に「市制施行100 周年」を迎えます。
この記念すべき節目の年におきまして、これまでの先人が積み重ねてきた歴史を振り返り、岡崎らしさを新しい時代へ継承するとともに、次の100 年を見据え、更なる発展への契機にしたいと考えるところであります。
また、平成28 年度は、地方創生の基本方針に基づき策定しました「岡崎市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の施策を実施してまいります。地域の魅力向上のための総合的な施策を通じまして、誰もが訪れたい、住んでみたいと願い、ここ岡崎に暮らす市民一人ひとりが、故郷に対し、より大きな愛情と誇りを持てる「夢ある次の新しい岡崎」を築くため、市民の皆様と共に歩みを進めてまいる所存であります。
平成28年度予算の大要
それでは新年度予算の大要につきましてご説明申し上げます。予算規模は、
一般会計 |
1,232 億 円 |
特別会計 |
668 億5,930 万円 |
企業会計 |
541 億6,433 万円 |
合 計 |
2,442 億2,363 万円 |
となっております。なお、一般会計の予算規模は、前年度対比で1.6%の増となり、過去最大であった平成27 年度当初予算を上回っております。一般、特別、企業を合わせました全体では、0.6%の増となっております。
まず、一般会計の歳入であります。
歳入の根幹となります市税収入におきましては、景気の回復基調もあり、約670 億円余りを見込み、平成20 年度の市税収入に次いで過去2番目となっております。内訳としまして、法人市民税では、税率の引下げに伴い減額が見込まれるものの、個人市民税では、給与所得の増加による増額などで、市民税は2 億8,966 万円の増収、固定資産税は、家屋の新増築分の増加など、8 億1,470 万円の増収、市税全体では、13 億4,351 万円の増収を見込んでおります。また、配当割交付金は、税制改正による課税対象の変更などにより2 億9,500 万円の増額、株式等譲渡所得割交付金は、株式等の譲渡の増加により2 億4,000 万円の増収を見込んでおります。財政調整基金を始めとする各基金からの繰入金は、対象事業の着実な推進を図るため、3 億8,318 万円の増額としております。
一方、市税の増収が見込まれるため、地方交付税は3 億3,000 万円の減額、市債につきましても、臨時財政対策債の減額と、対象事業の減少により8 億7,300 万円の減額としております。
次に、歳出でありますが、総務費は、市民会館整備事業費の増加などにより9 億3,074 万円の増額、衛生費は、PFI手法により整備しました新火葬場の整備運営費の増加などにより25 億3,106 万円の増額となっております。土木費は、東岡崎駅周辺地区整備事業費、井内新村線(いないしんむらせん)整備事業費、JR岡崎駅周辺の基盤整備に合わせましたシビックコア地区整備事業費の増加などにより10 億7,132 万円の増額となっております。
一方、消防費は、消防・救急デジタル無線の整備完了などにより8 億2,433 万円の減額、教育費は、東部学校給食センターの完成、美術博物館の大規模改修事業費及び中学校屋内運動場の改修事業費などの減少により27 億8,548 万円の減額となっております。

ではここで、新年度予算に計上しました主要事業について、総合計画のまちづくり基本政策に沿ってご説明申し上げます。
地域で支えあい安全に暮らせるまちづくり
男女共同参画社会の推進のため、企業における女性の活躍を支援するための「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が制定され、大企業や中堅企業には、女性活躍のための自主行動計画が義務付けられます。市内企業を対象に、女性が活躍できる環境づくりに積極的な取組みを行っている企業を調査し、紹介パンフレットを作成してまいります。

地域における安全安心なまちづくりの推進のため、新たな補助制度をスタートしてまいります。近年、犯罪の増加や治安に対する不安感が高まる中、地域が主体となって、犯罪の起こりにくい環境づくりの一環として行います防犯カメラの設置に対しまして、その費用の一部を補助してまいります。また、防犯教室の開催や夜間における犯罪防止パトロールの実施、自主防犯活動団体への支援などで、犯罪のない安全で安心な地域社会の実現を図ってまいります。
災害対策では、大規模かつ広域での被害に備えるため、愛知県との共同開催によりまして、総合防災訓練を実施してまいります。南海トラフ地震を想定し、広域防災活動拠点である中央総合公園をメイン会場としまして、緊急輸送道路の確保や物資の輸送訓練のほか、施設の一部を駅と仮定した集団災害訓練などを、市民を始め、消防、警察、自衛隊などの関係機関と連携して実施してまいります。併せまして、地区防災計画の策定支援、自主防災組織への活動資機材等の整備のための補助などの支援を引き続き行い、防災意識の更なる向上に努めてまいります。
健やかに安心して暮らせるまちづくり
保健衛生では、平成26 年度からPFI手法により整備を進めてまいりました火葬場が完成し、6月からの供用開始となります。新しくなります火葬場は、施設規模、運営方式を見直し、ご遺族や会葬者の方に配慮した動線や、プライバシーを確保した空間づくりを行い、しめやかに故人との最後のお別れを過ごしていただけるような施設運営に努めてまいります。
予防接種におきましては、乳児のロタウイルス感染症の重症化を防ぐ目的としまして、現在、任意接種となっておりますロタワクチンの予防接種費用の一部を公費で助成し、子どもの健康を守り、子育てにおける経済的な負担軽減を図ってまいります。
障がい者福祉では、発達に心配のある子どもの相談、医療及び療育を総合的にサポートする、こども発達センターの建設工事が始まります。平成29 年4月の開設に向けて、備品などの購入や運営面での準備を進めてまいります。
児童福祉では、出産や子育てでの不安を和らげ、安心して子育てに向き合える環境づくりのために、子育てに関する役立つ情報をメールで配信するサービスを新たに行ってまいります。妊娠中の方から2歳までのお子さんがいる子育て家庭を対象としまして、子どもの成長に合わせた様々な子育て支援情報を提供してまいります。

また、NPO や市民活動団体など子育て支援団体のネットワークの構築を進め、社会全体で子育て世帯を支える環境づくりにも取り組んでまいります。課後や休日に児童が家庭や地域で孤立しない居場所づくりのため、学区子どもの家の改修や既存の公共施設を活用して、児童育成センターの整備を引き続き進めてまいります。
豊富学区では、児童育成センターの改築に合わせまして学区子どもの家の機能を備えた複合施設を整備するのを始めとして、5学区での増設をしてまいります。
また、保育需要の増加に伴い、岡崎地域においては既設の保育園での園児の受け入れが困難な状況となるため、南部市民センター分館の敷地内に新たに乳幼児専用の保育園を整備してまいります。施設面での整備を進めると同時に、「保育士支援センター」を設置し、子育ての担い手である保育士確保のほか、子育て支援員の養成のための研修会なども実施してまいります。
自然と調和した環境にやさしいまちづくり
家庭からの温室効果ガスの排出を削減し、環境に負荷のないライフスタイルへの転換を促進するため、引き続き、住宅用の太陽光発電設備や燃料電池設備、エネルギー管理システムなどの節電・省エネ機器の設置について助成をしてまいります。
また、燃料電池車などの次世代自動車の購入に対しましても、引き続き、助成をしてまいります。
賑わいと活力あるまちづくり
商工振興としましては、中小事業者の支援のため、岡崎ビジネスサポートセンターにおいて創業者や既存事業者の方への売上げの向上などにつながる支援を引き続き行ってまいります。また、付加価値の高い商品やサービスの創出は、デザインによるところが大きく、商品のブランド力の向上、販路拡大において欠かすことができない課題となっております。そのため、事業者とデザイナーとのマッチングを行えるよう支援をしてまいります。
次に、観光振興についてであります。
昨年は、「家康公顕彰四百年記念」として様々なイベント、観光PRを展開してまいりました。平成28 年度におきましても、多くの観光客の方にお越しいただくよう、市制施行100 周年と併せて様々なイベントの開催や、PRを行ってまいります。
まず、観光イベントでありますが、本市の代表的なイベントであります春の桜まつり「家康行列」においては、100 周年記念の特別出演として、徳川家康公役に俳優の里見浩太朗さん、一日警察署長に女優の菊川怜(きくかわれい)さんをお迎えします。また、昔懐かしい岡崎市電の装飾を施ほどこしました100 周年記念隊列などを加え、市制100 周年四季彩プロジェクトとして華々しく開催してまいります。
昨年、岡崎の冬のイベントである「家康公生誕祭」と併せて行いました、岡崎公園を幻想的に光で彩りました「岡崎公園イルミネーション」は、電飾の数を増やし、新たな冬の風物詩となるよう実施してまいります。
次に、多くの観光客の方に来ていただくためのPRにつきましては、2月13 日に開通しました新東名高速道路でのハイウェイキャンペーンや、岡崎サービスエリア「ネオパ-サ岡崎」を利用したPRも行ってまいります。
そして、本市の魅力を発信する手段としまして、フィルムコミッションを設立し、映画やテレビドラマ、CMなどの撮影場所の誘致や支援に取組むほか、観光関連のホームページを集約化し、新たな観光情報の窓口としてPRに努めてまいります。また、観光案内人「歴史かたり人」の育成、岡崎公園での天下泰平マルシェの実施や、市内の観光名所を巡るバスツアーを引き続き実施するほか、新たな試みとしまして観光タクシーを導入し、より質の高いサービスの提供ができるよう、おもてなしの強化も図ってまいります。
新たな岡崎のシンボルとして、東岡崎駅前に設置を予定しております若き日の家康公の騎馬像につきましては、平成27 年度にデザイン等の検討を行ってまいりました。そして、来年度からは平成30 年度の完成を目指し、いよいよ制作に取り掛かってまいります。
この徳川家康公像はこれまで申しあげてまいりましたとおり、市民の皆様からのご寄附をもとに制作してまいりますので、今後は市民や企業、団体の皆様に対しまして積極的に寄附金を募ってまいりたいと考えております。
また、お子さんでも家康公像に寄附をしていただけるように、市内関係各所に募金箱を設置し、募金の啓発も図ってまいります。文字通り、市民が造った市民の象徴にしたいと考えております。
快適で魅力あるまちづくり
本市はJR 東海道本線や名鉄本線の主要鉄道線と愛知環状鉄道線の鉄道網や先日開通しました新東名高速道路、東名高速道路、国道1 号や248 号などの道路網により広域的な利便性に優れた交通基盤があります。こうした中でも、都市拠点の核となる名鉄東岡崎駅周辺やJR 岡崎駅周辺は優れた交通結節点機能を発揮させ、都市機能を集積し更なる発展に導くことを進めてまいります。

先日、一部新聞紙面上で、JR 岡崎駅と名鉄東岡崎駅の行政の取組方に違いがあるかのような意図的な報道がなされていますが、実際は、今回のJR 岡崎駅は本市主導によるコンペで決まったものであり、基本的に双方とも全く同じ取組であります。それぞれの地域の事情に合わせた新たなまちづくりを進めているわけであります。
考え方としては、行政が行う取組はまず都市基盤を整備することで、その次に民間の活用を促進させることにあります。いかに「稼ぐインフラ」として民間活用が促進されやすくするかについて行政は先行投資する必要があると考えております。
そのためJR 岡崎駅周辺では、既に区画整理によって整備された基盤の上に、官民が一体となった新しい都市空間を創出し、魅力と賑わいのある都市拠点の整備を促進させ、商業や交流の拠点となる施設の集積を推進してまいります。(既にでき上がった土台の上に作るものと、土台から作り上げるものの値段が違うことは中学生でも分かる理屈であると思います。)
名鉄東岡崎駅の周辺地区につきましては、駅前広場、明大寺交通広場、ペデストリアンデッキなどの一体的な整備を、乙川リバーフロント地区と合わせて進捗を図ってまいります。もちろん、そうした中でさらに優れた民間の計画があれば、検討の上で取り入れて参りたいと考えております。その新たなまちづくりとして進めてきております乙川リバーフロント地区では、引き続きハード・ソフト両面から事業を展開してまいります。
施設整備では、(仮称)乙川人道橋の整備工事の進捗を図るとともに、プロムナードの整備、殿橋下流の乙川河川緑地内の遊歩道などの整備を行ってまいります。また、地区の整備に合わせまして、かわまちづくり支援制度を活用し、河川敷の活用や社会実験などを行ってまいります。その「かわまちづくり」には、現在、全国で約150 か所が登録されているわけですが、そうした中でも乙川リバーフロント地区整備計画は、民間と行政が連携した先進的な取り組みであると評価していただき、今月の2月16 日、東京で開催されました国主催の「かわまちづくり全国会議」では、私自らが岡崎市の取り組みを先進事例として紹介する機会をいただきました。
このように、市民の皆様と共に練り上げてきました乙川リバーフロント計画は、今や国からのお墨付きだけでなく、全国からも注目を浴びる事業として進んでおります。今後も引き続き、周辺地区の町内会や商店街の方々との連携を図り、魅力あふれる観光産業都市の基盤となるまちづくりを進めてまいります。
未来を拓く人を育むまちづくり
まず、学校教育についてであります。
子ども達の健やかな成長を育むための食生活は、大変重要なことであり、学校給食についても例外ではありません。小中学校における学校給食は、月額数千円のご負担で、安全で美味しく、栄養バランスの良い給食を提供しております。将来を担う子ども達を育てていく上で、保護者の経済的な負担を軽減し、子育て環境の向上を図ることや、地域社会全体で子育てを支えていく施策として、学校給食費の一部無料化を行ってまいります。進学進級で保護者のご負担が多くなります4月分の給食費を無料にしてまいります。

また、従来から配置しております学校相談員に加え、新たにスクールソーシャルワーカーを配置してまいります。課題を抱えている児童生徒の相談、又は保護者の方、教員に対する支援を行い、児童生徒の健全育成の充実を図ってまいります。
教育環境の整備では、児童数の増加による教室不足解消のため、岡崎小学校、常磐南小学校、岩津小学校は校舎の増築工事を、中学校では、老朽化に伴い、東海中学校のプール改築工事を行ってまいります。
次に文化の振興では、国内最大級の国際的な現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ2016」を平成25 年度に引き続き、地域会場として開催してまいります。今回は日本で初公開となります体験型バルーンアート「ルミナリウム」を岡崎公園多目的広場に誘致するほか、まちなかで開催することで、地域の魅力を引き出すとともに、賑わいを創り出し、文化芸術活動の活性化に寄与できるものと考えております。
本市における文化芸術活動の発信の場である市民会館につきましては、10 月1日にリニューアルオープンします。舞台の拡張や音響、客席も一新するとともに、バリアフリーにも対応し、誰もが利用しやすい施設となります。本市の新たな文化芸術の拠点として生まれ変わりますので、どうぞご期待ください。

将来まで自律した状態が続く都市経営
市制施行100 周年を迎え、次の100 年に向けて本市が更なる発展をしていくためには、本市の魅力づくりを推進し、それを市内外へ発信し続けていくシティプロモーション活動が重要であります。そのためには、100 周年記念事業や、地方創生のための総合戦略を通じて、多くの方に岡崎の良さの再確認や、新たな魅力づくりに参加していただき、共感できる魅力を核として一体感を創り上げていくことが大切であります。
そこで、新たに、ふるさと岡崎への想いや、本市が進めるまちづくりに共感を持っていただいた方からの寄附に対しまして、返礼品を贈呈する「おかざき応援寄附金」制度をスタートさせてまいります。その他、市民サポーター組織の運営やホームページの活用、おかざき魅力ブックの制作などを引き続き推進し、「岡崎ブランド」の確立、「岡崎ファン」の拡大に努めてまいります。
100 周年記念事業について
最後に、年度を通じて実施してまいります100 周年記念事業の一端をご紹介させていただきます。
5月からは、市民のみなさんが新たな挑戦などを企画し実施する「新世紀岡崎チャレンジ100」が始まります。そして、市制記念日の7月1日には、「市制施行100 周年記念式典」を、その翌日2日、3日には、多くの市民の方に自主的にご参加いただけるイベントを集めました「おかざき100 年祭」を中央総合公園にて開催いたします。
また、学区ごとの魅力や自慢を市全体で1冊の本にまとめ、次世代へ引き継ぐ「岡崎まちものがたり」の作成や、スポーツ、アート、サイエンスの分野で、これからの岡崎を担う子ども達へのイベント「HOPEプロジェクト」の開催のほか、新規事業や既存事業の拡充を合わせまして、60 を超える記念事業を実施してまいります。「市民と創る、新世紀岡崎」をコンセプトとしまして、多くの事業の実施で祝祭感あふれる1年にしたいと考えております。市民の皆様の参加のもとで実施し、新世紀岡崎の更なる発展に繋げてつなげてまいりたいと考えております。
各種事業につきましては、誠心誠意取組み、着実に進めてまいりますので、議員各位のご理解と一層のお力添えをいただきますようにお願い申し上げます。
なお、会計別の主な事業、条例議案及び平成27 年度補正予算等につきましては、両副市長より説明させていただきますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
平成28年3月議会 その2(代表質問答弁) (2016.03.09)
平成28年3月議会 その3(本会議・閉会) (2016.03.26)
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