医療・福祉

2020年8月20日 (木)

新型コロナウイルス患者専用病院の開設など(8月17日発表)

Pressconference202008171

 8月17日(月)に行った市長記者会見の内容を以下に掲載します。


はじめに
 本日の案件に入る前に、新型コロナウイルス感染症について、お話いたします。
 ご承知のとおり、7月以降、新型コロナウイルス感染症が愛知県内で急増し、本市においても同様に増加しています。4月に9人目の陽性者が出て以来、7月半ばまで新たな感染者ゼロでしたが、残念ながらこのところの急増で、市内在住の感染者は、昨日(8月16日)現在、102人確認されており、感染された方には、心よりお見舞い申し上げるとともに、1日も早い回復を願うばかりです。
 また、引き続き、最前線で闘っておられる医師、看護師など医療従事者の皆様には、最大級の敬意と感謝を申し上げます。
 さて、本市では、「新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」を作成し、発生事例数による警戒レベルを設定し、各レベルに応じた対応方針により感染拡大防止に努めています。
 7月以降の感染者は10代から30代の方がおよそ7割を占め、若い方を中心に感染が拡大しています。若い世代の場合、無症状の方も多いと言われ、知らない間に感染していたり、同時に家族や友人に感染させている可能性があることを強く意識していただきたいと思います。
 一人ひとりのしっかりとした対策が、感染拡大を防ぐ最善策となります。新型コロナウイルス感染症の終息の時まで、行政と市民一丸となって頑張ってまいりたいと思いますのでよろしくお願いします。

イオンモール岡崎内に「市民サービスコーナー」を開設
 先月、イオンモール株式会社様と包括連携協定を締結していますが、この度、市民サービスの利便性向上に向けた取り組みとして、10月中旬に、イオンモール岡崎内に、市民課の窓口「市民サービスコーナー」をオープンします。

Pressconference202008172

 イオンモール岡崎の大規模な改修に合わせて準備を行うため、具体的なオープンの日付につきましては、決まり次第、お知らせいたします。
 イオンモールへの行政窓口の設置は東浦町に続き県内2例目であり、マイナンバーカードの申請窓口の常設は県内初であります。イオンモール岡崎の3階にある一つの区画を市が借り受け、岡崎ビジネスサポートセンター・オカビズと、市民課が共同で運営するもので、市民サービスコーナーは、その区画の半分に当たる、60平方メートル程度となります。毎週水曜日、毎月第3日曜日の休みを除く、毎日11時から19時まで営業しますので、平日の仕事帰りや土日、祝日でも気軽に利用していただけるものと期待しております。
 オープン当初は、市民のマイナンバーカードの取得を促進するため、マイナンバーカード専用の受け付け窓口を開設します。特別定額給付金やマイナポイントサービスの開始により、マイナンバーカードへの関心が高まっているとは思いますが、まだ8割近くの方が取得されていないのが現状であります。ぜひ、お買い物帰りなどにお立ち寄りいただき、申請していただければと思っております。
 来年1月からは、住民票の写しや戸籍謄抄本といった証明書・交付業務のほか、マイナンバーカードの交付を予約制で開始し、6月からは、税証明の交付業務、転居や転入・転出の届出、戸籍届の受付も開始する予定であります。それに伴い、現在、市役所本庁で開設している土曜窓口の機能を、イオンモール岡崎へ移転し、サービスの向上を図ってまいります。

新生児特別定額給付金
 ただ今、新型コロナウイルス感染症が市民にもたらす影響の長期化が見込まれるなか、新生児を抱える世帯の経済的負担を軽減し支援するための、本市・独自の施策として、国の特別・定額給付金の基準日を過ぎて生まれた新生児を対象に1人当たり10万円を支給し、子どもの健やかな成長を応援してまいります。
 対象は、4月28日から12月31日までの間に生まれ、出生により、岡崎市に住民登録をされた新生児とし、およそ2,500人を見込んでおります。
 支給に係る予算につきましては、9月定例会に補正予算を計上し、10月初旬から順次、申請書を送付し、郵送による受付を行い、早期の給付を目指してまいります。

新型コロナウイルス感染症患者専用病院の開設
 本日すでにテレビ報道がなされておりますが、現在、愛知県が、新型コロナウイルス感染症患者専用病院として岡崎市立愛知病院を使用することについて、市民の安全を守ること並びに今後の経費を県が負担し医師・スタッフの準備も県が責任をもつことを条件に、県と協議中であることを発表いたします。

Tokaiaichi20200818

 今回の件は、愛知県が新型コロナウイルス感染症拡大による医療崩壊を防ぐため、県内に入院患者を受け入れる、専用病院の開設を目指している中、本市に対し、県から無償貸与を受けている岡崎市立愛知病院の施設を使用したいという強い要請があったものであります。
 この話は新型コロナウイルス感染症拡大当初からありましたが、5月に、感染者が減少したため、一旦、保留となりました。
 その後、感染拡大の第2波に備え、改めて、新型コロナウイルス感染症の患者専用病院の開設に向けて、本市が、県から無償貸与を受けている、愛知病院の施設を使わせてほしいと強く要請をいただいたものであります。
 本市としても、医療崩壊を何としても防がなければならないという思い、そして何より、市民の皆様が、新型コロナウイルスに感染して、医療行為が必要になった場合に、安心して医療が受けられるようにとの思いから、協議を進めることといたしました。
 今後は、速やかに、県が、新型コロナウイルス感染症患者・専用病院を開設・運営できるように協力して参ります。

|

2020年6月11日 (木)

子育て支援対策、医療体制の安定化などについて(6月10日発表)

Pressconference202006101

 6月定例会最終日に、追加で3件の補正予算を計上するにあたり、臨時市長記者会見を開きました。新型コロナウイルス感染症に対する新たな支援対策を発表しました。
 申し上げた内容の全文を掲載します。


 本市におきましては、国の特別・定額給付金の早期・特別申請受付のほか、休業要請にご協力いただいた事業者に対する、県・市の協力金に加え、本市独自の協力金の支給、また、小中学校・保育園などの給食費無償化や水道料金の基本料金の減額など、総額440億円に及ぶ、様々な支援を実施しているところであります。
 しかしながら、今後も市民の皆様の安全・安心な生活を確保するために、新型コロナウイルス感染症流行の第2波、第3波の到来に備える必要があると考えております。
 そうした中、国や県においては、新型コロナウイルス・感染症対策に関わる補正予算が計上されております。
 本市では、国や県の施策に迅速に対応するとともに、独自の生活支援、医療・検査体制の充実を図るため、6月定例会最終日に、追加で3件の補正予算を計上いたします。
 引き続き、スピード感のある対応により、安全・安心な生活の確保に向け、取り組んでまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
 それでは、報道発表資料にそって、ご説明いたします。

Pressconference202006104

ひとり親世帯臨時特別給付金
 1つ目は、生活支援対策であります。
 新型コロナウイルス・感染症は、休業による収入減と、学校の休業の両方が重なることで、子育て世代に大きな負担を与えてきました。なかでも、仕事と育児を1人で担う「ひとり親世帯」に対する生活支援は、このような環境の変化する中で、生活を安定させるために早い対応が必要だと思っております。
 このたび提案する「ひとり親世帯臨時特別給付金」は、国の事業でありますが、5月に実施した10万円を給付する特別・定額給付金の早期・特別申請と同様に、本市としては、早期の給付を目指してまいります。
 対象は、児童扶養手当・受給世帯等で、1世帯当たり、5万円、第2子以降は、1人につき3万円を支給してまいります。
 支給時期は条件にもよりますが、8月中旬以降、順次支給してまいります。

保健所の強化
 2つ目は、保健所のさらなる強化であります。
 新型コロナウイルス感染症の流行の第2波、第3波の到来に備え、リアルタイムPCR装置を1台購入いたします。
 本市は、4月9日から独自に検査を行っていますが、さらに検査可能件数を増やし、検査要員も増やすことで、当初の5倍にあたる、1日最大40人分の検査ができる体制を整えます。
 今後、第2波、第3波の到来により、検査件数が増加した場合においても、迅速かつ確実に検査を実施し、早期に感染を把握し、対処することにより、市民の皆様の安全・安心な生活を確保し、社会経済活動との両立を図ってまいります。
 これは保健所をもっている中核市・岡崎のメリットだと思っております。

医療体制の安定化
 最後に、地域の医療体制の安定化であります。
 本市の2次救急医療を守り、地域の救急医療体制を安定したものとするため、「民間病院経営維持資金貸付金」を計上するものであります。
 これは、県が新たに新型コロナウイルス感染症の緊急対策として創設し、県と市町村が2分の1ずつ貸付金を負担するもので、貸付対象は、2次救急医療を担う病院を運営する、従業員数301人以上の医療法人であります。
 本市には、2次救急医療を担う医療機関は4法人あり、そのうち今回の制度の対象となる法人は医療法人鉄友会と医療法人愛整会の2法人であります。
 今回、この貸付制度に対し、北斗病院を運営する医療法人愛整会から制度の利用についての相談を受けましたので、必要な支援が早急に実施できるよう、2億5千万円の予算計上をするものであります。

 救急医療の現場からは、新型コロナウイルス感染症に対する医療提供体制と救急医療体制の両立の難しさや、現場で対応する職員の負担、感染防止用の医療資材を確保する苦労、外来・入院患者数の減少による経営への影響など、様々な声をうかがっています。
 医療法人でも利用可能な、従業員300人以下の中小企業向け融資制度など、様々な施策がありますが、2次救急医療を担う病院には、従業員300人を上回り、中小企業に該当しない医療法人があります。このような医療法人に対しても、早急に経営資金を貸し付ける本制度について、県と協調するため、今回、追加補正で対応するものであります。
 新型コロナウイルス・感染症の医療機関経営への影響を考慮した、中小規模の医療機関への融資制度に、本制度が加わることで、医療法人の規模にかかわらず、医療体制を守り、支援していく仕組みが整うものと考えております。

最後に
 本市では、冒頭でも申し上げたとおり、様々な対策や支援を行ってまいりました。そして、新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波の到来に備え、さらなる迅速な対策をとらせていただくことにより、市民の皆様が安心して日常生活を送ることができるよう、引き続き支援してまいります。
 市民の皆様におかれましては、『新しい生活様式』として、「三密の回避」をはじめ、「外出を控える」、「手洗い」、「マスク着用」、「換気」など、一人ひとりができる感染拡大防止に向けた取り組みを、実践していただくようお願いいたします。
 新型コロナウイルス・感染症の終息のときまで、一丸となって頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

|

2020年4月16日 (木)

藤田医科大学岡崎医療センターが開院しました

Fujita202004041_20200416224101

 藤田医科大学岡崎医療センターが4月7日(火)に開院しました。開院に先立ち4月4日(土)に行われた開院式での挨拶を掲載します。


 皆様、おはようございます。岡崎市長の内田康宏であります。
 本日は、「藤田医科大学岡崎医療センター開院式」が、厚生労働大臣政務官・自見英子様、愛知県知事・大村秀章様はじめ、多くの皆様のご参会のもと、このように晴れやかに挙行されますことを心からお慶び申し上げます。また、学校法人藤田学園におかれましては、日頃から市政に対しまして温かいご理解とご協力を賜っておりますことを、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
 星野理事長をはじめ、ご関係の皆様、誠におめでとうございます。開院を目前にして大変なご苦労をされ、それを克服し本日めでたく開院式を迎えられ、感慨もひとしおと存じます。

Fujita202004042

Fujita202004043

 2月17日にクルーズ船からの感染者の受入れを決断されて以来、開院前にかかわらず、岡崎医療センターの名は全国に知れ渡ることになりました。まさに国難というべき、この困難な事態に対し、藤田医科大学は医療人としての確固たる信念を行動をもって示され、ウイルスを完全にコントロールして一人の二次感染も出すことなく、無事に全員を退所させることができました。
 本市においても、受入れ初日から志願により編成した保健所と救急隊の専属チームを常駐させ、計128名の収容者のうち15名の発症者を医療機関に引き継いできました。任務にあたった職員からは岡崎医療センターの活躍を間近に拝見し、藤田医科大学に対する信頼を大変厚くしたと聞いております。
 クルーズ船の一件では、藤田医科大学も本市も、そして学区の皆様も、確かに大きな苦労をしてきました。しかし、あの2週間の経験は私たちの間に信頼を育み、また、感染症対策のノウハウを学ぶ貴重な機会を得ることにつながりました。

 これもひとえに、藤田医科大学岡崎医療センターの持つ、崇高な志と高い技術の賜(たまもの)であります。世界的にも新型コロナウイルス感染症対策が高い関心を集める現在、優れた医療の提供こそが最大の医療福祉政策であります。改めて、岡崎にかけがえのない財産を誘致できたことを誇りにするとともに、私自身大変嬉しく思っております。
 市民にとりましても、岡崎医療センターが24時間365日体制で2次救急医療を担っていただくことは何よりも心強いものがあります。

 現在、本市は39万の人口を有し「一歩先の暮らしで三河を拓く 中枢中核都市おかざき」を目指し、全市一丸となり取り組んでおります。今年度は「市民の生活を守り、さらなる賑わいを生み出す予算」を掲げ、福祉総合相談窓口の設置や、医療費助成制度の拡大などの医療福祉政策を強力に推進しております。今後とも、岡崎に住み、生活することに安心感の持てる〝まちづくり〟を行いますのでよろしくお願い申し上げます。
 最後に、半世紀を超える藤田学園の輝かしい歴史と実績を基盤とし、地域医療の充実に一層のご尽力を賜りますことをお願い申し上げ、お祝いの言葉といたします。本日は誠におめでとうございます。

|

2020年4月10日 (金)

藤田医科大学岡崎医療センターの感染者受入れに係る職員への感謝状

Fujita202003301

 先般、藤田医科大学岡崎医療センターにおけるダイヤモンドプリンセス号の乗客乗員受入れに際し、発症者の指定医療機関への搬送を務めた消防職員26名と医療機関への搬送調整を務めた保健所職員10名に、3月30日(月)、感謝状を贈りました。
 今回の任務は、自らも感染のリスクを伴うものである中、志願により業務に従事し、立派にその任務を果たしたことに対し、岡崎市を代表し謝意を表するものであります。
 保健所職員による業務の活動報告書、ならびに感謝状授与式での挨拶を掲載します。

藤田医科大学岡崎医療センターにおける保健所職員リエゾン業務の活動報告(PDF)


Fujita202003302

 ご報告ありがとうございました。
 はじめに、藤田医科大学岡崎医療センターの守瀬室長におかれましては、4月7日の開院に向けて大変ご多用のところ、お越しいただき誠にありがとうございます。

 この度、消防職員、保健部職員の皆さんにおいては市の代表として強い使命感を持ち、発症者の搬送及び搬送調整を、懸命に務めていただきましたことに深く感謝いたします。
 これまで誰も経験したことがない、大きなリスクを伴う業務であるにもかかわらず、志願により参加をされ一人の二次感染者を出すことなく、高い士気の下、見事に任務を果たされた皆さんはまさに本市の誇りであり、子供達のヒーロー、ヒロインでもあります。
 一方で、現在も日本国内では感染が広がりつつあり、市中感染の拡大防止対策はこれからが正念場となります。皆さんが行った業務は今後の対策の下地となる、非常に大切な仕事でした。現地で見てきたこと、経験してきたことをぜひ職場で伝えていただきたいと思います。そして、この経験をこれからの職員生活の大きな財産としていただき、今後の職務にぜひ活かして下さい。本当にご苦労さまでした。
 また、藤田医科大学岡崎医療センターは今回の感染者受入れに関し、まもなく開院という大事業に向けた準備を進めているところ、ためらうことなく医療機関としての使命を果たされました。医療スタッフの感染など、非常に難しいリスクも予想される状況において受入れを決定され、高い志を持った医療機関であることを自ら行動により実証されました。
 このような病院を岡崎市に誘致できたことは本市の誇りであるとともに、将来、かけがえのない財産を手にすることができたと思っております。
 今後は西三河南部東医療圏の拠点として、市民の健康を支えていただきますよう、お願い申し上げすまとともに、本市といたしましてもこれからも引き続き支援してまいりますので、よろしくお願いいたします。

|

2020年3月26日 (木)

令和2年3月議会 その6(閉会の挨拶)

Okazakicitycouncil202003231_20200417075801

 3月23日(月)をもって3月議会定例会が閉会しました。最終日の閉会挨拶を掲載いたします。


 閉会にあたりまして、私からもご挨拶を申し上げます。
 このたびの3月定例市議会にご提案しました議案につきましては、慎重なご審議を賜り、ご議決いただきまして、誠にありがとうございました。決定されました議案の執行にあたりましては、厳正・公正に努めてまいる所存であります。

 さて、例年であれば3月定例会の閉会とともに、新年度に向けてスタートしていくタイミングではありますが、今般は新型コロナウイルス感染症が国際的な広がりを見せており、残り少ない今年度の中でも、議決いただいた補正予算を活用して新たな対策を進めていく必要があります。
 そこで、改めてこれまでの本市の対応を説明させていただきます。
 本市では、1月29日に対策本部を設置し、窓口職員にマスク着用の指示、各施設にアルコール消毒液の設置、市民への注意喚起など、必要な対策を講じてまいりました。感染予防対策については各議員の皆様方にも、ご協力をいただき、感謝しております。
 藤田医科大学岡崎医療センターへの感染者受入れに関し、本市では、受入れ初日から保健所職員を常駐させ、計128名の収容者のうち、17名の発症者を医療機関に引き継いできました。
 本市への感染を防止するために本人の志願により専属で編成した、岡崎市消防本部の救急隊員の懸命な活動により、市民に感染を広げることなく完了し、また任務終了後のPCR検査も全て陰性でありましたので、私自身、安堵しております。

Shiseidayori202004011_20200417075801

(「市政だより おかざき」令和2年4月1日号)

Shiseidayori202004012_20200417075901

(同上)

 藤田医科大学岡崎医療センターでは、全員の退所から2週間が経過しましたが、現在は4月7日の開院に向け、「地域の皆さんに安全に安心して利用してもらうため」消毒はじめ万全の体制を整えていると聞いております。
 この度の国家的危機にためらうことなく取り組んだ、藤田医科大学岡崎医療センターは高い志を持った、医療機関であり、改めて将来的にかけがえのない財産を本市は手に入れたと思っております。

 一方で、現在も、全国的に、市中感染は拡大しており、行政にとっての正念場は、むしろ、これからであると考えております。何よりも市民の命と健康を守ることを最優先に、事あるごとに対策本部会議を開催し、全庁一丸となって、やるべき対策を、スピード感をもって実行してきました。
 2月27日には主催イベント中止基準を定め、利用料は還付すると公表しました。また、国からの臨時・休校要請を受け、28日には、市立小中学校の臨時・休校方針を公表し、これを受ける形で、児童育成センター、学区子どもの家での受入れ体制を整え、その内容を公表しております。
 また、3月12日には、市内在住の方の感染確認を受け、全ての公共施設を原則、臨時休館または利用中止を決定するとともに、民間・児童クラブの時間拡大にかかる運営費の全額補助や中小事業者への緊急支援として市の信用保証料・補助制度の拡充などを公表いたしました。

 これで、藤田医科大学岡崎医療センターに、入所が始まった2月19日から1か月が過ぎました。
 先週末、隣接する岡崎小学校では、在校生の参加しない卒業式が行われました。大きな不安を抱える中、児童たちは、この機に様々なことを学び、大きく成長しております。
 先般、入所している方々に対し、全校児童340名から自主的に励ましのメッセージを届けて頂いたそうです。この出来事は、クルーズ船の乗客・乗員や従事した、医師・看護師らも、涙を流して喜ばれたと伺っています。そして、そのお返しとして、岡崎小学校には、岡崎医療センターのスタッフが卒業生一人ひとりに一輪の花を渡し、感謝の気持ちを伝えたそうであります。
 今回の交流から、思いやりと優しい心を育んできた、岡崎小の子どもたち、そして、崇高な使命感を持った病院を地元に誘致できたことを誇りに思っております。
 対策本部では、目に見える対策のほか、中核市の優位性を発揮した、きめ細かな感染予防対策を実施しております。例えば陽性反応が確認された方の情報を保健所から救急隊に引き継ぎ、防護服を着用した隊員を確実に派遣できるよう、万全の備えをしております。
 本市のように市民病院を有し、中核市として保健所を設置する市長の責任は、非常に重いものがありますので、今後とも、しっかりと職責を果たしてまいります。

 さて、今年度も、あとわずかとなりました。振り返りますと、若き日の徳川家康公像や桜城橋の完成を始め、これからの岡崎の新たな顔が目に見えるようになった一年となりました。
 ハードの整備だけを取り上げるかたもみえますが、全国に58ある中核市の中でも有数の健全財政を維持しながら、これらの大型事業を進めていけるのは、誠に誇らしいことであります。

Sakuranoshirobashi202003221city_20200405070501

 しかし、常々申し上げてきたことでありますが、これからは出来上がった空間を上手に活用し、いかにまちに賑わいを生み出すかということが一番大事なことであります。
 その根底にあるのは、市民が快適に楽しく過ごせる岡崎にしたいという想いであり、特に、市民の安全・安心を第一と考え、様々な事業を進めてまいりました。
 本市の交通事故死者数が、10年前と比較して、3分の1に減少するとともに、本市における犯罪情勢は、私が市長に就任する以前の平成23年には5,000件を超えていましたが、昨年は1,993件となり、実に半分以下に減少しました。政治は成果主義・結果主義であります。このように数字として明らかになっていることが、事業の成果の表れであると自負しております。

 そして、将来的には、私の掲げる、市民との対話を大切にした「顔の見える民主主義」を継続してゆくため、最大の都市規模と考えられる、「50万都市・岡崎」を念頭に、次の100年を見据え、さらなる魅力あるまちづくりに邁進してまいる覚悟であります。
 議員各位におかれましては、今後ますますご自愛の上、さらなる市政進展のために引き続きご尽力賜りますようお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

|

2020年3月23日 (月)

『中日新聞』 藤田進出 変わる西三河の医療

 藤田医科大学岡崎医療センターにおける乗客乗員の全員の退所から2週間が経過しました。本市では、受入れ初日から保健所職員を常駐させ、計128名の収容者のうち、17名の発症者を医療機関に引き継いできました。岡崎医療センターでは、「地域の皆さんに安全に安心して利用してもらうため」開院日を4月1日から4月7日に延期し、消毒はじめ万全の体制を整えていると聞いております。
 受け入れを行っていた当時、中日新聞の西三河版に、岡崎医療センターおよび地域医療の現状を特集した「藤田進出 変わる西三河の医療」という記事が連載されました(2020年2月26日~29日、全4回)。ご紹介が遅れましたが、中日新聞社から許可を頂きましたのでブログに掲載いたします。

Chunichi20200226_20200417081501

Chunichi20200227_20200417081601

Chunichi20200228_20200417081601

Chunichi20200229_20200417081701

|

2020年3月10日 (火)

藤田医科大学岡崎医療センターからのクルーズ船乗客等の退所完了について

市民の皆様へ

 岡崎医療センターの感染者受入れに対し、市民の皆様、特に近隣住民の方々に多大なる御理解と御協力をいただきましたことに深く感謝を申し上げます。
 今回の受入れを国と藤田医科大学が緊急事態として決定されたことに対し、承諾や拒否をする立場になく、法的にもそのような手続きは定められていませんが、本市では、市民の健康を第一とする立場から住民説明会を開催し会議録を公開するなど、正確な情報を迅速に発信するよう努めてまいりました。
 本市では、受入れ初日から保健所職員を常駐させ、発症者を医療機関に引継いできました。専属使用してきた救急車の消毒も完了し、順次実施している救急隊員のPCR検査も、現在まで全員陰性であることを御報告します。

 今回の件は、市民の皆さんに様々な形でご心配をお掛けしたことは事実ですが、藤田医科大学岡崎医療センターにおいても苦渋の選択であったと思います。
 この4月に開院するという大事業を抱えている最中、また、医療スタッフへの感染など非常に難しいリスクも予想される状況において、この度の国家的危機に臨み、ためらうことなく医療機関としての使命を果たされた藤田医科大学・岡崎医療センターは高い志を持った医療機関であるということを、行動をもって示されたものと受け止めております。
 この、崇高な使命感を持った病院を地元に誘致できたことは本市の誇りであるとともに、将来的にはかけがえのない財産を手に入れたと思っております。救急医療拠点としてスタートし、市民の健康を支えていただけるよう、本市としても引き続き支援してまいります。

 藤田医科大学の完全なコントロールのもと岡崎医療センターでの経過観察は無事完了しましたが、その一方で愛知県内では感染が広がりつつあり、市中感染拡大防止対策はこれからが正念場となります。
 今後も、市中感染の拡大防止を図り、皆様の不安をできるだけ軽減できるよう努めてまいります。市民の皆様におかれましても、SNSなどによる根拠のない情報に惑わされることのないよう、これからも御理解と御協力を頂きますよう、あらためてお願いいたします。

 最後に、発症により医療機関に入院中の患者様の一日も早い御快復を心からお祈りしております。

令和2年3月10日  岡崎市長 内田 康宏

|

2020年3月 1日 (日)

令和2年3月議会 その2(藤田医科大学岡崎医療センターへの受入れについて)

藤田医科大学 岡崎医療センター

 市議会3月定例会の市長提案説明のつづきです。新型コロナウイルス感染者の藤田医科大学岡崎医療センターへの受入れに関して述べた部分を掲載いたします。


 最後に、この度、新型コロナウイルス感染者を藤田医科大学岡崎医療センターが、受入れた経緯と本市の対応について、ご説明いたします。
 ことの経緯としては、はじめに、2月16日、日曜日の夕方に、厚生労働省から保健所に対しまして、「藤田医科大学岡崎医療センターに、クルーズ船の感染者の受入れ要請を行っている」旨の連絡がありました。
 翌17日、月曜日の朝に、藤田医科大学岡崎医療センターが、受入れの決定をされ、同日、加藤・厚生労働大臣から、直接、本市に対して、「岡崎医療センターが感染者を受け入れることとした」旨の電話がありました。私が具体的に話を耳にしたのはこの時が初めてであります。
 厚生労働省と藤田医科大学が、詳しい経過説明のため、午後から本市を訪問され、私からは、市民の生命と健康を最優先に、藤田医科大学の完全なコントロールのもと、万全な感染予防体制をとるよう申入れました。
 藤田医科大学からは、4階以上だけを使い、医療環境・管理士を常駐させ、医療現場で必要な、感染予防対策をしっかりと行うとの回答がありました。
 今回の感染者の受入れを、国と藤田医科大学が緊急事態として決定されたことに対し、本市は、それを承諾したり拒否する立場になく、法的にも、そのような手続きは、定められておりません。しかし、周辺地域にお住いの方々が抱える不安を解消して頂くため、住民第一の立場に立って、できる限りスピード感ある対応を行ってまいりました。
 2月18日、火曜日に、シビックセンターで住民説明会を、21日、金曜日には、岡崎小学校で保護者説明会を開催いたしました。また、説明会の会議録は速やかに公開し、参加できなかった方でも情報を共有できるよう、情報公開しております。
 岡崎医療センターに到着後、肺炎を発症された方については、専任の施設を有する各医療機関に搬送しておりますが、搬送に使用した2台の救急車は、感染拡大防止のため、新型コロナウイルス患者専属とし、事態収束までの間は、他の患者には使用せず、岡崎医療センター内で待機させております。
 そのために通常業務に支障が出る場合には、周辺自治体から応援をいただく内諾をもらっております。また、患者の急増に備えるため、厚生労働省に支援を要請し、周辺自治体からの搬送支援体制をいちはやく整えております。本市の使命は、市民を感染から守ることであり、救急車内で市民の皆さんが感染することのないよう、対策を徹底しております。

 今回の件は、藤田医科大学岡崎医療センターにおいても、苦渋の選択であった思います。確かに、市民の皆さんには様々な形で、ご心配をお掛けしていることも事実ですが、医療機関は患者にとって、最後の砦であります。
 この4月に開院するという大事業を抱えている最中、また、医療スタッフへの感染など、非常に難しいリスクも予想される状況において、この度の国家的危機に臨み、ためらうことなく医療機関としての使命を果たされた藤田医科大学・岡崎医療センターは高い志を持った医療機関であるということを行動をもって示されたものと受け止めております。
 この、崇高な使命感を持った病院を地元に誘致できたことは、本市の誇りでもあるとともに、将来的には、かけがえのない財産を手に入れたと思っております。
 今後も、何かあってからではなく、何も起こさせないという気概で、国、県、藤田医科大学・岡崎医療センターと連携を密にして万全の対策を講じ、地域医療を担う、かけがえのない病院として、しっかりとスタートできるよう、本市としてもバックアップしてまいります。

新型コロナウイルス感染症について

 今後、本市としては、市中感染の拡大防止を図り、また皆様の不安をできるだけ軽減できるよう積極的な情報発信に努めてまいりますので、市民の皆様におかれましても、昨今のデマ情報のあふれる世情の中、SNSなどによる根拠のない情報に惑わされることのないよう、冷静な対応をお願いしたいと思います。これからもご理解・ご協力頂けます様、あらためてお願いいたします。
 なお、この件については、多くの市議会議員からも説明要求がありましたので、詳細については、保健部長から説明をさせていただきます。

 以上、ご説明を申し上げますとともに、提出をいたしております、諸議案につきまして、よろしくご審議の上、ご議決を賜りますようお願い申し上げまして、私の説明を終えさせていただきます。ありがとうございました。(つづく

|

2019年10月25日 (金)

リレー・フォー・ライフ・ジャパン2019岡崎

Relayforlife201909282

 〝がんの征圧〟とともに〝がんとの共生〟運動を訴える「リレー・フォー・ライフ・ジャパン」は、岡崎で開催されるようになって10回目を迎えました。今年は9月28日(土)から翌日にかけて、中央総合公園多目的広場で行われました。

―挨拶―
 皆様、こんにちは。岡崎市長の内田康宏です。
 台風18号が近づく中、天候にも恵まれ、本日は、岡崎市で10年目の節目を迎える「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2019岡崎」が、このように多くの皆様のご参加により開催されますことを、心からお喜び申し上げます。
 また、今年度は、記念すべき第1回目の開催場所であります、この岡崎中央総合公園に10年ぶりに戻ってまいりました。私も県議の頃から毎回参加しておりうれしく思っております。本日の開催に向け、早くから準備・調整にご尽力いただきました主催者の皆様に、深く敬意を表します。

Relayforlife201909281

 さて、「がん」は30年以上にわたり、日本人の死亡原因のトップであり、2人に一人ががんに罹る「国民病」とも言われております。一方で医学の進歩により、早期発見・早期治療による治癒が望める病気にもなってきております。
 このような中、国では「がん予防」「がん医療の充実」「がんとの共生」の3つを柱とした計画が推進されております。
 本日の「リレー・フォー・ライフ・ジャパン岡崎」は、柱の一つであります「がんとの共生」を目指す皆様が集い、がんと闘う人の勇気を称えるとともに、がん患者への理解を深めるイベントとして、愛知県内で最も定着していると伺っております。
 今回も、ここにお集まりの皆様により、24時間、途切れることなくリレーウォークが行われ、「がんとの共生」の輪がさらに広がることを、期待しております。
 終わりに、このリレーウォークを通して、交流の輪が広がりますとともに、サバイバーの皆様とまたお会いすることを心より祈念いたしまして、私からの激励の挨拶とさせていただきます。体調に気を付けて、頑張ってください。

Relayforlife201909283

|

2019年6月27日 (木)

即位後、初の天皇皇后両陛下の地方行幸啓

天皇皇后両陛下

(「市政だより おかざき」令和元年7月1号より)

 6月1日(土)、天皇皇后両陛下が令和時代初の地方行幸啓(ぎょうこうけい)として、愛知県におみえになった。これは翌2日に行われる「第70回全国植樹祭」の式典へ出席されるためで、初日にはあま市七宝焼アートヴィレッジを、2日目には岡崎市にある愛知県三河青い鳥医療療育センターを訪問された。
 これまで、天皇陛下が岡崎市におみえになったことは、明治天皇が4回、大正天皇が皇太子時代に1回、昭和天皇が2回と記録に残っている。 (下記参照)

Visiting-okazaki_20190627205701

 昭和54年の「第30回全国植樹祭」の際に「お召し列車」が岡崎駅に停車した折に、奉送迎が行われたそうだが、本市を目的地とした来訪は、昭和21年の戦災地・御巡幸以来72年振りのこととなる。

第70回全国植樹祭
 初日の夜、名古屋市内のホテルで全国植樹祭のレセプションが行われ、県下の各自治体の長はじめ、国・県会の議員、経済界及び各界の代表者が招かれ500名ほどの参加者によりにぎやかな祝宴が開催された。
 県会議長、知事の挨拶に続き、天皇陛下からもお言葉を頂いた。数日前に即位後初の国賓として米国トランプ大統領夫妻のおもてなしを行われたばかりで、両陛下におかれては大変お疲れである中、会場では笑顔を絶やさず一人一人にていねいに対応をされていた。その姿を間近に拝見し、皇族の方々の公務というものが尋常でないことがよく分かった。
 帰り際、夜間にもかかわらず、ホテルの周辺には天皇御来訪を歓迎する数百人の皆さんがちょうちんを片手に整然と並んでいた。改めて、この国における天皇陛下の存在感の大きさを認識した次第である。

 翌2日、早朝に岡崎を発った私達は尾張旭市の愛知県森林公園に向かった。10時から始まる植樹祭のため、前日同様の厳重なチェックを受けて森林公園内の会場に入り、それぞれ決められた行程を行うこととなった。
 私達地方自治体の長は、陛下の主賓席のステージの左側の木造の建屋に案内された。あいにく、つくりが平坦で、しかもスシづめ状態のため会場の様子は前の人の頭に隠れてさっぱり見えなかった。おまけに用意されていたテレビも逆光で役に立たず、アナウンスの音声に耳をそば立てて推移を察するのみであった。それでも陛下の「健全な森を次世代のためにつくっていくことは、私達に課せられた大切な使命であります」というお言葉は私達の耳にもしっかりと届いた。
 記念植樹は両陛下はじめ、関係者の手により、会場の前面においてスギやシデコブシなど6種類の苗木が植えられた。

第70回全国植樹祭

第70回全国植樹祭

 「広場の真ん中に、近接した間隔で木を植えて後で困らないのだろうか?」と思い、尋ねてみたところ、「式典として植えられた苗木はポットに入ったまま埋設されており、後に掘り返され、適地に移し替えられる」とのことであった。本来「記念植樹」というものは本人が手ずから植えたものであるから意味があるのであって、移植したら記念植樹とは言えないのではないかと思ったが、最近は儀式として行うだけで、他でもこうした仕様になっているということである。

愛知県三河青い鳥医療療育センター
 その後、両陛下は近くの会場で昼食をとられ、岡崎へと向かわれた。私達は高隆寺町の三河青い鳥医療療育センターで両陛下をお出迎えするべく一足早く岡崎に戻った。
 当初岡崎へはおしのびでおみえになるという話であったが、両陛下がみえるということで、警察や担当部局の職員が経路や会場の事前調査に動いたこともあって、いつしか地元の人達の知る所となり、正式に公表される前から市役所や後援会事務所へ両陛下のおみえになる時間や経路についての問い合わせ電話が相次いだようである。
 さすが警備については半端ではなく、東京から随行の皇宮警察(こうぐうけいさつ)はじめ、警視庁のSP、県警、岡崎署の警察官あげての水も漏らさぬ警戒態勢であった。そこまで気がつかなかったが、当日は県警のヘリコプターも出動したそうである。

 先導者、先行の白バイ隊、両陛下の乗車に加え数台の護衛車両が警護のため随従してきた。両陛下の到着前に着いた先行車両からは私服護衛官達が周辺と施設内に分散し、再度、それぞれの持ち場を確認していた。建物内の経路も、通路の交差点には必ず誰かが立つ念の入れようであった。

Theemperorofjapan201906021

Theemperorofjapan201906022

 ほどなく到着された両陛下は、玄関先に立つ私達一人一人に声を掛けて入場され、エレベーターに乗られた。20分の休憩の後に、再び1階に降りておみえになったのであるが、部屋に入る度ごと、出る度ごと、エレベーターに乗られるごとに無線で連絡が入る。まるで決められたレールの上を走る列車の運行のような行程であった。
 そのようながんじがらめの状況下(?)にありながら、両陛下の行動は実に細やかな配慮に満ちたものであり、一人一人の入所者の手を握りながら、同じ高さの目線に立ち、相手に合った話題を選ばれてお話をされてみえた。途中、随従の方達が帰りの時間の心配をされてみえたが、お二人は全く手抜きのない応対を続けてみえた。これでは私達の選挙運動よりも余程ていねいで、心のこもった応対ぶりであり、反省させられること大であった。

 玄関でのお見送りの際、「余計なことを話さないように」と注意を受けていたため、〝岡崎の令和・桜バッジ〟も用意はしていたが、お渡しできなかった。帰りに献上する資料も各市パンフレット1冊と決められていたそうである。
 ところが、帰りがけに天皇陛下の方から、現在岡崎市に在住の共通の知人についてのお話があった。そのため、私のみしばらく会話をする機会を得たため、それを見ていた人達から「何を話していたのか?」と何度も質問されたのであるが、特段たいしたことはお話していない。
 できればその際に、当日六ツ美で行われていた、大正天皇の大嘗祭における悠紀斎田の104周年のお田植えまつりについてお話すればよかったのであるが、あまりに不意の出来事であり、つい話しそびれてしまい残念であった。
 その後、特別仕立ての御料車(トヨタ・センチュリー)に乗車され、お帰りになられた。自動車に詳しい太田市議会議長は「あの車はすべて手造りの特別車で、防弾ガラスなど様々な安全対策が施されており、1台1億円くらいする」と言っていたが、当然のことであろう。

Theemperorofjapan201906023paintshop

 車体の前後左右には直径10センチほどの菊の御紋が取り付けられており、ナンバープレートは無く、代わりに白地に青い字で「皇」の字と、下に「8」の数字が記されたエンブレムが付けられていた。
 それにしても毎度、このように神経をすり減らす訪問を繰り返される皇族の方々には改めて深い敬意を抱いた次第であった。

 当日は特別な動員などしていないにもかかわらず、沿道には当初見込みの
3,000人を大幅に上回る23,000人ほどが歓迎の列を成し、市民の有志から無償で15,000本あまりの国旗が提供された。市民の皆さんが自発的に、盛大かつ温かく両陛下をお迎え頂いたことに私からも御礼申し上げます。

|