内田家の犬と猫

2020年4月 5日 (日)

抜きうち多頭飼い調査

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 1月の末に自宅の抜きうち調査があった。税務調査ではない! どうやら私は、あにも(保健所)から「猫の多頭飼いをやっている困ったちゃん」の一人として認識されているのかもしれない。
 ACジャパン(公共広告機構)のテレビCMや新聞広告による「多頭飼いは止めよう」キャンペーンが行われているさなか、公職にある身でありながら公然と「多頭飼いは私の趣味」と言っているのだから、そう思われても仕方ない。

 何の事前連絡もなく、突然の訪問であったとのことであるが、ともかく間が悪かった。たまたま前日の夜、オス猫どもに度々マーキングをされ、悪臭のために廃棄する予定であった爪とぎ器を玄関先に置いたままにしてあったのである。
 そのせいか、訪ねてきた調査員から「典型的な多頭飼いの家の臭いがしますネ」と言われたそうである(ふだんはそんなことはない)。我が家を市長宅と承知で来たのかどうか定かではないが、玄関先で応対した娘にいくつかの質問をして、1階に置く猫トイレを増やすようにアドバイスをして帰ったそうである。元々そのつもりであり、今は増やしてある。

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 私としては、貴重な機会をのがして「実に残念なことをした」と思っている。もし私が在宅中であれば、2年前に作ったキャットウォークとキャットタワー、壁の穴から私の部屋につながる通路、隣にある猫専用のロフト部屋を披露するところであった。さらに3ヶ所に分散してある10個のトイレや4ヶ所に分散してあるエサ場の様子も見てもらうことができたはずである。併せて、朝夜計2時間ほどかかる猫のトイレ掃除とエサやりの様子を実演を含めて解説することができたはずである。
 いずれにせよ、市の職員が、相手が市長といえども特別扱いせずキチンとチェックを行い、言うべきことを言って職務を果たしていることはお分かり頂けたと思う。

 しかし、ここで一つ明言しておきたいことがある。
 そもそも問題の本質は多頭飼いそのものにあるのではない。多くの動物を飼うために、しっかりした覚悟も準備もなく、一時のかわいさモノ珍しさに流されて安易に生き物を飼う人間のイイカゲンさ、オロカさにある。
 私は家で飼う動物は全て家族の一員としてとらえ、対応しているつもりである。動物とはいえ、できる限り彼らの自由な行動を許しているし、食べ物から健康状態のチェック、群れの中における個体ごとの状態なども観察している。
 猫はすべて室内飼いをしており、2階のテラス以外は外に出られない。グループ行動を好まない個体には特に注意をしており、特別にオヤツを与えたり「ちゃんとお前のことも見ているよ」と言ったりしてスキンシップもはかっている。とはいえ猫の中には人との直接の接触を好まない性格のものもいるため無理強いはしない。顔を見る度に、個々の名前を呼んで頭や背中に触れたり、相手の性格に合わせて対応を変えている。
 そのせいか、私のベッドの上や周囲は複数の猫の溜まり場となっている。そういうことが気になる人はそもそも動物など飼わない方がいい。無理に動物の動態を変えようとせず、なるべく自然体で暮らせるようにしている。
 前にも書いたが、私はアメリカのホームドラマのように犬猫と共生する生活をしたいと考えており、幸い家族も皆動物好きなため多頭飼いが可能となっているのである。
 仕事がはかどらない時の気分転換に、動物の世話はもってこいである。猫のトイレの掃除やエサやりをしていて、フトひらめいてこうした文章を書き始めたりするである。ちょうどトイレやフロに入った時の効用と同じである。

 ただし最近、困ったことが一つある。猫達には24時間いつでもお腹がすいた時に食事ができるようにエサを与えていたせいか、このところ缶詰めのエサを食い残すことがある。生(なま)餌は腐り易く、悪臭を放つため現在は分量を減らして与えるようにしている。そのせいか今度は腹を減らせた猫が私の枕元まで来てエサをねだるようになった。なるべくリクエストにはその都度こたえるようにしているが、そうしたことが私の慢性睡眠不足の原因なのかもしれない。

 マイナス・イメージのことばかり書いてしまったが、家族に動物が加わることによる喜びやメリットもたくさんある。何よりも昨春、母親チャッピーが私の枕元で出産したことには感動させられた。動物は一番安心できる所で子供を産むものであり、それが私の枕元であったことは何ともうれしい限りであった。

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(チャッピー、母親)

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(ゼルまたはタケシ、父親)

 また結婚して30年も経つと、お互いに相方の顔も見たくなくなるものであるが(中には幸運な例外もある)、そのような状況において人の思惑など考えずに動き回る動物達が共通の話題を提供してくれることもある。彼らが思わぬ家族円満の絆となっているのである。
 体調が悪くて一人でベッドに横になっていたりすると、いつもと違う様子を察知した猫達が次々とお見舞い(?)に来てくれることがある。女房が来るよりよほど元気づけられるものである。
 猫を10匹も飼っていると言うと、たいていの人はアキレ顔になる。ウチには犬もいるのであるが、やはり数は力であるのか犬の方が遠慮しながら生活している。自分のエサ箱を猫に荒らされていても、黙って見ていることがあるので、そんな時は私が猫どもを叱って追い払っている。
 いずれにせよ、人間でも動物でも大勢で共同生活をするということはそれなりの手間と気遣いが必要となるものである。

追記
 この原稿を発表前に「あにも」に送ったところ、〝抜きうち調査〟では決してなく、「譲渡した犬猫のその後の様子を確認するため、1年後には必ず行っている調査である」とのことであった。岡崎のあにもでは動物愛護のためにそこまでやっているのである。(この文章は2月の初めに書いたものである。)

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2019年12月 1日 (日)

10匹のネコ達と暮らして

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 先日、愛知県と県内市長との意見交換の場でもある「県市懇談会」の席で、半田市と豊川市から「野良猫対策」への要望が出された。これは、無責任な飼い主のせいで全国的に増え続けている野良猫について、環境省と愛知県が「地域猫活動」を推奨していることに対するものである。
 両市は地域猫活動を進めるに当たって、県による〝不妊・去勢手術の無料実施〟と活動資金の援助を求めたが、結果的に民業(獣医)の圧迫になることと、膨大な経費がかかることから県の賛同は得られなかった。
 本市においても「あにも」や各獣医さんのところに、飼い主のいないかわいそうな犬猫がいる。心ある方はぜひ助けてやって下さい。

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 さて、オス猫だと思っていたチャッピーが4匹の子猫を産んでから1年近くになる。もう子供達は母猫と同じか親よりも大きくなっているものもいる。
 健気なチャッピーは、大きくなっている子供達に、ついこの間まで律儀に授乳していた。そのせいで丸々した子猫達に比べてチャッピーは今もスリムな体型のままである。

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 本来、犬派であった私が10匹のネコを飼うことになったのは誰のせいでもなく、私のウッカリと仏心のせいであり、誰を恨むものでもない。しかし、そのせいで毎朝4時半にトイレに起きる度にネコのトイレそうじと朝のエサやりをすることが私の日課となった。
 こちらが名前を呼んでも気が向かなければ無視をする、自分勝手な連中ではあるが、毎朝目を覚ました時に、私のベッドの上や周りに数匹のネコ達がいる。寝る場所や顔ぶれもその時々でマチマチであり、理由は定かではない。
 元々アメリカのホームドラマのように、犬や猫達と共生する生活をしたいと思っていたため、私自身は満足している。この点については私の気まぐれを許してくれている家族には感謝している。

 そもそもは2年前に家を建て直した時に、居間にキャットウォークとキャットタワーを造ったせいで、ネコの多頭飼いをすることになったのである。毎日それぞれ好き勝手な場所でお腹を上にして、無警戒でノン気な顔をして寝ているネコ達の様子を見ていると小さな幸せを感じる。
 しかし何せ10匹である。ともかくよく食べ、よく出す。毎日世話をしていて感じることであるが、やはり10匹は多かった。家の中にはネコの数だけ10個のトイレを3箇所に分けておいてあるが、それぞれ気の向いた所で用を足しており、犬のような規則性はない。私は日に2~3回はネコのトイレの掃除をしている。
 私がすぐに片付けてしまうせいか、排便しても砂かけをしない横着者もいる。ネコはトイレさえキレイにしておけばちゃんとトイレで用を足す生き物であるが、人間が手抜きをすると外で出すことがあり、トイレの回りは一応新聞紙を敷きつめてある。
 1年前の失敗で懲りているため、うちではネコの不妊・去勢手術は全て済ませているが、複数のオス猫がいるため(5匹)、彼らのマーキング合戦は続いている。
 犬と違い、叱ったところで効果はない。人がいない所でマーキングをするため、マーキング・スポットには段ボール箱を置いてその中にL字型に新聞紙を立てかけて、時折とり替えている。
 これまでは新築祝いのプレゼントで頂いた大型の爪とぎ器のおかげで、家具や壁面の爪とぎ被害はなかったのであるが、最近階段の壁面で爪とぎをする不埒者(ふらちもの)が現れた。まことにネコはままならぬ動物である。こちらも段ボールやパネル板を両面テープで壁面に貼りつけ対処している。

 人間と同じで、ネコも多頭飼いをしているといくつかの派閥ができる。
 中には、そのいずれにも属さないネコも出てくるため人間の気遣いが必要となる。グループから外れたネコは、エサを食べる時にも仲間はずれになることがある。また、「お姫様ネコ」という面倒くさいネコもいる。

 「あんなガサツな連中と一緒にごはんは食べられません」とでも言うにように、一匹だけ離れたところですまして座っている。彼女のために別に小分けしたエサを持って行くことになる。人間のお姫様なら放っておいても自分で食べるが、動物の場合はそうもいかず手がかかるのである。

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 同じネコ・カンやキャット・ビスケットが続くと、食べが悪くなるため、ネコ・カンはローテーションを考え、メーカーの異なるものを与えたり、ビスケットも数種類のものを混ぜて与えている。

 先住ネコが強い権限を持っているものと思っていたが、必ずしもそうではないことに最近気がついた。やはり体が大きく力のあるネコがエラそうな態度をとっている。もう一つ、子供を4匹産んだ小柄なチャッピーであるが、10分の5の数を背景にエサ場を占拠していることが多い。父親はグループに属していないようであり、ネコもライオンのように母系集団(プライド)をつくるのかもしれない。この話をよそでしたところ、「まるで家族のLINEから外されたお父さんみたいネ」というコメントをもらった。
 私がその場にいる時は先輩のネコ達には少し離れた所で、別の皿に給仕する配慮をしている。結局、ネコの世界も「数は力、力は正義」なのだ。

 のん気な生活をしているように見えるかもしれないが、10匹のネコの世話は結構大変である。

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 エサやりとトイレの掃除に加え、長毛種のネコに対してはブラッシングが欠かせず、時には濡れタオルで全身をふいてやることもある。そうした機会には併せて体調の変化もチェックしている。ネコ同士のケンカで爪がささっているのを発見することもあるし、体にシコリや腫瘍ができていないかもみている。高齢化した動物は人と同じような老化現象が出てくるため十分な心遣いが必要となる。
 特に高齢ネコの場合、腎臓障害が出ることや歯槽膿漏になることが多いので、食べ物を変えてやる必要があるし、定期的に獣医さんに診てもらった方がよい。動物は言葉で訴えることはできないし、ネコはじっとして動かなくなったらどこか悪いと考えた方がよい。犬猫その他の動物、いずれにせよ縁あって家族の一員となったのである。大切にしてやってほしいものだ。
 現在、朝・夕、各1時間近くネコの世話に時間をとられてしまうため、人から「趣味は何か?」と問われたら「ネコの世話」と答えている。

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2019年5月22日 (水)

『リバ!』2019年6月号

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内田康宏事務所から『リバ!』2019年6月号発行のお知らせです。
市長のコラムは「オス猫出産騒動顚末記」です。

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2019年4月24日 (水)

オス猫出産騒動顚末記

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 オス猫として入手したはずの猫が1月末に子供を4匹産んだことで、親戚はじめ各方面に大変御心配をおかけしておりましたが、結局4匹ともウチで飼うことにしました。御好意で里親に名乗り出て頂いた皆様には心からお詫び申し上げます。
 どうしてこういった結末に至ったかと言えば、人間で言えば中学生か高校生ぐらいの母猫が毎日献身的に子育てをし、育児疲れでしばらく部屋から出してやっても、戻る度に一匹一匹確認するように顔をナメて回っている様子を見て、「これはとても離すことはできないな」と感じたからです。

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◆手前マロン(オス)、後列左からレオン(オス)、ミーツー(メス)、ミルク(メス)

 ものの本によると、お乳は血液の成分が変化して形成されたものと記憶しています。チャッピー(茶トラの母猫)は食べても食べても少しも大きくなれず、やせた体形のままです。女房曰く「女は身を削って子育てをしている」とのことであります。
 子猫それぞれに名前を付けて呼び始めたところ、個性的な動きも見られます。
 おとなしく正座してエサの順番を待つ子、待ちきれずに私のヒザから背中、肩の上まで登ってしまう子と様々ですが、家族それぞれにひいきの子猫ができており、「どの子を里子に出すか」で意見がまとまらなかったことが、一番の理由でありました。

 「家にネコが10匹いる」と言うと、たいていの人はアキれた顔をしますし、「あにも」前所長のK氏からは「せめて8匹までにした方がいいですよ。母猫のやさしい対応も今だけで、そのうち子供を追い払うようになりますよ」とアドバイスを頂きましたが、あえて全部ウチで面倒みることにしました。
 これで我が家は犬1匹、猫10匹、孫1人となる訳ですが、家の中が動物園状態になることは覚悟しております。もうすでにトイレ8ヶ所、エサ場と水飲み場4ヶ所、爪とぎ場6ヶ所を設けましたが、容器とスペースの拡大が必要と思っております。
 ただ、私がこうして動物の多頭飼いをできるのは、あくまで家族全員が動物好きであり、動物の世話に協力的であるからであります。そうした理解と協力なしに、ゆめゆめマネされないことを願います。

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◆ママを一人占め!(レオン)

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 先頃来岡されたモンゴル・アーチェリーチームの団長さんに猫の話をしたところ、モンゴルには「ネコを10匹飼うと幸せになれる」という言葉があると教えて頂きました。
 決してそう言われて10匹飼う決心をした訳ではありませんが、せめてウチで飼う動物はすべて幸せにしてやりたいと思っております。そのためにはまず、次の去勢と避妊のタイミングを失敗しないようにしなければと思っております。
 昨年の今頃、〝ネコ・ブーム〟に警鐘を鳴らすブログを書いた覚えがありますが、やはり不安が的中したようです。新聞の報道によると、昨年度、全国の動物愛護施設で殺処分された猫は前年度の2倍超となったそうです。ブームにのって猫を飼ってみたものの、意外と手間のかかる猫の飼育にアキて、飼育放棄に至る不心得で無責任な人間が多いということであります。動物好きの私のような人間には、こういう人達の心は理解不能であります。

 また、歴史上の人物、著名人の中にもネコ好きは多いようです。
 フランスのルイ16世の王妃、マリー・アントワネットも英国の首相チャーチルもネコ好きで有名ですし、ロシアのエカテリーナ2世は数十匹のネコを飼っていたそうです。ただこれらの人は自分では世話はしていなかったことでしょう。
 日本では『吾輩は猫である』の夏目漱石はじめ作家にネコ好きが多いようです。芥川龍之介や三島由紀夫もネコと一緒に撮った写真をいくつも残しています。ことに面白い話として、大佛次郎は夫婦友にネコ好きであり、自宅に15匹のネコを飼っており、それ以上に増やさない約束を互いにしていたそうです。ある時自宅に帰ると16匹のネコが食事をしており、夫人に問いただしたところ、「その方はお客様で、食事をとられたらお帰りになります」と答えが返ってきたといいます。奥方もなかなかの強者(つわもの)のようです。
 そう言えば、アメリカの作家アーネスト・ヘミングウェイもネコ好きで有名です。以前、県会議員の中南米視察でキューバを訪れた際、ヘミングウェイの邸宅に案内され、そのとき彼の忘れ形見のような10匹以上のネコ達が迎えてくれました。

内田康宏著『多岐亡羊』

◆自著『多岐亡羊』より。1994年刊行。

 いずれにしても自由で自分勝手なネコ達ですが、法律や規則にがんじがらめになっている我々人間からすればうらやましい存在であります。そのたおやかで愛らしい、神秘的でしたたかな生き方に私達は一種の癒しを感じているのかもしれません。


オス猫が妊娠した? (2019.02.07)

オス猫出産! (2019.02.10)

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2019年2月20日 (水)

『リバ!』2019年3月号

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こんばんは。内田康宏事務所からお知らせです。『リバ!』2019年3月号が発行されました。
市長の家で生まれた4匹の子猫はすくすくと育っているとのことです。(^^)/

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2019年2月10日 (日)

オス猫出産!

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 オス猫と思っていたチャット(以下チャッピー)がメス猫であることが判り、しかもあと2週間で出産を迎えると言われ、出産・育児部屋の用意を考えていた(→前回のブログ)。
 ところが、動物病院に行った3日後、仕事を終えて自宅に帰ったところ、自室のベッドの上からネズミの鳴き声のようなへんな声が聞こえてきた。
 いったい、どの猫が鳴いているのかと思ったら、私の枕の横に作った、夏の掛け布団をサークル状にした猫用の寝床の中に赤ちゃん猫が2~3匹とチャッピーが横たわっていた。
 これから出産の準備をしようと思っていた矢先であり、二度目のビックリである。しかも、よくよく見たところ子猫は4匹であった。まだ自身が母猫にくっついていてもおかしくない程の小さいチャッピーがよくぞ4匹も産んだものである。2匹は薄い茶トラであり、あとの2匹は三毛であった。性別はまだ分からない。

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ゼル

 玉をとられる前に種付けをした犯人と思われるゼルが、心配そうに近くをウロウロしていた。赤ちゃんネコの鳴き声を聞きつけた他のネコ達も集まってきたが、産まれたばかりの子ネコにちょっかいを出すといけないので遠くに追い払った。

 嫁さんに知らせると飛び上がって驚いていたが、4匹の赤ん坊を見るなり、「あんた一人で4匹も産んだの、小さいのによくガンバったネ、えらかったネ」と涙ぐんでいた。
 まだ出産したばかりの様子の母ネコを落ち着かせるため、しばらくこのままにして、明朝、私がでかける前に個室に隔離することにした。次の準備をするため、一階の一室を片づけ、古新聞とじゅうたんを敷いて、ネコ用の小コタツとエサ箱、水オケ、トイレ、爪とぎ場を用意した。
 出産後のチャッピーはかなり疲れ気味であったので、特別食を用意して行ったところ、おかわりも食べてしまった。その後、私が隣で見ていることを確認すると、寝床から飛び出してトイレと水飲みに出かけた(育児疲れかもしれない)。その間、子ネコの上には毛布をかけて体温の低下を防いでおいた。
 5分ほどで戻ってきたチャッピーは再び子ネコの世話を始めた。一度も育児の仕方を見たことも教えられたこともないのに、本能とはいえ大したものである。
 最近の数々の児童虐待事件を見ると、動物の親の自然な健全さに教えられるような気がしたものである。

 なお、あにもの名誉のため付け加えておくと、あにもの書類上は間違いなくチャットはメスであり、「メスの茶トラ」と記してあるそうであった。
 それにしても嫁さんが度々「チャットはなんでおジィの所にばかり来るの?」とヒガミっぽく言っていたが、動物は一番安心できるところで出産するものであり、それが私の枕元であったことは何ともユカイである。嫁さんに一言。「ザマーミロ!」


オス猫が妊娠した? (2019.02.07)

オス猫出産騒動顚末記 (2019.04.24)

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2019年2月 7日 (木)

オス猫が妊娠した?

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 あにも(岡崎市動物総合センター)からオス猫としてもらってきた茶トラの猫が妊娠した。
 「白っぽい茶トラの猫はメス猫であることが多い」という話を聞いたことがあるが、動物病院の医師も含めて3人の獣医師が「オスです」と断言した猫がメスであることが判明した。「弘法も筆の誤り、猿も木から落ちる」(猫も?)。世の中にはこうしたこともあるのである。
 いずれにしても、昨年我が家に加わった3匹の子猫のうち、私が「オスの茶トラを」と希望してもらってきた猫がお嬢さんだったわけである。オスにしては小柄で、第二次性徴が遅く、他の2匹がそれぞれ大人っぽくなる中で、一匹だけいつまでもヒヨコのぬいぐるみで遊んでいる茶トラのチャット君であった。しかしこれからはチャッピーとでも呼ぶことになるのだろう。

 娘が病院に再検査に連れて行く際に、いつになくナーバスな様子でやたら甘えてきたという。冬の寒空の下、子持ちの状態で捨てられることを恐れていたのかもしれないが、もちろん私はそんな無慈悲なことはしない。これも私の運命の一つと受け止めている。
 病院での診断は「妊娠2ヶ月」であり、あと2週間ほどで出産を迎え、2~3匹は産み落としそうだということであった。

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(テル子、ゼル、チャット)

 すでに他の猫の去勢は済んでいたが、年末年始が多忙であった上に、まだ赤ちゃんぽく小柄であったチャットはオス猫であると思い込んでいたことから、一匹だけ去勢措置が遅れてしまったための出来事であった。しかし良心的な動物病院であったおかげで、見立て違いであったこともあり、受診料はタダとなり、オミヤゲに高級カンヅメ等を付けてくれたそうである。
 「父猫もイケ面だから、かわいい子猫が産まれますよ」と言われたものの、我が家にはすでに6匹の猫と1匹の犬がいるのである。これからなんとか良い里親を探してやりたいと思っている。(実際、多頭飼育は大変なのである。)

 それにしてもチャットにとっては災難なことである。人間で言えば、自身もまだ中学生くらいの子供で遊びたい盛りなのに母親になってしまうのである。きっと自分でも自分の体に何が起きているのかは分かっていないことであろう。
 今私にできることは彼女(?)が安全に出産できる場所を確保してやり、安産を迎えることである。こうした若猫の出産のケースでは帝王切開を行わなくてはならないこともあるため、今しばらく注意が必要となる。
 人生とはいつ何が起こるか分からないことの連続ではあるが、それにしても新年早々、思いもかけぬ出来事で驚かされることになったものである。


オス猫出産! (2019.02.10)

オス猫出産騒動顚末記 (2019.04.24)

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2018年9月24日 (月)

新居と新入家族

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 新しくなった我が家に戻って4ヶ月が経過した。よく人から「新居の住み心地は?」と聞かれるが、とりあえず荷物を運び込み、今も適当に振り分けて収納したままなので、必要なものでどこにしまい込んだか分からなくなっているものもある。応接間は物置と化している。
 とはいえ、これまでの目で見て家の傾きが分かり、雨もり、スキマ風に悩まされ、耐震診断など行うまでもない築65年の木造モルタル建てのあばら屋と比べれば、快適な生活環境になったと言える。
 しかし、個人的趣味で室内の改造を行っているため、私の部屋にはいまだ木材や大工道具が散乱しており、とてもお客さんを招き入れることのできる状況にはない。心理的には、借家住まいのような気分が続いている。
 なんとか年内には片付けを終えたいと思っているが、なかなかまとまった休みがとれないため集中して作業を行えないことが悩みのタネである。それでもヒマを見つけて、10段の本棚を8台ほど自前で造っている。

 ところで半年間私と共に借家住まいをしていた三匹のネコと一匹の犬であるが、それぞれ新居で自分の居場所を見つけてよろしくやっている。

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 ネコ達は相変わらずマイペースで以前より自由に動き回れるスペースが広がり、エサに加えてオヤツをやる人間が増えたため太り気味であるが、至って元気である。私のベッドは写真のようにすっかりネコ達の寝床と化している。
 反して、この半年ほど私が散歩を含めて世話をしてきた犬のアミは、これまで誘拐されていたと勘違いしているのか、新居に移ってからは私を避けるようになり、ピタリと嫁さんに張り付き、キッチンの冷蔵庫の横を自分の居場所と決めている。(もう犬小屋は要らないかもしれない。)

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 今回、手製の2メートル40センチほどの高さのキャットタワーに合わせて、2階のリビングルームの天井近くにキャットウォークを造ったのであるが、そのせいで、さらに子ネコを3匹飼うことになってしまった。
 当初、「あにも」から新しく迎え入れる子ネコは2匹の予定であり、すでにいる3匹と間違えないように私からは「茶トラの猫がいい」という注文をつけていた。しかしもう一匹を選ぶと仲良し兄弟(オスとメス)のうち一匹が残されてしまうことになるため、3匹とも引き取ることとなったのである。

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 茶トラはチャット君(オス)、
 二匹は「ヘンゼルとグレーテル」にちなんで、ゼル君(オス)とテル子ちゃん(メス)
 と名付けることにした。

 しかしいつものことながら、他の家族はそれぞれに勝手なニックネームをつけて呼んでいるようである。子ネコ達はそれなりに反応しているからエライものである。
 ただ今、3匹の子ネコ達は専用の小部屋に入れてある。これから秋口にかけて生後半年を迎える頃、先輩のネコ達と合流させることなるが、タイミングが問題である。ネコは自分の住環境が気に入らないことになると家出をすることがあるため飼い主の気配りが大切である。
 我が家では、すでにフロアごとに計8ヶ所のネコ用トイレと4ヶ所のエサ場、5~6ヶ所の爪とぎ場を設けてある。(それでもオス猫は勝手な所でマーキングをする。)
 毎日、出勤前にトイレの掃除と水桶の注水、エサやりなどを欠かさずに行っている。
 毎朝、髪にクシを入れると手でつかめるほど毛が抜ける。これではすぐにハゲ頭になってしまうほどの量であるが、よく見るとそれはほとんどネコの毛である。こうしたことが気になる人は動物と一緒に暮らすことはできないだろう。
 こんな毎日を送っていると、朝寝床で目覚めた時に自分の手足がネコの手足になってないかと確認してしまうことがある。学生時代に読んだフランツ・カフカの『変身』という小説では、ある朝突然、巨大な毒虫に変身してしまった主人公が最終的に家族からも虐待されることとなる。(こんな話は小説の中だけにしてほしいものだ。)

 「ネコを6匹も飼うなんて、よほどネコ好きなんですネ」と言われることがあるが、決してそうではない。基本的に動物はなんでも好きな方であるが、どちらかと言えば私は犬派であると思っている。たまたま娘が子供の頃からよくネコを拾ってくるため、いつしかネコの多頭飼いをするようになってしまっただけである。
 それでも毎日帰宅する度に、子ネコ達が私の体によじ登って大歓迎(?)してくれるのはうれしいものだ。動物の感情表現は人よりも率直であり心安らぐものである。
 しかし大人のネコはもう少し複雑である。気が向かなければ飼い主が呼んでも知らん顔をしている。そのくせ、朝起きてみると同じベッドの上で寝ていたりする。またなぜか、こちらが元気のない時など、いつしか寄り添っていてくれたりすることがある。そんなミステリアスな所がネコの魅力なのかもしれない。

動物愛護週間

 私がネコの多頭飼いをしているもう一つの理由は誰かが飼ってやらないと彼らは命を奪われてしまうからである。せっかく生を受けてこの世に出てきたのに、ゴミのように処分されてしまうのではあまりにあわれである。

 現在、多くの自治体において「殺処分ゼロ」の運動が行われている。すべての飼い主がペットを終生飼育すれば殺処分ということは無くなるのであるが、現実はそうはなっていない。今も全国で毎年5~6万匹の犬猫が処分されている。中でもネコは犬の数倍であり、その多くが子ネコである。(外国では「日本に犬猫のアウシュヴィッツがある」と言われている。)
 「殺処分ゼロ」のスローガンは耳に聞こえは良いが、そうした施策を実施するための予算や手間はばかにならないものがある。しかも自治体が犬猫の受け取り基準を厳しくすれば、無責任な飼い主が自分で処分したり捨てたり、動物虐待につながることもある。「無責任な飼い主ゼロ」こそ本当は重要なのである。(こういうことを言っているせいで、我が家のネコが増えるのである。)
 人生の終末期を迎える年頃になれば、仏教徒でなくとも少しは善根(ぜんこん)を積んでおきたいものと思うものである。
 そうした心を知るや知らずや、今日もウチのネコどもは腹を上にして眠っている。

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三猫と一犬との共同生活始まる (2017.09.30)

一人暮らしと犬猫について (2018.01.15)

ビフォア・アフター (2018.04.01)

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2018年9月21日 (金)

『リバ!』2018年10月号

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内田康宏事務所からのお知らせです。
『リバ!』2018年10月号が発行されました。
今回の市長のコラム「新居と新入家族」は書き下ろしです。

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2018年1月19日 (金)

『リバ!』2018年2月号

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内田康宏事務所からいつものご案内です。
『リバ!』2018年2月号の市長コラムは「一人暮らしと犬猫について」です。

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