NHK大河ドラマ『どうする家康』決定を祝す!
今年の1月19日、松本潤氏を主演とする『どうする家康』の制作発表が行われた。NHKの大河ドラマで徳川家康がメインとなるのは、40年ほど前に滝田栄氏が演じたとき以来である。『徳川家康』(1983年)の原作は山岡荘八氏であった。
先年(2015年)、「家康公四百年祭」が開催された際、静岡市、浜松市の両市長、岡崎を含めた各市商工会議所と市民代表の皆さん方と共に、NHKの本社まで要望・陳情に出かけたことを思い出した。
もちろん名古屋支社の方へは、これまで訪問する度に『ブラタモリ』と共に大河ドラマの件も話題にしてお願いしてきたものだ。とは言え、毎年NHKには、全国から何十という地域からの地元の偉人・英傑を主題にした大河ドラマ制作の要望が引きも切らない上に、NHKとしても視聴率が重要であるため、陳情活動をしたら実現するというものでもない。
やはり視聴率を稼げるのは戦国モノであるが、徳川家康はそれぞれのドラマの定番のキャストであり(しかも悪役風が多い)、イメージが地味なせいもあってなかなか主役の役回りとはなりにくかった傾向がある。
しかし昨今、古文書や死蔵されていた手紙の発見にあわせ、新進気鋭の学者の登場によって従来の歴史の定説がいくつもくつがえされている。そうした例の一つして『麒麟がくる』がある。昨年の大河ドラマの明智光秀は主君に対する裏切者というより、理想主義の平和を愛する人物として、独裁者信長を倒した悲劇の英雄として描かれていた。
戦国時代について今一つ注目すべきポイントは、あの時代が単なる日本国内の大名同士の領地争いにとどまらず、ヨーロッパにおけるスペイン、ポルトガル、イギリス、オランダの世界覇権をかけた争いの一部でもあった点である。
そのための重要な要素として、日本の軍事力と、当時世界の3分の1を産していたと言われる日本の銀の力、そして一向宗やキリスト教の影響力というものも新たな切り口で描いてほしいものである。当時、イエズス会の神父たちが本国に宛てて送った手紙の資料的価値も注目されている。
今回の『どうする家康』の決定は一岡崎市民として喜ばしい限りであるが、単なる若手スターの起用による〝面白ドラマ〟に終わらないことを願っている。できれば、元市長としては、安部龍太郎氏の長編小説『家康』を参考に、骨太の歴史検証ドラマとなることを期待している。
もしそうなれば、これまで岡崎市が市民と共に長年積み上げてきた観光産業都市・岡崎としての様々な歴史文化遺産の活用事業が生きてくる。また、そうした番組に出演することによって嵐の松本潤氏も、まむしの道三を熱演した本木雅弘氏のように、ジャニーズから一皮ムケた大人の俳優に成長するのではないかと思っている。いずれにしても本市にとってはありがたいことである。
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