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2020年7月 7日 (火)

岡崎市制施行104周年記念式・市長式辞

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 新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るため、表彰者の皆様のみの参加とさせていただきましたが、市制施行104周年記念式を市民会館あおいホールにて挙行しました。岡崎市のホームページに掲載した市長式辞をブログでも御紹介いたします。

 市制施行104周年記念式・市長式辞 (令和2年7月1日)


 皆様こんにちは。市長の内田康宏です。
 本来であれば、ご来賓をはじめ、各界各層から満堂のご臨席を賜り、盛大に市制施行104周年記念式を挙行するところですが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るため、規模を大幅に縮小して、表彰者の皆様のみの参加とさせていただきました。市勢の進展に多大なる貢献をいただいた皆様には、多くの方々に祝福され表彰の栄に浴されるべきですが、ご理解いただきますようお願い申し上げます。

 さて、本市は、大正5年7月1日に、県下では3番目、全国では67番目に市制を施行してから着実に発展を遂げ、本日104周年を迎えることができました。市制施行当時約3万8千人であった人口は順調に増加し、現在では、10倍の38万7千人を超える中枢中核都市へと発展をとげております。これもひとえに、先人のたゆまぬ努力と市民の皆様方の格別なるご理解とご協力の賜物であると心より感謝を申し上げる次第であります。

 はじめに、本市の新型コロナウイルス感染症の主な対応についてであります。
 本市では2月1日に市対策本部を設置して以来、何よりも市民の命と健康を守ることを最優先に、総額450億円を超える力強い財政出動を行い、必要な措置を講じてまいりました。

 営業自粛要請に応じた市内事業者の皆様には、県と協調した支援に加え、本市独自の制度を創設して、協力金をお支払いしております。
 また、経済振興部に事業者・相談窓口を設置し、助成金や融資など総合的なアドバイスを行い、本市の発展を支えている事業者の皆様からの御相談に対し、きめ細かな対応ができるよう体制を整えております。
 また1人10万円の特別定額給付金につきましては、迅速な支援が必要な家庭には早期特別申請窓口を設け、5月下旬から振込みを開始いたしました。引き続き、市内16万5千世帯に確実にお支払いできるよう、全職員一丸となって努力しておりまして、現在、9割以上の世帯から申請があり、既に7割を超える世帯の皆様への振込み手続きを終えております。
 このほか、一人親世帯に対する臨時特別給付金につきましても、速やかな給付に向け準備を進めております。

 学校教育については、今年3月から小中学校を臨時休業しておりましたが、県内では最も早く、5月21日から学校を再開し、6月から通常授業を開始いたしました。
 この通常授業に先立ち、段階的に登校人数を増やし、子ども達や保護者の不安を払拭すると同時に、徐々に学校に慣れていただくよう、配慮いたしました。
 今後は、夏休みを短縮して授業日数を増やし、学習指導員やスクールサポートスタッフの配置、感染症対策物品の購入など教育環境の充実を図り、子ども達の学びを保障することに努めてまいります。
 さらに今年度中には、全小中学生の1人1台の端末整備の実現を目指し、危機管理時においても安心して授業が可能となる、岡崎版GIGAスクールの実現を目指してまいります。

 今回の非常事態にあたり、感染予防の最後の手段として、国全体に外出の自粛が強く要請されました。社会経済活動に大きな影響を与える外出自粛要請の前段階で感染を抑えるためにも、保健医療体制を強化していく必要があります。
 岡崎市保健所では、新型コロナウイルスの感染拡大の第2波、第3波の到来に備えてPCR装置を増設し、当初の5倍にあたる、1日最大40人分の検査ができる体制を整えております。今後、検査件数が増加した場合においても、迅速かつ確実に検査を実施し、早期に感染を把握することができます。これは保健所を有する中核市・岡崎ならではの強みであります。

 そして今回、外出自粛の影響から売上げの大半が失われた、飲食・小売等の事業者に対する新たな支援策としまして、総額18億円を超える、本市としては過去最大規模のプレミアム付き商品券事業を実施することとし、7月の臨時市議会に関係予算を計上いたします。
 この商品券事業は、本市のほか、商工会議所、六ツ美商工会、ぬかた商工会、観光協会との公民連携による実行委員会を設立し、地域一丸となって実施したいと考えております。
 10月の商品券販売開始に向けて準備を進めてまいりますので、皆様には商品券を利用していただき、市内の事業者に対する支援に御協力をお願いいたします。

 また、新型コロナウイルス対策と並行して、地域医療を担う市民病院の機能も充実しております。
 がん医療・高度急性期医療の充実を進める市民病院では、がんの転移や再発診断などで活用するほか、がんを早期発見するため、PET-CT検査装置を、4月から稼働させました。
 同じく4月には、患者の身体的負担が軽減される手術支援ロボット、「ダビンチ」も導入しました。今回豊富な手術経験のある医師を招聘したことにより、予定より早く、第1例目の手術を行うことができました。
 がん診療機能については、愛知病院から市民病院への集約を進めており、乳腺外科の外来機能を5月に愛知病院から市民病院に移行し、外来から手術、入院まで、一貫した治療が行えるようになりました。これからも、最新の検査装置を導入するなど、より安心して検査が受けられる体制も整備し、がん医療機能の充実を図ってまいります。引き続き、患者に寄り添った診療に取り組み、地域住民に信頼され、選ばれる病院となるよう取り組んでまいります。
 民間医療機関についても、2次救急を担う病院を運営する医療法人に対し、民間病院経営維持資金の貸付けを県と協調して行い、市民の安全安心を守ってまいります。

 このように大胆な施策を展開する一方、経済活動が強く制限されたことで、今後市税等収入の大幅な減収が避けられず、かつ、この状況が長期化することが懸念されております。
 しかしながら、本市には、この難局を乗り越えていく、しっかりとしたノウハウがあります。実際、私が就任して以来、市債残高を100億円ほど減少させるなど、健全財政の維持に取り組んでまいりました。
 引き続き、民間資本の誘致を始めとする公民連携のまちづくりを進めるとともに、無駄を省き、過度な借入れに頼らない、堅実な財政運営を行っております。
 令和3年度以降の予算編成も見据え、市民生活の安全・安心を守り、持続可能なまちづくりを進めていくために、今まで以上に事業の必要性・緊急性の精査を行い、安定的な財政運営に努めてまいります。そして、真に必要な事業につきましては、着実に推進してまいります。

 平成30年からPFI事業にて整備を進めてまいりました、龍北総合運動場ですが、今週7月4日にグランドオープンを迎え、翌5日から全面供用を開始いたします。
 長年、本市のアスリート達が待ち望んでいた全天候型の陸上競技場は、スタンド席と芝スタンドにより約5,000人の観客を収容できる上、インフィールドに天然芝を整備し、様々な大会の開催が可能となります。

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 このほか、硬式野球が可能な野球場、本市初となる人工芝のサッカー・ラグビー場、クラブハウスを備えたテニスコートなども整備され、新たなスポーツの拠点として生まれ変わります。
 また、最初の大きな大会として、7月18日から岡崎市中学校市長杯総合体育大会を開催し、陸上競技の開会式が行われるほか、陸上・全種目の競技や野球、サッカーの試合を行います。
 これまで部活動が行えず、また、大会等が中止となってしまった中学生にとって、この大会は一つの大きな目標となると思っており、新たに生まれ変わったこの運動場から全国、世界へ羽ばたくアスリートが誕生することを期待し、のびのびとプレーして頂きたいと思っております。

 今年度、新たな取り組みとして、高齢者のかたを対象とした、通話・録音装置などの特殊詐欺・対策装置の購入費に対して、補助を開始しております。
 市内の特殊詐欺・被害は増加傾向にあり、全国では、特別定額給付金に便乗した詐欺被害が報告されております。手口は悪質かつ巧妙化しており、その被害者のほとんどは高齢者であります。この装置により、犯人との接触を防止することで、被害の未然防止を図り、市民の皆様が、安心して暮らせるまちとなるよう、より一層力を入れてまいります。

 市民サービスの利便性向上に向けた取り組みといたしましては、この秋、イオンモール岡崎において、新たに市民サービスの窓口を開設いたします。当初は国の施策でもあります、マイナンバーカードの普及・推進のため、市役所の業務時間後や土日、祝日でも気軽に、幅広い層に利用できるようになります。
 その後は、住民票の写しの交付など、利便性が一層向上するよう、取り扱うサービス内容の拡大を検討してまいります。

 これから夏本番を迎えますが、梅雨前線の活発化や気候変動による集中豪雨が心配されます。
 災害への対応につきましては、避難所での感染症対策が重要となっており、現在、マスク・体温計・消毒液など備蓄品の増強を執り進めております。また、いわゆる分散避難を推進するため、ホテル・旅館など民間施設との協定締結や、公共施設の更なる開放により、現状の指定避難所に加えて新たな避難場所を確保するなど、躊躇なく避難できる環境を整えてまいります。

 また、感染拡大防止に向けた取り組みを行いつつ、社会的活動を回復させていくための新たなライフスタイルとして、「新しい生活様式」が推奨されております。
 その生活様式に基づき、市民の皆様に少しでも前向きに過ごしていただきたいという思いを込め、スローガン「スリーハート宣言」を掲げました。我慢することの多い日々ですが、心は密に思いやりや感謝の気持ちで、笑顔を忘れずに、前向きに過ごしていただけることを願っております。

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 さて、私が市政を担当させていただきまして、これで2期7年8か月が経ちました。
 その間、皆様方をはじめ、本当に多くの方々のご理解とご協力のおかげで、若き日の徳川家康公像や桜城橋を始め、全市的に手がけた事業が次々と実現を迎え、本市の景観や人の流れが大きく変わってまいりました。
 私は、常々「モノづくり」の岡崎に続く「観光産業都市」岡崎の建設をうたってきましたが、原点はあくまで住んでいる人が楽しく快適に安心して暮らせるまちづくりであります。
 当然ながら、そうしたまちでなくては、国内はもとより外国からも多くの人が来ることは考えられないからであります。感染症対策のため、ここしばらくは外国からの来訪はあまり期待できませんが、国内観光の需要に対応して参りたいと思っております。

 いずれにせよ、このように多くの事業を展開していく究極の目的は、岡崎市民、ことに子ども達が自らのふるさとに対し、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる、そんな「夢ある新しい岡崎」を築きあげることであります。その目的のため、今後も引き続き、市民の皆様方のお力添えをお願い申し上げます。

 最後になりますが、本日の式典では、それぞれの分野で本市の発展に多大な貢献をされました皆様の表彰をさせていただきます。
 表彰の栄に浴されます皆様には、心からお祝いを申し上げますとともに、皆様方とともに本市の栄えある104周年を祝えることに、心から感謝を申し上げます。どうか今後とも健康にご留意いただき、なお一層、本市の発展にご尽力、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 皆様方の、なお一層のご健勝ご多幸を心より祈念申し上げまして、式辞といたします。

令和2年7月1日
岡崎市長  内田 康宏

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