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2019年11月19日 (火)

岡崎をスポーツで元気で楽しく魅力的に!

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 10月5日(土)、岡崎市福祉会館6階ホールで開かれたパネルディスカッション「岡崎をスポーツで元気で楽しく魅力的に!」(主催:NPO法人21世紀を創る会・みかわ)に出席し、基調講演を行いました。講演内容を以下に掲載します。


 皆様、こんにちは。市長の内田康宏であります。
 本日は、「NPO法人・21世紀を創る会・みかわ」の主催のもと、「岡崎をスポーツで、元気で楽しく魅力的に!」と題し、スポーツで岡崎市のことを語り、考えていただく会を開催していただきました。
 このように多くの方々にお集まりいただき、盛大に開催されますことを心からお喜び申し上げるとともに、スポーツを通じた岡崎市の魅力向上に関心のある方が、これほどお見えになることを、改めて認識いたしました。
 本日は基調講演ということでありますが、私からは、岡崎市が進めているスポーツ関連の施策や、岡崎市を取り巻くスポーツ環境について、お話させていただきたいと思います。

 まずはじめに、スポーツには、競技としての競争性のほかに、自治体などの関わり方として、市民が日常的にスポーツに親しみ、健康的な生活を送ることができる、まちづくりの推進が挙げられます。
 さらには、本市では現在、観光産業都市を目指したまちづくりを進めており、スポーツを一つの誘客機能として、市内外からスポーツを目的とした観光客を呼び込む「スポーツ・ツーリズム」という発想により、経済効果を生み出す仕組みに取り組むなど、様々な観点があり、関わり方も人それぞれであります。
 私も、かつては水泳やヨットなどのマリンスポーツに親しんできましたが、最近では自ら体を動かす機会はめっきり減ってしまい、犬の散歩で歩いたり、テレビで観戦するといった関わり方に変わってきました。

 このようにスポーツには一流のプレーを見て興奮し、感動するという楽しみ方もあり、現在・開催中のラグビーワールドカップにおいては、本市の出身の田村優選手が日本代表の中心選手として活躍し、国民の注目を集めております。
 田村選手の他にも、近年、本市出身のスポーツ選手が、日本を牽引するトップアスリートとして多数・活躍しており、バレーボール・日本代表の石川祐希選手、真佑選手の兄妹をはじめ、先月、中央総合公園で開催されました、アーチェリーの全国大会において、20歳未満のジュニア日本記録を更新した、戸松大輔選手、2018年のアジア競技大会で金メダルを獲得した、陸上・棒高跳びの山本聖途選手、さらには、ル・マン24時間・耐久レースで2連覇の快挙を成した中嶋一貴選手など、今後ますますの活躍が期待されます。
 また、本日お越しの森山選手が所属されているFCマルヤスや、都市対抗野球の常連であります、三菱自動車岡崎・硬式野球部など、地域に密着したクラブチームもあり、その活躍により、岡崎の認知度の向上にご貢献いただいております。

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 このように、本市のスポーツのレベルが高いのも、幼少期から市民の皆さんがスポーツに触れ、楽しみ、真剣に取り組んでみえたことに加え、そうした環境づくりに取り組まれた、地域組織やスポーツ団体のご尽力のおかげであると感じています。
 実際、毎年夏休みの前後には、多くの小中学生の皆さんが、全国大会・出場の報告に来られます。中には有言実行で全国大会・制覇を成し遂げたチームもあり、こうした力強い姿というものは、生まれ持った才能だけではなく、日ごろの練習の賜物であることを実感します。選手の皆さんの技量の向上のためには、トップレベルのプレーを生で見る機会や、プレーしやすい環境づくりというものも、重要であると認識しています。
 こうしたことから、現在・建設中の龍北総合運動場では、第3種・公認・陸上競技場と、FCマルヤスが所属するJFLの公式戦が行えるグラウンドを兼ね備えたスタジアムを中心に整備を進めており、オリンピックイヤーである、来年7月のオープンを目指しているところであります。龍北運動公園は、公民連携の事業手法であるPFI手法を用い、民間のアイデアを活用して、整備・維持運営を行っていきます。その中でも、運営に関しましては、日本のトップ・スポーツメーカーであります、アシックス・ジャパンさんにも参画していただいております。

岡崎市龍北総合運動場

 オープン後には、FCマルヤスの公式戦の開催はもちろんのこと、民間のアイデアによって、市民が気軽に参加できるスポーツのイベントが、多数開催されるものと期待しております。

 さて、来年は、いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピックが開催される年です。オリンピックで忘れてはならないのが、聖火リレーです。
 前回の東京オリンピックに引き続き、今回のオリンピックにおきましても、岡崎市が聖火リレーのルートに組み入れらました。前回の聖火リレーの際には、国道一号を通過する姿を、私も目の当たりにし、今でも大変強い印象として残っております。
 今回は、岡崎城・付近から、現在整備を進めております人道橋の桜城橋の間で走行する予定となっております。昭和の時代から市民に親しまれてきた岡崎城と、令和のまちづくりの第一歩である桜城橋をつなぐリレーということで、新たな時代の幕開けを象徴する、記念すべきイベントとなるものと確信しております。
 また、この桜城橋をはじめとした、乙川の河川空間を活用したまちづくりとして、現在、本市で進めているのが、公共空間を活用して、エリアの活性化を目指す「QURUWA戦略」であります。
 この「QURUWA」という名前は、名鉄東岡崎駅から、桜城橋、籠田公園、りぶら、岡崎城、乙川河川敷までをめぐる動線が、ちょうどアルファベットのQの字になること、そして、この動線が岡崎城の外周、すなわち総曲輪に重なることに因んで、名付けられました。「QURUWA戦略」における重要なキーワードの一つが、まちの回遊性の向上であります。
 これは、観光客がまちを周遊し、楽しむことだけを意味しているのではなく、この地域に暮らす人々の日常生活の質の向上を目指した施策であります。現に、これまでの乙川周辺の夜は、非常に暗く、あまり人が訪れたいと思う場所ではありませんでした。
 しかし、リバーフロント地区の整備により、堤防道路を石畳風のプロムナードにするとともに、河川敷へ降りるスロープや階段をバリアフリー化し、加えて、河川敷の水はけを改善いたしましました。さらに、プロムナードや遊歩道には、夜間でも安心して歩けるよう、街灯や足元を照らす灯りを整備しました。
 現在では、夜でも美しく安心な空間となり、若いカップルだけでなく、高齢者のご夫婦の皆さんの散歩コースとしても、活用して頂いております。このまちづくりにより、「健康に関心のある人だけが健康づくりに参加する」といったこれまでのスタイルから脱却し、健康に無関心な方でも、まちが楽しい空間になることで、無意識のうちに長い距離を歩くことができるようになります。その結果、生活習慣病の改善や寝たきりの予防にも繋がるものと、大いに期待しております。

 さて、本市出身のアーチェリー競技選手としては、皆さんもご承知のとおり、ロンドンオリンピック・銅メダリストの蟹江選手や、先ほどご紹介した戸松選手を始め、優秀な選手が多数お見えになります。
 これは、アーチェリーに力を入れている愛知産業大学や三河高校の存在が大きいと思いますが、中でも全日本アーチェリー連盟の強化部長を務める新海先生が在籍されていることからも、
全国的に注目されております。
 このような中、モンゴル・アーチェリー・ナショナルチームが東京2020オリンピック・パラリンピックの出場を目指し、本市でキャンプを行うことになりました。
 今年2月に最初の強化キャンプを実施し、先月には、中央総合公園で実施されたISPSハンダカップの開催に合わせて、二度目のキャンプを行いました。

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 このような関係から、本市はモンゴル国のホストタウンとなりました。また私も、今年の7月には、実際にモンゴルを訪問し、バトトルガ大統領をはじめ、アーチェリー協会会長のツァガン氏と会談し、親交を深めてまいりました。
 今後は、アーチェリーを軸とした青少年交流を進める予定をしております。オリンピック後も、引き続き、2026年開催のアジア競技大会に向けて、互いにアーチェリーの技術の向上を目指すとともに、交流を深めてまいります。

 このほかにも、2020年から開催される、WRC・世界ラリー選手権について、先日、愛知県での開催が決定いたしました。
 本市においても、中央総合公園や、額田地方の中山間を活用したコースを提案しており、引き続き、大会運営に協力してまいります。
 また、2026年には、アジア競技大会の愛知県開催が決まっており、岡崎市でも中央総合公園において、いくつかの競技を開催できるよう、様々な提案や準備を行っております。
 これらの大規模なスポーツイベントの誘致は、ただスポーツを観る、支えるだけに留まらず、まちづくりや経済的な視点からも、岡崎市にとって大きなメリットとなる、またとない機会であると考えています。このように、スポーツを岡崎市における魅力の一つとしてとらえ、スポーツイベントで訪れた人を「おもてなし」できる体制を整え、その後は観光客として滞在できるような環境づくりを、官民一体となって推進していきたいと考えております。
 以上、現在の岡崎市における、スポーツや健康に関する取り組みや、スポーツを取り巻く環境についてご紹介させていただきました
 そして、こうした政策の究極の目的は、いつも口癖のように申しておりますが、岡崎の市民、殊に子ども達が自らのふるさとに対し、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる、そんな「夢ある新しい岡崎」を築くためであります。引き続き、次の100年を見据え、福祉や医療、防災や教育といった基本施策の充実はもちろんのこと、さらなる魅力あるまちづくりに邁進してまいる覚悟です。
 今後とも、皆様方のお力添えをお願い申し上げまして、私の話を終わらせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

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