令和元年9月議会 その1(市長提案説明)
岡崎市議会9月定例会(8月29日~9月30日)の御報告を申し上げます。
まずは、初日に申し上げた所信の一端ならびに提案した議案の大要を掲載いたします。
岡崎市消防本部の取り組み
今年の夏も、「危険な暑さ」と言われているように、連日、暑い日が続いております。そのような状況の中、既にお知らせしているとおり、小中学校の全ての教室に、エアコンを設置することができ、子どもたちからは、「涼しい」、「勉強に集中できる」といった喜びの声を聞いております。
本市では、昨日から2学期が始まりました。まだ残暑が厳しいですが、エアコンを活用して、快適な環境で学校生活を送ってもらいたいと思います。
一方で、消防には、例年に増して、熱中症による救急搬送が多数発生しております。熱中症は重症になると命に係わる病気ですが、予防法を知っていれば防ぐことができます。ことに、小さなお子さん、高齢者には注意をして頂き、自発的な対策をお願いいたします。
本市の消防力強化におきましては、今年度は、高所からの大量放水を主眼に置いた屈折はしご付・消防ポンプ自動車を新たに導入するとともに、土砂災害等の発生が懸念される消防団区域に救助器具を配備してまいります。また、全国初となるスマートフォンなどのビデオ通話機能を活用した、「災害現場映像通報システム」と119番通報が困難な障がい者向けの緊急通報システム「Net119(ネットイチイチキュー)」を、10月1日から運用を開始いたします。
地域消防を担う人材も目覚ましい活躍をしております。5月に、福岡市で開催されました全国消防職員意見発表会におきまして、消防本部共同通信課の消防職員が、119番通報時における出動場所や状況把握をスムーズに行うため、スマートフォンのカメラやGPS機能を活用することを提案し、全国2位に当たる優秀賞を受賞いたしました。この提案は、すでに現場で取り入れられており、実際に、GPS機能を活用した地点確定により、早期に患者接触ができた事例も報告されております。
更に、先日、8月25日に岡山市で開催されました全国消防救助技術大会に、消防本部の救助隊員が、東海地区代表として陸上の部の「障害突破」と「ロープブリッジ救出」に出場し、日ごろの訓練成果を発揮してまいりました。今後も、市民の負託に応えるため、鍛錬を重ねてまいります。
防犯カメラの運用
安全・安心なまちは誰もが願うことであり、市民アンケートでも、防犯カメラの設置を望む声を数多くいただいております。こうした状況を受け、犯罪多発地域に対する緊急的な取り組みとして、7月から簡易設置型・防犯カメラの運用を始めました。
現在、竜美丘学区で、人や車などの出入りが多い駅周辺地域や通学路などを中心に50台のカメラを設置し、犯罪発生の未然防止を図っております。今後、この簡易設置型カメラは、犯罪発生状況に応じて、犯罪が多い他の学区へ移動・設置し、機動的に運用してまいります。
また、これまでも学区に対し、常設型防犯カメラの設置補助を行ってまいりましたが、設置後の管理費も含め、費用負担がかさむこともあり、なかなか全市的な広がりが進んでおりませんでした。
そこで、まずは1,000台を目標に、市が常設型・防犯カメラの設置を進めることといたしました。安全で安心なまちづくりを市民の皆さんとともに実現するため、広く寄附を募り、防犯カメラの設置を進めてまいりますので、ご協力をいただきたいと考えております。
花火大会
夏の風物詩として市内外の多くの人々を魅了している、岡崎城下家康公夏まつり花火大会ですが、今年も德川御宗家第18代当主德川恒孝(つねなり)様と、令夫人幸子(さちこ)様のご出席のもと、多くの方々のご協力により、盛況に終えることができました。
今回の花火大会では、本市が推進しているスマートシティに向けた取組みの一環といたしまして、安全性の向上や混雑の解消に向け、先進技術を活用した、2つの取組みを実施いたしました。
1つ目の取組みは、特に混雑する殿橋周辺において、3次元・赤外線センサーを用いて、通行人の数や動きなどの、人の流れの分析を行いました。
2つ目は、東岡崎駅構内に、4台のカメラを設置し、カメラ映像から、人の流れの分析を行いました。
全国各地では安全性の問題などから花火大会が中止に追い込まれている事例が散見されておりますが、本市では、これらの分析結果を、来年度以降の花火大会における誘導計画や警備体制づくりへ活用し、より安全で快適な花火大会の実施につなげてまいりたいと考えております。今後は他の分野におきましても先進技術などを活用し、様々な課題の解決に向けた取組みを推進してまいります。
幼児教育保育の無償化、新しい学校給食センター
10月1日からは「幼児教育・保育の無償化」がスタートします。すべての子どもが健やかに成長するように支援するもので、主に、3歳から5歳までの幼稚園、保育園、認定こども園などを利用する子どもたちの利用料が無償化されます。非常に多くの方に関わる、大きな制度改正でありますので、これまでも、利用者への制度周知や、運営法人を対象とした事務説明会の開催などの準備を進めてきたところではありますが、引き続き、関係する皆様への丁寧な説明を行い、円滑な新制度への移行に努めてまいります。
次に、学校給食センターについてであります。老朽化が進むなど、懸案でありました西部学校給食センターにつきましては、矢作南学区において、地元の皆様から一定のご理解を得ましたので、新西部学校給食センター建設に向けて進めて参ります。
内藤ルネ展、荻太郎展、オカザえもんの国内芸術祭2019
芸術の秋に向けて、文化振興の取組みを紹介いたします。郷土ゆかりの芸術文化を掘り起こすことは、文化行政として、重要なことであります。
岡崎市美術博物館では、11月23日から1月13日まで 、「Roots of Kawaii 内藤ルネ展」を開催いたします。内藤ルネ氏は、岡崎市出身の「カワイイ文化の祖」として知られる、マルチクリエイターであります。戦後民主主義の男女平等の価値観を体現した、ルネの作品は、現代において再び見直され、リアルタイムでは知らない世代からも関心を集めております。今回、生誕の地、岡崎でのエピソードや、貴重な原画作品とともに、人間ルネに迫ります。
岡崎市美術館では、12月4日から24日まで、「没後10年 荻太郎展」を開催いたします。
本市の葵市民でもある荻太郎氏は、日本の洋画壇に多大な功績を残しました。没後10年にあたる今年は、初期から晩年までの油彩画を中心に、絵本原画もあわせて、その足跡を振り返る展覧会を開催いたしますので、多くの皆様にご覧いただきたいと思います。
また、今年は「あいちトリエンナーレ」の開催の年であり、今回は正式参加しておりませんが、本市におきましても、11月2日から17日まで「オカザえもんの国内芸術祭2019」と題して、本市独自の現代アートの祭典を開催いたします。オカザえもんとのワークショップで制作する、工作や人物画を展示するほか、市民の方と一緒につくりあげる展覧会となっております。図書館交流プラザりぶらを中心に、岡崎シビコ、岡ビル百貨店が会場となりますので、芸術やイベントで街が賑やかになるこの季節、まち歩きを楽しんでいただければと思います。
平成30年度決算
それでは、本議会に提案をいたしております議案について説明をさせていただきます。
本定例会には、平成30年度の一般会計、特別会計及び企業会計の決算認定議案を、監査委員の意見を付けて提出しておりますので、まず、その概要をご説明させていただきます。
初めに一般会計の決算の概要であります。
一般会計の決算規模は、歳入は約1,268億円、歳出は約1,211億円となりました。純剰余金につきましては、約45億円となっており、このうち、30億円は、今後の財政需要に備え、財政調整基金へ積み立てております。
歳入では、特に歳入全体の56%を占める市税が、市民税などの増により、前年度と比べ約7億円増収となる約705億円と過去最高額となりました。
歳出では、福祉分野の支出となる民生費が、全体の37%を占める約445億円と最も大きく、次いで土木費、衛生費、教育費、総務費の順となりました。
福祉や医療、防災や教育といった基本施策は、しっかりと取り組みながら、インフラの整備や公共施設の建設など、投資的な事業もバランスよく実施できていると思っております。
次に特別会計であります。
12会計の総計では、歳入は約625億円、歳出は約618億円、純剰余金は約7億円となっております。
最後に企業会計であります。
病院事業会計は、外来患者数は前年度と比較して減少したものの、入院患者数は増加しており、病床利用率は81.4%となりました。
決算状況は、入院や外来収益は増加したものの、給与費や薬品費などの増加などにより、約2億6,000万円の純損失となりました。
水道事業会計は、給水戸数、給水人口はともに前年度と比較して増加しており、普及率は99%でありました。決算状況は、給水収益は微減となったものの、資産減耗費の減少などにより、約12億9,000万円の純利益となりました。
下水道事業会計は、下水道への接続戸数、接続人口はともに、前年度と比較して増加しており、普及率は88.7%となりました。
決算状況は、管渠費が増加したものの、下水道使用料及び他会計負担金などの収入が増加したことなどにより、約5億6,000万円の純利益となりました。
以上が平成30年度決算の概要でありますが、財政状況は、引き続き健全な状況を維持していると自負しております。
平成30年度は、夢ある新しい岡崎の実現に向け、着実に施策を進める一方で、社会基盤整備、災害対策、公共施設の保全といった、良好な生活環境の創造や社会保障など市民福祉の向上を図り、将来にわたり成長する、持続可能なまちづくり進めてまいりました。加えて、まちの活性化や魅力を創出する施策も推進してまいりました。
本市は昨年末に、地域経済や住民生活を支える拠点として、国が新たに設けました「中枢中核都市」にも選定されたことから、今後は、広域的な視点も加えた、まちづくりを進めていくことや、高齢者の健康寿命を延伸し、元気な高齢者が社会で活躍できるような、まちづくりを進めることが必要であると考えております。健全な財政であるからこそ、まちづくりが推進されるものであります。これからも、プライマリーバランスや市債残高などを注視した財政運営に努めてまいります。
条例議案など
次に、条例議案であります。
制定条例といたしましては、地方公務員法の一部改正により、会計年度任用職員制度が創設されたことに伴う、「岡崎市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例」、地域の防犯対策に要する事業費に充てるための基金を設置する、「岡崎市・防犯対策・基金条例」、幼児教育・保育の無償化等に伴う「子ども子育て支援法等の一部改正に伴う、関係条例の整備に関する条例」など4件であります。
一部改正条例といたしましては、住民票に記載された旧氏による印鑑登録を可能にする「岡崎市印鑑登録条例」など7件、合わせて11件を提案させていただいております。
その他議案といたしましては、(仮称)市営五本松住宅を新築するための「工事請負の契約」など6件を提案させていただいております。
次に、補正予算議案でありますが、一般会計の補正は 6億4,538万2千円の増額、特別会計は 6億903万3千円の増額補正をお願いしております。
総務費では、本年6月にマイナンバーに関する方針が決定されたことに伴い、体制強化及び利活用の促進を図ることによる、利用環境整備事業費の計上及び発行事業費の増額、民生費では、寄附による福祉基金・積立金の増額、高年者センター岡崎の集会室の照明設備を更新するための施設整備工事・請負費の計上、衛生費では、火災のあったリサイクルプラザの代替え処理をするためのごみ受入処理委託料の増額、農林業費では、県内で豚コレラが発生したことに伴い、防疫体制の強化を図るための家畜伝染病対策本部・関連事業費の計上、土木費では、都市計画道路福岡線整備に必要な用地を購入するための土地購入費の計上、事業の見通しが立ったことによる、東岡崎駅周辺地区整備工事請負費及び乙川河川緑地人道橋整備工事請負費の減額、雨水管渠築造工事など、事業進捗を図るための、岡崎駅南土地区画整理組合事業費補助金の増額、岡崎駅東地区の無電柱化を推進するための道路築造工事請負費の増額、教育費では、WRC世界ラリー選手権などを推進するための、国際スポーツ大会等推進委員会負担金の増額、龍北総合運動場整備において、独立行政法人日本スポーツ振興センターに申請していた助成金が採択されたため、施設購入費の計上などをお願いしております。
次に、特別会計であります。
後期高齢者医療特別会計は、過年度分の精算に伴う広域連合への保険料等負担金の計上、介護保険特別会計は、決算剰余金を介護給付費準備基金へ積み立てるための補正や介護給付費の精算に伴う返還金の計上をお願いしております。
以上が、今議会に提案をいたしました議案の大要であります。
広報紙「市政だよりおかざき」、乙川リバーフロント地区整備
広報紙「市政だよりおかざき」でありますが、10月から、従来の月2回の発行を、毎月1日号の月1回の発行へと変更いたします。それに伴い、今までよりも幅広い年齢層の方に見ていただけるよう、リニューアルをいたします。全ページカラー刷りやジャンル分けをすることにより、見やすく探しやすい広報紙づくりに努めてまいります。
また、新たな広報媒体として、同じく10月からスマートフォンアプリのLINEによる情報発信を行ってまいります。現在実施しているフェイスブックやツイッターに加え、SNSから情報を得る手段を増やしてまいります。
最後に、乙川リバーフロント地区整備についてであります。
現在、本市の乙川リバーフロント地区のまちづくりは、全国的に注目が集まっており、この秋には、本市を会場とした国土交通省関連の3つの研修会などが開催されます。
そうした中、7月26日に市民の皆様が待ちに待った籠田公園がリニューアルオープンいたしました。この籠田公園は、QURUWA戦略の7つあるプロジェクトの中で、初めて完成した施設であります。新たに設置した四阿(あずまや)やパーゴラの下で語らう様子や新たに設置した噴水では、元気に水遊びをする沢山の子どもの姿を目にすることができました。予想以上の好評に喜んでおります。噴水については今後、他の場所での導入も検討していきたいと考えております。
更には、今回の籠田公園の再整備をきっかけに、籠田公園周辺の7つの町内会が小学校区を超えて連携し、地域課題の解決に向けた協力体制を構築したとお聞きしております。今後もこういった整備をきっかけに、周辺住民の方々が主体となった、地域コミュニティの強化に繋がる取組みが創出されていくことを期待しております。
東岡崎駅周辺地区の複合商業施設「オト リバーサイドテラス」では、既に駐輪場や駐車場がオープンしておりますが、今後は、9月8日のホテルのオープンを皮切りに、パンケーキのおいしいカフェを始め、イタリアンやアメリカ西海岸風のレストランのほか、ホットヨガやエステ、24時間営業のスポーツジムなどの賑わい施設が順次オープンし、11月2日にはグランドオープンのイベントも予定しております。
加えて、同じく11月2日には駅と直接つながるペデストリアンデッキの渡り初め、さらにその中央には、多くの皆様の浄財を得て建てられる、高さ9.5メートルという、日本一の高さと偉容を誇る、若き日の徳川家康公の騎馬像がお披露目となります。
私が子供の頃から「岡崎は家康公の生まれ故郷と言いながら、駅前にまともな像がない」と言われておりましたが、これで変わりゆく岡崎の新たなシンボルができました。今後さらに「夢ある新しい岡崎」が目に見える形として現れてまいります。今後を是非ご期待ください。
以上、ご説明を申し上げますとともに、提出をいたしております、諸議案につきまして、よろしくご審議の上、ご議決を賜りますよう、お願い申し上げまして、説明を終えさせていただきます。ありがとうございました。 (つづく)
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