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2019年9月20日 (金)

モンゴル訪問記 6.肉食文化について

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モンゴルの食生活
 その後、大型ゲルにあるレストランで夕食をとることになった。やはりこちらでは肉料理が多い。
 昨今は北海道の名物となっているが、私が子供の頃から三ヶ根山のふもとではジンギスカン鍋というのが名物であり、三ヶ根山の山麓園のケースでは羊の肉ではなく、牛肉であったように記憶している。モンゴルでも羊ばかりではなく牛やヤギの肉も使われている。
 私達は物事を先入観で判断していることが多いが、モンゴルにおいてもそうであった。遊牧民は肉食で活動的であり、そのエネルギーが世界征服につながったというイメージを私は抱いていたのであるが、伝統的な遊牧民の食事は、夏は馬乳酒やお茶にチーズなどで、冬は夏に作っておいた干し肉を食べるというのが普通であったそうである。遊牧民にとって家畜は大切な存在であり、肉は祝祭日や特別な時にのみ食していたとのことであった。
 近代化が進み、家畜の数が飛躍的に増え生活が豊かになったことで、肉食化が進んだということであった。昔のモンゴル人はあまり太った人はいなかったそうであり、町を歩くと朝青龍や白鵬のような立派な体格の人を見ることがあるが、それは最近の傾向とのことだ。

 テレルジへの道中にも羊やヤギの群れに道をふさがれることがあり、牧畜の国であることを実感したが、実際全国で人口の20倍の6,300万頭ほどの家畜がいるそうである。

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 一番多いのは意外にも、乳がとれ、質の良いカシミアのとれるヤギで、40%を占める。羊は30%、牛は15%、馬が10%、ラクダが5%という内訳だそうである。他にもヤクやラマ(リャマ)も飼育している。モンゴルのカシミアは中国やロシアとの取引が多かったそうであるが、現在はアメリカが高値で買ってくれる上客となっているそうである。

 私は昔極端な偏食であり、大学生になるまでハムとウィンナー、ハンバーグ以外の肉製品をほとんど食べなかった。長じて大分直ってきてはいるが、本格的な肉食主流の外国料理は苦手である。モンゴルの食事も肉系のものが多く、しかも量が多い。肉に付いて出てきた太い骨も叩き割って中の髄までスプーンで食するのである。そのためか、一般にモンゴルの男性は腰に刃渡り10センチほどのナイフをぶら下げていることが珍しくない。

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(ビフォア)

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(アフター)

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(腰のナイフ)

 モンゴルでは固い肉をおいしいと思う文化があり、「最近の若い奴はやわらかい肉しか食わず軟弱になった」という話を聞かされた。どこの国でも年寄りは同じようなことを言うものである。
 以前ドイツを訪れた時に、カゴに山盛りの骨付き肉や、頭も足も付いたトリの丸焼きを出されたことがあるが、私は全くダメである。こんな時はもっぱらパンやご飯を食べることにしている。私のように肉が苦手の人は、モンゴル旅行の際は何か副食を用意しておかれるといいと思う(ウイロ、煎餅、ビスケット等)。 (つづく

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