岡崎市制施行103周年記念式・市長式辞
市制施行103周年記念式を市民会館あおいホールにて挙行しました。岡崎市のホームページに掲載した市長式辞をブログでも御紹介いたします。
市制施行103周年記念式・市長式辞 (令和元年7月1日)
皆様こんにちは。市長の内田康宏です。
本日は、岡崎市制施行103周年の記念式を挙行いたしましたところ、ご来賓の皆様をはじめ、各界各層からご出席を賜り、厚くお礼申し上げます。
本市は、大正5年7月1日に、県下では3番目、全国では67番目に市制を施行してから着実に発展を遂げ、本日103周年を迎えることができました。市制施行当時約3万8千人であった人口は順調に増加し、現在では、10倍の38万8千人を超える中核市へと発展をとげており、全国に58ある中核市の中でも有数の健全財政を維持する都市となっております。また昨年末には、地域経済や住民生活を支える拠点として国が新たに設けました「中枢中核都市」にも選定されております。これもひとえに、先人のたゆまぬ努力と、市議会をはじめ、市民の皆様方の格別なるご理解とご協力の賜物であると心より感謝を申し上げる次第であります。
はじめに、5月1日に天皇陛下が御即位され、新しい「令和」の御代の幕開けを迎えました。
天皇皇后両陛下におかれましては、初めての地方公務として全国的にも注目を集める中、6月2日には高隆寺町の愛知県三河青い鳥医療療育センターをご視察され、私も、施設内を同行させていただき、直接、陛下とお言葉を交わしました。本市を目的地としたご来訪としては昭和21年の戦災地ご巡幸以来72年ぶりのことであり、沿道には、市内外から多くの方々が集まり、この記念すべき行幸啓を温かく、そして盛大にお迎えすることができました。
本市にとりましてこの上ない喜びであり、誠に光栄でありまして、新しい「令和」の表紙を飾る素晴らしい出来事になりました。
また先日、本市出身の中嶋一貴選手が、世界三大自動車レースの一つと称される「ルマン24時間耐久レース」を連覇され、そして日本人初の「WEC世界耐久選手権」の年間チャンピオンになられましたことにお祝いを申し上げます。
昨年のレースで初優勝を飾り、市民栄誉賞をお贈りした際の、「優勝し続けるために、さらなる高みを目指し、成長したい」との言葉どおりの結果に感服いたしました。
これからも市民に明るい希望と勇気を届けていただくことを期待しております。
なお、7月9日には凱旋報告のため市役所を訪れていただけます。
さらには、三菱自動車岡崎硬式野球部が、「第90回都市対抗野球大会」への出場を決められましたことにお祝いを申し上げます。社会人野球の最高峰として歴史と伝統を誇る都市対抗野球大会へは、2年ぶり11回目の出場と伺いました。岡崎市の代表として、持てる力を十分に発揮し、ぜひ優勝旗を勝ち取ってきていただきたいと願っております。初戦の7月15日には、私も東京ドームへ応援にかけつけたいと思います。
さて、私が市政を担当させていただきまして、これで2期6年8ケ月が経ちました。
その間、皆様方をはじめ、本当に多くの方々のご理解とご協力のおかげで、各事業を順調に進めることができ、当初の公約の9割方が完成に向かっております。
そこで、市民の皆様と市制施行103周年を祝うこの機会に、直近の事業、そして今後の事業の一端をご報告申し上げます。
この度の天皇陛下ご即位に伴う大嘗祭は、11月に行われますが、大正天皇御即位の大嘗祭の折に、本市の六ツ美地区が悠紀斎田に、香川県綾川町が主基斎田に選ばれたことをきっかけとして、6月2日に綾川町と「斎田ゆかりの地交流提携」を締結いたしました。
両斎田は地元の皆様の熱意と努力により保存・伝承されている文化財であります。今後も地域が協力して斎田を末永く引き継いでいただくとともに、提携を契機に様々な交流活動が生まれ広がっていくことを期待しております。
また、都市交流としましては、本市と沖縄県石垣市が親善都市の提携をしてから、2月で50周年という大きな節目を迎えました。4月には、新たな時代にも幅広い交流を続け、さらに友好・親善を深めることを確認する「親善都市提携50周年記念宣言」に署名いたしました。今後は市民ツアーを実施して、市民が主体となった交流事業を進めてまいります。
また例年開催しております「石垣市の観光と物産展」は、記念の年として、7月13日、14日におかざき農遊館において、石垣市観光大使である具志堅用高氏をお招きして、盛大に開催いたします。
次に、昨年度から進めてまいりました全小中学校へのエアコン整備事業については、すでに試行運転を始めておりますが、本日より本格的に運転を行います。個々の教室の状況に合わせて、エアコンの設置場所や台数を工夫したことに加えて、運転効率を高めるため、各教室に遮熱カーテンもあわせて設置しております。
子ども達にはもう暑い思いはさせない、という考えで進めてきましたが、夏を前に全小中学校にエアコンが設置できたことは素晴らしいことであり、これからは、快適な環境の中で、次代を担う岡崎の子ども達に、のびのびと学習活動や学校生活を送っていただきたいと思っております。
次に地域医療体制の充実についてであります。愛知県がんセンター愛知病院の経営移管を受け、4月から岡崎市立愛知病院として岡崎市民病院とともに本市で2つの病院を運営しております。現在の状況は、一部の診療科を除いてがん診療の機能を岡崎市民病院に移行するとともに、岡崎市民病院で症状の落ち着いた患者さんは徐々に愛知病院に移っていただいており、緩和医療を行っています。
また、南部地域で建設が進む「藤田医科大学岡崎医療センター」につきましては、来年4月の開院まで一年を切りました。既に現地では、地上8階建ての病院本体が立ち上がり、その堂々たる外観は今後の南部地域の発展を大いに期待させてくれるものであります。
このように、市民病院と市立愛知病院の機能分化の推進や、藤田医科大学岡崎医療センターを始めとした市内の病院・診療所との連携を深め、多様な疾患に適切に対応することで、市民の皆様が、この住み慣れた岡崎の地で、いつまでも健康で安心して暮らせるよう、医療体制を整えてまいります。
次に、乙川リバーフロント地区整備事業でありますが、この3月に人道橋の名称が「桜城橋」に、橋から籠田公園に向かう通りの愛称が「天下の道」と正式に決まりました。桜城橋につきましては、桜の開花時期となる来年3月22日の完成を目指し引き続き整備を進めてまいります。
また天下の道には、岡崎の石工職人の技術を存分に発揮いただいた徳川四天王の石像も配置いたします。この石像はそれぞれの武将が持つ歴史的エピソードを再現したものであり、完成後にはスマートフォンなどをかざすと4、5か国語の多言語の案内が聞けるようにしてまいります。
そして、籠田公園の再整備ですが、7月26日に完成の運びとなりました。新たに日よけや屋根を持つ休憩施設を設け、天候などを気にせず気持ちよく過ごせる空間となり、ステージも一新されることから、夏祭りやジャズストリートなども今年からは雰囲気が変わってまいります。
今回のリバーフロント計画ですが、ただ形を作って終わりではなく、そこに出来上がった空間を活用していかにまちのにぎわいを生み出すかということが大切であり、そうした意味ではこれからが本番だと思っております。
次に、中枢中核都市の玄関口として50年に一度の大改修を行っております、東岡崎駅周辺地区では、駅北口のペデストリアンデッキの橋桁がすべて設置され、全体像が現れてきました。そのデッキの中央広場上には、多くの法人・個人の皆様の浄財・御寄附によって設置を進めてまいりました「若き日の家康公」の騎馬像が、いよいよその姿を我々の前に現わすことになります。
この像の制作を手掛けていただいておりますのは、日本のブロンズ像制作の第一人者であり、日展の副理事長でもある神戸峰男先生であります。
騎馬像は、駅のホームや名鉄の車窓などからも眺めることができ、その高さは台座を含めると9.5メートルにもおよび、まさに日本一の高さと威容を誇る本市の新たなシンボルが誕生いたします。11月2日にペデストリアンデッキの渡り初めと合わせて完成披露式典を執り行いますので、是非ご期待ください。
また、家康公像の東側に位置します民間事業者が行います複合商業施設の北東街区では、現在までに建物がほぼ完成しておりまして、オープンに向けてテナントの内装工事などを行っております。
また、先日施設名称が「オト リバーサイドテラス」に決定されまして、ロゴマークや今後のオープン予定も発表されました。既に駐輪場が先行して6月1日からオープンし、9月8日にホテル、9月中旬からショップやレストランが順次オープンし、11月2日にはグランドオープンのイベントも予定しておりますので、ぜひご期待ください。
また、先月には太陽の城跡地で整備を検討しておりますコンベンション施設に関しまして、実施方針を公表させていただき、QURUWA戦略の拠点施設として、基本コンセプトを「まち・ひと・かわを結ぶ交流拠点」としています。
中心市街地でありながら歴史資産や自然環境が豊富な立地を活かして、岡崎ならではの独自性を持った施設を民間事業者のノウハウを活用した公民連携事業として推進してまいります。
今まで市内や西三河地域では開催することが叶わなかった1,000人規模の会議や式典、レセプションなどが開催できるコンベンション施設とそれに併設されます「上質なおもてなし」を提供するホテルの整備を2023年の春の開業に向け、秋には民間事業者の募集を行ってまいります。
次に東公園でありますが、現在市内の篤志家の方からのご寄附により、恐竜広場南側の多目的広場に、児童遊具の設置工事を進めております。
これは、北欧風の木製遊具でありまして、小さなお子様から小学生まで楽しんでいただけるものを選び、13基を設置するものであります。また、遊具周辺には植栽も行い、暑い時には木陰で涼んでいただけるような計画としております。
8月26日のオープンを予定しておりまして、これで、東公園には、「動物」「恐竜」「遊具」という三つの子どもの遊びゾーンが完成し、しかも全て無料で楽しんでいただけます。是非、多くの方にご来園いただきたいと思っております。
次に安全なまちづくりにつきまして、これまで本市では、各学区のみなさまの防犯カメラの設置に補助してまいりましたが、設置のための初期費用や、設置後の維持管理費等のご負担がかさむこともあり、全市的な広がりが進んでおりませんでした。
一方、昨年、本市は侵入盗の発生件数が県内でワースト1位となっており、市民アンケートでも、防犯カメラの設置を望む市民の声が約90%となっているとともに、岡崎市総代会連絡協議会からも、市による防犯体制の一層の強化のご要望をいただきました。
こうした状況の中で、市民が日常的に安全・安心を感じることができるよう、防犯カメラをまずは1,000台を目標に、市が直接、設置してまいりたいと考えております。
岡崎警察署や総代会連絡協議会と連携しながら、犯罪多発地域や、子ども達の安全確保のため通学路に重点的に設置することによって、市民が安全で安心して暮らせるまちの実現に向け、より一層力を入れていきたいと考えております。
次に、中山間地の活性化につきましては、市域の60%を占める森林資源をいかに活用していくかが、大きな課題の一つとなっております。
この4月から国の「森林経営管理制度」が始まっており、適切に経営や管理が行われていない森林について、市が主体となって、林業経営の効率化及び森林管理の適正化を図ってまいります。
まず、森林所有者と林業経営者をつなぐシステム構築に向け、市内の森林の資源解析を行い、森林経営管理の実施方針を策定し、行政として森林の適切な管理と林業の支援に努めてまいります。
同時に、地域商社の設立をめざした施策を展開し、木材の新たな商品の開発、販売、販路開拓を一貫して行う「6次産業化」の推進を図るなかで、木材利用促進に期待するとともに、将来的には、中山間地を活用した市民も楽しめる山間リゾートを整備したいと考えています。なぜならば都市生活者に森林に囲まれた、山間地での生活の良さを味わっていただくことにより、人口減対策、雇用機会の創出につなげたいと思うからです。
次に、世界ラリー選手権、通称WRCについてであります。
WRCという競技は、本場ヨーロッパではF1と並んだ人気のあるモータースポーツで、現在、2020年の日本開催にむけた招致活動に対し、本市も協力しているところであります。
このWRCに先立ちまして、今年の11月にテストイベントが愛知県、岐阜県の2県をまたがるコースで開催することが決まりました。
本市で走ることは決定されましたが、コースの詳細はこれからということですので、岡崎市を世界に発信できる絶好の機会ととらえ、本市のPRと多くの市民が観戦できるよう招致委員会に働きかけしてまいります。
そして6月1日には、スポーツに関連した、大変うれしいニュースが飛び込んでまいりました。来年4月6日から7日にかけて行われる東京2020オリンピックの聖火リレーのルートの一部に、本市が選ばれたことが公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から公表されました。世界的なスポーツの祭典であるオリンピックの聖火リレーが本市を通過するのは、昭和39年以来56年ぶりとなります。今回は、名所旧跡を世界に届けるのにふさわしい、映えるポイントとして、岡崎城周辺が選ばれております。具体的なルートや内容は、今後決まっていきますが、岡崎城付近をスタートして、桜城橋をゴールとする、桜の季節に、岡崎市をPRするのにふさわしいルートになるようですのでご期待ください。
この他に各地で進めている多くの事業も順調に進んでおり、これから数年の内に全市的に手がけた事業が次々と実現を迎え、近い将来、間違いなく、本市の景観や人の流れも大きく変わってまいります。このように多くの事業を展開していく究極の目的は、岡崎市民、ことに子ども達が自らのふるさとに対し、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる、そんな「夢ある新しい岡崎」を築きあげることであります。その目的のため、各議員の皆様や職員と共に、全力で取り組んでいるところでありますので、今後も引き続き、市民の皆様方のお力添えをお願い申し上げます。
さて、本日は、それぞれの分野でこれまで本市の発展に多大な貢献をされました皆様の表彰をさせていただきます。
表彰の栄に浴されます皆様には、心からお祝いを申し上げますとともに、感謝の意を表する次第であります。どうか今後とも健康にご留意いただき、なお一層、本市の発展にご尽力、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
終わりに、市民各位並びに本日ご参会の皆様の、ご健勝ご多幸を心より祈念申し上げまして、式辞といたします。
令和元年7月1日
岡崎市長 内田 康宏
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