オス猫出産騒動顚末記
オス猫として入手したはずの猫が1月末に子供を4匹産んだことで、親戚はじめ各方面に大変御心配をおかけしておりましたが、結局4匹ともウチで飼うことにしました。御好意で里親に名乗り出て頂いた皆様には心からお詫び申し上げます。
どうしてこういった結末に至ったかと言えば、人間で言えば中学生か高校生ぐらいの母猫が毎日献身的に子育てをし、育児疲れでしばらく部屋から出してやっても、戻る度に一匹一匹確認するように顔をナメて回っている様子を見て、「これはとても離すことはできないな」と感じたからです。
◆手前マロン(オス)、後列左からレオン(オス)、ミーツー(メス)、ミルク(メス)
ものの本によると、お乳は血液の成分が変化して形成されたものと記憶しています。チャッピー(茶トラの母猫)は食べても食べても少しも大きくなれず、やせた体形のままです。女房曰く「女は身を削って子育てをしている」とのことであります。
子猫それぞれに名前を付けて呼び始めたところ、個性的な動きも見られます。
おとなしく正座してエサの順番を待つ子、待ちきれずに私のヒザから背中、肩の上まで登ってしまう子と様々ですが、家族それぞれにひいきの子猫ができており、「どの子を里子に出すか」で意見がまとまらなかったことが、一番の理由でありました。
「家にネコが10匹いる」と言うと、たいていの人はアキれた顔をしますし、「あにも」前所長のK氏からは「せめて8匹までにした方がいいですよ。母猫のやさしい対応も今だけで、そのうち子供を追い払うようになりますよ」とアドバイスを頂きましたが、あえて全部ウチで面倒みることにしました。
これで我が家は犬1匹、猫10匹、孫1人となる訳ですが、家の中が動物園状態になることは覚悟しております。もうすでにトイレ8ヶ所、エサ場と水飲み場4ヶ所、爪とぎ場6ヶ所を設けましたが、容器とスペースの拡大が必要と思っております。
ただ、私がこうして動物の多頭飼いをできるのは、あくまで家族全員が動物好きであり、動物の世話に協力的であるからであります。そうした理解と協力なしに、ゆめゆめマネされないことを願います。
◆ママを一人占め!(レオン)
先頃来岡されたモンゴル・アーチェリーチームの団長さんに猫の話をしたところ、モンゴルには「ネコを10匹飼うと幸せになれる」という言葉があると教えて頂きました。
決してそう言われて10匹飼う決心をした訳ではありませんが、せめてウチで飼う動物はすべて幸せにしてやりたいと思っております。そのためにはまず、次の去勢と避妊のタイミングを失敗しないようにしなければと思っております。
昨年の今頃、〝ネコ・ブーム〟に警鐘を鳴らすブログを書いた覚えがありますが、やはり不安が的中したようです。新聞の報道によると、昨年度、全国の動物愛護施設で殺処分された猫は前年度の2倍超となったそうです。ブームにのって猫を飼ってみたものの、意外と手間のかかる猫の飼育にアキて、飼育放棄に至る不心得で無責任な人間が多いということであります。動物好きの私のような人間には、こういう人達の心は理解不能であります。
また、歴史上の人物、著名人の中にもネコ好きは多いようです。
フランスのルイ16世の王妃、マリー・アントワネットも英国の首相チャーチルもネコ好きで有名ですし、ロシアのエカテリーナ2世は数十匹のネコを飼っていたそうです。ただこれらの人は自分では世話はしていなかったことでしょう。
日本では『吾輩は猫である』の夏目漱石はじめ作家にネコ好きが多いようです。芥川龍之介や三島由紀夫もネコと一緒に撮った写真をいくつも残しています。ことに面白い話として、大佛次郎は夫婦友にネコ好きであり、自宅に15匹のネコを飼っており、それ以上に増やさない約束を互いにしていたそうです。ある時自宅に帰ると16匹のネコが食事をしており、夫人に問いただしたところ、「その方はお客様で、食事をとられたらお帰りになります」と答えが返ってきたといいます。奥方もなかなかの強者(つわもの)のようです。
そう言えば、アメリカの作家アーネスト・ヘミングウェイもネコ好きで有名です。以前、県会議員の中南米視察でキューバを訪れた際、ヘミングウェイの邸宅に案内され、そのとき彼の忘れ形見のような10匹以上のネコ達が迎えてくれました。
◆自著『多岐亡羊』より。1994年刊行。
いずれにしても自由で自分勝手なネコ達ですが、法律や規則にがんじがらめになっている我々人間からすればうらやましい存在であります。そのたおやかで愛らしい、神秘的でしたたかな生き方に私達は一種の癒しを感じているのかもしれません。
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