籠田公園の老桜
籠田公園の北にあるステージの西側に一本の古い桜の木がある。私が子供の頃からある桜の木で、陽当たりの良い場所に植えられ、建物により寒風の直撃を避けられる位置にあるせいか、毎年早くから花を咲かせ、桜としては長期間私達の目を楽しませてくれる。
犬の散歩などに出かけた折など、見知らぬ人とも桜のとりもつ縁で話をすることとなることも度々である。これは決して私だけのことではなく、同様の話をよく耳にすることがある。
今回の「(仮称)岡崎セントラルアベニュー」整備工事においては、中央緑道に加えて籠田公園の改修も行われる。
昨年、この桜の木が切られる計画となっていることを知り、なんとか残せないものかと担当に相談してみた。
残念なことに樹木医の診断では「老木であるため中腐れにより内側は空洞化しており、虫食いの害もあり、残しても何年も持たないだろう」ということであった。
しかしながら老木とはいえ、今年も律儀に満開の桜を咲かせてくれ、毎日犬の散歩に出かける度に、この木を切ることが不憫(ふびん)に思われて仕方がなかった。
幹の本体については救うことはかなわいないため、なんとか健康な枝を見つくろってこの桜の命をつなぐことができないものかと思い、再度担当の係に頼んでみたところその方向で検討してもらえることとなった。
岡崎市は現在、桜100年計画として、わざわざ桜の名所に出かけなくても、各地域でそれぞれ桜を歩いて見に行ける場所づくりを推進している。
〝まちづくり〟というのは新しいものを建設してゆくものであると同時に、古いものを保存してゆくものでもあると思う。籠田公園の桜は一本の老桜にすぎないが、同じ思いを共有する市民の心とともに未来に物語をつなげてゆけるものにしたいと考えている。
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