友好都市・フフホト訪問記 1.到着まで
フフホト市友好都市提携30周年
7月2日(日)早朝、岡崎市と友好都市提携30周年を迎えた中国・内モンゴル自治区の呼和浩特(フフホト)市訪問に出発した。6日間でフフホトのほか、大連と旅順も訪れることとなっている。
このところ鳥インフルエンザの流行と日中関係悪化の影響もあり、両市の相互訪問交流は途絶えていた。今回の訪問は、友好提携30周年を記念して〝春の家康行列〟にフフホト市副市長はじめ20名ほどの訪問団の参加を受け、その答礼の意味を含めて行われたものである。
(フフホト市提携30周年記念使節団、家康行列、2017年4月9日)
通常の姉妹都市提携のあり方というのは、同規模で、何らかの共通的産業基盤、地理的あるいは歴史的共通性のある都市間で交わされるものであるが、フフホト市は人口307万を有する、名古屋市よりも大きな都市である。しかも経済的にも安定した美しい街であり、毎年行われる全中国の「住みたい都市」アンケートの上位の常連だそうである。そうした都市と友好都市関係にあることは、岡崎市としては大変名誉なことであると思う。
今年は内モンゴル自治区成立70周年という年にもあたり、「できれば式典を行う8月にも来てほしい」ということであった。名称は自治区であり、成立時はモンゴル人や満州人が多かったそうであるが、都市の発展とともに国策として漢人の流入が進められ、現在では全人口の90%が漢人で占められている
なお、これは中国における他の自治区も同じ傾向であり、政策的にいずれチベットやウイグルの自治区も同様の道を歩むものと思われる。多民族国家における統治と国家運営のあり方については歴史的経緯、文化的・宗教的問題もからみ、一つ間違えると内乱の可能性を含むものであり、そうした問題のない我が国をありがたく思うものである。
出発
出発前日、7月1日は岡崎市制101周年の市制記念日であり、式典行事に忙しく、加えて母の四十九日の法要も重なり、中国行きの荷造りを始めたのは夜になってからのことであった。そうしたあわただしい出発となったこともあり、通常のような訪問前の下調べ、資料整理を行うこともできず、報告記事の掲載が遅くなったことをおわび申し上げるものである。
今回のフフホト訪問団は、公式訪問団に加え、長年フフホト市との交流のある書道家代表の皆様を含む国際交流協会の「友好の翼」のメンバー総勢39名という規模となった。
中部国際空港(セントレア)からフフホトへの直行便が無いために北京空港で国際線に乗り換えた。中国では入国・出国審査ともに厳格であり、時間もかかる。ことにこのところの中国の対外拡張路線に起因する各国の対中国政策への不満に加え、習近平主席の強硬政策への反発によるテロを警戒した対策のためか、必要以上に警備が厳しくなっているようであった。ただでさえこの国の飛行機の発着時間は正確さを欠く。先行きに不安を感じさせられる我々であった。
その心配どおり、北京では乗り換え時間が3時間もあったにもかかわらず、出発はさらに1時間半遅れることになった。しかも都合5時間近く待ち、ようやく国内線に搭乗してから飛び立つまでにさらに1時間近く待たされたのである。その間何の説明もなく、おまけに燃料節減のために空調もストップされ、機内は蒸し風呂状態となっていた。しかも乗客が要求するまで飲み物(水)さえ出されなかった。
概して中国に限らず、社会主義国のシステムとはこうした傾向が強いものであるが、この国ではそもそも「お客へのサービス」という観念が欠落していると感じたのは私ばかりではないだろう。
かくして、中国のカオスの世界(?)に入った我々がフフホトに到着したのは夜の10時近くとなり、ホテルのレストランでの予約時間を3時間も過ぎていた。それでも我々がちゃんと夕食にありつくことができたのはフフホト市当局の特別な配慮のおかげと感謝している。 (つづく)
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