引っ越し大作戦完了す (その1)
(自宅前にて。平成29年1月1日撮影)
決して引っ越しというものをナメていた訳ではないが、今回引っ越しがいかに大変なことであるかということを骨身にしみて思い知らされたものである。
そもそも家の建て替えなどしなければ、引っ越しなど必要ないのであるが、築66年、木造モルタル造りの我が家が10年程前からひどく傾くようになり、安全性に問題が出てきたのである。雨漏りもひどく、因果関係もはっきりしないまま漏電のため私の家から火事を起こすことが一番怖いことであった。
10年前にもリフォームを考え、知り合いの建築業者や大工さんに相談したところ、異口同音に「これはもう手遅れだよ。建て直した方が良い。リフォームは金の無駄づかいになる」という答えであった。
それでも、「失敗したら建て直そう」と思い、自分で屋根や外壁のペンキ塗りをし始め、併せてリフォームに挑戦してみた。柱を補強し、壁、天井も張り替え、断熱材まで使ってていねいに作り直してみた。〝DO IT YOURSELF〟の本を見ながら取り組んだのであるが、思いの他きれいに仕上がり、自分としては気に入っていた。
ところがとうとう昨年の夏からTVが映らなくなり、年末には温水機が作動しなくなり、今年に入ってガス台も使えなくなってしまった。何より原因がはっきりしない点が一番の不安であった。
そして2月の突風時に、地震と間違えるほど家が揺れたことが決定打となった。石川達三の『風にそよぐ葦』なら風情もあるが、〝風に揺れる家〟ではシャレにならない。
本市の防災対策の顧問になって頂いている名古屋大学の福和伸夫教授からも、「災害対策本部長の家が余震でつぶれていては困るので、家を建て直すように!」とお会いする度に言われているところでもあった。
公職者が家を建てたり新車を買ったりすると、とかく悪口の種となるものであるが、友人から「町の景観を説いている本人の家が、町の景観を損なっている」とまで言われており、周囲の家が建て替えられ、近所で一番古い家となったことで今回思い切って建て替えに踏み切った次第である。
当初は、2~3ヶ月前から準備をして、1~2週間ほどで引っ越しはできると思っていたが、私の見通しが甘かった。
5月中旬に母の急死という思わぬ出来事に加え、6月議会、フフホト市(中国)訪問、市制70周年の石垣市訪問、東京陳情活動、数度の市民対話集会、都市対抗野球の始球式、夏まつり、花火大会等々、代わりのきかない仕事が連続し、引っ越しの準備が大幅に遅れてしまったのである。毎年5月の連休や年末にキチンと掃除をしていればこんなこともなかったのであろうが、忙しさにかまけて、この10年ほど大掃除をしたことがなかった。そのツケが回ってきたのである。
なんと今回家から出たゴミ、不要物、廃棄物の総量が4トンになり、自分でもアキレてしまった。
不要品の総量がこれほど膨大になったのは、父の仕事上(新聞社)、古い資料や本、関連の品物が大した値打ちもないのに後生大事にしまわれてあったのと、私も、子供達の思い出の品に加え余分なものを多く溜め込みすぎていたせいである。
どうしてこんなものがまだ家に置いてあったのかと思われるような古い電化製品や日用品があり、ことに困ったのが宗教関連の品である。母が知り合いから勧められて関わった神仏やお札、経文、仏像、写経などはゴミとして捨てる訳にもいかず、とりあえず箱詰めにして保管してあるが処分に困っている。(御年配の皆さん、この点御注意下さい。)
荷物の整理と運搬のため、お盆休みをはさんだ8月の2週間、平均睡眠時間2~3時間、うち完全徹夜2日間を費やすこととなった。なんとか乗り切ったものの、心身ともにクタクタであった。災害などは無い方が良いのであるが、今回のことで災害発生時の本部長としての予行演習ができたと思っている。
古い家の引っ越しには予想外の出来事がおこるものである。給湯器をはずしたところ水道管がひび割れて水漏れしたり、左側の柱の付属物をはずしたところ右側の柱が傾き出したり、古い建物の引っ越しは命懸けでもある。ところどころ床が腐りかけているような建物での連日の肉体労働はさすがにキツく、自らの筋肉の衰えを実感させられた。
ランニングシャツと半ズボンの「裸の大将・山下清」スタイルで荷物を運んだり作業をしていると、私と気付かない人も多い。気付かれるとイチイチ説明しなくてはならず、私としては好都合であった。
いずれにしても今回御手伝い頂いた友人、青年部の皆さんには心から感謝申し上げます。
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