平成28年12月議会 その1(市長提案説明)
臨時会による役員改選後、初の定例会、12月議会が12月1日(木)より始まりました。以下は初日に申し上げた市長提案説明です。
大隅良典教授がノーベル医学生理学賞を受賞
12月定例会の開催に当たりまして、所信の一端を申し上げますとともに、今議会に提案いたしました議案の大要につきまして御説明申し上げます。
はじめに、大隅良典東京工業大学名誉教授が、ノーベル医学生理学賞を受賞されましたことに敬意を表すとともに、お慶びを申し上げます。
大隅氏は、本市にあります自然科学研究機構・基礎生物学研究所において、平成8年から13年間、研究に携わっており、今回受賞した研究である「オートファジー」の仕組みの研究も行っていたと伺いました。本市に優秀な人材が集まっていることや、重要な研究施設があることは大変意義深いことであり、本市のまちのブランド力(りょく)に一つの勲章が加わった思いがいたします。
さて、先の市長・市議会議員一般選挙により、市民の皆様から市長として2期目の負託を受け、新たな使命感をもって今この場に立たせていただいております。市議会の皆様におかれましても、選挙後において新たな体制を築かれたところと存じますが、岡崎市政の発展のために従前同様、お力添えのほどお願い申し上げます。
本日私は、橋とガス燈をデザインしたネクタイをつけて参りました。今回の選挙によって信任された政策を今後もしっかりと推進してゆくという決意を込めて選びました。
1期目は乙川の水辺空間と歴史的文化遺産を活用した「観光産業都市の創造」を目標に掲げ、「夢ある新しい岡崎へ」をスローガンに本年度の市制施行100周年記念事業を始め、「岡崎市第6次総合計画」の重点プロジェクトに取り組んでまいりました。その中で、社会基盤整備、災害対策、社会保障関係経費への対応など、市民福祉の維持、向上に資する数多くの取り組みが出来、さらに地方創生の基本方針に基づき策定した「岡崎市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の実施により、地域の活性化、魅力づくり、安心して子育てのできる環境づくりにおいても成果があったと自負しております。
4年前に掲げた公約に対し、ほぼすべて着手できましたことは「天の時、地の利、人の和」に恵まれたものと感謝しております。1期目の事業の中には、乙川リバーフロント地区整備、駅周辺整備、大学病院誘致を始めとする医療・福祉の充実など、2期目にその成果が形となって現れてくるものも多く、事業の透明性に加え、遅延や事業費を増大させないマネジメントも重要な要素であると感じております。今後は本市のこれからの100年の礎を築くため、未来を見据え、持続可能なまちを創っていくことが重要と考えるとともに、公約実現に向け誠心誠意取り組んでいく所存であります。
(仮称)額田センター、市民会館、駅周辺への都市機能誘導計画
日本は今後、人口減少社会、そして少子高齢化社会へ変化していくと言われています。地方公共団体を取り巻く環境は公共施設やインフラ資産の維持管理経費が増大する反面、労働力不足から税収の減少が予測されております。本市の人口推計では、産業と良好な居住環境を背景とした社会増により平成42年まで人口が増加する見込みとなっておりますが、来るべき社会環境の変化に前もって備え、都市基盤の整備においては都心・生活拠点が核となるコンパクトなまちづくりが求められていると感じております。
その取り組みの一つとして9月に着工しました(仮称)額田センターは、敷地内に点在していた額田支所、市立額田図書館、森の総合駅を旧支所の跡地に集約して新設するものです。本年8月に公共施設等総合管理計画を策定・公表いたしましたが、目指す姿として「現世代への安全な公共施設サービスの確保」、「将来世代への過大な負担を解消」、「公共施設サービス水準の低下の回避」と定めております。この計画に基づき、建築物については築40年前後となる施設を中心に、(仮称)額田センターのような集約化を図ることや、10月にリニューアルオープンしました市民会館あおいホールのような長寿命化が今後の公共施設を考える上で重要な考え方となってまいります。
本市は先に挙げた問題にいち早く取り組んでいる状況であり、今後も将来にわたり本市の基盤となる社会資本を効率的・合理的に維持できるように努めてまいります。
また、20年以上先の将来を見据えた長期的な視点も重要で、医療・福祉施設、商業施設や住居等がまとまって立地し、福祉や交通なども含めてコンパクトなまちづくりを目指すための立地適正化計画も策定中です。「基本的方針」及び、先ほど2期目に成果が形となってくると申し上げました「東岡崎駅周辺、JR岡崎駅周辺への都市機能誘導」の計画についてパブリックコメントを実施したところであります。
中核市における幸福度ランキング4位を獲得
本市は中核市における最新幸福度ランキングで、堂々第4位の評価を受けました。ものづくりで栄えていることに加え、豊かな自然と、歴史や文化に恵まれた住みやすい地であることは既知のところと感じますが、さらなる都市基盤の整備を進めていくことでまちのブランド力を高め、企業誘致や観光客、移住人口の増加を狙い、賑わいと交流の創造や歴史と文化の継承だけでなく、女性や高齢者が活躍し、こども達が生き生きとしたまちづくりを実現するために私は労を惜しまず取り組んでまいります。
市制施行100周年記念事業
さて『新世紀岡崎 飛躍祭』と銘打って実施している市制施行100周年記念事業でありますが、本市の魅力が詰まった取り組みを実に数多く実施しており、本年が100年に一度の歴史的な1年であると日日々感じております。その中からいくつか御紹介させていただきます。
まず、10月の「岡崎百景シンポジウム」にて発表いたしました岡崎百景についてであります。これは本市の今を表し、市民公募による「百景推薦人」が中心となり、大切にしたい景観、次の時代に継承したい景観を市制施行100周年の節目に100景観選定したものです。一人ひとりの伝えたい、残したい、語りたいという想いを「私とまちの100のドラマ」というキャッチフレーズに乗せ、本市の大切な資産として次の100年につなげていくものであります。
次に、郷土の英雄・徳川家康公が生まれた12月26日を祝し、12月24日から3日間開催されます「家康公生誕祭」についてであります。今年で4回目を迎え、冬のイベントとして徐々に定着してくる中、提灯行列や岡崎公園二の丸能楽堂での様々なイベントに加え、昨年、新たな試みとして開催し、反響を呼んだ岡崎公園のLED電飾による光の祭典「イエヤスコウ・イルミネーション」につきましても、本市のさらなる魅力づくり、そして新たな冬の風物詩としての確立に努めてまいりたいと考えております。ライトアップされた岡崎公園や岡崎城は昼間とは一味違った風情を醸し出していますので、温かい服装でぜひ足を運んでいただきたいと思います。
次に、小学校区ごとに地域において積み重ねてきた歴史や文化、逸話や自然、景観などを「地域の自慢」として編纂・編集し、本市全体で一冊の本として作成を進めてきた「岡崎まちものがたり」でありますが、来年1月に発刊の運びとなってまいりました。この本の作成に携わった方々や本を読んで下さった方々が地域への愛情をさらに深め、また、「地域の自慢」が新たな地域の魅力として再認識され、地域だけでなく本市の魅力の発信につなげていくことができればと考えております。
「岡崎百景」「岡崎まちものがたり」の作成に際し、「百景推薦人」ならびに総代会や地域の作成委員会の方々に大変な御苦労と御協力をいただいたことに対しまして、心よりお礼を申し上げます。
このような取り組みの成果からも、我が郷土岡崎は本当に魅力あふれるまちであると感じるとともに、数多くの観光資源を有していることが再認識されます。これらの観光資源を活かすため、観光基本計画アクションプランを今の時代に合ったものにすべく、計画改定案を作成し、パブリックコメントを近々実施してまいります。今後も「観光産業都市・岡崎」として、ものづくりと並び、もう一つの経済の柱となる観光産業で本市をアピールしていきたいと思っております。
制定条例議案
それでは、本議会に提案をいたしております議案について説明をさせていただきます。
まず条例議案でありますが、制定条例として以下の3件を提案いたします。
(1)学校法人藤田学園が市内で行う救急医療拠点施設の整備について、本市の財政支援に関する基本的事項を定める「救急医療拠点施設整備支援補助金交付条例」
(2)岡崎市土地利用基本計画に沿った土地利用を推進するため、要綱等による指導を行ってきたものの運用の強化を図る「開発行為の許可等に関する条例」
(3)農業委員会等に関する法律の一部改正に伴い、委員の定数を定める「農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員の定数を定める条例」
改正条例議案、その他議案
改正条例としましては、国家公務員の給与改定に準じ、職員の給与及び市議会議員の期末手当の支給割合を改める「職員の給与に関する条例及び一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例」と「議会の議員の議員報酬等に関する条例」、地方税法の一部改正に伴い必要な事項を定める「市税条例」、市民会館、甲山閣及びせきれいホールの休館日を祝日に重ならないように改める「市民会館条例等」ほか7件でありまして、合わせて11件を提案させていただいております。
その他議案としましては、市営住宅及び特定公共賃貸住宅について新たな指定管理者制度を導入することに伴う指定管理者の指定及び既に指定管理者による管理が行われている2施設について指定期間満了に伴い次の指定管理者を指定する「公の施設に係る指定管理者の指定」3件を提案させていただいております。
補正予算議案
次に補正予算議案でありますが、以下の増額補正及び減額補正をお願いしております。
一般会計 | 5億6,180万2千円の増額 |
特別会計 | 3,974万5千円の減額 |
企業会計 | 2億8,857万4千円の減額 |
補正予算の主な内容につきましては、まず人件費に関しまして、一般・特別・企業会計を通じまして、国家公務員の給与改定に準じた職員給与の改定及び、人事異動に伴う職員給与費の補正をお願いしております。
総務費では、市制施行100周年記念事業である学区記念誌「岡崎まちものがたり」の学区版を作成し、学区民の方へ配布するための学区記念作成事業負担金の増額。
民生費では、国の第2次補正予算の成立に伴い、新たな臨時福祉給付金を実施することによる臨時福祉給付金給付事務委託料の増額。
衛生費では、申請件数が当初の見込みを上回ったことによる不妊治療費補助金の増額。
商工費では、おかざき応援寄附金等の寄附の申出があったことに伴う家康公観光振興基金積立金の増額。
土木費では、国の第2次補正予算による橋りょう調査点検委託料及び乙川河川緑地施設整備工事請負費の増額。
などをお願いしております。これらの補正財源といたしまして、国庫支出金、繰越金などにより収支の均衡を図っております。
以上が、今議会に提案をいたしました議案の大要であります。
次代の100年を担う子どもたちへ
最後になりましたが、次代の100年を担う子どもたちに関係した100周年記念事業を御紹介いたします。
まず、12月17日に、施設・音響ともに充実した市民会館あおいホールで開催されます「岡崎市制100周年記念祝祭演奏会」です。
これは本市の100周年を音楽でお祝いしたいという思いのもとに集(つど)った市内の小中学生による演奏会であります。市制施行100周年記念式においては、地元出身のプロの演奏家とともにアトラクションに参加いただき式典に華を添えていただきました。
今回の演奏会を通じ、広く市民の皆様に子どもたちの音楽を楽しんでいただくとともに、子どもたちにとってふるさと岡崎を愛する心と、豊かな情操を育む機会になることを期待しています。
次に100周年記念事業の主要事業として進めてまいりました「HOPEプロジェクト」であります。これは本市の未来を託す子どもたちに「アート」「サイエンス」「スポーツ」という3部門において、本物に触れることなどを通じ、大いに刺激を受けていただき、さらなる飛躍のきっかけにしてもらいたいと考えたものです。残すところサイエンス部門で3事業、スポーツ部門で2事業となってまいりました。
サイエンス部門におきましては、この12月に恐竜教室と磁力教室、来年3月には米村でんじろう氏によるサイエンスショーを予定しております。
また、スポーツ部門におきましては、2月にリオデジャネイロ・オリンピックで銀メダルを獲得した丹羽孝希氏による卓球教室を、3月には陸上教室を予定しておりますので御期待下さい。
政策の推進にあたっては、より深い市民の理解が必要と考え、1期4年の内に38回の市民対話集会、そして300回余りの後援会、政策説明会、市の広報・ホームページ、タウン誌はじめ各マスコミ、私のブログを通じても念入りに広報活動に力を注いでまいりました。これは今後も続けてゆく所存であります。
そして1期4年における今までの成果に加え、今後の取り組みを通じ、このまちに生まれ育った子ども達がふるさと岡崎に対して、これまで以上に大きな愛情と誇りを持てる「夢ある新しい岡崎」を築き、誰もが訪れたい、住んでみたいと思うまちづくりを推進してまいります。
以上、御説明を申し上げますとともに、提出をいたしております諸議案につきまして、よろしく御審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げまして説明を終えさせていただきます。ありがとうございました。
平成28年12月議会 その2(一般質問答弁・前編) (2016.12.10)
平成28年12月議会 その3(一般質問答弁・後編) (2016.12.13)
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