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2016年6月20日 (月)

平成28年6月議会 その2(一般質問答弁・前編)

岡崎市議会・平成28年6月定例会

 市長提案説明に続いて、一般質問の中で私が行った答弁の内容を2回に分けて掲載します(計8名)。前編では、山崎泰信議員、井手瀬絹子議員、加藤学議員、内田実議員の4名の方にお答えしています。


山崎泰信議員(自民清風会) 6月3日(月)

山崎泰信議員(自民清風会)

――藤田学園が考える大学病院の整備方針は?

○市長 私から、大学病院の整備方針について回答させていただきます。
 平成26年度に締結した協定では、新病院計画に三つの大きな柱を定めております。
 一つ目として「一般病床400床規模とすること」。
 二つ目として「入院や手術に対応できる2次救急医療を24時間365日実施すること」。
 三つ目として「平成32年4月開院を目指すこと」。
 であります。これらを基本として、藤田学園において検討されているとお聞きしている主な整備方針としては概ね次のとおりであります。

 まず施設について。医療の中心となります病棟は地上7階建て、もしくは8階建て。駐車場は900台~1000台を確保し、バスやタクシーの乗り入れにも配慮した安全で利用しやすい病院を目指すとのことであります。
 次に入院患者の受入体制としては、平成32年の開院当初は200人~300人程度とし、施設の稼働率や患者数の状況を見ながら2~3年で400人を受け入れられる体制を整えたいとの意向であります。
 三つ目の設置する診療科について。24時間対応の救急科を始め、内科、循環器内科、消化器内科、外科、胸部外科、脳卒中外科などを設置するとのことです。中でも、診療対応のスピードが生死の分かれ目となる脳外科部門については私からも特に申し入れをしており、前向きの回答を頂いております。病院の基本として、まずは内科系・外科系を充実させ、救急医療にしっかりと対応できる体制を整えたいとのことであります。
 また、外来診療については、地域の「かかりつけ医」からの紹介患者を中心とした専門外来を中心に展開し、入院・外来ともに大学病院の特長を活かした高度医療に対応し、同時に地域の医療機関との連携を重視していくとの方針を伺っております。
 四つ目の医療スタッフについて。開院当初は医師や看護師などを合わせて550名程度でスタートし、最終的には700名を超えるスタッフが病院業務にあたるとのことであります。なおスタッフの確保については、豊明市にある藤田保健衛生大学病院で教育・養成した後に、岡崎の新病院へ配置したいとの基本方針を伺っており、すでに将来を見越して今年度から医学部・看護学部などすべての学部学科で学生定員を増やし、新病院のオープンまでに人材の確保・育成に努めていくことも併せて伺っております。なお新病院だからと言って新人ばかりを配するようなことはなく、医師、看護師その他の職員においてもバランスを考えた人材配置を行うとのことであります。

 以上が現時点で藤田学園からお聞きしている大学病院の主な整備方針でありますが、現在、藤田学園においてさらに具体的な大学病院の設計や運営手法についての検討が進められておりますので、近いうちに市民の皆様、そして議会の皆様方にも大学病院の姿を目に見える形でご披露できるものと考えております。
 いずれにいたしましても、平成32年の開院に向けて三河における最上級の医療機関を目指し、藤田学園、医師会、岡崎市を始めとする関係者が一体となって準備を進めております。引き続き、市民の皆様、議会の皆様方のご支援、ご協力をお願いいたします。


井手瀬絹子議員(公明党) 6月3日(金)

井手瀬絹子議員(公明党)

――若者の市政への参画についてお考えがあればお聞かせ下さい。

○市長 若者の市政への参画についてのお尋ねですが、若い人たちの力は将来の力であり、次代の原動力でもあります。若い人たちに市政に興味を持ってもらい、積極的に市政に参画いただくことで活発な提案もいただけるものと思っております。
 先ほど部長の答弁にもありましたように、昨年度は乙川リバーフロント地区まちづくりのグランドデザインを描く際に大学生の皆さんに手弁当でお手伝いしていただきました。彼らは地元の学生のほか全国各地から集まった熱意のある若者でありました。私も意見発表の際に同席致しましたが、その真剣さとアイデアの斬新さには舌をまいたものです。
 またリバーフロント地区や家康公像についての〝アイデア・コンクール〟を開催した折にも、大人だけではなく、小中学生や高校生などの若者からも多くの応募をいただきました。

岡崎デザインシャレット

岡崎市生徒市議会(2015年8月19日)

 さらに、若者から直接意見を聞く場として開催しております「生徒市議会」につきましては、しっかり勉強し下準備された質問内容でレベルも高いことから、行政の施策にも生かされつつあります。今後も法律や常識にとらわれない、中学生ならではの視点とユニークな発想にしっかりと耳を傾けてまいりたいと思っております。
 市民対話集会はもちろんのこと、青年会議所や商工会議所青年部はじめ、各業界・団体に対してこれまで200回以上の講演会などを行ってまいりましたが、そこにも若い方はずいぶんおみえでした。
 そして、小、中学校においてご要望いただいた所では、市民対話集会のような形式で、市役所とはどんな場所でどんな仕事をしているかということから話を始め、市政について語る機会をもつことができました。それぞれ小学生バージョン、中学生バージョンで映像を交えて、子供向きに言葉を選んでお話をさせて頂きました。もちろんその後はいつものように自由質問の時間も十分設けました。

岡崎市立竜美丘小学校・講演会(2015年7月3日)

 説明した内容は大人が相手であるときと同じような内容もあったのですが、非常に興味をもって聞いてもらえたという感触を持ちました。今後もご要望をいただければ、学業のお邪魔にならない範囲で時間の許す限り参上したいと考えております。
 もちろん要請があれば高校、大学にも参ります。


加藤学議員(民政クラブ) 6月6日(月)

加藤学議員(民政クラブ)

――公契約における公正労働基準の確立に向けた入札契約制度と、公契約条例について。
 愛知県及び豊橋市制定の公契約条例が4月1日に施行されたのを受け、改めて本市の見解をお聞かせ下さい。

○市長 公契約条例に対する本市の見解について回答いたします。
 本市といたしましては、労働者の処遇改善を進める国の取り組みと合わせて、ダンピング受注防止のための制度改正や労働条件審査を継続して実施することにより、公契約に従事する労働者の労働環境の向上に努めております。
 公契約は相手方である事業者が適正な利潤を確保できるものでなければならないという観点から、本市では、労働者の賃金・労働環境の向上とともに、品質や中長期的な担い手の確保を目指した制度改正に取り組んでまいりました。
 政府では、労務単価の引き上げを通じて現場の職人の処遇改善に取り組んでいるところであり、労働者の適正な労働環境の整備を図り、もって地域経済の健全な発展及び市民生活の向上に寄与することは、市にとっても重要なことと認識しております。
 公契約条例の制定につきましては賛否のあるところですが、理念としては理解できますので、まずは基本理念を定める条例制定に向けて、関係団体などと協議を進めてまいります。


内田実議員(自民清風会) 6月6日(月)

内田実議員(自民清風会)

――(1)歴史文化遺産を活かしたまちづくりの計画となる「歴史的風致維持向上計画」とは、一般にどのような計画なのか?
(2)今後の本市のまちづくりの動向は、この認定計画をもって、どのように考えるか。

○市長 
(1)「歴史的風致維持向上計画」について
 6月3日の提案説明においても述べさせていただきましたが、昨年の「かわまちづくり」に引き続き、この5月19日には本市の「歴史的風致維持向上計画」が、国の「歴史まちづくり」に認定されました。その日、国土交通省の本省にて認定式が行われ、私が津島国土交通大臣政務官から直接、文部科学省、農林水産省、国土交通省の3大臣連名の認定証を受け取りました。
 現在、高山市や金沢市など全国で56の都市が認定を受けて歴史まちづくりを進めており、愛知県では犬山市、名古屋市に次いで3番目の認定でありますが、「かわまちづくり」と「歴史まちづくり」の2つの事業認定を受けたのは県内では本市だけであり、全国でもマレなことであります。
 また、2つの国の事業認定に加え、この度、優れたまちづくりに取り組む地区に贈られる「まち交大賞」のうち「まちづくりシナリオ賞」の受賞が決定し、近々東京で行われる授賞式に出席する予定となっております。
 このように、本市のまちづくり事業が国のお墨付きをいただくとともに、今や全国から注目を浴びる事業として順調に進んでおりますことをまず、ご報告させていただきます。

 さて「歴史的風致維持向上計画」についてのお尋ねですが、これは地域固有の歴史的建造物や伝統的な人々の活動、いわゆる「歴史的風致」の維持及び向上を図るために、通称「歴史まちづくり法」に基づき市町村が作成する計画のことであります。
 本市におきましては、13もの国の指定を受けた文化財を始め、歴史上価値の近い建造物が数多くあり、そこで行われる伝統産業の八丁味噌を始め、花火や祭礼などの伝統的な活動が今なお市内各所で引き継がれております。
 今後、こういった歴史的な風情や情緒を活かした本市のまちづくりに対して、概ね10年の計画期間にわたりまして国から技術面・財政面で支援を受けられることになります。「かわまちづくり」とともに、国のバックアップを頂きながらしっかりと取り組んでまいります。

Okazakisa20161

(2)今後の本市のまちづくりの動向について
 市制施行100周年を迎える節目に、次の百年を見据えた岡崎の歴史、伝統、文化、自然を活かした新たな取り組みの一つとして「歴史まちづくり計画」を策定し、本市の歴史まちづくりに関する明確なビジョンを示したこと、また国の認定を受けたことは今後の事業推進のために大変意義があることと考えております。
 そして先人により育まれ、受け継がれてきた数々の歴史文化を見つめなおし、市民一人ひとりが一層の誇りと愛着を持ち、それをしっかりと後世に引き継いでいくことについて共通の認識とすることができました。国におきましては、歴史まちづくりの取り組みは、「地方創生」「観光立国の実現」という観点からも重要とされており、具体的なプロジェクトとして位置づけられております。このことは本市が進めております「観光産業都市・岡崎」の実現に向けた各種のまちづくりの施策を、国の重点的な支援を得ながら円滑に、そして着実に進めることができるということでもあります。このため本市におきましても、「歴史まちづくり計画」は乙川リバーフロント計画に続く、新たな包括的かつ具体的取り組みの一つとして庁内の関係部局と連携して着実に推進してまいります。

「かわまちづくり」全国会議

(「かわまちづくり」全国会議にて講演を行いました)

岡崎城・菅生川端石垣発掘調査現地説明会

(今年4月16日に開催された菅生川端石垣発掘調査現地説明会

 また、近年のまちづくりに求められる政策連携、公民連携、そして広域連携の3つの連携を重視して、「岡崎の歴史文化を活かした魅力の継承と創造」に向けた、歴史文化遺産を活かしたまちづくりを、市民の皆様とともに進めてまいりたいと思っております。
 岡崎市は今や人口40万人に迫ろうとしている中核市であります。一つの政策を掲げるとき、右と言えば左、上と言えば下と必ず反対の意見を持つ人が出てくるものであります。しかしそこで大切なことは、どちらの意見の側により多くの賛同者がいるかということであります。できる限りの話し合いと理解を得るための努力が必要であることは言うまでもありませんが、最終的には「最大多数の最大幸福」。ベンサムの言う如く、民主主義の原理原則によって意志の決定と政策の推進はなされるべきであると考えます。


平成28年6月議会 その1(市長提案説明) (2016.06.14)

平成28年6月議会 その3(一般質問答弁・後編) (2016.06.23)

平成28年6月議会 その4(閉会の挨拶) (2016.06.26)

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