額田木の駅プロジェクト・開駅式
(前回のつづきです。)
山村問題を考える上で重要な出来事であるため、3ヶ月ほどの遅れとなるが御報告しておきたい。
本年5月15日、岡崎市額田地区において、山間地活性化の一つの試みである「額田木の駅プロジェクト」の開駅式が行われた。
岡崎市は平成18年(2006年)1月1日に額田町と合併し、市域の6割、約23,300ヘクタールの面積が森林で占められることとなった。その内の6割がスギ・ヒノキといった人工林であり、そうした所では間伐、下草刈り、枝打ちといった適切な管理が不可欠となる。
ところが近年は、安価な外材の流入に伴い、国内の木材価格の低迷や山林の所有者、管理者の高齢化もあって、十分な手入れもできず放置されている森林が増えているのが現実である。間伐は森林管理上、欠かせない作業であるが、間伐をしても外へ搬出するための費用がかかるためそのまま未利用となる木材も多い。
このまま森林整備がされなくなると、未利用の木々が増え、良質な国内の木材は減少し、森林の持つ土砂災害防止機能や水源涵養という有益で重要な働きも失われてしまうことになる。
「額田木の駅プロジェクト」は、地域の森林整備と未利用木材の有効活用を促進するとともに地域経済の活性化を図るものである。事業に加盟すれば、誰でも間伐材を軽トラックに積んで出荷し、山の仕事に関わることができる。そしてその対価を地域通貨「森の健康券」で支払うことで、地域の経済の活性化にも寄与することになるというシステムである。このような新たな試みに対し行政がタイアップしてゆくことも必要であると考えている。
さらに岡崎市においては、山林整備を促進し、地元木材資源を有効活用し山間地の仕事をつくり出すため、地元材を使った住宅建築への補助を行うほか、公共建築物への木材利用を積極的に進めている。
その代表例の一つが「乙川リバーフロント計画」の人道橋の木調化である。表装に木材を使用した橋は定期的に木部の取り替えが必要であるが、取り替え自体をお祭りにしてまちおこしにも活用していこうと思っている。今後は周辺自治体間の一層の連携を図り、さらなる取り組みを行っていきたいと考えている。
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