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2015年9月16日 (水)

ネコのミーちゃんが、ヤバイ

内田家の猫・ミー

 うちには「ミー」という名前の17歳9ヶ月になる婆さんネコがいる。
 彼女は、20年ほど前に我が家にまぎれ込んで来たキジトラのメス猫が産んだ7匹の子猫達の一匹である。当時の私に、まだ猫のワクチン接種についての知識がなかったせいもあって、彼らのうち半数は母猫共々に、はやり病のため亡くなってしまった。彼女は運良く生き延びることができた半数のうちの一匹である。
 子猫の頃から私によくなついており、子供達がからかってイジメたりした時いつも私の所に逃げてきて、私が家にいる間はほとんど私にくっついていた。私がトイレに入れば扉の外側で待っているし、フロに入っている時はすりガラスの向こう側にネコの姿があった。私が犬を散歩に連れて行っている間には、帰って来るまで窓辺で待っているという具合である。「ネコは家につき、イヌは人につく」とよく言われるが、必ずしもそうとは言えないようである。

内田家で生まれた子猫たち

 私は今年で結婚33年となる。しかし一緒に過ごした時間で言えば、17歳9ヶ月のネコのミーの方が女房といる時間よりも間違いなく長いことになる。あまりにいつも私と一緒にいるため、うちの嫁さんはミーのことを「第二夫人」と呼んでいたほどだ。それに対して私は、「何を勘違いしてるんだ。第二夫人はお前の方だよ」と言っていた。

 そんな愛猫(?)が一年ほど前から、夜中に2~3時間おきに何度も私を起こしに来るようになった。そのことをブログに書いたところ、「死期が近づいてくると、そのような行動をとることがある」というお便りを頂き、なるべく猫を叱らないようにしてきた。
 ことに老齢期を迎えてからは、一日2回のエサやりを行うと一度にたくさん食べて吐くことがあるため、一食を少なめにして一日5~6回に分けて食べ物を与えるようにしている。

 そのミーがこの夏頃からなぜか身を隠すようになり、名前を呼んで探さないと出てこなくなってしまった。家具の後ろや物陰にひそんでいるためどこにいるのかもよく分からない。
 食べる量は結構多いのであるが、だんだん痩せて小さくなってきた。ガンではないかと思い6月に獣医さんに連れて行ったが、その時も、ネコ・ケースに入れると、以前記したように恨みがましいうなり声を上げて鳴き続けた。老猫の体調を考えて以後は外出していない。
 6月の獣医さんの見立てでは、「この年まで生きていればどこか悪い所があるのは当たり前であり、そのために治療や手術をすることがいいのか、このまま静かに余生を見守ってやる方がいいのかは飼い主さんの選択ですよ」とのことであった。
 治療や手術で完治したり寿命が延びるならばそうしてやりたいと思うが、どっちみちあとわずかの命ならば、痛い思いをさせたり不安な時間を過ごさせたりせず、彼女の好きなようにさせてやろうと思っている。なにせ、人間であればもうすでに90歳くらいの年齢になっているのである。

内田家の猫・ミー

 女房に向かって、「お前が死んでも『悪運が尽きたか』と思うくらいだろうが、去年の愛犬に続きこのネコに先立たれると、しばらくペットロスで俺もガックリくるかもしれない」と悪態をついている昨今の私である。いずれにしてもミーとの付き合いもあとわずかであろう。9月2日の夜は珍しく食後に私のヒザの上に上がって来た。仕事中であったが手を止めて1時間ほどそのまま寝かせてやっておいた。このぬくもりが間もなく失われてしまうのかと思うとさみしい限りであるが、いかなる命もいずれは消え去るものであり、別れは不可避なことである。
 残されたわずかの時間、このネコが幸福感に包まれて過ごしてくれればいいと思っている。

追伸

 その後一週間ほどの間、ミーは食事も水もとらず、ひたすら隠れていた。さすがに私も気になり、たまたま休みがとれた9月8日の朝、獣医さんで点滴を受けさせることにした。その3時間後ミーは安らかに息を引き取りました。まるで私の休みの日を待っていたかのように旅立ちました。


ネコは気ままに (2014.10.16)

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