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2015年1月

2015年1月31日 (土)

フューリー(FURY)を観て

 昨年の『永遠のゼロ』に続いて、正月早々、またしても戦争映画を観てしまった。こういうことを書くと戦争映画ばかり観る奴だと思われそうであるが、決してそんなことはないのである。
 切っ掛けはたわいもないことであり、「元日は映画に行こうと思っていても、飲んだくれたり、コタツから出るのが面倒くさくなって結局TVを観ておしまいといった人が多い」と家族親類の前で言った私の一言であった。
 自分が言ったことを証明するために、次男と甥の三人で出かけた映画館のレイトショーはやはりガラ空きであり、我々の貸し切り状態であった。
 『FURY』は昨年から気になっていた映画の一つではあったが、必ずしも主演のブラッド・ピットのファンという訳ではない。ただ最近の彼は渋みと風格が出てきて、かつてのロバート・レッドフォードに近づいているような気がしている。

Brad Pitt as Wardaddy

 物語は第二次大戦末期まで生き延びたアメリカ陸軍の戦車兵達の話である。
 砲身に「フューリー」(激しい怒り)と白く書きなぐったM4・シャーマン中戦車は、北アフリカの砂漠でロンメル将軍の軍団と戦い、ヨーロッパ戦線でも数々の激戦をくぐり抜けてきた強者(つわもの)である。なお車体にフューリーと書かれたシャーマンは実在したという。
 「ウォーダディー」(戦いの父)と呼ばれる、ブラピ演じるベテラン戦車長とくせ者ぞろいの戦車兵の中に、元タイピストだったという若い新兵が補充されて来るところから物語は始まる。「リアリズムに徹すると映画はこうなる」とでも言うように、ただただ、重苦しい空気に包まれた作品であり、男性が女性と二人で観に行くことはおすすめしない。
 大戦末期、本国に深く踏み込まれたドイツ軍と連合軍の狂気の戦いが続く。次々と舞台を移しながら、戦闘と殺戮が淡々と展開されてゆく。登場する兵士達は一様に無表情で病的に描かれている。
 映画は、朝もやの中を白い軍馬に乗ったドイツ軍将校が前線検分に現れるところから始まる。この幻想的な場面も、たちまち砲撃にのみこまれてゆく。新兵とドイツ人娘とのつかの間の出会いも、ドイツ軍の砲撃によってガレキの下に消える。当たり前のようにブルドーザーでかき集められ処分される死体の風景は、戦場における死の意味を象徴しているようでもあった。

 登場する戦車は各博物館から引っ張り出して来た本物の戦車である。それに手を加えて動かしており、マニアにはたまらない魅力である。当時の戦車は砲塔に弾薬が格納されており、そこに有効な直撃弾をくらうと、誘爆を起こして砲塔が吹き飛んだと言われている。それも見事に再現されている(今回もCGが素晴らしい)。
 戦車戦はまるで重量級のボクサーがノーガードで殴り合っているようなスゴみと緊張感があり、車速を利して敵の後方に回り込もうとするのも、足を使うボクサーを連想させる。

 「残された4両の戦車で敵の大部隊の進撃を食い止めろ」という無理な命令に従い、彼らは前進する。途中遭遇したドイツ軍の対戦車砲とタイガー重戦車との対決の結果、たった一車両だけとなる。おまけに、頼みのその最後の戦車は地雷を踏み、十字路のど真ん中で動けなくなってしまう。そこで300人対5人の最後の戦いが始まる。
 舞台は、歴史的に有名な大会戦ではなく、大戦中ヨーロッパのそこかしこで行われていたであろう小規模戦闘をつなげた形で進行する。そのため、より現実味があり、観る者の臨場感が刺激されることとなる。つまりこの映画は『バルジ大作戦』や『パットン大戦車軍団』的なものではなく、『クロス・オブ・アイアン』(邦題「戦争のはらわた」)の系列に属するものである。

 決戦の後、矢尽き、刀折れ、降伏しようとする新兵に対して瀕死のブラッド・ピットが言う。「止めておけ、ひどいことになる」
 この一言が戦争の真実を伝える声として重く耳に響く。
 アメリカ映画によくある、最後にヒーローが登場してハッピーエンドとなるウソっぽさはなく、ただただ無常観が心に残る映画であった。この映画が今年のアカデミー賞にノミネートされなかったことは不思議でならない。ひょっとすると時節柄内容が生々しすぎて受けなかったのかもしれない。いずれにせよ、ここしばらくの新作戦争映画の中では、秀逸なものであったと思っている。
 昨年、陸上自衛隊の「富士総合火力演習」を見たせいもあってか、私には戦車戦の生々しさが妙に強く印象に残っている。かつてこれほどマニアックに戦車戦のありさまを描いた映画は観たことがない。男の人はチャンスがあったらぜひ観て下さい。

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2015年1月28日 (水)

名鉄ラッピング電車と第40回寒中水泳

名鉄ラッピング電車出発式

名鉄ラッピング電車出発式
 好天に恵まれた1月12日(月)、「家康公四百年祭」のスタートを飾るとも言える名鉄ラッピング電車の出発式が東岡崎駅にて行われた。寒風の吹き抜ける中、関係者はじめマスコミの皆さんは式典のかなり前からホームで待機されており、本当に御苦労様と申し上げたい思いがした。
 出発式は12時より開始された。私と議長が挨拶を終えると、あとは定刻の12時15分の電車の到着にあわせて行うテープ・カットのタイミングを待つのみとなった。
 先頭の前面が明るい緑色に着色されたラッピング電車は、前の車両から順番に春の桜の風景、伊賀八幡宮、岡崎城、大樹寺といった岡崎の名所と共に四季の情景が描かれていた。
 こうした観光PRにより力を込めながら、岡崎市の素晴らしさと歴史文化の価値というものを、さらに市の内外へと広めてゆきたいと考えている。

名鉄ラッピング電車出発式

2015観光大使おかざき(馬場小雪さん、須貝美咲さん)

 当日は葵武将隊の面々のほかに「2015観光大使おかざき」の二人のお嬢さんも登場して、出発式を盛り上げて頂くことができた。大変感謝しております。なお「2015観光大使おかざき」のお二人にとって、この式典は新年交礼会に続く今年2回目のお披露目の場となった。
 ラッピング電車の運行期間は11月15日までである。それまでの約10か月間、より多くの皆様に春夏秋冬四季を通じて本市を訪れて頂くことと安全な運行を願う次第である。

第40回 岡崎水泳協会寒中水泳
 当日は、乙川の殿橋下流で第40回記念の寒中水泳も開催された。水泳協の皆さんが朝から会場設備にかかり、午後1時の開会式を迎えることとなった。

第40回 岡崎水泳協会寒中水泳

 水清め式の後、破魔矢を射り、最後に寒中水泳が行われた。今年は9名の新成人の方が参加されている。また会場では、協賛を頂いている岡崎ライオンズクラブによる献血活動も行われていた。

―当日の挨拶―
 この寒中水泳は、昭和24年(1949年)に第1回が開催され、その後一時中断されていた時期もありましたが、岡崎水泳協会の役員の皆様の御尽力により平成7年(1995年)に復活し、今では岡崎の新春の風物詩として市民の皆様の中に定着して参りました。県議時代に私も及ばずながらお力添えできたことを大変うれしく思っています。
 冬の厳しい気候の中での行事であります。どうか、気合いを入れまして初泳ぎに挑戦して頂きたいと思います。私も元高校の水泳部員であり、かつては2月に泳いだこともあり、こちらに参るたびに泳ぐよう言われますが、今はお許し頂いております。
 本行事の開催にあたり、御尽力頂きました、岡崎水泳協会の役員の皆様に敬意を表しますとともに、岡崎水泳協会の今後ますますの御発展を祈念申し上げまして、お祝いの言葉とさせて頂きます。

第40回 岡崎水泳協会寒中水泳

(2015観光大使おかざきの写真は、岡崎市観光協会ホームページより借用しました。)

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2015年1月20日 (火)

『リバ!』2015年2月号

三菱自動車工業・岡崎工場、生産累計500万台達成

内田康宏事務所より『リバ!』2015年2月号発行のお知らせです。
市長の連載日記は、「三菱自動車・岡崎、累計生産500万台に」です。
500万台達成の記念式典には、写真にもありますとおり原田範次市議も参列されました。

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2015年1月14日 (水)

平成27年 岡崎市消防出初式と成人式

岡崎市消防出初式(2015年1月11日)

 1月11日(日)、今年も晴天に恵まれ、乙川河川敷にて「岡崎市消防出初式(でぞめしき)」が行われました。川沿いの寒さには厳しいものがありましたが、おそろいの新調されたコートが出初式に新たな美観を添えてくれたような気がしたのは、私ばかりではないと思います。
 次には「婦人自主防災クラブ員」の皆さんのコートも考えなければと気づきました。おかげ様で当日は迷子も出るほどの盛況でしたが、これからもさらにショーアップされた出初式を開催していきます。

岡崎市消防出初式(2015年1月11日)

岡崎市消防出初式(2015年1月11日)

岡崎市消防出初式(2015年1月11日)

 昨年を振り返りますと、8月には広島市北部で集中豪雨による土砂崩れが発生し多くの人命が失われ、甚大な被害が発生しました。9月には長野県御嶽山の噴火により戦後最悪となる火山災害の犠牲者が出ており、本市からも16人が緊急消防援助隊員として出動し、過酷な環境の中、必死の捜索活動に従事しました。11月には長野県北部で震度6弱の地震が発生し、住宅27棟が全壊しました。
 幸い本市においては大きな災害はありませんでしたが、南海トラフ巨大地震の発生が危惧される中、防災・減災対策を執り進めていくためには、地域住民の皆様の強い結びつきと地域の安全・安心の担い手である消防団員、婦人自主防災クラブ員の皆様のさらなる連携が必要であると考えます。
 来年度、平成27年度からは、自主防災の要である岡崎市防災防犯協会連合会の業務を市長公室防災危機管理課の所管とし、地域住民の方々による減災への取り組みをより一層支援してまいりたいと考えております。

Firefighting201501117

Firefighting201501114

 今年も伝統のはしごのりの前に、グレート家康公「葵」武将隊の演武が行われました。また、「OS☆U」のお嬢さん方やオカザえもん、岡崎miso娘の皆さんにも来て頂きました。さらに、昨年から始まった「家康公四百年祭おかざきPR隊」のトラッシュスター、岡崎応援キャラクター隊にも活躍してもらいました。

 表彰の栄に浴された方々の長年にわたる消防防災活動に対して、ここに改めて敬意を表します。また、御臨席頂いた各学区の防災防犯協会長さんをはじめ、多くの防災関係者の皆様におかれては、日頃、地域の防災・防犯活動に多大なる御尽力を頂いていますことに、深く感謝申し上げます。

岡崎市成人式(2015年1月11日)

岡崎市成人式(2015年1月11日)

 午後からは、場所を中央総合公園に移して成人式が行われました。自分の子供達より年下の年代が成人を迎えたことに対し、時代の移り変わりをひしひしと感じております。
 もう10年もすれば我々の世代もリタイアして、次の世代にこの岡崎と国の運営を完全に任せることになるものと思われます。バトンを受け渡すその日まで、より良い岡崎の建設に邁進したいと考えております。

―当日の挨拶―
 市長の内田です。新成人の皆さん、本日は誠におめでとうございます。
 岡崎市の未来を担う3,927名の方々が晴れて成人となられたことを、心からお慶び申し上げます。
 本日の成人式は、新成人の皆さんをお祝いするとともに、皆さんが大人になられたことを自覚して頂き、激励するために開催しております。皆さんには、成人になられることで、政治に参加する選挙権が与えられます。これからは、政治や経済、社会への感心を今まで以上に深めて頂き、より良い岡崎、より良い日本を築いていくため、大人としての自覚と責任を持って行動していかれることを大いに期待しております。
 岡崎市では、この1月より「家康公四百年祭」がスタートしました。また来年、平成28年は本市の100歳の誕生日にあたる、市制施行100周年という記念すべき年となります。
 次世代を担う皆さんには、本市の市政運営にも関心を持って頂き、ともに岡崎をより良くして頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。本日を「新たな人生のスタートの日」として、大きく飛躍されることを期待いたしまして、私からの挨拶といたします。

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平成30年 岡崎市消防出初式 (2018.02.05)

平成28年 消防出初式・成人式・寒中水泳 (2016.01.22)

平成26年 岡崎市消防出初式と成人式 (2014.01.17)

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2015年1月 1日 (木)

平成27年 あけましておめでとうございます

岡崎市 新年交礼会(2015年)

 皆様、新年あけましておめでとうございます。
 昨年を振り返りますと、様々な分野において、輝かしい業績を残された方々にスポットライトがあてられ、明るい希望を抱かせてくれる出来事が印象に残っております。2月にロシアのソチで行われた冬季オリンピックでは、フィギュアスケートにおいて羽生(はにゅう)選手が男子としては初となる金メダルを獲得するなど多くの日本人選手が活躍いたしました。またテニス界では錦織(にしこり)選手が世界四大大会の一つである全米オープンにおいて初の決勝進出を果たしました。スポーツに限らず、ノーベル物理学賞を3名の方が受賞し、日本の高い科学技術力が示され、日本人としての誇りと自信を感じる一年であったように思います。
 本市におきましても、昨年10月末に人口が初めて38万人を超えることとなりました。人口減少が社会問題となる中、着実に人口増加しておりますことは、大変喜ばしいことであり、さまざまな施策を通じて、魅力ある都市として認めて頂いているものとしてうれしく思います。
 では、市政の今後の展望についてご報告申し上げます。

岡崎市民病院・福祉施設
 市民病院につきましては、一昨年の「西棟」の建設に続き、今年の秋には「救急棟」がオープンする運びとなっております。大学病院に引けを取らない施設・設備、診療体制をしっかりと整備してまいります。
 平成28年(2016年)1月には、重度の心身障がい児を療育する「第二青い鳥学園」が岡崎中央総合公園内に新築移転します。そして平成29年(2017年)3月には、発達障がいまたはその疑いのある子どもの発達を総合的にサポートする「こども発達センター」が順次オープンしてまいります。
 今後、市民病院は、これら専門性の高い医療施設と連携し、その要となって本市における総合的な医療ゾーンの一翼を担うこととなります。

岡崎市民会館
 次に、施設の老朽化が問題となっておりました市民会館につきましては、調査の結果、20年以上の耐久性があることが判明しました。そこで現在の施設を長寿命化することとして、平成28年10月のリニューアルオープンを目指し、9月から改修工事に着手する予定です。改修内容は舞台の拡張や座席の一新などの内装の改修に加え、外観の改修や外回りの敷地のフラット化も行い、障がい者や高齢者に配慮したバリアフリー化も目指します。この改修により、これまで以上に充実した文化芸術の拠点施設として、皆さまに満足頂ける市民会館に生まれ変わります。

治水と災害対策

 平成20年8月末豪雨での甚大な浸水被害を受け、市内の伊賀川、広田川、占部川の3河川で行われてきた緊急改修工事につきましては、一部を残し、本年度末をもって概ね完成を迎えます。鹿乗川、砂川についても床上浸水対策特別緊急事業の区間の改修を終え、引き続き上流部の整備を進めていくこととしております。さらに、占部川の改修に合わせて建設を進めておりました針崎雨水ポンプ場も、昨年の夏から稼働しております。これらの事業により、これまで長年、水害に悩まされていた地区においても被害が大きく軽減されるものと考えております。また今後も引き続き、局地的な豪雨に備えるため、総合的な雨水対策計画を策定し、さらなる体制強化を図ってまいります。

針崎雨水ポンプ場

家康公四百年祭
 さて本日、家康公四百年祭がスタートいたしました。家康公生誕の地である岡崎市、出世の地である浜松市、大御所の地である静岡市の三市が連携して記念事業を展開し、家康公の功績を広く発信し、地域の魅力向上、市民の誇りの醸成や地域の活性化に繋げてまいります。
 本市では、10月30日から11月3日までの5日間、岡崎公園多目的広場において、「家康公四百年祭 岡崎城まつり」を予定しております。12月26日の家康公の生誕日には、本市において、三市連携事業のエンディングセレモニーを開催し、青く光るLEDボール3万個を乙川に流す「泰平の祈りプロジェクト」を実施いたします。この事業は平成28年度以降も継続して実施し、冬のイベントとして定着させて参りたいと考えております。

岡崎市制施行100周年
 そして、来年、平成28年は岡崎市の市制施行100周年の記念すべき年であります。本市の継続的な発展の節目として、積み重ねてきた歴史、先人の偉業などを市民総参加で祝うとともに、岡崎の新たな世紀の始まりとして、市民、企業、行政、各種団体などすべての皆様が、さらなる発展に向かって力を合わせて活躍する契機となるよう、「新世紀岡崎 飛躍祭(ひやくさい)」と名付けて、100周年の記念事業を展開してまいります。
(クリックすると拡大します。)

新世紀岡崎チャレンジ100 募集概要

新世紀岡崎チャレンジ100 募集概要

東公園・恐竜モニュメント
 一方で市外からの誘客だけではなく、市民の皆様が家族そろって余暇を過ごせる環境づくりも必要であると考えております。その代表であります東公園では、平成27年度からゾウ舎などの改修を進めてまいります。

東公園・ティラノサウルス

 また東公園の新たな魅力づくりとして、去る12月に、最新の学説に基づいた実物大のリアルな恐竜モニュメントを1体設置いたしました。そして3月末までには、さらに4体を設置することとなっております。この5体の恐竜モニュメントはある篤志家からの御寄贈によるものでありまして、今回は、ひとまず動物園の手前の時計塔北側広場に設置いたしますが、将来的には動物園とともにご家族で楽しんで頂けるよう、東名高速道路東側の森林の中に物語性をもたせたジオラマ風での展示を予定しております。

 本年の干支は「未(ひつじ)」であります。群れをなす羊は、家族が穏やかに安泰であり、いつまでも平和に暮らすことを示していると言われております。市民の皆様が、岡崎に生まれたことを喜び、誇りに思える「夢ある次の新しい岡崎」を築き、誰もが、訪れたい、住んでみたいと思うまちづくりを目指してまいります。
 結びにあたり、市民各位のご多幸を心より祈念申し上げまして、新年の挨拶とさせて頂きます。

内田康宏事務所

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