地元企業訪問・TORAY
8月19日(火)午後、TORAY岡崎工場の見学をさせて頂けることとなった。以前から「お時間がとれたらどうぞ」とお誘い頂いてはいたが、なかなか折り合いがつかず、この度の訪問となった次第である。ちなみに8月初めの東レ・アローズのバレーボール教室の開校式と「東レ夏祭り」には、御挨拶のため伺っていた。
東レ・岡崎工場は、昭和35年3月から東洋レーヨンの基幹製品の一つであるナイロン糸の生産拠点工場として事業が開始され、これまで50年にわたり、市内の有力企業として岡崎の発展にご貢献頂いている。
地元の事柄というのは、知っているつもりでいながら身近にありすぎて、意外に本当のところは分かっていないということが多いものである。
随分前のことであるが、以前、身内の一人が東レに勤務していた御縁で、新型のコンタクトレンズの開発実験に被験者として協力したら新しいコンタクトレンズがただでもらえるということで、何度か敷地内にお邪魔したことがあった。しかし当時は「化学繊維を造っている工場らしい」という程度の認識しかなかったのである。
何事も現地で自分の目で見てくるというのは、古来「百聞は一見に如かず」と言われるように、予想外の発見があるというのがこれまで数々の視察で実感したことでもある。
初めに事務所応接で、会社の沿革と造られている製品、生産工程の簡単な説明を受け、ショールームを見せて頂く。その後、我々も服を着替えて、工場内の見学に向かうこととなった。
やはり化学繊維系の製品が主力であり、産業用ナイロン・テトロン糸、及びカーペット用のBCFナイロン糸がされており、順番に工程の説明を受けつつ案内して頂いた。ここで造られている糸は、優れた強度と耐久性、並びに柔軟性があるため、タイヤコード、シートベルト、魚網、エアバッグ、カーペット等に使われている。
今回は時間の都合ですべての見学はできなかったが、他に、
・印刷用感光性樹脂凸版材「トレリーフ」
・汚水を出さない、環境にやさしいオフセット印刷用水なし平板
・腎臓透析に使用するダイアライザー(人工腎臓)
・テレビCMでおなじみの、家庭用浄水器「トレビーノ」
なども製造してみえるのである。また災害時に大活躍している、先般株式会社ドミーより岡崎市に寄贈頂いた災害対策造水機「トレスキュー」「トレローム」も東レの製品である。
現在愛知県は、次世代基幹産業育成のため、航空宇宙産業の生産拠点としての基盤づくり(アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区)に力を注いでいる。この動きは、名古屋圏が戦前から日本の航空産業のメッカであったという歴史的経緯もあることから、どちらかというと名古屋、尾張を中心としたエリアで先行しているきらいがある。しかし、大村知事は三河の出身でもあるし、県全体の均衡ある発展を考えれば、すでに自動車産業の担い手としての実績があり、技術の蓄積と産業基盤の確立している三河部にその一翼を担わせない手はないと私は考える。
我が国初の国産小型ジェット旅客機である「MRJ」(三菱リージョナルジェット)が、現在三菱を中心に開発されている。まもなくその実験機が完成すると言われているが、MRJの胴体や翼部分の開発に尽力しているのがTORAYである。今後、TORAYの炭素繊維技術の活用がますます重要となってくるだろう。
近い将来予想される増産体制を支えるためにも、ぜひともTORAY岡崎工場の活躍と発展に期待するものである。
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