モータースポーツ・中嶋兄弟・市役所訪問
8月1日(金)午前11時、岡崎生まれのニュー・ヒーローが二人そろって岡崎市役所を訪問してくれた。二人とは、日本人初のフルタイム参戦F1(フォーミュラワン)レーサーである中嶋悟氏の長男一貴(かずき)君と次男大祐(だいすけ)君である。彼らは今や、我が国の若手一流レーサーとして名を馳せている。
若くしてレーシングカーのパイロット(ドライバーとは呼ばない)になれば、皆がチヤホヤして女の子にももててしようがない存在だろうから、少しくらい気位が高くてもしょうがないかな、などと思いながらドアを開けて応接室に入った私であった。ところがレーシング・スーツに包まれた二人はきわめて礼儀正しく、謙虚であり、話すほどに好青年であることが分かった。
その日、市役所に挨拶にみえたのは、夕刻から伝馬通りで行われるレーシングカーのデモ走行が実現したことに対するお礼を兼ねてということであった。
しかし本当にお礼を言わなければならない相手は、私ではなく、愛知県で初の試みを許して頂いた岡崎警察署の鈴川信視署長や署員の皆さんであると思っている。なにせ、まだ日本国内においては、東京のお台場と横浜の元町等数回しか前例はなく、ことに現在、全国交通死亡事故No.1の位置にいる愛知県のド真ん中でレーシングカーの公道走行をしようというのである。反対されても致し方のないところである。
私も署長さんに頭を下げてお願いはしたものの、今回、格別の御理解を頂いたことについては心から感謝している。それだけに絶対に事故などはあってはならないし、今回は〝交通安全啓発パレード〟として行われたものであることを強調しておきたい。
実は私は二人の父上の悟氏と同学年である。中学生の頃、岡崎天満宮のお祭りで共通の友人から紹介されて出会ったことがあるらしいのだが、はっきりとは覚えていない。先方も同じと思う。しかし、その後の悟氏の活躍についてはモータースポーツ・ファンの友人からよく聞かされており、私の方は一方的に存じ上げている。
ことにF2レースで活躍して有名になられた頃から、F1レーサーがこの岡崎から誕生するかもしれないと、私も期待感を込めて注目していた一人であった。
その後、日本でもグランプリが開かれるようになり、中嶋氏の夢は実現し、4位入賞に輝くこともあったが年齢的な理由で引退されたと記憶している。もし彼が若くしてF1に参戦することができ、経験を積み、優れたエンジンと車体、ベテランのメカニックチームと契約できていたら、日本人として初の優勝を飾ることも可能であったかもしれないと思うことがある。
とは言え、実際のF1の世界はレース場で競うだけでなく、場外での産業界の思惑や様々な政治的駆け引きの入り乱れる所であり、日本人が勝つことはそれほど簡単なことではないのだろう。(そんなことになれば、またルールが変更される。)
いずれにしても、悟氏のおかげで日本のテレビでもF1レースの様子は毎回放送されるようになり、アイルトン・セナとアラン・プロストの対決やナイジェル・マンセル、ネルソン・ピケ、そして初めの頃は老雄ニキ・ラウダの勇姿と、数多くのバトルを楽しむこともできた。時に深夜の放送まで観ていたこともあったが、もともと本格的なモーターファンではなかった私は、ブームが去り、テレビ放映がなくなった頃から関心も薄れていった。(ちょうどアイルトン・セナが事故死した頃からだ。)
しかしこの度、私の子供達と同世代の中嶋二世の二人がモータースポーツの世界で活躍されるようになったことに対し、隔世の感を抱くと共に、再び岡崎から若きヒーローが出現したことに率直な喜びを禁じえない。
私達は、自分達の身近な所から様々な分野で活躍する人物が出現することにより、新たな世界に対する認識と知識の広がりを得ることができる。また人によっては、先人に触発されて隠れていた才能を開花させる切っ掛けを得る人もある。
そうした意味からも、有名になられてからもあくまで岡崎に在住し活動してみえる父上の悟氏には感謝している。ぜひ一貴君、大祐君の二人にも、先駆者として大成してほしいものである。
今回の夏まつりにおけるデモ走行イベントは、今年2月に岡崎公園で開催された中嶋兄弟とオカザえもんのトークショーが切っ掛けとなり、岡崎活性化本部が企画したものである。本物のレーシングカーが公道を走行するこということから、より安全性を考えて車のスピードは時速30キロに抑え、実物のレーシングカーの走行を間近で目にしてもらうことと、実際の爆音を楽しんでもらうことを中心に計画が組まれることとなった。
加えて、走行後は籠田公園会場において車両の一般公開を行い、市民やファンの皆さんに直接触れてもらえるにようにも配慮をした。
当日はオカザえもんもレーシング・スーツ姿で登場し、誕生40周年キャンペーンで全国を回っているキティちゃんと共にクラシックカーでパレードを行った。実は私も、中嶋兄弟から送られたサイン入りのレーシング・キャップをかぶって、英国製のモーガンという車に同乗してパレードに参加させてもらった。ちなみにこの車はかつて映画俳優の北大路欣也さんの所有していたものであり、ダッシュボードの中にはサインがされていた。
一貴君の乗るスーパーGTレクサスSC430(トヨタ)と、大祐君の乗るスーパーフォーミュラSF13(ホンダ)によるデモ走行の後は、恒例の五万石おどりと手造りみこし等の競演も行われた。以前はそれぞれ独立して一夜を担っていたのであるが、時代の変化に伴う参加者の減少によって、今回のような形式での催しとなった次第である。
また、本年の実施結果についても、しっかり検証を行い、反省点を洗い出し、さらに市民の声をお聞きする中で、来年の夏まつりのあり方を考えていかなくてはならないと思っている。
プレイベントでこれだけやってしまって、来年、再来年は大丈夫だろうか、ネタ切れにならないかと少々心配するものであるが、とにもかくにも許可を頂き、警備に御尽力頂いた警察、消防並びに各種団体、ボランティアの皆様に重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。
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