岡崎市南部に総合病院建設決定!
この度、岡崎駅南土地区画整理事業区域内に、学校法人藤田学園が大学病院を建設することが正式に決定しました。平成26年5月29日(木)、岡崎市と藤田学園、岡崎駅南土地区画整理組合の三者において「大学病院の建設に関する協定」を締結いたしました。御協力頂いた関係者の方々には心より感謝申し上げます。
これまで38万都市に高度医療を担う総合病院が市民病院一つしかないことが、本市の自治体としての大きな弱点であった。そのため岡崎市では市民病院に年間9000台を超える救急搬送が集中し、医療過誤の発生も心配されていた。しかも、それでも対応できないケースや、市民病院から遠い市南部と西部地域については、近隣の西尾市や安城市の病院のお世話になってきたのである。
市南部の総合病院設置を実現するため、歴代市政も努力してきたものの、先程述べた高度医療を担う病院の建設は高額な費用がかかり、先端医療機器の導入に加え、医師や看護師、その他医療技術者を確保しなくてはならない。新しいシティーホテルの導入と並んで困難な課題となっていた。
一昨年の市長選挙においても〝新・総合病院建設〟は一大争点であった。当時、財政的な裏付けもないまま、もう一つ新たに市立病院を造るという無責任なプランもあった。岡崎市の年2200~2300億円という財政能力を思えば、私は建設と医療機器の整備に400億円かかるという市民病院を2つも持つことは不可能なことだと考えていた。
しかも病院は建てたら終わりではなく、管理運営をしてゆかなくてはならない。総合病院ともなれば毎年200億円以上(市民病院は毎年214億円)の経費が必要となる。さらに異動の多い医師や看護師、技術者の確保もしなくてはならない。
本県における医師の主な供給元は、名古屋大学、名古屋市立大学、藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)、愛知医科大学といった限られたものであり、自治体ごとに配属される医師の数も病床数等でおのずから決まっている。特定の自治体にだけ特別待遇が許される保障はない。しかも、ふつうどこでも公立病院は高度医療対応のため一つに集中特化しているというのが時代の趨勢(すうせい)である。
そうした当たり前の事情から、「医師を確保できる能力のある民間の大病院か、大学病院の誘致」をはかることを公約とし、実現を目指してきたのである。大きな公約の一つを、2年目にしてここまで進めることができて正直ほっとしている。
市長就任以来、これまでいくつかの病院進出計画の話が持ち上がってきたが、進出計画の不備や条件面での折り合いがつかず、いずれも不成立となっていた。
そうした中、ちょうど今から一年前、岡崎市医師会を通じて藤田学園に進出の意向があることを知らされ、話し合いがもたれてきた。ことの性格上、交渉内容は極秘裏に進められてきた。折しも岡崎駅南地域において、大規模な区画整理事業が進んでおり、3ヘクタール(3万m²)というまとまった土地の確保が可能なため、当初よりこの地が候補地の一つとして考えられてきたのである。
総合病院進出のための必須条件として、機能的で合理的な施設運用を行うためのまとまった土地であることと共に、病院経営のための基礎人口のある地域が望まれていた。
今回進出地に決定した針崎の地は、JR岡崎駅から約1km、徒歩10分ほどの距離にあり、岡崎市医師会の「はるさき健診センター」にもJRを挟んで隣接し、そのすぐ隣には市営の南公園という遊園地を併設した大きな公園がある。周辺に広がる宅地には優良住宅の建設が進行中である。
この地には昨年春、美術館と見まがうような翔南中学校が新設され、伝統ある岡崎小学校と共に子育ての面でも優れた環境となっている。周辺に計画されている幹線道路網はまだ完成していないものの、県・市道共に重点事業として着々と進行中である。
近い将来、新病院が、岡崎のみならず、西三河南部の新たな医療拠点として救急医療並びに高度医療の中核として発展してゆくことは間違いないと思っている。わかりやすく言えば、市民病院にとって頼りになる弟ができたようなものである。
藤田学園の新病院は平成32年(2020年)4月の開院予定であり、病床規模は400床以上を目指し、2次救急医療対応、24時間、365日体制の総合病院を目指すこととなる。近年脳出血により救急搬送されるケースが多いため、内科、外科、小児科、婦人科と共に、特に脳外科の部門の充実を望むものである。この分野は一刻を争う治療が必要なため、今回の病院決定は高齢者の方々には非常に朗報であると思う。
話は変わるが、最近「どうして、南ばっかり良くなるんですか?」という質問をよく受けることがある。決して南をエコヒイキしているつもりはないが、今良くなっているということは、これまでそれほど良くなかったということでもあり、近年ようやく南部が良くなる時期を迎えつつあるということだと思っている。
決して「どちらの地域を特別に」と考えている訳ではないが、条件が整ってきた所から順番に課題に対応するようにしているということである。
そもそも自治体の行政計画には、先人が積み上げてきた都市計画のマスタープランというものがある。さらにそこから決定された用地計画という枠組みもある。そうした計画に合致していない事業を行おうとする場合、新しい計画を国や県に提出し、認可を取るか都市計画そのものを改訂しなくてはならない。そうした条件が整わない内に何かやれと言われても、それは無理な話である。
岡崎市としては、今後も市内、東西南北、中央部、それぞれの地域の実情と要望に合った事業の実現のために努力を重ねてゆく方針である。それこそが夢ある次の新しい岡崎の実現につながることであると考えている。
藤田学園と「大学病院の整備及び運営に関する協定」調印 (2015.04.05)
「藤田保健衛生大学 岡崎医療センター」プラン決定 (2017.03.06)
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