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2013年7月31日 (水)

カナディアン・カヌーによる乙川視察

岡崎城下・家康公夏まつり カヌー体験

 7月28日(日)は、私にとって約50年振りの乙川水面への帰還の日となった。花火を打ち上げる祭り船に氏子の一人として乗船したことはあるが、カヌーで乙川を渡るのは初めてである。
 私が小学生の頃(昭和30年代)、乙川の殿橋とお城の近くに「ちどり」と「フカミ」という名の貸しボート屋さんがあった。当時は岡崎に愛知教育大学があったこともあって、未来の先生方のカップルが乗るボートで随分流行っていた記憶がある。そうしたボートに混じって、私共ワンパク坊主達は、小づかいを出し合って集めたお金でボートに乗っていたのである。確かその頃は200~300円で1~2時間借りられた。同級生の親が貸しボート屋でもあり、少しはおまけしてもらってもいた。
 そんなことで、私の仲間達は小学生の分際であったが、全員ボートを漕ぐことができた。川辺の探険もしながらのボート遊びは、ちょっとした海賊気分を味わうことができた。ボートの可動水域は、明代橋から殿橋、お城の南側辺りまでであり、名鉄の鉄橋より下流に行くと注意されたものだ。あの頃水面(みなも)から見た町の風景は、子供心にしっかり焼きついている。河川敷は今のようにきれいに整地されておらず、デコボコの丘陵地が続き、その間には四つ程の池があり、フナなどがけっこう釣れていた。
 ボートで川を下ってゆくと、水鳥がエサをもらいに寄ってきたり、青大将が川を横切って泳ぐのを見たこともあった。ある時直径30cmくらいの甲羅の亀を捕らえ、家に持って帰ったものの飼うこともできず、再び川に返しに行った覚えがある。沈む夕陽をゆったりと川面に映していたあの頃の乙川は、間違いなく私達の母なる川であった。

 時の移り変わりと共に河川整備が進み、貸しボート屋は消え、コンクリート製の護岸は子供達を川から引き離す役割を果たしてきた。日本のことなかれ行政の象徴のような「良い子は川では遊ばない!!」の看板の通り、少しでも危険なことは一切やらせないというつまらない世の中になってきたような気がする。そうしたことが逆に自ら危機対応のできない人間を増やしてきているのだと思う。

 今回のカヌーは、「岡崎活性化本部」の白井さんの音頭取りのもと、岡崎カヌー協会の皆さんのご協力を頂いて実現した。お城の西の伊賀川から8艇ほどのカヌーとカヤックに分乗して出発したが、なぜそこから出発なのかはよく分からない。
 私が試乗したのは、二人乗りのカナディアン・カヌーであった。当初、議長と一緒に、より安全性のある三人乗りに乗る予定であったのだが、私が「当方、海系のスポーツには、いささか腕に覚えあり」と大口を叩いたせいで二人乗りに昇格させてもらえたようである。
 自分で言うのも何であるが、ヨットには高校時代から親しんでいるし、大学生の頃は8mくらいの高さの崖の上から当たり前のように海に飛び込んでいた。潜水は子供の頃から得意で、学生の頃はスキンダイビングで深さ8m、2分くらいは大丈夫だった。モーターボートの運転も水上スキーもできる。カヌーやサーフィンも遊びで経験している。(軍隊があったら、絶対に海軍に行く口である。)
 伊賀川から乙川に出た私達は軽快に川下へと向かった。川辺に繁茂する緑が、両岸から我々をやさしく包み込む。とても市街地を流れる川沿いの風景とは思えない、こんなに素晴らしい景観が長いこと放っておかれていたことが全く信じられない思いである。河川使用を全くの自由にする訳にもいかないとは思うが、季節や時間を決め、安全管理のルールも定めて、カヌーの練習くらいできるようにしてもいいのではないかと思う。そうすれば近隣の高校にカヌーのクラブが出来るかもしれない。ついでに貸しボートもぜひ復活させたいものである。

岡崎城下・家康公夏まつり カヌー体験

 ふだん川の水位はもう少し低いのであるが、8月3日の花火大会のため現在は深めの設定に水が貯められている。右手に八帖クリーンセンターの白い建物を眺めると、その先には乙川の水位の調節弁の役割を果たしている乙川頭首工が見えてくる。ここまで来た記念の写真を皆で船を寄せて撮り、川上へと向かう。
 久し振りに船と水に触れることができてゴキゲンな私であった。初乗りの二人乗りカヌーは、水面をすべるように快適に進んでくれた。やがて、左手のお城と共に、前方に殿橋が視界に入ってきた。こういう風景をバックにして、潜水橋の上あたりからカメラで撮ってほしいものである。

岡崎城下・家康公夏まつり カヌー体験

岡崎城下・家康公夏まつり カヌー体験

 まもなく下船となるので、殿橋を背景に一枚写真を撮ろうと船の位置を変えた。その時、一瞬の油断で船が転覆してしまった。ヨットの場合センターボードがあるので、あの程度の傾きで転覆などしないものだが、艇位を変える時に二人そろって腰を浮かしたためバランスを崩すことになった。よりによって、接岸して下船する直前、新聞社のカメラが待ち構えているところへ、まさにウケをねらったヤラセのように転覆したのである。カナディアン・カヌーは一度中に水が入ると簡単に復元しないこともわかった。
 しょうがないので背泳ぎで岸へ向かった。久し振りの水遊びが、今年の初泳ぎになるとは思わなかった。
 岸辺に上がると、カメラの放列と共にカメラマンのうれしそうな顔が並んでいた。

岡崎城下・家康公夏まつり カヌー体験

 夕方5時15分からは「岡崎城下・家康公夏まつり」のセレモニーがある。着替えるために一旦家に帰り、出直すことになった。
 7月28日から8月2日までの6日間、民間主導の夏まつりが開催される。岡崎ではこれから歴史遺産を活かした観光のまちづくりに向けて、各種事業が展開されることになるが、その先駆けとしてのこの夏祭りをぜひ楽しいものにしたいと思っている。


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