うちの猫 Ⅲ ―地域ネコについて―
「うちの猫 Ⅱ」でボス猫キックについて書いているとき、「これをブログにアップしたら、たぶんどっかから文句が来そうだ」と感じてはいた。そのため文末で「間もなく彼の時代が終わることになる」と予防線を張って締めくくっておいたのだが、思わぬところからクレームが来た。保健所からである。
「たいへん面白い文章ですが、市長さんが○○つきの猫を飼っていると公言して頂いては困ります」
ということらしい。もっともな話である。岡崎市役所の良いところは、おかしな点があれば市長に対しても直言してくれる優秀な職員がいるところだと感謝している。
市議会の山崎憲伸(けんしん)市議からも「もしその猫が外で子供を作れば、その仔猫たちが悲劇の道を歩むことになる」と指摘された。この点私の考えが甘かったと反省している。同じように、山崎市議からは、以前から「岡崎で“地域猫政策”ができないものか?」という提言を頂いていた。
ちょうどよい機会であったので、市の動物総合センター「あにも」にご教授願うことにした。地域ぐるみでノラ猫の対策を行うという「地域猫政策」については、既に横浜や京都、東京の新宿区などで先例があった。地域で猫対策をすると一口に言っても、簡単なことではないようである。世の中にはそもそも動物が苦手な人、猫が嫌いな人、猫アレルギーの人もいるのである。少なくともそうした方を含めた地域の同意を得なくては地域における活動には移れないのである。
そして同意ができた場合、まずすることは ①メス猫の避妊手術である。これには行政が関与することで地域の協力を得て、②捕獲檻による捕獲を行う。そして公費による避妊。③獣医医師会による協力。オス猫の去勢手術もやるべきであるが、とりあえずメス猫を先行する(メス猫が発情しなければオスはその気にならないそうである)。
そうして猫の増加の可能性を減じる対策をした上で、地域の責任において ④公園などで給餌を行う。さらに ⑤猫のフン片づけも共同で行う(猫のフン砂場を設ける必要もある)。そうした費用は公共が補助を出すとしても、主体はあくまで地域で担うことになる(例・猫救済募金活動)。
新宿区のケースでは公共が関与しすぎて、個々の飼い主が自分たちで避妊・去勢手術の義務を行わなくなり、却ってノラ猫が増えてしまったと思われる例もあるので要注意である。いずれにしても放っておけば、一匹のメス猫が1年に3匹の仔猫を産むとすれば、3年後には54匹以上になってしまう可能性もある。無事に生まれてきたとしても慢性的な飢えに苦しむことにもなる。今日の飽食の時代に、こんな残酷なこともないのである。
ただ餌をやるだけでは、「地域猫対策」とは言えない。平均3年と言われるノラ猫の寿命をできるだけ穏やかに全うさせてやるためには、ほかにもすることがある。⑥冬場の家としての段ボール箱や毛布、雨除けビニールなどの用意。⑦病気や怪我をした猫の世話、などである。
そこまで面倒を見る覚悟がなくては「地域猫政策」は成立しない。本当は各自で家猫として、家族の一員として面倒を見てほしいものである。
動物総合センターではやむをえず飼育不能となった犬猫などを引き取ることもおこなっております。くれぐれも終生飼育と肝に銘じ、捨て犬、捨て猫にはしないで頂きたいと願います。今後岡崎市としてもより良い「新しい家族さがし」にするための努力をして参りたいと思っております。
さらに東日本大震災の教訓として、「災害時のペット対策」ということも考えなくてはなりません。ペットを自分の子供のように思って暮らしている人は少なくありません。災害時にペットだけ置いて家を離れることができず、ペットともども命を亡くされた人もいます。避難所によってペットの受け入れ態勢のできているところと、できていないところがあります。これからはペット用の避難設備、食料、水の備蓄も必要となります。
少なくとも、ペット個別のケージくらいは自分で用意しておきたいものです。これは緊急時には段ボール箱でも代用できるはずです。餌も各自で2、3日分は整えておきたいものです。
岡崎市には「市民の声リスト」という資料があり、定期に私の机の上にも回ってきます。その中に「複数の猫を飼うのに注意することは?」という質問がありました。猫は犬のように集団生活になじむ個体ばかりではなく、後から来た仔猫ばかり可愛がっていると前からいた猫が出て行ってしまうということがありますので、同じように可愛がってやることが必要だと思います。
犬は家族の中で誰がボスかということを見ているように序列を大切にする動物ですので、長くいる先輩犬の方から餌も与えるようにした方がいいと思います。
ほかにご質問がありましたら、私よりも岡崎市動物総合センター「あにも」0564-27-0444までお尋ねいただきたいと思います。獣医師をはじめ担当職員が親切に相談に乗ってくれます。
(今日はまじめに書きました。面白くなくてすみません。)
追伸
「うちの猫 Ⅱ」で、「うちの嫁さんは愛猫の失踪に心配のあまり夜も寝られず、昼寝していた」と書いたところ、嫁さんから厳重抗議が来た! 実際は彼女はインフルエンザで寝ていたのであります。ここに謹んで訂正させて頂きます。
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