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2016年11月 4日 (金)

日本都市学会 第63回大会

日本都市学会 第63回大会

 日頃より「乙川リバーフロント計画を始めとする岡崎のまちづくり施策は全国的にも注目を集めている」ことをお話しているところであるが、10月18日の岐阜県での「中部歴史まちづくりサミット」における講演に続き、10月29日(土)にりぶらホールで行われた「日本都市学会 第63回大会」において「観光産業都市『岡崎』を目指して」と題した基調講演を行うこととなったことも、私の言葉を実証することになったものと思っている。
 以下は当日の講演内容である。


 歴史ある日本都市学会第63回大会の開催、誠におめでとうございます。本日は、ようこそ岡崎市へお越しくださいました。心から歓迎申し上げます。
 さて、岡崎市は、愛知県のほぼ中央にありまして、豊かな緑と矢作川・乙川の清流に育まれた、古くからの歴史と伝統を受け継ぎ、西三河の中心都市として機能してまいりました。人口は約38万人で、名古屋市、豊田市に次ぐ県内3番目の規模であります。面積も県下3番目であります。

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 また、徳川家康公生誕の地としても知られており、岡崎城の城下町、東海道の宿場町として発展してきました。大正5年に市制が施行され、本年7月1日に市制施行100周年という大きな節目を迎えました。年齢にしますと100歳になるわけでありまして、これからのさらなる飛躍を目指し、“ヒャクサイ”と“ヒヤク”をかけまして「岡崎飛躍祭」として、本年度、様々な記念事業を実施しております。
 私たちは、次の100年に向け、このまちに生まれ育った子どもたちが、ふるさと岡崎により大きな愛情と誇りを持てる「夢ある新しい岡崎」の実現に向けて、日々さまざまな施策を進めています。
 本日は、次の100年に向けたまちづくりの一環として、観光産業都市としての基盤整備と岡崎の魅力を高める観光地経営の展開に向けた取り組みについて、紹介させていただきたいと思います。

 平成19年に観光立国推進基本法が施行、平成20年に観光庁が設置され、観光立国の実現に向けて、観光を取り巻く環境は大きく変わり、本市の観光振興の目的も、観光資源の魅力を発信するだけでなく、いかに観光における消費を増大させるか、「稼ぐ力」が重要となってきました。そこで、観光産業都市の創造に向けた第一歩となる重要な基盤整備として、私の市政となってから本市では、乙川リバーフロント地区整備事業を始めました。
 皆さん、名鉄東岡崎駅からこちらの会場へいらした方が多いのではないかと思いますが、駅から乙川を渡り、岡崎城を眺めながらのルートは、どのような印象でしたでしょうか?
 私は以前から、岡崎城下の河川空間を活かしたまちづくりができないかと考えており、職員はもちろん、民間の意見を大いに取り入れ、「景観」「歴史と文化」「水辺空間」「歩行」「観光」をキーワードに整備方針を作り、私自身も、市内各地で市民対話集会や、講演会・シンポジウムなどを通じて、多くの市民のみなさんと率直な意見交換を行ってきました。一期4年間で、市民対話集会は38回、各種講演会や政策説明会も300回ほど行っており、政策推進のために、ここまでやるのは稀なことであると自負しております。
 整備の概要は、乙川の吹矢橋から名鉄鉄橋の間の約137ヘクタールを、東岡崎駅周辺地区や岡崎公園の整備と連携させ、中心市街地への回遊性を高めることで活性化を図るための整備です。一級河川乙川において、岡崎城から上流に約1.5キロの河川空間を、平成31年度までの5ヵ年をかけて整備を進めていくわけです。

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 具体的には、人道橋の架設、徳川四天王石像の設置、河川空間やプロムナードのライトアップ、岡崎公園や乙川河川緑地の整備、歩行者空間の整備のほか、後ほど説明いたします、「かわまちづくり」や「リノベーションまちづくり」、「歴史まちづくり」と連携した観光や商工の振興などを盛り込んでおります。
 既に、一部の堤防道路に連続した照明の設置をはじめ、河川緑地に新しいスロープや階段、太陽光を利用した多様な照明を配置した遊歩道の整備、船遊びのための船着場や船揚げ場の新設、2つの橋のライトアップを行っております。そして、乙川リバーフロント地区のシンボル的な存在である「(仮称)乙川人道橋」の建設も開始しています。この人道橋は幅16メートル、長さ121.5メートルで、岡崎産のヒノキで覆われた木装化した橋です。使用する木材の一部は、岡崎市の市有林などから切り出します。間伐材を使用することで、山林整備や防災、河川の浄化、海への影響等、環境循環のアピールも行います。
 今後は、乙川と交差するもう一つの動線の軸としての中央緑道について、乙川人道橋から籠田公園までの約600メートルの区間を「(仮称)岡崎セントラル・アベニュー」として整備を行います。これは新たな目抜き通りとして、「かわ」と「まち」を繋ぐ役目のほか、災害時の一時的な緊急避難場所としても活用し、新しい人道橋は、緊急車両の通行にも耐えうるように整備していきます。

 そして、今後はいかにこの空間を利活用するかが最重要課題となるわけですが、昨年3月に、国の「かわまちづくり支援制度」に登録された乙川河川敷において、都市および地域再生等のために利用する施設に係る占用の特例の指定をいただき、これまで公共しか利用できなかった河川敷において、民間主導での営業活動等が可能となりました。

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 この夏、この特例を活用し、民間事業者の方々と連携して「おとがワンダーランド」が開催されました。「おとがワンダーランド」の主旨は、乙川を“わ、楽しい!”がつまった場所に変えるプロジェクトです。オープンカフェや水上アクティビティなど、新しい挑戦をどんどん仕掛け、この場所を使いこなすことで乙川を魅力的な場所へ変えていき、民間主導で「かわ」と「まち」の融合による地域の活性化を狙っております。
 本事業のプロモーションの一環として、昨年の12月26日、徳川家康公の生誕日に、社会実験として「岡崎泰平の祈り」を開催いたしました。

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 この事業は、3万個の青く光る直径約8センチのLEDボール「いのり星」を乙川に放流するもので、2万人余りの方が幻想的な風景を楽しみました。今年は9月24日に岡崎青年会議所が主体となりイベントを実施し、この風景を楽しんでいただくとともに、民間事業者の方々と連携した乙川ナイトマーケットや市内7大学によるオール岡崎大学祭、子供向けのおとがわくわくキッズワールドも同時開催されました。

 次に、乙川リバーフロント地区の玄関口となる、名鉄東岡崎駅の周辺に話を移したいと思います。
 名鉄東岡崎駅は、1日の乗降客数が約3万7千人ある、本市の玄関口であります。その駅周辺を「誰もが使いやすい・にぎわいの交流拠点」として、乙川リバーフロント地区と一体となって相乗効果が上がるよう、今年度から本格的な整備を開始しています。

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 まず、東改札口の東側に隣接する東岡崎駅前広場や駅前道路の北側の明大寺交通広場の整備、駅前道路の交差点改良や周辺の道路の整備を平成31年度当初の供用開始を目指して行い、一般車両の停車場やタクシー乗り場を現状より東側に移してから、西改札口、駅ビルなどの建て替えを行う予定です。駅ビルについては今後も継続的に所有者である名鉄側と話を進めてまいります。
 次に、東岡崎駅から乙川リバーフロント地区への安全安心な歩行者動線の確保として、ペデストリアンデッキを整備してまいります。中央部分には約300平方メートル程度の広場を設ける予定で、新たな観光スポット、滞留スポットとして、また、まちづくりの活動拠点やイベント会場、サテライト店舗やマルシェといった、公と民が連携した利活用を図っていきたいと考えています。また、中央のデッキ広場には、ブロンズ製の「若き日の家康公像」を配置する予定で、岡崎市の玄関口である東岡崎駅前に新たな観光スポットが誕生することになります。
 この家康公像と、乙川リバーフロント地区整備、東岡崎駅周辺地区整備には、本年4月から開始したふるさと納税、「おかざき応援寄附金」の対象として、市外・県外からもご寄附をいただきながら進めております。
 さらに、駅の北東方面にある市有地には、持続可能な都市構造を築き、賑わいが続いていくまちづくりを公民連携で行っていきます。現在、民間事業者に募集をかけているところですが、駅利用者や地域の方々、乙川リバーフロント地区に訪れるみなさんへのおもてなし空間として物販やサービス施設の導入、乙川河畔という絶好のロケーションを活かした展望テラスや話題となるようなカフェ・レストランなどの施設整備を民間事業者の提案に期待しているところです。
 この事業は、国の重点施策のコンパクトシティ・プラス・ネットワークの考えである「立地適正化計画」にそった「都市機能立地支援事業」として、国から民間へ直接補助金が入る仕組みになっておりまして、市は市有地である事業用地を周辺の民間賃借料より安く貸し出すことや、駅から事業地までデッキをつなげていくなど、事業者が進出しやすいように環境の整備を支援しています。供用開始は、先に説明した駅の東側に位置する駅前広場やペデストリアンデッキなど市の整備事業と併せて、平成31年度当初を予定しています。

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 市の玄関口である東岡崎駅から乙川人道橋を渡ってセントラル・アベニューの先にあるのが、かつて城下町・宿場町として栄え、中心市街地として賑わっていたエリアです。
 中心市街地の衰退は、本市においても課題となっています。これまで、中心市街地を活性化するために、委託事業・補助金を中心とした、行政主導のまちづくりを行ってきました。それぞれ相応の効果は認められましたが、空き店舗活用に関する補助金や事業は、その制度とともに終了してしまい、特に家賃補助の制度は、補助がなくなると再び空き店舗になることが多く見受けられました。商店街の空き店舗の賃料が現在でも高止まりしている物件が多く、不動産オーナーのマインドを変える必要も感じておりました。いずれにしても、委託や補助に頼ってしまうと、どうしても行政が主導する印象が強くなり、まちなかに住む市民や商業者が主体のまちづくりになりにくかった部分が否めませんでした。

 こうした中心市街地活性化の取り組みを民間主導で進めていくために昨年度から取り組んでいるのが、「リノベーションまちづくり」です。リノベーションとは、リフォームなどを包括する状況改善の考え方で、それらの手段を組み合わせた総合的な経営改善策と言われており、地域再生のために、「現代版家守(やもり)」の手法を用いて遊休不動産・公共不動産を活用した都市型産業の集積を行う、新しいまちづくりの手法です。「ヤモリ」と言ってもトカゲのことではありません。「家守」とは、江戸時代の長屋の大家のことで、家賃の徴収だけでなく店子(たなこ)の面倒や地域のマネージャーを担っていたということです。
 「現代版家守」は、行政や地域住民と連携し、建物管理や入居者支援など、総合的な地域づくりで継続的な収入を得て、事業を進めていく人や団体でありまして、空き地や空き家の広範な情報を持ち、出展希望者への橋渡しや事業アドバイスを行いながら、自らも稼いで維持していきます。今あるものを活かし、これからの世代の人たちに必要なもの、必要なくらしを自分たちで自ら考えて、自ら作っていく、これを行政主導でなく、民間と一緒に連携して行い、補助金に頼らずに計画したことを事業化するのです。

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 現在、籠田公園周辺では、7つの事業が進んでおります。子育て中のママが得意分野を活かしてお店を始めたり、老舗の煎餅屋さんが空きビルを改装して入居したほか、本市の若手職員が自ら空き店舗を借り、コミュニティースペースとして活用するなど、これまですでに4件の物件が活用され始め、順次、形になっています。
 リノベーションまちづくりには、民間不動産を活用したものと、公共不動産を活用したものがあり、本市は今、民間不動産を活用して進めていますが、今後は、乙川リバーフロント計画と連携し、公共空間を活用して取り組んでいきます。半径200メートル程度のスモールエリア内で民間遊休不動産を活用したリーディングプロジェクトと、利用が少ない公園などの公共空間を活用して、まちに人が集まる状況を創り出します。そして、収益と集客、相性のよい関連ビジネスが周辺民間遊休不動産に展開することで、各エリアの回遊性・価値を高めていきます。

 さて、本年3月末、政府は「観光ビジョン」をとりまとめ、観光は「地方創生」の切り札、成長戦略の柱として位置づけられました。観光ビジョンでは、我が国は、自然、文化、気候、食という観光振興に必要な4つの条件を兼ね備えた世界でも数少ない国の一つであり、これらの豊富な観光資源を真に開花させ、国を挙げて観光を日本の基幹産業へと成長させ、観光先進国を実現するとしています。
 本市においても、豊かな自然環境を背景に多様な歴史文化資産に恵まれており、この4つの条件を十分に兼ね備えていることから、観光を新たな経済の柱に育てていくという取組を、国の支援を積極的に活用しながら施策の推進を図るものであります。

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 本市は、家康公生誕の地である岡崎城や13件もの国の指定を受けた文化財建造物を始め、数多くの歴史上価値の高い建造物に恵まれ、そこで行われる八丁味噌造りを代表とする伝統産業や山車が巡行する地域固有の祭礼行事等の伝統的な活動が、今なお、市内各所で連綿と受け継がれている、歴史と伝統が息づく風格ある都市であります。

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 かつて、本市における観光といえば、岡崎城をシンボルとして、桜まつり期間中に行う家康行列と、三河花火発祥の地として夏の花火大会の2大イベントを中心に誘客を図ることがメインでした。
 現在改定中の観光基本計画アクションプランにおいては、「観光産業都市の創造、公民連携による観光推進」を基本的な考え方とし、市民や事業者が市内の観光資源や歴史文化資産を見つめ直し、地域が一丸となって賑わいと利益をもたらす観光地域を創るとしております。
 何よりも大きな反省点は、これまでの「岡崎の観光」というものが、受身のものであり、「興味のある人はどうぞご自由にご覧ください」という形であったことであります。これでは観光都市とは成り得ません。これからはもっと積極的かつ具体的に、観光資源が持つ魅力の向上、ご当地グルメやお土産の充実、地域一体となったおもてなし体制の推進や、地域の事業者が観光に関わる仕組み作りを通じ、民間の活力を創出することで、観光消費の増大に繋げ、地域経済活性化に結び付けようという取り組みを行う必要があります。

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 近年では、春と夏の2大イベントに加え、冬の岡崎をPRするため、「家康公生誕祭」を実施したり、グレート家康公「葵」武将隊の発足や岡崎公園でのマルシェの開催、バスやタクシーによる早めぐりツアー、観光案内人の育成など、おもてなし環境の整備に力を入れております。
 また、本市の観光資源は、歴史資源だけでなく自然や文化なども多くあります。この施設内にジャズコレクションの展示がありますが、岡崎はジャズのまちであり、毎年秋にはNPOによる「岡崎ジャズストリート」というジャズイベントが開催されております。このイベントは今や横浜、神戸と並ぶ日本三大ジャズストリートの一つとなっております。
 さらに本年2月の新東名高速道路の開通とネオパーサ岡崎のオープンも、誘客促進の絶好の機会と捉え、インターチェンジからのアクセスが向上した自然豊かな額田地域の活用や岡崎ブランドの確立も重点的に取り組んでまいりたいと考えております。なお、知名度の向上にあたっては、“きもかわいい”ゆるキャラとして全国区となった「オカザえもん」の登場が、思いがけない波及効果をもたらしてくれました。

 そして、観光産業都市を目指す上で最も重要なのは、市民が一体となった観光まちづくりであります。
 お時間がありましたら是非、お立ち寄りいただきたいのが、ここから北へ3キロほどにある、松平氏・徳川家の菩提寺である大樹寺です。大樹寺から岡崎城への眺望のほか、ここに、徳川歴代将軍の等身大位牌のある位牌堂があります。訪れた方々には感激してもらえるのですが、「モノづくり」で栄えてきた岡崎は、PR不足のため、こんなに貴重なものが市内にあることを市民の多くが知らないのです、市民に対する啓蒙やPRとおもてなし意識の向上も重要な課題であります。市民一人ひとりが岡崎を深く知り、自らが観光案内人であるという意識を持ってもらうことが、観光リピーターの獲得に繋がるものと信じております。

 これからは本市の持つ良好な景観や歴史的な風情・情緒を、地域の活力を生み出す財産であることを我々が再認識し、さらに磨きをかけることで、地域住民の誇りと郷土愛を醸成し、官民が一体となった魅力ある地域づくりに繋げていきたいと考えております。
 さらに昨年の「かわまちづくり」事業認定に続き、本年5月、「岡崎市歴史的風致維持向上計画」が国の認定を受けました。体験を通して地域への誇りと愛情を育みながら活動の輪を広げる「人づくり」、歴史的建造物とその周辺の市街地空間を総合的・一体的に整える「場づくり」、官民の協働による歴史文化資産を活かしたまちづくりの仕組みを整える「仕組みづくり」、この3つを全体として、歴史的な風情や情緒といったものを単に維持するだけでなく、向上させていこうというものであります。
 これまでの歴史的なまちなみなどを保全する制度は、文化財の保護や土地利用規制などに主眼が置かれており、歴史的な建造物の復元や、文化財の周辺環境の整備などには必ずしも十分に対応できていたわけではありませんでした。歴史まちづくり法の制度を活用すれば、多様な歴史文化資産を、単体の「点」として保存することから、地域のまちづくりと一体的に「面」として整備・活用することができます。歴史まちづくりを通じて、生活環境の向上、地域の活性化及び観光の振興につなげ、市域全体の魅力向上を図っていきたと考えております。
 具体的には、7つの歴史的風致の重なりと歴史上価値の高い建造物の分布とこれまでの取組を踏まえ、2つの重点区域を設定しています。

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 一つは、本市のシンボルである岡崎城を中心に、大樹寺を始めとする松平氏・徳川家ゆかりの寺社周辺、及び近世の宿場町であった岡崎宿・藤川宿を含む旧東海道沿いを加えた「岡崎城下及び東海道地区」、もう一つは、重要文化財を始めとする歴史上価値の高い建造物の集積がみられる「滝山寺地区」であります。これら重点区域を中心に再整備を展開していきます。
 ハード面では、本市の最大の特徴である岡崎城跡(じょうせき)の整備、家康公ゆかりの地である大樹寺や滝山寺などの重要文化財の周辺の整備、そして、大樹寺から岡崎城への眺望保全や八帖、藤川地区のまちなみ景観の整備であります。
 みなさんはもう岡崎公園へはお立ち寄りいただけたでしょうか。ここで、岡崎ならではの城郭遺構を2つ、紹介させてください。

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 1つ目は、「菅生川端石垣(すごうがわばたいしがき)」です。直線で切れ目のない城壁としては、国内最長となる岡崎城の石垣が確認され、長さ400メートル、高さは5メートルにも及ぶことから、家康公の生誕地として風格ある構えであったことが伺えます。
 2つ目は、「清海堀(せいかいぼり)」です。岡崎城は、中世の土塁と近世の石垣があわせて見られる全国でも数少ない城郭遺構です。この清海堀は、深く狭く、全国の石垣ファンを唸らせるほど大きく流麗なカーブを描いて天守を守る実戦的な構造と美しさを兼ね備えています。岡崎公園で最大の見どころと言える文化財です。

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 この図は、現代の地図に岡崎城の遺構を重ねたものです。
 岡崎城は、城下町の一部まで堀で囲い込む「総構え」の城で、江戸時代の城の規模は、東西約1.5キロメートル、南北約1キロメートルで、近世城郭としては江戸城などに次ぐ日本屈指の広さを誇ります。このことは本市の誇りであり、最大の観光資源でもあります。
 今後は、岡崎ならではの魅力や価値を、誰もが、見て触れて、分かりやすく体感してもらえるような整備をしたいと考えています。そして、まちなかに点在する歴史文化資産をテーマやストーリーで繋いだ周遊ルートを形成するほか、歩行者空間の整備、休憩等の滞留拠点施設やサイン・案内板の整備など、まちなかの回遊性の向上や観光案内機能の充実などおもてなし環境整備を進めてまいります。

 本市の目指すべき「観光産業都市・岡崎」の姿は、市民一人ひとりや地元の事業者が、市内の観光資源や歴史文化資産を見つめ直し、官民が一体となって個性溢れる観光地域を創ることであります。住民がこのまちに誇りを持ち、自慢したくなるような魅力を生み出すことで、交流人口の増加を図り、誰もが訪れたい、住んでみたいと思うような、躍動感のある魅力的な観光まちづくりを進めたいと考えています。
 そして、先人により育まれ、受け継がれてきた数々の歴史文化を見つめ直し、その価値を正しく認識し、一層の誇りと郷土愛を持って磨き上げ、しっかりと後世に引き継いでまいりたいと思います。
 岡崎はこれから数年の内にサナギが殻を脱いでチョウになるように、さらに進化いたします。
 皆様には本日をご縁といたしまして、ぜひ再び本市にお越し頂きますようお願い申し上げ、私の話を終了致します。ご清聴、ありがとうございました。

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