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2016年11月28日 (月)

トイレの洋式化について

 かつて私が高校生だった頃(1970年)、大阪万博が開催された。当時はまだ洋式便器は一般的ではなく、ホテルにでも行かないとお目にかかれないシロモノであった。そのため東北地方から大阪万博に来たお婆さんが洋式便器の使い方が分からず、ゾウリをはいたまま便座の上に乗ろうとしてすべって転んでケガをしたという新聞記事を見た覚えがある。
 あれから50年近く経ち、今や逆に和式便器の使い方が分からないという子供達が育ってきている時代となっている。

Toilet

 先日、全国の公立・小中学校のトイレに関して文科省が行った実態調査の結果によると、洋式便器の割合が43.3%で、和式が56.7%ということがわかった。そして現代の家庭では洋式便器が主流となり、子供達は和式便器の使い方を知らなかったり、和式の座り方のできない子もいたりするということである。

 このような統計結果を待つまでもなく、このところ本市においても毎年トイレの洋式化の要望を各学校、公共施設から頂いている。確かに災害時の避難場所になることも考えて、身障者や小さな子供達のためのトイレは優先的に洋式化すべきものと考えている。
 しかし「すべてを洋式化すべき」という意見には賛成しかねるものである。PTAのお母さん達との会合の席で時折お話してきたことであるが、世の中にはまだ和式のトイレしかない家で暮らしている方達もいるし、トイレの様式の違いというのも子供達にとって〝学びの場〟となると思うからである。
 第一、これから大人となり世界に出て行く人間も増える中で、きれない洋式便器でなくては用が足せないということでは本人も困ることだろう。世界各国には私達の想像を絶するスタイルの便器もあるのである。
 使い方が分からなければどう使えばよいか考えることも必要なことであろう。世の中は条件の整った環境が用意されている所ばかりではない。条件の悪い所ならば、いかに自分で創意工夫をして良くするかという能力を育てることも必要だと思う。そんなことだから「ママがすぐにパンツを下ろさないから僕がおもらししたんだ」などと言い出す子供も出て来ることになるのであろう。
 私は自分の息子達に「男はジャングルにひとりで置き去りにされても、ナイフ一本あればそれを使って工夫して生還できるようでなくてはダメだ」などと言ってきたため「ムチャクチャを言うオヤジだ」と言われてきたが、人間の真価とは学歴やシャレた肩書きなどではなくそんなものだと思っている。

 まだ十分使える施設であるならそれを大切に使う。和式トイレの上に改造したイスを載せれば洋式として使えるし(そういう器具も販売されている)、災害時には段ボールをくり抜いてカブせるだけでも洋式として使える。要は考え方次第である。
 いずれにしても何でもかんでも便利にしたり、子供が自ら考えること無しに親が先に〝転ばぬ先のツエ〟を用意するというのはいかがなものであろうか。たくましさを育てることも大切な教育の一つであると思う。

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