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2016年10月30日 (日)

「中部歴史まちづくりサミット」参加報告

中部歴史まちづくりサミット

 本年5月に国から「歴史まちづくり」事業認定を受けたことにより(中部地方で12番目)、10月18日(火)、岐阜県恵那市で行われた第4回「中部歴史まちづくりサミット」に参加した。
 私自身は前々日に選挙を終えたばかりで(10月16日)、当日の朝に2回目の当選証書を受けてきたところであり、このサミットに参加し、岡崎市の取り組みについて講演することが選挙後最初の公務となった次第である。しかし、正確にはまだ一期目の任期中ということになる。市制100周年の本年、こうした催しに参加することができるというのも一種の御縁ではないかと思っている。

 こうした機会に、本市固有の歴史的文化資産を再認識し、それらを活かした地域活性化や観光振興を図るため様々な政策的連携、公民連携、そして広域連携という三つの連携を積極的に進めてゆくつもりである。その具体的な取り組みとして、今回認定都市のネットワークの一員となることができたことを活かし、他の10市1町と情報交換、相互協力を図り、さらなる岡崎の歴史まちづくりを進めて参りたいと考えている。そのほか歴史まちづくりサミットの参加都市間において「災害時相互支援の運用指針」というものが考えられている。
 なお、この「歴史まちづくり」と先年の「かわまちづくり」の二つの事業認定を受けているのは県下では岡崎市のみである。全国的にもマレなことである点を強調しておきたい。
 以下は当日の私の発表内容である。

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中部歴史まちづくりサミット


 皆様こんにちは。岡崎市長の内田康宏であります。早速ですが本市の紹介をさせて頂きます。
 この写真は岡崎にて徳川家康公が松平元康から徳川家康と改名した25歳当時の姿をイメージした、馬上で弓を持つ若き日の家康公像であります。

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 これは市民からの募金や寄附金を元に制作されます。現在、平成30年度の完成に向けて準備を進めているところであります。
 次の写真は市の中心部を流れる乙川と中心市街地、お城がつくりだす景観で、川の幅や蛇行感が程よく、生活に潤いを与えてくれます。この風景は岡崎固有の美しい景観であると思っています。

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 続いて岡崎市の概要を説明いたします。
 岡崎市は愛知県の中央部にありまして、豊かな緑と河川の清流に恵まれた街であります。市中心部には市役所、名鉄東岡崎駅があり、また一級河川乙川が流れ、岡崎公園、岡崎城があります。総面積約387平方キロメートルで県内3番目の規模、人口は約38万人で、こちらも名古屋市、豊田市に次ぐ県内3番目の規模の中核市であります。

 そして本市は、国の指定を受けた重要文化財の建造物が13件もあり、歴史的な建造物に恵まれた土地でもあります。

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 次に岡崎城跡の紹介をします。市の中心部に岡崎城がありますが、現在の市の史跡に指定をされている範囲が図の赤枠の範囲になります。岡崎城は城下町を塀で囲む「総構え」の城で、江戸時代の規模は東西約1.5キロ、南北約1キロに広がり、近世城郭としては江戸城などに次ぐ日本屈指の広さを誇ります。
 このことは本市の誇りでもあり最大の資源でもあります。今後はこの魅力や価値を誰でも見て触れて、分かりやすく体感してもらえるような整備をしたいと考えています。

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 岡崎城跡には「清海堀」(せいかいぼり)というものがあります。この清海堀は中世の土塁と近世の石垣の特徴を併せ持つ、全国でも数少ない城郭遺構です。また、全国の石垣ファンをうならせるほど深く、きれいなカーブを描いて、天守を守る実践的な構造と美しさを兼ね備えています。岡崎公園で最大のみどころと言える文化財です。

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 次に岡崎市の歴史について紹介いたします。
 徳川家康公の生誕地である本市には、荘厳なたたずまいの松平氏・徳川家ゆかりの寺社を中心とした市街地を舞台に、家康行列を始め家康公の偉業を称える様々な顕彰活動や伝統行事が受け継がれています。
 そして、その徳川家康公と、家康公を支えた徳川四天王(酒井忠次、本多平八郎忠勝、榊原康政、井伊直政)を中心としたグレート家康公「葵」武将隊というパフォーマンス集団を結成しています。本日はその武将隊全7名のうち3人を連れて参りました。徳川家康公と、本年のNHK大河ドラマ『真田丸』に登場の本多忠勝、来年のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』に登場の井伊直政です。

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 本市には家康公ゆかりの寺社が多く、大樹寺はその一つであります。
 1560年、桶狭間の戦いで敗れた松平元康(後の徳川家康)は大樹寺に逃げ帰り、祖先の墓の前で自害しようとしました。その時、登誉上人(とうよしょうにん)という住職が、家康公に「厭離穢土 欣求浄土」(乱れた世の中を治めて平和な世の中になることを願っている、という意味)という言葉を授けたと伝えられています。それにより家康公は平和の世を築こうと決意し、切腹を思いとどまったと言われています。いわば人生のピンチをチャンスへと切り換えた地であります。
 また、大樹寺には、家康公をはじめ等身大の歴代将軍の位牌が安置されています。位牌が並べられているさまは非常に壮観です。

 岡崎市には東海道五十三次の岡崎宿、藤川宿があり、そこでは祭礼、伝統行事の趣が今も残っています。市の北部には滝山寺という由緒ある古い寺がありますが、重要文化財の本堂で行われる火祭り(鬼まつり)は歴史的なお祭りとして継承されています。

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 そして岡崎市には三大祭りと言われる歴史的な祭りも残っています。菅生神社の菅生祭り、能見神明宮の大祭、岡崎天満宮の大祭です。また、八丁味噌の発祥の地であり、今も老舗の2店舗が営業を続けています。八丁味噌で味付けされたかりんとうを、本日、明日と「えなてらす」で販売をさせて頂いておりますのでよろしくお願いします。

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 歴史的風致の維持向上に関する課題を本市は5つ掲げています。
(1)歴史文化の認知に関する課題
(2)歴史や伝統を反映した活動に関する課題
(3)歴史的建造物に関する課題
(4)歴史的建造物の周辺市街地の環境に関する課題
(5)歴史文化遺産を活かした地域活性化や観光振興に関する課題
 それに対する方針として、調査研究と普及啓発の推進、活動の継承への支援、歴史的建造物の保存・活用の推進、良好な市街地景観の形成、地域活性化や観光振興の展開を掲げています。

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 それでは、取り組みの事例を説明します。それぞれの事業は、5つの歴史的風致の維持向上に関する方針ごとにまとめております。
 一つ目の方針、「歴史文化遺産の調査研究と普及啓発」に関する事業として「岡崎城跡発掘等調査事業」があります。「菅生川端石垣」と呼ばれる、直線で切れ目のない城壁としては、国内最長となる岡崎城の石垣が確認されました。長さ400メートル、高さは5メートルにも及ぶことから、家康公の生誕地として風格ある構えであったことが伺えます。
 4月に行われた説明会に2,000人を超える見学者が訪れました。写真に示されている範囲で石垣が続いています。

 次は歴史的建造物の調査です。
 築70年以上の建造物を地元の有志の建築士と建築職員が一同に調査し、これまで文化財指定されていない建造物の発掘、貴重な建造物の保護、活用につなげていく調査を進めています。

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 今年の2月、歴史まちづくりシンポジウムを開催しました。
 元ゴールドマン・サックス証券のアナリストであり、現在日光東照宮の修復を行っている小西美術工藝社社長のデービッド・アトキンソンさんを講師に招き、基調講演、私とのパネルディスカッションを通して、歴史まちづくりの普及啓発、歴史文化遺産を活かしたまちづくりについて情報発信を行いました。

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 2つ目の方針、「歴史や伝統を反映した活動の継承への支援」、3つ目の方針、「歴史的建造物の保存・活用の推進」です。岡崎城跡の発掘から歴史的建造物の復元、また、歴史的建造物の活用を進めて参ります。

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 4つ目の方針、「歴史的建造物の周辺の良好な市街地景観の形成」に関する事業としては、「無電柱化事業」を始め4事業を進めます。本市を代表する、大樹寺から岡崎城への歴史的眺望というものがあります。これはビスタラインと呼ばれ、現在でも寺の山門からお城を見ることができます。
 松平・徳川家の菩提寺である大樹寺から、家康公生誕の地を望めるようにと、孫である三代将軍家光が大樹寺の門などを配置したことによる眺望であります。門の中心に岡崎城が見えるのが分かりますでしょうか? 将来は眺望を阻害している電柱電線などの撤去を行い、さらに良好な市街地景観の形成を図っていきます。

 こちらは八丁味噌の老舗2社のうち、1社のまるや八丁味噌の事務所の改修事例であります。市の補助金を活用し、格子、建具の改修を行っています。

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 5つ目の方針、「歴史文化を活かした地域活性化や観光振興の展開」に関する事業としては、「観光拠点施設整備事業」を始め3事業を進めます。
 まちなかに点在する歴史文化遺産の観光施設として充実させ、本市の目指すべき「観光産業都市・岡崎」の姿として整備をしていきます。
 この写真の事例は旧野村家住宅「米屋」を市の補助金を活用して改修し、地元のまちづくり団体により、地元の活動拠点のお店として公開・活用をしています。

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 「かわ」と「歴史まちづくり」の取り組みを紹介します。
 乙川にかかる歴史的な橋梁(殿橋、明代橋)のライトアップ、いのり星と言われる3万個のLEDボールを流す「泰平の祈り」、さらに桜の植樹、観光船の運航、手こぎボートの復活など本市の歴史的な川の活用を進めています。
 夏には岡崎三大祭りの一つの菅生祭りと市の大花火大会が河川敷に桟敷を設けて開催されています。三河は花火の産地でもあります。

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 今後の展望です。
 本市は大正5年、愛知県内では名古屋、豊橋に次いで3番目に市制が施行され、本年100周年を迎えました。次の100年に向け、本市固有の歴史的風致の維持向上を図りながら、歴史文化遺産を活かした「観光産業都市・岡崎」を目指し、そしてこのまちに生まれ育った子供達が「ふるさと岡崎」に対し、より大きな愛情と誇りを持ち、誰もが訪れたい、住んでみたいと思う「夢ある新しい岡崎」の創造に向け、各種施策、公民広域連携を図りながら歴史まちづくりに取り組んでまいります。

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 最後に「岡崎ルネサンス」というものをご紹介させて頂いて発表を終わりたいと思います。
 この岡崎ルネサンスとは、岡崎市のシティプロモーションのコンセプトで、魅力的な資産をただの伝統や文化で終わらせず、今までになかった新しい魅力をつくり出し、発信していこうとするものであります。シンボルマークは徳川家の家紋「葵の紋」をイメージして作りました。
 今後、歴史まちづくりにおいても岡崎の魅力を発信していきたいと考えていますので、皆様も是非一度、岡崎に足をお運び頂きたいと思います。

オカザえもん

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