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2016年9月 9日 (金)

市民会館、まもなく再生!

岡崎市民会館

 岡崎市民会館は、市制50周年を記念して昭和42年(1967年)に建設された多目的ホールである。当時中学生であった私も、「ようやく岡崎市にも、大きな立派な建物ができた」と大人達が喜んでいたことを覚えている。以来、市民の文化活動の拠点施設として、あるいは様々な興行の舞台として広く親しまれてきた。
 そんな市民会館も、開館から50年もの時が経過し、施設、設備の老朽化と時代の変化に対する機能面の旧式化によって多くの課題を抱えることとなった。ことに音響面における使用者、観客からの不評、空調機の騒音、扉の密閉性の悪さ、旧式の音響・照明装置、観客席の座り心地等々、問題点は多岐にわたっていた。

 先の市政においては他所(よそ)に新文化会館を建設するという計画であったが、私の市政になってから「改修で対応する」ことに計画を変更し、議会と専門家の御協力を得て今回の再生プランが実施される運びとなった。旧・市民会館は基礎はしっかりしており耐震性も十分であることから、平成27年9月より改修工事を進め、ようやくこの度完工を迎え、10月1日にリニューアル・オープンの予定となった。
 新ホールの愛称は公募により、岡崎のイメージにあった「あおいホール」に決定したところである。

 リニューアル・オープンに先立ち、8月16日(火)午前、副市長並びに関係者によって新装相成った市民会館の視察を行った。当日は市民会館工事の完成を祝うかの如く、建築パースの絵と同様の素晴らしい青空であった。
 市民会館改装のコンセプトは旧館のイメージを残しながら、機能的でより使い勝手の良い施設にすることである。

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 これまで私達は、とかく古くなった建物を壊して、新しいものを造ることこそ正しいという思い込みの中で政策を進めることが多かったように思う。しかし、行政の仕事としては地方文化、伝統の継承ということも重要な要素であると考えるものである。欧米においては、古くなった建物であっても地域の顔としてなじみ深い施設やランドマークとして名のあるものを大切にし、後の世に残そうとすることが多い。「おじいさんやおばあさんが使った、お父さんやお母さんも使った、そして今僕達も使っている」――そういった施設を数々の思い出や歴史と共に保持してゆくことも大切である。
 私はそうした考えを4年前の選挙で訴えて市長に就任した。専門家の意見を聞き、調査を行い、議会の承認を得て今回の事業を推進し、実現することとなったわけである。以下、新しくなった市民会館の姿を個別に見て行こう。

外観と駐車場
 新装した市民会館の外観は格子を思わせる美しいデザインで統一され、随分スッキリとしたものとなっている。フル・フラット化された駐車場は高齢者や障害者、小さな子供にやさしい形状となっている。玄関を入ってすぐの雰囲気は旧館のイメージを残した親しみやすいものであり、壁とじゅうたんも明るい色調となっている。
 密閉性が高まった扉は少々重く感じるものの、隣には自動ドアが併設されており利便性は良くなっている。

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舞台
 大ホールは黒を基調とした壁面が落ち着き高級感を醸し出している。照明はこれまでより数と明度を高めたことで可動領域が広がり、舞台芸術にこだわる方達の要望にも十分応えられる仕様となっている。何よりも変わったと思うのは、舞台の深度が倍に広がりフル・オーケストラの演奏も十分なスペースとなったことである。舞台の床面も新しくなりダンスにも対応している。さらに舞台はボタン操作で3段階の高さを造り出すこともできる仕組みである。
 客席の椅子も旧来のモノよりも幅広くユッタリと座れるようになった。座席数が1500から1100近くに減らされているものの天井部が高く広げられたせいか減少感は感じられない。

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天井裏
 ホールの音響、照明施設も最新のものに一新された。ジェット旅客機のコックピットのような天井裏の操作ルームに入ってみて、これまでの旧式の機器との機能の違いに改めて驚きを感じたものである。新装オープンまで1ヶ月ほどしかないが、その間に機器の操作を完全マスターしなくてはならない担当職員に対して同情を禁じ得ない。

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 天井裏から右側の2階ロイヤル席(?)に歩を進めてみた。これまで2階席は舞台に対して直角に座席が設けられており、大変見にくいものであった。今回は座席そのものが舞台の方向に向けて設置されており、改善の跡が感じられる。しかしあくまで改築であるため完全に死角が無くなった訳でなく、この点が今後の課題かもしれない。オペラなどはぜひこの席から観たいものである。

会議棟とリハーサル棟
 会議棟はこれまでより会議に使える部屋数が増え内装も一新されている。中心市街地で市民ホームの新築の要望もあるが、ぜひ新しくなった会議棟を御利用頂きたいものである。

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 リハーサル棟のホールの床張りも一新されており、これまでダンスのリハーサルが難しいと言われていたが、今後はダンスパーティーの使用も可能であるということである。また、狭くて施設的にも不評であった楽屋裏も一新された。個室はシャワー・トイレ付きで簡易ベッドも備えたものとなり、大部屋も広く使い勝手の良いものとなっている。
 50年前に先人が感じた満足感と同じような思いを一人でも多くの市民、利用者に感じて頂きたいと思っている。

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岡崎市民会館リニューアル記念式典 (2016.10.20)

岡崎市民会館の今後と、新文化会館について (2013.02.06)

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