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2016年9月

2016年9月28日 (水)

平成28年9月議会 その2(一般質問答弁、閉会市長挨拶)

岡崎市議会・平成28年9月定例会

 「9月議会」その2です。一般質問に対して私が行った答弁および閉会市長挨拶を掲載します。一般質問では、加藤学議員、鈴木英樹議員、村越恵子議員、野村康治議員、簗瀬太議員の5名の方にお答えしました。


加藤学議員(民政クラブ) 8月23日(火)
加藤学議員(民政クラブ) ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の推進における、本市の目指す女性活躍とは?

○市長 女性の活躍の中には、企業で就労する女性の活躍だけでなく、自営や家庭での育児や介護における活躍も当然含まれます。究極的には男女それぞれ性別に関係なく職場、家庭生活、地域活動など、あらゆる場ですべての人が互いに尊重し合い、自分の意志で自分らしく輝ける道を共に歩むことのできる社会を推進してまいりたいと考えております。
 しかし現在の状況においては、特に就業に関して男性に比べると女性は様々な要因で離職しやすく、再就職が困難な社会構造になっています。また、市民の意識の中にも未だに女性の活躍を肯定しづらい考え方もあるようです。
 社会生活では様々な局面がありますが、まず就業面において女性だけが子育て、介護のために会社を辞めたり休むのではなく、男女がともに考え、それぞれの個性や能力を生かし、働きたい人が健康でやりがいや充実感を持って働ける、そして自分の仕事に自信を持って責任を果たすことができる社会の実現を目指してまいりたいと考えております。
 本年度から、特定事業主である本市も率先して「育児支援面談」を導入し、職員やその配偶者が出産を控えているときには安心して出産や育児に係る支援制度を利用できる職場風土づくりを目指しているところであります。

鈴木英樹議員(民政クラブ) 8月23日(火)
鈴木英樹議員(民政クラブ) シビックコア地区整備事業について、今後のスケジュールと施設内容及び災害協定の締結の取り組みをお聞かせ下さい。

○市長 シビックコア地区交流拠点事業につきましては、今年の2月に優先交渉権者が決定し、現在、施設の内容や運営などの事業計画について協議を行っております。この事業については、これまで市の広報、私のブログや市民対話集会、タウン誌などでもその一端を紹介し、JR岡崎駅周辺の活性化の起爆剤として、私自身大いに楽しみにしているところであります。
 今後のスケジュールでありますが、現時点で駐輪場は平成29年7月頃、商業施設は平成29年12月頃の供用開始を予定しております。

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 商業施設は、オープンキッチン付きコンベンションホールを中心にカフェやギャラリーを有し、西三河地方で初となる宿泊機能付きレストランである、いわゆる本格的なオールベージュも備えた複合施設となる予定です。「回遊性」と「賑わい」のあるまちづくりに寄与するものと期待しております。
 駐輪場は、従前の駐車台数を確保し、防犯性・利便性に優れた有料の2階建て屋内駐輪場を整備する予定であります。
 なお、この複合施設は噴水付の公演機能も併せ持っており、南部における新たな賑わいの拠点となることも期待しております。
 ところで本市では、南海トラフ地震が発生した場合、JR岡崎駅で1,000人以上の方が帰宅困難者になると想定しております。災害時の帰宅困難者支援として、事業者より一時滞在場所と食糧を提供していただく提案を受けております。帰宅困難者対策を充実させるためにも、ぜひ災害協定の締結に向けて進めてまいりたいと考えております。

村越恵子議員(公明党) 8月24日(水)
村越恵子議員(公明党) 防災・減災対策の推進について。
緊急輸送道路等の市町村を越えた広域ネットワークについてお聞かせ下さい。

○市長 まずはじめに、このたび後進の方に道を譲られ御勇退の決意を固められた村越議員長年の議員活動、議会活動に対しまして、心から敬意と感謝を申し上げます。
 村越議員には、これまで一般質問等におきまして、阪神淡路大震災の被災者の経験と教訓、情報化のノウハウを生かした西宮式被災者支援システム、Wi-Fiによる災害情報の提供、防災会議委員への女性登用など、数々の御提言をいただきました。これらはいずれも導入に至りまして、災害対策の向上につながりましたことに深く感謝申し上げます。

 今回は緊急輸送道路の広域ネットワーク化のついての御質問でありますが、西三河9市1町で構成する、西三河防災減災連携研究会では、今年1月、名古屋大学減災連携研究センターの御協力により各市町の副市長・副町長を始め、中部地方整備局及び愛知県の道路管理者、そしてライフライン事業者及び地域大手企業の参加のもと、南海トラフ地震発生時の被害想定と広域連携の必要性などをテーマに意見交換を行いました。
 この中で、市町(しまち)単位で指定している緊急輸送道路や優先啓開(けいかい)道路が、自治体境界部で不接合となっていることが明らかになりました。
 大規模災害発生時には、被災者の救援活動や緊急物資の輸送、また、市民の生活支援やライフラインの復旧及び産業の再立ち上げなど、早期復興を図る上で道路機能の維持は何よりも重要であります。特に本市の中央総合公園は、広域防災活動拠点として活動要員の集結基地、緊急物資の配給基地等に使用され、ここを起点として西三河各地に人や物資が移動することにもなります。
 このワークショップにおいて、広域にわたる道路ネットワーク構築の重要性を各市町の共通認識といたしました。そこで来年1月には、再度名古屋大学の御協力のもと、国・県・各市町の防災部門や道路維持担当部署のほか、ライフライン等地域企業の防災担当部署によるワークショップを実施することとし、災害時の道路ネットワークの広域化を始め、道路啓開や通行規制などの手法に関しても検討を進めてまいります。

野村康治議員(自民清風会) 8月24日(水)
野村康治議員(自民清風会) 大学病院建設について。
市の財政支援策の検討状況は?

○市長 まずは、このたび御勇退を決意されました野村議員の長年にわたる議員活動、議会活動に対し心からの敬意と感謝を申し上げます。
 先の6月議会では、学校法人藤田学園が大学病院の構想や設計を進めていることや、その設計が概ね固まる年内にも「病床整備計画」の提出があるとの見通しをお話ししました。
 平成27年3月に締結をした藤田学園との協定におきまして、「市の財政支援策は病床整備計画の提出時期に合わせて検討する」とのお約束をしておりますので、市の財政支援につきましては今まさに詰めの作業を行っている最中であります。そういった状況を踏まえて、現時点における検討の一端をお話させていただきます。
 まず、大学病院の建設に対する補助金の対象についてですが、先の協定にも記載しましたとおり、
「病棟の建設費と医療機器の購入費のうち、緊急医療体制の整備のために要した費用について市が財政的な支援を行う」
 との基本的な考えに変更はありません。
 次に補助金の額についてでありますが、目下、「岡崎市と幸田町を合わせて、総額50億円を補助金の上限額とする」ことで最終的な検討に入っております。
 上限額を50億円とする理由でありますが、この補助金が緊急医療体制の整備に要する費用に対するものであるという趣旨に基づきまして、400床規模の総合病院の標準的な建設費を試算し、その上で救急医療体制の整備に要する費用が、概ね50億円程度に上るとの市の試算結果によるものであります。

大学病院の建設に関する支援方針(改訂版素案)の概要

大学病院の建設に関する支援方針(改訂版素案)の概要

 これまで大学病院に関することは、市議会での質問をはじめ進捗状況を市のホームページで逐一公表するなど、取り組みの「見える化」に努めてまいりました。市の財政支援策につきましても、具体的な内容を固め次第、速やかに「市の方針」として公表し、市民の皆さまにお示ししたいと考えています。また、藤田学園の手続きが順調に進めば、本年12月市議会において「補助金交付条例」を提出し、議会の皆さまの御理解を得た後に大学病院への財政支援を実行に移してまいりたいと考えております。
 引き続き、大学病院の建設推進に向けて、市民の皆様、市議会の皆様の御理解・御協力をお願いするところであります。

簗瀬太議員(自民清風会) 8月25日(木)
簗瀬太議員(自民清風会) リノベーションまちづくりについて、今年度の取り組み内容をお聞かせ下さい。また、その事業のねらいや方向性をお示し下さい。

○市長 今年6月に発表されました「岡崎家守(やもり)構想」は、江戸城下町の管理運営方式であった「家守」のシステムを本市の中心市街地の活性化に応用しようというもので、私も非常に関心を寄せている民間主体の取り組みであります。
 今月に開催された第1回目のシンポジウムを皮切りに、9月14日には2回目のシンポジウムを開催し、さらには10月21日から23日の日程で第2回目のリノベーションスクールが計画されております。

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 もともと「空き店舗」対策として始まったこの事業ですが、魅力的なサービスを提供する個別の「店舗」から「通り」へ、そして「商店街エリア」へと賑わいを広げていくための最初の店舗づくりが当初のねらいでありました。しかし、この「リノベーションまちづくり」を始めてみて、行政側の意識改革はもちろんですが、このまちづくりに関わる、「事業オーナー」「不動産オーナー」、それを繋(つな)ぐ「家守」、またこのまちを利用する市民など、すべての関係者が純粋にこのまちを『魅力的なまちにしたい!』『魅力的なまちを利用してみたい!』という思いをもっていただくことが大切であるとの認識を新たにしたところであります。
 現在、籠田公園周辺で展開されている「リノベーションまちづくり」の勢いを周辺にも波及させ、いわゆる「老舗」と言われる既存商店との融和も図りながら、多様な店舗が集積するエリアとしての価値及び回遊性の向上につなげていきたいと考えています。
 今後の方向性についてですが、「家守」の存在は重要でありまして、「不動産オーナー」と「事業オーナー」との橋渡し役を担う「家守」が事業として展開していけるようにする必要があります。市としては、啓発活動、遊休不動産の洗い出し、また家守塾やスクールの開催等を継続して行うことで「家守」がまちの空きスペースを一つずつ埋めて、にぎわいを創出する動きを進めていけるよう支援してまいります。
 幸いリバーフロント計画の順調な進展により、このエリアの資産価値も上がりつつあります。このところ頻繁に「この地域限定で土地を探しております」とか「今が売り時です。ぜひ御相談下さい」といった不動産広告も増えてきております。そんなチラシがときどき私のボロ屋にも投げ込まれており、昨今の回復傾向のようなものを感じております。
 私からは以上であります。

閉会市長挨拶 9月23日(金)
 閉会にあたりまして、私からもご挨拶を申し上げます。
 このたびの9月定例市議会に提案をいたしました議案につきましては慎重なご審議を賜り、ご議決をいただきまして誠にありがとうございました。決定されました議案の執行にあたりましては、厳正・公正な執行に努めてまいる所存であります。
 皆様方におかれましては、ますますご自愛の上、市政進展のためにご尽力をいただきますようお願いを申し上げます。
 さて、この9月定例会をもちまして、皆様方は私も含め任期4年間の区切りとなります。議員各位におかれましては、市民の代表としての重責を全うされるとともに、市政発展のためにご尽力をいただきました。そして、これまで着実な市政運営を進めることができましたのも、議員の皆様との建設的な議論の積み重ねの結果であると深く敬意を表する次第であります。
 今期を最後にご勇退される小野政明議員、野村康治議員、竹下寅生議員、村越恵子議員の4名の方々におかれましては、市議会の議席を離れられましても、在任中と変わることなく市政に対してお力添えを賜りますようお願い申し上げ、簡単ではありますが、ご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

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2016年9月25日 (日)

平成28年9月議会 その1(市長提案説明)

岡崎市議会・平成28年9月定例会

 いよいよ4年間の任期も終了間際となり、8月23日(火)に9月議会の初日を迎えることとなりました。以下は本会議で私が行った市長提案説明です。


パラリンピックに山本萌恵子選手が出場
 9月定例会の開催に当たりまして、所信の一端を申し上げますとともに、提案しております議案の大要につきましてご説明申し上げます。
 去る7月1日には、皆様のご協力により市制施行100周年の記念式典を盛大に開催することができました。まずもって御礼を申し上げます。式典後には他市の市長さんから「岡崎は地元の子供達や岡崎出身の人材だけで、これだけの催しができてうらやましい」と言われ、大変うれしく思った次第であります。
 翌2日、3日に開催いたしました「おかざき100年祭」におきましても、多くの方々にご来場いただきました。ことにディズニーのパレードは子供達の記憶に残る楽しいひと時であったと思っております。100周年記念事業は来年3月まで続きますので、引き続きのご協力をお願い申し上げます。
 また、8月5日からブラジルのリオデジャネイロで開催されていたオリンピックでは、期間中、連日にわたり日本人選手の活躍が伝えられ、国民の多くがそのひたむきさや情熱に大きな感動を覚え元気づけられたのではないかと思います。

山本萌恵子さん

 9月7日からはパラリンピックも開催され、本市在住の山本萌恵子(もえこ)選手が陸上競技に出場されます。市内在住の方でパラリンピック出場は初めてのことであり、大変喜ばしいことであります。体調に気を付けて、今までの練習の成果が十分発揮できるようがんばっていただきたいと思います。

愛知県・岡崎市総合防災訓練
 さて、今年は例年と比較して台風の発生も少なく、本市においては幸いにも局地的な豪雨による浸水や土砂災害などの大きな被害は出ておりません。しかし4月には震度7の熊本地震が、6月には北海道で震度6の地震が起きるなど、地震による災害はいつどこで発生するかわかりません。日頃から災害への認識を持ち備えることが万が一発生した時の被害の軽減にもつながり、重要なことであることは言うまでもありません。
 本市におきましても南海トラフ地震の発生が懸念される中、その被害を最小限にとどめるため、官民一体となった備えをしておく必要があります。
 今週末の8月28日には18年ぶりに愛知県との合同による総合防災訓練を開催し、警察、消防、自衛隊や民間の防災期間とともに大規模な実働訓練を行ってまいります。

愛知県・岡崎市総合防災訓練

 広域防災拠点である中央総合公園をメイン会場とし、緊急輸送道路の確保や野球場の一部を駅と仮定した集団災害事故の対応訓練などを行います。サブ会場の根石小学校では地域住民による避難所の開設運営訓練を行うほか、名鉄東岡崎駅周辺では帰宅困難者への避難誘導などの支援訓練を実施してまいります。
 また、中央総合公園武道館において、小中学生による防災フォーラムの開催や避難所運営ゲームの実施など、子供達自身が防災について考え、意識を高める啓発なども行ってまいります。
 このような機会を通じまして、災害発生時における関係機関との連携体制の確認や強化をし、災害への対応力の向上を図ってまいります。

おとがワ!ンダーランド、泰平の祈り
 次にまちづくりについてであります。
「かわまちづくり」と「歴史まちづくり」という二つの事業が国から認定を頂いたことで、本市独自の河川空間と歴史文化遺産を活用したまちづくりは、今や全国から注目される取組みとなっております。さらに、まちづくりのテーマやアイデアが優良である計画に与えられる「まちづくりシナリオ賞」を受賞し、乙川リバーフロント地区整備計画では現在、市民ワークショップにおいて「おとがワ!ンダーランド」と名付けられた新しい試みに取り組んでおります。

おとがワ!ンダーランド

 7月19日から9月4日までの期間、民間事業者を中心に水辺空間を活用した様々な企画を実施しており、先週末の20日からは水上ライブ、オープンカフェ、キャンプなど34のプログラムが展開されております。民間の事業活動と連携し、まちに賑わいをもたらす新しい取組みや活動を通じて楽しみながら市民自らがまちを魅力的な場所に変えていくことで、今後のまちづくりについて考えていくきっかけづくりになるものと考えております。
 また、昨年12月26日の「家康公生誕祭」と合わせて行い、大変好評であった「泰平の祈り」を今年は9月24日に開催いたします。今回は市民の民間団体や大学などと連携し、運営にも参画していただきます。そして同時に開催する4つのイベントも企画していただいております。中部地区最大級の光の祭典を市民の皆様に大いに楽しんでいただきたいと思います。
 このように乙川を中心とした「かわまちづくり」を広く知っていただけるよう取り組んでまいりますので、ご期待下さい。

あいちトリンエナーレ2016
 続いて、国内最大級の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2016」が8月11日から開催されております。「旅」をテーマに世界38の国と地域から多彩なジャンルの100組以上のアーティストによる現代アート作品が、本市を始め名古屋市、豊橋市の各会場で展示されております。

あいちトリエンナーレ2016

あいちトリエンナーレ2016(岡崎シビコ6階)

 本市は前回の2013年に引き続き2回目の開催であり、東岡崎駅や康生地区、岡崎公園などで国内外17組のアーティストの作品が展示されております。本市の魅力を感じていただく関連企画として、現代アート作品の鑑賞と、古き良き歴史文化の息吹を感じるここ岡崎でのまち歩きを同時に楽しんでいただけるツアーを企画しております。
 また会期中、乙川では船を運航しておりますので、トリエンナーレのチケットがあれば水辺の景観を楽しみながら快適に移動していただけます。そのほかでは岡崎シビコ1階では、会期中の土曜日、日曜日は「味噌スープ」でのおもてなしも行っております。
 10月23日までの開催となっております。世界最先端の美術、映像、音楽などを体感できる絶好の機会でありますので、ぜひ会場に足を運んでいただきたいと思います。

決算議案の概要(一般会計)
 本定例会には、平成27年度の一般会計、特別会計及び企業会計の決算認定議案を監査委員の意見を付けて提出しております。その概要をご説明させていただきます。
 はじめに一般会計の決算の概要であります。
 一般会計の決算規模は、歳入は約1,236億円、歳出は約1,183億円と、歳入歳出ともに前年度を約6%上回りました。純剰余金は約47億円と、前年度と比べ約4億円の増加となっております。この純剰余金のうち30億円は今後の財源需要に備え財政調整期金へ積み立てております。
 歳入は、景気の緩やかな回復によりまして、市民税、固定資産税などの市税が前年度と比べ約3億円の増収で過去3番目の決算額となっております。また、消費税率の引上げに伴う地方消費税交付金、各種事業の着実な推進を図るための基金からの繰入金、建設事業費の財源であります市債も増加となっております。
 歳出は、昨年9月に供用開始いたしました東部学校給食センター建設事業費、今年10月にリニューアルオープンいたします市民会館の整備事業費、本市の誇るべき自然景観であります乙川を中心とした新しいまちづくりを進めております乙川リバーフロント地区整備事業費などが増加となっております。そのほか、南部地域への総合病院誘致のための基金への積み立て等が増加となっております。
 先に触れました事業のほか、床上浸水対策事業として、平成21年度から進めてまいりました占部川の改修事業が完了いたしました。また百々保育園の建て替え、放課後対策として児童育成センターの増設、不投稿の児童生徒への支援体制充実のための教育相談センターの開設など、子育てや教育の環境整備も行ってまいりました。

決算議案の概要(特別会計・企業会計)
 次に特別会計であります。
 11会計の決算合計は、歳入は約651億円、歳出は642億円で、純剰余金は約9億円で、前年度と比べ約31%の増加となっております。
 最後に企業会計であります。
 病院事業会計は、外来患者数は増加となりましたが、入院患者数は減少し病床利用率は81.9%となりました。外来収益の増加や前年度の会計基準の見直しによる特別損失の減少などにより、約1億6,000万円の純利益となりました。
 水道事業会計は、他会計の負担金の増加や減価償却費の増加などがあるものの支払利息の減少などにより約4億8,000万円の純利益となりました。給水戸数及び給水人口ともに増加し、下水道の普及率は87.7%となりました。
 以上、災害対策、福祉、医療、教育などの基本施策の実施はもちろんのこと、家康公顕彰四百年記念事業の実施、本市固有の歴史文化遺産や豊かな自然環境など、地域資源を活用した「まちづくり」にも取り組み、次の100年を見据えた「夢ある新しい岡崎」に前進できたものと考えております。

条例議案
 制定条例は、岡崎市立幼稚園3園を幼保連携型認定こども園に移行するための「岡崎市立幼保連携型認定こども園条例」の1件であります。
 廃止条例は、いちょうの家の一部として転用するために施設を廃止する「岡崎市母子・父子福祉センター条例」の1件であります。
 改正条例は、コンビニエンスストア等において印鑑登録証明書及び住民票の写しを交付するサービスを導入するための「岡崎市印鑑登録条例及び岡崎市手数料条例」、無縁墓地等の整理をするために墓地の利用権の消滅に関する規定を追加する「岡崎市墓園条例」、幼保連携型認定こども園に移行するために幼稚園を廃止する「岡崎市立学校設置条例」などの5件であります。
 その他議案といたしましては、老朽化の進む額田支所周辺の施設をひとつに集約し、額田地区の中心にふさわしい市民交流・地域防災の拠点施設を建設する額田支所改築工事の「工事請負契約議案」、JR岡崎駅周辺地区の活性化を図るため、民間事業者を活用し、にぎわいと人の交流を生み出す誘導施設と駐輪場の整備用地を貸し付ける「財産の無償貸付け及び減額貸付け議案」、岡崎真伝特定土地区画整理事業により新たな町名を定める「町の区域の設定及び字(あざ)の区域の変更議案」など5件を提案させていただいております。

補正予算議案
 補正予算議案につきましては、以下の増額補正及び債務負担行為の追加をお願いしております。

一般会計 10億6,613万1千円の増額
特別会計 5億9,783万5千円の増額
企業会計 1,010万  円の増額

 はじめに一般会計であります。
 総務費は、10月オープンを予定しております市民会館の改修工事請負費などの減額を、民生費は高齢者福祉施設を整備する事業者の整備手法の変更に伴う補助金の減額などをしております。
 商工費は、当初の見込みを上回る寄附の申し出に伴う家康公観光振興基金積立金の増額、土木費は、破損した橋りょうの復旧工事費の計上や、市営住宅の建替えを行うための土地購入費などを計上しております。
 教育費は、寄附に伴う図書館の図書及び備品購入費の計上、岡崎城跡菅生川端石垣についての調査委託料の計上などをしております。
 次に特別会計(3会計)であります。
 いずれの会計も、主に前年度決算が確定したことに伴いまして、補正を行うものであります。
 国民健康保険事業特別会計の事業勘定では、国民健康保険制度の広域化準備に係るシステム改修経費及び療養給付費等の精算に伴う返還金の計上など、後期高齢者医療特別会計は、広域連合へ保険料等負担金の過年度分精算のための増額補正であります。
 介護保険特別会計では、介護給付費等の確定に伴う国、県等への返還金の計上や、決算剰余金を基金へ積み立てるための補正などであります。
 最後に企業会計(2会計)であります。
 病院事業会計は、医事業務及び給食業務に要する経費を債務負担行為としてお願いしております。
 水道事業会計は、JR岡崎駅周辺の道路拡幅による水道管布設替工事費の増額補正などであります。

市民会館のリニューアルオープン
 昨年より行っております市民会館がいよいよ10月にリニューアルオープンを迎えます。
 これまで公共施設と言うと、老朽化に伴い新しい施設への建替えという発想が主流でありました。しかし、現在自治体に求められている公共施設やマネジメントや、市の伝統あるランドマークとして親しまれてきた施設を、引き続き多くの市民の思い出と共に子供達の世代でも文化を育む施設として継承する、という観点から改修を行ったものであります。
 これは、今後、全国的に課題となってきます戦後に建設された文化施設の建替えについての在り方を考え直す、先進性のある取り組みと自負しております。今回の改修によりまして、バリアフリーへの対応はもちろんでありますが、舞台の拡張や音響設備の充実、客席の刷新などで、より迫力ある舞台をゆったりと落ち着いた環境の中で楽しんでいただけるようになります。
 市民会館は、市制施行50周年の記念事業の一つとして建設された多目的ホールでありました。当時、冷暖房、照明や舞台装置を完備した大ホールは話題となったものであります。
 市制施行100周年の今年度にリニューアルオープンすることで、引き続き岡崎の文化芸術の拠点としてより一層市民の皆様に親しんでいただける施設となることを期待しております。オープン初日の10月1日に記念式典を、2日には岡崎文化協会の皆様にご協力いただき、こけら落とし公演を予定しております。

松竹大歌舞伎(岡崎市民会館大ホール)

松竹大歌舞伎(岡崎市民会館大ホール)

 その後も松竹大歌舞伎、市民参加による吉本新喜劇の公演、そして岡崎市民クラシックコンサートやNHK「のど自慢」など、多くの公演を予定しております。新しくなりました市民会館にぜひ足を運んでいただければと思っております。

 以上、ご説明を申し上げますとともに今回提出しております諸議案につきまして、よろしくご審議の上ご議決を賜りますようお願い申し上げまして、説明を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。 (つづく

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2016年9月22日 (木)

『リバ!』2016年10月号

『リバ!』2016年10月号

内田康宏事務所より、『リバ!』2016年10月号発行のお知らせをいたします。
市長の連載コラムは「リノベーションまちづくり・家守の会」です。

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2016年9月18日 (日)

愛知県・岡崎市総合防災訓練

愛知県・岡崎市総合防災訓練

 8月28日(日)、県・市合同による大がかりな総合防災訓練が開催された。岡崎市で行われる県の防災訓練としては実に18年ぶりとなる。当日、総参加者は5,200人、訓練参加者は99機関、3,200人であった。岡崎中央総合公園をメイン会場とし、根石小学校と東岡崎駅周辺がそれぞれサブ会場に選ばれた。当日の私の行動順にしたがって書いてみたい。

岡崎市立根石小学校(サブ会場)
 朝8時、根石小学校において大村愛知県知事の到着を待ち、共に炊き出し中の主婦の皆様をねぎらい、地震体験車の体験、避難訓練中の皆様からの意見の拝聴などを行った。
 ここで行われた避難所開設運営訓練は、毎年市内各地で行っていることであるが、地元の皆さんのテキパキした災害対応訓練の様子に、地域の安心安全を守る強い決意が現れているようで頼もしく思った次第である。

愛知県・岡崎市総合防災訓練

大村秀章知事、青山周平衆議院議員、新海正春県議、内田康宏、市民のみなさま

東岡崎駅周辺(サブ会場)
 朝9時、東岡崎駅に到着。大災害時には3万人を越えると想定される帰宅困難者対策が今回の新たな課題として取り上げられている。自然科学研究機構との「大規模災害時等における帰宅困難者支援施設の使用に関する協定」の締結に基づく実地訓練が三島学区の皆さんの御協力のもとに行われたことは大きな成果である。併せて御協力頂いた岡崎警察署、名古屋鉄道関係の方々、消防団、民間企業の皆様にも御礼申し上げます。

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 東岡崎駅と言えば、老朽化した岡ビルの様子が大変気にかかるものである。民間企業の経営方針に関して公共として指図する訳にもいかないが、今後周辺の変化する中、唯一取り残された形となる施設に対しなんらかの対応が行われることを期待している。
 これから駅周辺整備が進行する中で、ペデストリアンデッキが完成した暁には、非常時における屋年のある空間としてデッキ下の空間を合理的に活用してゆきたい。

岡崎公園河川緑地
 その後乙川河畔に向かった。大村知事に菅生川端石垣の様子を見て頂いた後、ヘリコプターに乗り中央総合公園へ飛んだ。

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 思えば昭和38年(1963年)には、本市の市制50周年を記念して再開発中の市街地の空き地、岡崎公園等で〝花と産業科学大博覧会(岡崎博)〟が開催された。その折この乙川河畔においては自衛隊の模擬演習が行われ、花火大会と同じ空間にヘリコプターが飛び、戦車が走り、完全武装の自衛官が演習を行った。それを殿橋や河川堤防上から多くの市民が見学していたことを覚えている。当時小学生であった私達ワンパク坊主は事後、川の中に落ちた薬莢(やっきょう)を拾い集めて友達に自慢したりしたものである(地上の薬莢は今も昔も自衛隊員が回収している)。

岡崎中央総合公園(メイン会場)
 知事と共に搭乗したヘリコプターは市の中心部を旋回しながら無事、メイン会場である中総の運動広場に到着する。草原と違い、土の着陸地は土ぼこりが尋常ではなく口も目も開けてはいられなかった。
 すぐに本部テントへ向かい、知事と共に国土交通省中部地方整備局の災害対策本部長(名古屋)とのテレビ会議を行い、会場の巡視に移った。
 中総では実働訓練、防災啓発、防災フォーラム、中学生代表によるHUG訓練等が行われた。訓練とはいえ、現実に即した対応訓練ばかりであり、ことに医師会による負傷者手当て、模擬手術の様子は生々しかった。歯科医師会による遺体の歯のデータ収集、遺体バッグに遺体を収め棺桶に納棺するまでの展示は、改めて大規模災害の恐ろしさを私達に知らしめていた。

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 防災啓発会場では、各業界、団体、ボランティアにおけるそれぞれの防災対策、事後対応、そして市民への啓発が目で見て分かるようにアピールされていた。中学生代表による災害時のケース・スタディ型の学習が行われていたが、これは大人にも必要なことであろうと思われた。
 その後、閉会式を迎えることとなった。この度、県市合同による総合防災訓練が事故も無く終了できたことに対し、関係者並びに御協力を頂いた皆様方に改めて感謝申し上げたい。

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―終了時の講評あいさつ―
『本日は多数の防災関係機関団体の参画を得て、盛大かつ実践的な総合防災訓練が実施できましたことに、深く感謝を申し上げます。
 この岡崎中央総合公園は県市の広域防災活動拠点として位置付けられていましたが、昨年3月には新たに国の広域物資輸送拠点に指定されました。南海トラフ巨大地震が予想された規模で発生した場合、その被害は死者32万3千人、建物の全壊・焼失238棟にのぼると想定されます。こうした大規模災害が発生した際には、中央総合公園は岡崎市域のみならず、西三河、県、東海地方等の広範な活動拠点となることになります。
 各機関が見事に連携されました本日の訓練は、必ずや愛知県の防災力の強化に繋がるものと確信しております。私達は災害の発生そのものを防ぐことはできませんが、日頃からの十分な備えによりまして被害を最小限に留めることができます。
 この防災訓練が減災の起点となりますことを祈念申し上げ、ご挨拶とさせて頂きます。本日は本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。』

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2016年9月13日 (火)

シン・ゴジラに見る危機管理

GODZILLA

 「秋に選挙を控えて何が映画だ!」とお叱りを受けそうだが、正月に次男と約束したことでもあり、8月16日の夜、最終のレイトショー(9:30PM、1000円です)を利用して、話題の『シン・ゴジラ』を観てきた。
 新作のゴジラは長らく続いていた、ゴジラが他の怪獣と戦うという子供向きのものではなく、第一作のゴジラの内容を現代に焼き直したような、文明批判を含んだものでもあった。

 はじまりは、得体の知れない怪現象の原因となる物体として描かれており、生物というよりその存在の無機質性(ロボット的)なところが目についた。幼体のゴジラは目がぬいぐるみの目のようであり、コッケイであった。東京湾で続発する原因不明の事故、海底トンネルの浸水、船の沈没などに対する政府の危機管理対策からストーリーは始まる。
 今回の映画の特徴はリアリズムに基礎を置いた点にある。現実の日本の行政機構と法体系の中で、何ができて何ができないかという問題が次々にあぶり出される。国防・防災の要諦は「想定外の現実に対して、いかに迅速、かつ適確に対応できるか」ということに尽きると思う。想定されていることには準備ができ、対応もできる。防災、防衛問題のシミュレーションとして参考になった。
 2001年の9・11の折、ブッシュ大統領は小学校の視察中であった。大統領は教室でハイジャック機のWTC(世界貿易センター)ビル突入の報を受けるが、茫然自失となり20分近く思考停止状態の様に見えた(マイケル・ムーア監督の『華氏911』で映像が確認できる)。他人のことを批判するのは簡単であるが、何か予想外のことが起きた時の咄嗟の判断、行動は訓練していない限り容易なことではない。

 映画の中では、動く原子力発電所とも言えるゴジラの活動に対して為すすべが無い。実際に自衛隊に配備され、装備されている兵器・武器によって対処するのであるが、無力であることが実証される。判断の誤りから、初期の段階において主要閣僚の乗ったヘリコプターが墜落してしまい、指揮系統の混乱を招くこととなる。今年の8月、防衛大臣に女性が就任したが、映画も現実と同じく女性であることも面白い。
 優柔不断な臨時内閣に対し、米露中などの大国から、ゴジラ問題を日本国内にとどめるために核兵器を使用するよう圧力がかかる。東京に核攻撃を行うに当たり、「米国はたとえ場所がニューヨークやワシントンであっても同じ判断をするだろう」という台詞はいかにもアメリカらしいと思った。危機管理能力を問われる臨時総理(演じるのは、今年岡崎市の市民栄誉賞を受賞された平泉成さん)の迷い、事後処理と外国からの復興支援までを考える為政者の思惑など、様々な現実的政治の要素をちりばめながら物語は進んでゆく。
 科学者の分析により、ゴジラは深海に不法投棄された核廃棄物に汚染されたものを吸収して、進化したモノであるらしいことが分かってくる。より巨大化し破壊活動を続けるゴジラに対し、最新兵器の数々も歯が立たない。まるで温度の上がった海水の影響と他の低気圧を吸収することにより巨大化する昨今の台風やハリケーンのようでもある。
 最後になってゴジラ対策の秘策を知る科学者が出現するのが映画らしいところと言える。途中までの不作為とは対照的に、終盤のゴジラ対策だけがスピーディーに進んでゆくのも不思議なことであるが、制限時間のある映画ではやむを得ないことだろう。

 防災を担う者はぜひ一見しておくべき映画であると思ったので、部長会の後、防災担当部長に「ヒマな時に一度見るように」と言っておいたところ、さっそく課長と連れ立って観劇に出かけたそうである。そこまでは言っていなかったのに報告レポートが提出されたので、その一部を紹介したい。

シンゴジラを視聴しまして
防災担当部長

考察

① ゴジラを巨大な災害に比喩しての、事実(災害対策基本法第105条に基づく「災害緊急事態の布告」、これに伴う緊急対策本部の設置といった実際の対策)に即した脚本であると感じた。放射能は原発災害、破壊された都市は首都直下型地震を彷彿とさせるものがあった。住民の避難誘導シーンでの「地震時の避難場所では無理だ」という警察官の言葉が印象的であった。

② 初動期における情報収集能力の重要性、想定外の事態に対する対処、また応急時における決断力、臨機応変に対応する能力や人物評価能力の重要性を改めて考えさせられた。

③ シンゴジラの「シン」は「神」、神の雷(いかずち)を表し、現代社会への戒めを象徴しているのではないかと感じた。

 念のため、映画は私費で観に行っている。改めて本市職員のまじめさと優秀さを知ったものである。

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2016年9月 9日 (金)

市民会館、まもなく再生!

岡崎市民会館

 岡崎市民会館は、市制50周年を記念して昭和42年(1967年)に建設された多目的ホールである。当時中学生であった私も、「ようやく岡崎市にも、大きな立派な建物ができた」と大人達が喜んでいたことを覚えている。以来、市民の文化活動の拠点施設として、あるいは様々な興行の舞台として広く親しまれてきた。
 そんな市民会館も、開館から50年もの時が経過し、施設、設備の老朽化と時代の変化に対する機能面の旧式化によって多くの課題を抱えることとなった。ことに音響面における使用者、観客からの不評、空調機の騒音、扉の密閉性の悪さ、旧式の音響・照明装置、観客席の座り心地等々、問題点は多岐にわたっていた。

 先の市政においては他所(よそ)に新文化会館を建設するという計画であったが、私の市政になってから「改修で対応する」ことに計画を変更し、議会と専門家の御協力を得て今回の再生プランが実施される運びとなった。旧・市民会館は基礎はしっかりしており耐震性も十分であることから、平成27年9月より改修工事を進め、ようやくこの度完工を迎え、10月1日にリニューアル・オープンの予定となった。
 新ホールの愛称は公募により、岡崎のイメージにあった「あおいホール」に決定したところである。

 リニューアル・オープンに先立ち、8月16日(火)午前、副市長並びに関係者によって新装相成った市民会館の視察を行った。当日は市民会館工事の完成を祝うかの如く、建築パースの絵と同様の素晴らしい青空であった。
 市民会館改装のコンセプトは旧館のイメージを残しながら、機能的でより使い勝手の良い施設にすることである。

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 これまで私達は、とかく古くなった建物を壊して、新しいものを造ることこそ正しいという思い込みの中で政策を進めることが多かったように思う。しかし、行政の仕事としては地方文化、伝統の継承ということも重要な要素であると考えるものである。欧米においては、古くなった建物であっても地域の顔としてなじみ深い施設やランドマークとして名のあるものを大切にし、後の世に残そうとすることが多い。「おじいさんやおばあさんが使った、お父さんやお母さんも使った、そして今僕達も使っている」――そういった施設を数々の思い出や歴史と共に保持してゆくことも大切である。
 私はそうした考えを4年前の選挙で訴えて市長に就任した。専門家の意見を聞き、調査を行い、議会の承認を得て今回の事業を推進し、実現することとなったわけである。以下、新しくなった市民会館の姿を個別に見て行こう。

外観と駐車場
 新装した市民会館の外観は格子を思わせる美しいデザインで統一され、随分スッキリとしたものとなっている。フル・フラット化された駐車場は高齢者や障害者、小さな子供にやさしい形状となっている。玄関を入ってすぐの雰囲気は旧館のイメージを残した親しみやすいものであり、壁とじゅうたんも明るい色調となっている。
 密閉性が高まった扉は少々重く感じるものの、隣には自動ドアが併設されており利便性は良くなっている。

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舞台
 大ホールは黒を基調とした壁面が落ち着き高級感を醸し出している。照明はこれまでより数と明度を高めたことで可動領域が広がり、舞台芸術にこだわる方達の要望にも十分応えられる仕様となっている。何よりも変わったと思うのは、舞台の深度が倍に広がりフル・オーケストラの演奏も十分なスペースとなったことである。舞台の床面も新しくなりダンスにも対応している。さらに舞台はボタン操作で3段階の高さを造り出すこともできる仕組みである。
 客席の椅子も旧来のモノよりも幅広くユッタリと座れるようになった。座席数が1500から1100近くに減らされているものの天井部が高く広げられたせいか減少感は感じられない。

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天井裏
 ホールの音響、照明施設も最新のものに一新された。ジェット旅客機のコックピットのような天井裏の操作ルームに入ってみて、これまでの旧式の機器との機能の違いに改めて驚きを感じたものである。新装オープンまで1ヶ月ほどしかないが、その間に機器の操作を完全マスターしなくてはならない担当職員に対して同情を禁じ得ない。

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 天井裏から右側の2階ロイヤル席(?)に歩を進めてみた。これまで2階席は舞台に対して直角に座席が設けられており、大変見にくいものであった。今回は座席そのものが舞台の方向に向けて設置されており、改善の跡が感じられる。しかしあくまで改築であるため完全に死角が無くなった訳でなく、この点が今後の課題かもしれない。オペラなどはぜひこの席から観たいものである。

会議棟とリハーサル棟
 会議棟はこれまでより会議に使える部屋数が増え内装も一新されている。中心市街地で市民ホームの新築の要望もあるが、ぜひ新しくなった会議棟を御利用頂きたいものである。

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 リハーサル棟のホールの床張りも一新されており、これまでダンスのリハーサルが難しいと言われていたが、今後はダンスパーティーの使用も可能であるということである。また、狭くて施設的にも不評であった楽屋裏も一新された。個室はシャワー・トイレ付きで簡易ベッドも備えたものとなり、大部屋も広く使い勝手の良いものとなっている。
 50年前に先人が感じた満足感と同じような思いを一人でも多くの市民、利用者に感じて頂きたいと思っている。

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岡崎市民会館リニューアル記念式典 (2016.10.20)

岡崎市民会館の今後と、新文化会館について (2013.02.06)

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2016年9月 5日 (月)

あいちトリエンナーレ2016始まる

あいちトリエンナーレ2016

 3年に一度、この愛知県で開催される国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」が第3回目を迎えた。今回は主会場の名古屋に加え、地方会場として岡崎と豊橋が選ばれ、こちらもトリプルということになった。岡崎市は前回も地方会場として参加しており、今回は市制100周年の記念の年でもあり連続して会場に立候補していた。

 思えば6年前の第1回トリエンナーレが神田真秋・前知事の提唱に基づき発表された時、県議会は喧々囂々(けんけんごうごう)の議論に包まれたものであった。既成の展覧会などと違い、革新的要素の強い現代アートは常識を超える点に一つの意味があり、必ずしも万民に理解されることが必要とされていないからである。
 しかし考えてみれば新しい芸術というのはいつも時代に先駆けたものであり、登場の折には「反社会的である」とか「卑猥である」とか「下らない」等、無理解による様々な批判を受け、多くの議論を巻き起こすのを常とする。
 第1回のトリエンナーレの実現に際しても同様の経緯があったが、県議会から外国で行われている他の現代アート展への視察も行われ、議会報告もなされた。なにげなく行われているかに見えるあいちトリエンナーレも、そうした先人達の議論と調査、準備の結果成し遂げられてきものである。
 これまで2回の経験を通じて一番の成果とであると思うことは、芸術という一種特殊領域に属すると思われてきたことをお祭り的に身近な存在に感じさせてくれたことである。ことに子供達に「これなら自分もできるかもしれない」と思わせるようになったことが一番大きいと思う。その成果はこれから10年、20年先に出てくることであり、こうした積み重ねがその地域、社会、その国の文化として蓄積されていくものであると考えるものだ。

 8月10日(水)、午後6時より行われた「あいちトリエンナーレ2016」のオープニングレセプションは大村知事の挨拶から始まった。そして文化庁の内丸文化部長の祝辞に続いて、港千尋(みなと ちひろ)芸術監督から「虹のキャラヴァンサライ開始」の挨拶が行われ、同時に開催3市・市長の登壇となった。

あいちトリエンナーレ2016

 開幕式として、私達も参加しての「光のキャラヴァン・ショー」を行うこととなったが、はじめは何をやらされるのか全くわかっていなかった。黒いハッピに白地で県章と各市の市章が染め抜かれ、さらにそれをLED電球によって発色アピールするという手の込んだものであった。なんとなくイナカのマイケル・ジャクソンのようで恥ずかしくもあったが、結構受けていたので「マァ、イイか!」と思ったものである。
 知事からは「これせっかく作ったから各市でそれぞれまたイベントで使ったらどうですか?」と言われているので、ひょっとしたら岡崎でも偽マイケルをやらされるのかもと、内心恐れているところである。

 今回はオープニングレセプションの前に名古屋会場の一部を視察することができた。それぞれ面白い展示があったが、全てを紹介することはできないため、愛知県芸術文化センター会場の二、三の作品について触れてみようと思う。

カワヤン・デ・ギア 「Trojan Horse」Aichitriennale201608106

 はじめに、入口の反対の出口に実物大の四体の黒馬の姿が見え、それが大変気になっていた。ブロンズ製かと思いながら近づいてみると、なんと古い映画のフィルムを筒状に巻いてホース状の部材(ホルン)とし、それを束ねて馬の像を形作っていたのである。HORSEだからホース状のフィルムを使ってシャレてるのかと思ったが、そうではなく、フィリピン国内で使用されたB級映画の膨大な量の35ミリフィルムを再利用して、聖書の「ヨハネの黙示録」の四騎士を表現しているとのことであった。台座の一部に人面形ののぞき窓があり、中にラブシーンを含む映画の一部が映写されていたのも面白かった。
 また10階の会場では、フロア一面に様々な鉱石の粉末(日本画の顔料)を使った鳥や花などを含む、手の込んだ絵模様が円形に何重も描かれた作品があり、不思議な空間が広がっていた。

大巻伸嗣 「Echoes-Infinity」

 床から壁、天井まで白い空間にこれだけの彩色の絵を描くのに20人以上の人手で一週間かかったという。それを「最後には靴で上を歩いてもらい、絵を壊してしまうことにより文明や芸術のはかなさを表現したい」ということである。
 そしてもう一つ面白かったのは、「イギリスに留学中に大英博物館から持ち出し、返却しなかった本」という展示があった。なんでも「かつて欧米の帝国主義国家が行ったことに対する〝お返し〟の意味、〝抗議〟が表現されている」ということであった。「ものごとは犯罪も理屈のつけ方次第で芸術になるものなのか」と考えさせられたものである。(もっとも左翼の論理というのは伝統的にこうしたものである。)
 いずれにしてもこうした様々な現代アートの試みに触発されて、一人でも多くの未来の芸術家達が生み出されることを期待するものである。


あいちトリエンナーレ2016・岡崎地区の紹介
名鉄東岡崎駅ビル
2階、3階
10:00~19:00
 8/24 (水)・25 (木)、9/14 (水)・28 (水)、10/12 (水)
岡崎シビコ
6階、屋上
10:00~19:00
 8/18 (木)、9/15 (木)、10/20 (木)
岡崎表屋2階、3階 同上
岡崎公園
多目的広場
10/1 (土)~16 (日) 11:00~17:00
ペンタルム・ルミナリウム
石原邸 10:00~19:00
 8/24 (水)・25 (木)、9/14 (水)・28 (水)、10/12 (水)
籠田公園 10/16 (日)まで 11:00~19:00
 8/18 (木)、9/15 (木)
松應寺 9/17 (土) 17:00のみ

岡崎シビコ1階

籠田公園

石原邸(岡崎市六供町)

乙川河川敷

 岡崎会場の詳しい情報はこちらへ。

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