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2016年7月18日 (月)

怪文書の季節来たる!

 選挙が近づいてくると、とかく様々な怪文書が出回るものである。そのほとんどは出所不明で、客観的視点に欠けた一方的情報に基づくモノであり、人の情感に訴えるデマ文書であることが多い。
 通常は選挙の一年くらい前から数回にわたり出されるものだが、今回は4ヶ月前の6月に出て来た。季節外れのユーレイの感がある。
 その内容はと言えば、「岡崎市がこれから推進する事業において、入札を前に、市長と某・特定業者との間ですでに入札決定の話がついている」というものである。
 しかしどうせ怪文書を出すならば、もう少し勉強してストーリー性と信憑性のあるお話を作って、なるほどと思うレベルのものを書いてほしいものである。設定があまりに古めかしく幼稚な手法であり、懐かしくて涙が出そうであった。

 まず私が裏約束をしているという業者であるが、人脈的関係、地理的条件から言っても、私の対抗勢力と目されるグループに近い会社である(だからと言ってその会社が差別待遇されている訳ではない)。
 現在、岡崎市における入札制度は、外部の有識者で組織する「入札監視委員会」という独立した組織のほか、「入札参加者審査委員会」、そして担当部局の三者により、ルールに則って公明正大に執行されている。私も前市長に倣(なら)って、個別入札に口をはさむようなことはしないし、各業者からの入札に関する陳情は一切受け付けないようにしている。業界からの要望については、各業界の総会でまとめた案件を代表の方々が提出にみえた時に、副市長、部長、担当課長らと一緒にお話を伺うというシステムをとっている。
 また、私はあいにく下戸であり、全く酒をたしなまないし、無用の外食も好まないため(家族での外食も好きではない)、業界の総会におけるパーティーに出席するとき以外、個別の業者の酒宴の接待を受けることはない。自宅で晩酌もやらないような人間であるから、個人で夜の巷を歩き回ることも皆無である。どちらかと言えば、おいしいコーヒーとケーキを好む方である。この際、酒造業界並びに飲食店の皆様にはその点をお詫び申し上げたい。

 それから怪文書と言えば、かつて私の県会議員時代、選挙の半年くらい前に一枚の写真が送られて来たことがある。写真に写っていたのは、〝ある候補者が、ユカタのはだけた芸者さんをヒザの上に乗せ、その胸元に手を差し入れている〟ものであった。
 その時も差出人は不明であった。写真一枚あるだけで何の手紙も付してはなかった。意味するところは「これを選挙の裏対策(怪文書)に使え」ということであろうと思う。しかし、こうした類のモノは危険がいっぱいである。
 仮に怪文書を作ったとしても、配布に人を使えばそこから出所は発覚するものである(たとえ写真が本物であっても名誉毀損で訴えられる)。郵送配布にすれば費用がかさむし、いっときに大量発送できないため手間もかかる。第一普通は選挙の準備に忙しくて、そんな人手を使う余裕など無いものである。
 また、そうした手段を使うことは精神衛生上よくないし、何より選挙活動母体の士気そのものが低くなり、そちらのマイナス効果の方が怖いと言える。
 しかし世の中には、裏選対あるいは別働隊として特殊任務(選挙妨害、怪文書、買収、脅迫 etc)を行うチームを用いる候補者もいる。さらにそうしたことを仕事として請け負う人物さえいる。人間の中には、生来こうした手法が好きな人種というのがいるのである。マニアというか病気というか、様々に裏側で暗躍することが選挙という戦いであり、高度な戦術であると勘違いしている人達である。

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 選挙においてこういうレベルの戦いを始めると見苦しい上に、その地域全体の品格が問われることにもなり、私は嫌いである。しかも、もし先の写真を使った怪文書が出回ったとすれば疑われるのは当然対立する側であるし、また、うっかりすれば選挙後に〝怖いお兄さん〟の来訪を受けるようなことになるかもしれない。「あの写真、上手に使ったね」「あの写真はあなたの所にだけ送ったものであり、口止め料は200万円にしておくよ」というような話にもなりかねないのである。しかも一度つながりを持つと、それで終わらないから恐ろしいのである。

 いずれにしても、かつて石川五右衛門が言ったという「浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ」の言葉の如く、選挙が始まると、こうしたあまり人間として上等ではない人々の活動も活発となってくるようである。


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