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2015年7月16日 (木)

乙川リバーフロント地区まちづくりデザインキックオフフォーラム

乙川リバーフロント地区かわまちづくりデザインキックオフフォーラム

 表題が長すぎて、何のことやら分からないと言われる向きもあろうことかと思うが、選挙以来訴え続けてきた、岡崎のもつ歴史的文化遺産と河川空間を活かしたまちづくりというものが、今年の3月末、「乙川リバーフロント地区かわまちづくり」として国の正式な認定事業となった。これをもって本格的に事業が動き出すこととなり、7月12日(日)夕刻より表題のフォーラムをりぶらホールにて開催した。
 20回に及ぶ市民対話集会、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、商工会議所、各種団体、地域のグループから小中学校に至るまでありとあらゆる所で、求めさえすればおこなってきた講演会も百数十回を数えた。市の広報はじめ、パンフレットの全戸配布、マスコミ媒体を通じての報道、ホームページ・ブログによる度重なる説明と、考えられる限りの手法を使い政策の周知に努力してきたつもりである。
 しかしモノゴトというのは、身近な出来事でない限り、または個人的な利害関係や知的関心がある場合を除いて、おいそれと一般の市民に周知徹底などできないものである。(もちろん中には反対意見や異論をお持ちの方もいる。そうした人々の中にはハナから聞く耳を持たない人達さえいる。)

乙川リバーフロント地区かわまちづくりデザインキックオフフォーラム

 そうしたことを十分承知の上で、「新しい岡崎の風格をつくる」というサブタイトルのもとに表題のフォーラムを開催したわけであるが、これは都市計画やまちづくり、地域活性化などにおいて実績のある5人の専門家に私も加えて頂いて行うパネルディスカッションであった。さすが様々な実体験と研究成果の蓄積のある方々ばかりであり、私も個々の発言から学ぶところ大であった。
 ことに「事業が進められたあと観光都市化が成功したとしても、そのことが住民生活の新たなストレスとなっている事例がヨーロッパにある」との御指摘を頂いた藤村龍至氏の御意見は心に刻んでおきたいと思う。

 こうしたケースはすでに日本でも見受けられる。先年、後援会のバス旅行で出かけた富士山において、ミヤゲモノ売り場周辺の民家の入口には、数ヶ国語で記された侵入禁止の警句の看板が露骨に立てられていた。観光産業で商いとして利益が上がる人々はともかく、静かに市民生活を送りたいという方々にとって、バス旅行の団体客や外国人の集団は自分達の生活圏を脅かす敵のように見える可能性がある。
 また、富士のすそ野にある忍野八海(おしのはっかい)を訪れた時、地元の荷物を運んでいる業者の小型トラックが、道を歩く中国人の団体客にクラクションを鳴らし今にも轢き殺さんばかりのスピードで走り抜けてゆく姿を目撃している。こうしたことは住民にも訪れた人々にも不幸なことであり、順路の適切な案内と訪問者のマナーの指導の必要性を考えさせられたものである。
 とは言え、産業立国化に成功しつつある新興国を加えた国際経済社会の中で、我が国が(いや岡崎においても)、「モノづくり」だけで存立していくのはいささかシンドイ状況が予想される。単純加工品は、労働人口が多く最新鋭の機械を導入する新興国には太刀打ちできないし、特殊技術を駆使した先端産業分野も先進国同士の競争は激烈を極めている。必ず日本が勝ち抜けるという保証もない。
 そうした状況の中で、我が岡崎にはまだ未開発の分野である「観光産業」というものがあり、しかもその材料となる歴史的遺産や自然景観等には十二分なモノがある。観光産業の形成には、他にも様々な要素が必要となる(宿泊施設、食事、オミヤゲ、休憩所、各種サービス施設)。そうしたことを考えると、まだまだ発展可能な未開発分野への進展ということが期待できるのである。

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 今回のフォーラムは、そうした可能性を広げるために多くの人々の参加と協力を求める最初の足がかりとして企画された。当然一つの政策には賛成も反対もあることは承知の上であるが、岡崎活性化本部事務局長の白井氏が発言されたごとく、「批評家の立場としてではなく、共に新しいまちづくりを進める仲間として智恵と力をお借りしたい」ということなのである。

 正直言って、第1回目はいささか未消化の内に終わってしまった感もあるが、アピールの場としての役目は果たせたものと思っている。これからさらに具体的な問題について分けて議論が進められ、対応策が決定されてゆくことになると思う。今こそ多くの方々の参加により新たな岡崎の歩みに力を付けて頂きたいと考えている。
 今まで数々の先人がアイデアを練り、議論を重ねながらも実現できなかったことに今回ようやく着手することができたのである。国土交通省の「かわまちづくり事業」「歴史まちづくり事業」、さらに「地方創生」という国の追い風も吹いている。国・県の理解の中で大型の補助金も期待できる状況となっており、このチャンスに「今やらずしていつやるのか!」と考えている。
 私はこの時期に市長職を担う立場となったことを〝天命〟と受けとめ、今後の事業推進に全力を尽くす覚悟です。どうぞ市民の皆様の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。

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―当日の開会挨拶―
 皆さん、こんばんは。市長の内田康宏です。
 本日はお忙しい中、「乙川リバーフロント地区まちづくりデザインキックオフフォーラム」に御参加頂き、ありがとうございます。
 さて、乙川の水辺空間を活用した「乙川リバーフロント計画」につきましては、過去40~50年にわたり、歴代市長、議会関係者は言うに及ばず、商工会議所や各地の商店会、諸団体の会合など、市民の皆様も含めて、長らく議論されてきた重要課題であります。しかしながら選挙は戦いでありますので、これまで市政における政権交代時に重要政策がスムーズに承継されず、実現には至りませんでした。そこで私は、そうした歴史的経緯を踏まえ、市長選挙の折には乙川のリバーフロント計画を公約の大きな柱として掲げ、市長就任後には、これまでのプランも考えた上で改めて市民や各分野のプロの方と共に検討を進め、整備計画をまとめてまいりました。
 この乙川沿いに、岡崎城と共に緑が織りなす町の風景は、岡崎を代表する景観であり、県会議員時代に、名古屋から電車で帰って来る度、乙川の景色を目にすることで「岡崎に帰ってきたな」とホッとしたことをよく覚えています。皆様の中にも、同じような経験をお持ちの方も多くみえることと思います。

 ここには今も38万人の都市の中心部を流れる川とは思えないほど、多くの自然が残されております。最近でも乙川や伊賀川周辺では体長2メートルのアオダイショウや大きな亀の姿を目の当たりにすることがありますし、夜に犬と一緒に川沿いを散歩していたところ、パシャパシャという激しい音を聞き、何事かと思い近くによってみると、何匹もの鯉が渦をまき産卵をしていたこともありました。初めて見た時は実に感動的な風景でした。こうした貴重な景観や豊かな自然というものは岡崎の誇る宝であり、大切にしたいものです。

岡崎市・乙川

 乙川は、かつては釣りやボート遊びのできる親しみのある川でもありました。私も小学生の頃には、友達と小遣いを出し合って、貸ボートに乗っていました。しかし、いつの頃からか川は危険な場所として「近づいてはいけない場所」「遊んではいけない場所」となってしまい、市民の皆さんにとっては街を分断する川といった印象の方が強くなってしまったように思えます。そこで今回のリバーフロント地区の整備を通じて、豊かな自然など乙川の持つ魅力を再認識して頂くと共に、かつてのように、もっと市民の皆さんが気軽に集まり、楽しめる場所としたいと考えています。

 事業の内容につきましては、殿橋と明代橋のライトアップ、河川敷のランニングコースや遊歩道を整備すると共に、幅16メートルの(仮称)乙川人道橋を新設します。人道橋の北側に位置する中央緑道を、人道橋と連続した幅16メートルの歩行者空間とし、「岡崎セントラルアベニュー」として再整備します。こうした事業を、今年度から平成31年度までの5ヶ年を目標に整備を進めてまいります。
 また、これらの整備に加え、ソフト事業として、家康公の生誕日にあたる12月26日には、青く光るLEDボール3万個を乙川に流す「泰平の祈りプロジェクト」を実施致します。さらに東岡崎駅と岡崎公園を乙川で結ぶ、木船の運航も行ってまいります。
 こうした内容は、これまで20回に及ぶ市民対話集会や合計百数十回の講演会でお話ししてきておりますし、さらには私のブログや、パンフレットの全戸配布など、様々な手法で、市民の皆様に事業内容の周知を図ってまいりました。選挙で公約として訴え、議会で討論を重ねたうえで、さらにここまで念入りな広報活動を行い事業を進めるケースは全国でもあまり例はないと言われています。
 また、そうした活動に併せて、国や県に対しても陳情や要望を重ね、事業への協力をお願いしてきた結果、今年の3月末には、国土交通省の「かわまちづくり支援制度」の登録認定を受けることができました。ことに今回は、全国的に厳しい競争の中、東海地方からはこれが唯一の新規認定であり、愛知県の管理する河川事業としては初の登録となりました。そして4月には、リバーフロント計画に対する27年度の国からの交付金が岡崎市の要求どおりの満額交付という、幸先の良いスタートを切ることができました。これもまた全国でもマレなケースだそうであります。この結果は、国のまちづくりの考え方と本市の考え方がまさに一致し、国の大きな支持を得られたことによるものであると思います。

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 国においては、将来的な人口の減少、少子高齢化の波が押し寄せる中、地域経済の衰退や行政コストの増大というものを心配しているところです。この対応策として国は、これまでの市街地拡大の考え方を改め、地域公共交通と連携して、コンパクトなまちづくりを進める、いわゆる「コンパクトシティー・プラス・ネットワーク」の方針を推進しています。
 一方、本市の「乙川リバーフロント地区整備計画」は、観光産業都市の創造を目標としており、人口減少化において地域活性化を可能とするものであります。そして、高齢化社会において考えなくてはいけないバリアフリーを意識した施設の整備計画と、街なかを暮らしやすくする商業施設の誘致計画のいずれもが評価されたことにより、交付率が40%から50%にかさ上げされ、今年度の交付金は要求額の満額の回答が頂けたのではないかと考えております。
 このように今回のリバーフロント地区整備計画は、単に橋を作る、河川敷を整備するといったハード面の整備だけではなく、リバーフロント地区の観光資源や公共空間の活用、商店街の活性化など、これからの新しいまちづくりを意識したものであります。本日のキックオフフォーラムを皮切りに始まるまちづくりデザイン事業においては、市民の皆さんと共につくる、新しい官民連携の第一歩としたいと考えております。

 特に私が誘客のキーポントとして常々申しておりますのは、以下の4点であります。

①「おいしい食べ物」
②「魅力的なお土産」
③「興味を引く催しや施設」
④「岡崎ならではのサービス」

 これら4つの要素については、民間の皆様の協力が不可欠でありますのでよろしくお願い致します。骨格造りは行政が行いますが、それに血肉を付け、命を吹き込むのは民間の力であると考えます。本日のキックオフフォーラムは、そうしたことを市民の皆さんと共に考える出発点であり、これから予定されているワーキンググループなどを通じて、一人でも多くの方がこの事業に何らかの形で関わってみたいと思って頂ければ幸いです。もちろん、私達も仕事を丸投げするのではなく、共に考え智恵をしぼり、実現のための努力を致しますのでよろしくお願い申し上げます。
 この後のパネルディスカッション、意見交換において、多くの意見を頂くことによって、これからの岡崎のまちづくりの第一歩に繋がることを期待して、冒頭の挨拶とさせて頂きます。
 本日は、皆さんどうぞよろしくお願い致します。

乙川リバーフロント地区かわまちづくりデザインキックオフフォーラム

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