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2014年5月13日 (火)

活性化本部の提言と市の対応について

「乙川リバーフロント地区整備」提言書

 2月に岡崎活性化本部から岡崎市に対してなされた提言は、昨年5月から始まった6回の部会と3回の懇談会を経て作成されたものである。
 内容は大別して4分野にわたっており、「1.殿橋を含む橋の整備」、「2.徳川四天王の石像の設置」、「3.夜間の河川空間を意識した照明」、「4.岡崎公園と一体化した周辺の施設整備」等に関する具体的な指摘、提言となっている。

1.殿橋を含む橋の整備
 まず殿橋については、昭和2年(1927年)の建設以来80年以上経ち、老朽化が進み損傷も見られるが、公益社団法人土木学会から近代土木遺産に指定されていることもあり、県としてもなかなかすぐに建て替えるとは言えないところである(予算の都合もある)。
 そうしたことから、今回活性化本部から「昭和の意匠を後世に残す意義も大きいことから、建設当初の形を忠実に再現しつつ、できるだけ速やかに長寿化対策を講じていくことが強く望まれる」と指摘されている。
 この点については、愛知県からも「今後2年間の予定で橋の長命化対策の修復工事にかかりたい」との説明を受けているので、岡崎市も提言に沿った形で県に協力していく心づもりである。

「乙川リバーフロント地区整備」提言書

 また「籠田公園の南の中央緑道の延長線上にあたる乙川に、新しく人道橋(じんどうきょう)の建設を行うことが望ましい」との提言を受けている。この中央緑道は殿橋と明代橋の間に位置しているが、ここに新橋を設ける計画は以前からあったものである。そして今回それを人道橋という形で提案されたことに大きな意味があると考える。この人道橋の設置によって、東岡崎駅前から伝馬通、康生地区への新たな人の流れを作り、それを岡崎公園方面にまでつなげる導線のきっかけとすることができる。また籠田公園から中央緑道、人道橋にかけて、南北を結ぶ一つのまとまったイベント・ゾーンが確保できることになる。人道橋にすることによって、建設コストも低く抑えられるし、橋の上の空間も自由に使えるようになる。
 とはいえ、非常時のことも考え、地震災害時には緊急車両が通行できる強度は確保しておきたい。
 また例えば橋の外観を木調にすることで額田の木材を積極的に使用し、20年に1回ほど(?)行う木部の取り替えを、伊勢神宮をマネてイベント化することもできるだろう。多くの可能性に富んだこのプランは、中心街活性化のためにもぜひ実現したいと考える。
 そのように話すと、「ツイン・ブリッジ計画の公約は断念か?」という声が出てくる。
 そもそも殿橋・明代橋は老朽化の著しい進行により、架け替えなどの補修を行わなければならないという前提がある。そこで、架け替えを行う際には岡崎に相応しく、十分なフリースペースを持った橋にすべきというのが、私が選挙以来訴え続けてきたツイン・ブリッジ構想である。また「具体的に何をやろうとしているのか分からない」という声に応えて、ツイン・ブリッジのイメージ・プランを描いたが、これらはあくまで岡崎に相応しい橋の一つのモデルとして提示したものである。
 しかし、今回、殿橋を管理する愛知県が「今後2年間の予定で、橋の長寿命化対策の補修工事」を行うという決定をし、また、活性化本部からは「昭和の意匠を後世に残す意義も大きい」と提言されたことで、当面、殿橋架け替えの緊急性は薄れたと考えている。

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 「中央緑道の延長線上の新しい人道橋の建設」は、東岡崎駅からの市の中心地区に人々が回遊する導線の整備や、乙川の景観をゆっくり楽しめるフリー・スペースの確保、通勤・通学時の交通緩和といった、これまで残されてきた課題も併せて解消できるプランであると考える。
 殿橋・明代橋の架け替えと、新しい人道橋の建設は、一見、異なる施策に見えるかもしれないが、目指すところは常に一貫しているのである。
 なお、殿橋にしても、明代橋にしても、いずれ架け替えなければならないことは確かであり、その時には、ぜひ、岡崎の伝統と歴史を伝える橋(殿橋)と橋上公園の機能を持つ夢のある橋(明代橋)という、当初のコンセプトを体現する橋にするよう、事業主体者たる県側としっかり協議していきたいと考えている。

2.徳川四天王の石像の設置

 次に「岡崎の石材と石工の伝統技術を活かした徳川四天王像を設置することが望ましい」という提言も頂いた。数あるリバーフロント整備計画の中で唯一私のオリジナルのアイデアである四天王像について御理解を頂きうれしい限りである。
 「仕事がなくて技能の伝承ができない」と嘆く石工業界に、技術の粋(すい)と誇りをかけた仕事の機会を作り、市民の岡崎の歴史と伝統技術への理解を深め、岡崎に生まれた子供達に郷土の英雄物語と三河武士の心を伝え、古里(ふるさと)に対する愛着と誇りを育むために、岡崎の精神的シンボルとしてぜひ立派な石像をつくりたいと思う。なるべく早くデザインを決め、設置予定場所の強度調査を行いたいと考えている。
 殿橋の架け替えは先のこととなるため、設置場所に再考の可能性が残るものの、名人、名工の元気なうちに手がけておきたい事業である。
 なおデザインのコンセプトとしては、青壮年時代の家康と行動を共にした若き四天王像のイメージにしたいと思っている。

3.夜間の河川空間を意識した照明
 「河川空間のライトアップ」についての指摘はすべての計画の中で最も重要であり、最も早く実現できる可能性のある事業である。
 単純な照明の連続ではなく、堤防上の照明、河川敷の照明、橋に対する照明、また場所による明度のメリハリや近くの建物、樹木、動物、昆虫等に対する影響も考慮する必要もある。また照明機器の多様性もカギとなる。通常の街路灯や小型で丈の低いものや、路面に埋め込みされる型で耐水性のあるものなどに加え、お祭りイベント時には、例年用いているぼんぼり照明や今回初めて試みた簡易な植え込み式ソーラーライトも使いたい。さらに専門家の知恵を借りて、効果的な照明を実現したいと考えている。
 夜間の乙川の河川空間が明るくなるというだけで、岡崎の雰囲気、イメージはガラリと変わると確信している。
 また、河川敷及び河川空間については、「遊歩道」、「ランニング・コース」、「サイクリング・ロード」をそれぞれ実用的に配置したコース取りを計画している。
 ドッグラン運動公園に加え、親水公園として子供が安全に水遊びのできるスペースを設けることも検討中である。
 本年、実験的に行った遊覧船手こぎボート(スワン型も含む)やカヌーの練習場についても、水域と使用期間の住み分けを考慮しながら実用化する方針である。
 懸案になっている川の噴水については、遊覧船などの水面利用計画と併存できるモノを検討している。 乙川の水面利用並びに水量の確保については、今後、国、県及び農協、乙川漁協とも対応しながら進める必要があると考えている。

「乙川リバーフロント地区整備」提言書

4.岡崎公園と一体化した周辺の施設準備
 まず、本年の調査により、改めて岡崎城周辺が歴史的に宝の山であることが判明している(次回に詳細説明)。
 東岡崎駅前から中心市街地、河川堤防プロムナード(レストランやカフェ)、乙川河川敷、岡崎公園というエリアを一くくりにして再整備していくことが、今回、活性化本部から指摘された課題であると受け止めている。やはりこの空間におけるメイン・スポットは岡崎城、岡崎公園であるため、歴史的由来をしっかりと掘り起こし、明確で統一性のある案内掲示をしていきたいと考えている。同時にこの地を訪れた市民や観光客に快適に過ごして頂くために、トイレ、ベンチの整備に加え、各種おもてなしのシステムを再考しなくてはならない。
 さらに外からおみえのお客様に満足感を抱いてお帰り頂くためには、①おいしい食べ物、②興味をひく催し(施設)、③魅力的なオミヤゲ、④岡崎ならではのサービスの4つの課題について、市民や商店街の皆様のお力添えも必要となってくる。
 太陽の城跡地については「地域の名産や野菜などが買える『川の駅』(仮称)のような商業施設や休憩所、リバーサイドカフェ、ギャラリーなどが入る観光複合施設、及び、実現可能であれば河川のアクティビティのためのリバーベース」が提言された。
 市としては現在、前市政の方針を受け継ぎ、シティーホテルの誘致を目指しているところであるが、暫時のプランとして「宿泊施設等の民間施設を含めた整備構想」の検討も進めている。
 なお、事業の全体像が決定するまでの間は、リバーフロント整備時の工事車両、資材置き場などの使用も考えている。
 また活性化本部の提言に加えて、現在岡崎市が推進している東岡崎駅の東部の北東地区整備も今回の提言に併設して重要なものとなってくる。
 岡崎を訪れた方が、まず駅前の北東街区においてくつろぎ、乙川の景観を楽しみ、市内観光の情報を得るステーション的機能を持たせる必要がある。
 ことに中心地で駐車場が不足することから、このあたりに大型バス専用の駐車場を考えるべきと思う。
 さらに、現在進行中の東岡崎駅周辺整備が一段落した所で、「静岡市にも浜松市にもありながら、生誕の地岡崎には無い」と言われ続けていた駅前の家康像を、新たな岡崎の顔としてぜひ設置したいと考えている。
 東岡崎駅前に置く像は、桶狭間の敗戦から立ち上がり天下を目指して歩み始めた、19歳から29歳の頃の青年家康の像が、伸びゆく岡崎の発展の象徴としてふさわしいと思う。当然、岡崎城を本拠地として活躍していた時代の家康の像と乙川の四天王像はコラボレート(協働)することになる。

 これらが現在、岡崎市が活性化本部の提言を受けて推進しているリバーフロント構想にかかわる計画の骨子である。
 以上のプランを実現化していくために、現在市役所内では、各部・各課を横断するテーマごとのプロジェクト・チームを編成し、責任の所在を明らかにして、それぞれの課題に取り組むことにしている。そして各チームを統合して、各事業の推進状況を報告し、情報を共有してバランスをとりながら問題解決を企っていくためのリバーフロント推進会議を、市長である私のもと、定期開催している。
 今後、国との許認可取得対策にあたり、河川管理者の愛知県、商工会議所、地域住民代表、商店街の代表、そして活性化本部と連携をとりながら事業を推進していきたいと考えている。

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