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2014年4月 8日 (火)

いわゆる〝キラキラ・ネーム〟について

 親は誰しも子供に命名する時に、様々な思いや期待を込めて、良かれと思って名付けるものである。しかし、いくら良かれと思って付けられた個性的で考え抜かれた名前であっても、それが世間の常識とかけ離れたものであればあるほど、将来名前によって苦労することになるのは親ではなく子供自身なのである。よって、役所に正式な届けを出す前に今一度近くの人の意見を聞いてみることも必要ではないかと思うものである。
 市長という立場になってから、色々な機会に表彰状を読み上げることがある。それぞれ名前の横にヨミガナのメモが添付されているものの、読み上げの瞬間、「本当にこの読みでいいのかな?」とこちらが心配してしまうことも少なくない。

内田康宏

 いわゆる〝キラキラ・ネーム〟という、マンガやテレビゲームなどの登場人物や芸能人や、源氏名のような名前が本名にも使われる風潮となって久しいものである。
 はっきり言って、これは親が自分の趣味でやっていることである。かつては命名権は主に戸主にあったのだろうが、昨今は命名の主導権は女性の手にあるように見受けられる。そうした社会的な傾向が、近年女性好みのキラキラした名前の増加につながっているらしい。
 もちろん中にはセンスの良さを感じさせる素敵な名前もある。しかし、「子供が学齢期になった時に学校でイジメの原因にならないだろうか?」と他人事(ひとごと)ながら心配させられる名前を目にすることがある。また見栄えが美しいからと、やたらと字画の多い難しい漢字を使うケースや、極端な当て字を使うケースも見受けられるが、果たして人に正しく理解してもらえるのか? また試験の度にこうしたメンドーな(?)名前をイチイチ書くのはまことに御苦労様なことだと思うものである。

 かつて田中角栄総理が自民党幹事長として権勢を振るっていた頃、田中を姓に持つ人が田中幹事長の出世物語にあやかって、生まれた子供に〝角栄〟と名付けた。その子が学齢期に達した時に「ロッキード事件」が起き、学校でイジメを受けるようになった。そのときに裁判所に申請して戸籍の名前を変更するのに何年もかかったという記事を読んだ覚えがある。
 私は〝角栄〟という名前が格別悪いとは思っていないが、時代的背景によっては、言葉や名前の持つニュアンスというものが大きく変わるものだということも、名付け親は考える必要があると思っている。ことに政治家や軍人はその評価が時代によって大きくくつがえるものである(文化人、芸能人も?)

 もう一つ、子供が成人して仕事に就く頃、また別の問題が発生してくるという。銀行やお役所等のいわゆるお堅い、常識的思考を重んじる職種において、基本的にキラキラ・ネームと呼ばれるような特異な名前の人物はあまり歓迎されないだろう。
 今私が耳にしている話でも、就職試験において、優れた成績で本人評価が特に高いケースを除けば、同レベルの成績の人が複数いた場合、常識的な名前の人が採用されることが多いという。
 すべてがそうした類型にあてはまるとは思えないが、世の中(ことに日本の社会)はそもそも、時代による風潮の変転はあっても、基本的に保守的なものである。
 もちろんそんなことに関わりの無い世界(芸能・スポーツ等)で生きて行こうとするならば心配する必要もない。だが、普通の人生を送る可能性が高いとするなら、親は子供の名前を付ける時に、もう一度子供の将来のことを真剣に考えているかどうか、様々な角度から検証してみることも無駄ではないと思う。

 もっとも、生まれた時に父親が56歳だったことから安易に「五十六」(いそろく)と名付けられた子供が、後に連合艦隊司令長官となり、世界的に有名になった例もあるから、親がマジメに名付けたかイイカゲンに名付けたかということは個人の能力や人格とはあまり関係はなさそうである。

 ちなみに山本大将は、「五十六」の名前の由来を人から尋ねられる度に機嫌がわるくなったそうである。

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