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2014年3月14日 (金)

握手の難しさ

 握手をするタイミングというのは、実に難しいものである。世の中には「そんなことの何が難しい」とばかりに初めから誰とでも握手のできる御仁もおみえになるが、私は今もって要領を得ない。
 私達のように選挙に携わる業界で生きてゆく者は、相手のことを知っていようがいまいが、誰とでも親しげに握手をするように教育されるものである。ある程度の経験を積めばタイミングをとるコツも会得し、その場に適した対応ができるようになる。

内田康宏

内田康宏

 もちろんそれでも若い頃は恥ずかしさが先に立つ。しかも握手の相手は男性ばかりではない。ふだん女の人とあまり話をする機会もなく過ごしてきた人間が選挙に臨まなければならなくなった時は、まさに始末の悪いこととなる。支援者から「積極的に握手をしろ!」とハッパをかけられ、オズオズと手を差し出せば、相手から怪訝(けげん)な顔をされる。「しまった」と思って手を引っ込めれば、タイミングが遅れて相手の手が出てきたりすることもある。そんなバツの悪い思いを何回も繰り返して、政治生活を送る者は握手の仕様を覚えてゆくのである。

 私も齢(よわい)60を数えることとなり、もはや恥ずかしがる年ではなくなっている。ところが最近こんなことがあった。
 表彰式の式典が終わって、表彰者との集合写真や個別の写真を撮った。その時、1グループの御婦人達に手持ちのカメラで「一緒に写真を撮ってほしい」と言われ、たまたま撮影後話を交わすことになり、「これからもよろしく」と握手をする流れとなった。
 しばらくして舞台から立ち去る時に、「アチラの女の人達が、私達には握手してくれなかったと言っていましたよ」と小声で忠告を受けてしまった。単なる偶然のタイミングの問題に過ぎないのであるが、それでも配慮不足と言われれば、お詫び申し上げたい。

 はたから見れば、誰彼構わず恥ずかしげもなく握手をしているように見える我々政治家だが、本来は握手するにもマナーというものがある。特に相手が女性の場合、西欧的ルールでは相手の女性に握手をする意志の見られない限り、男の方から先に手を出すことはインポライト(無作法)の技となるのである。
 しかし、そんなことを厳密に考えていたらやってられないのがこの仕事である。時に〝流れ作業〟的に握手しているように見えることがあるかもしれないが、「女性よりも、お年寄りや子供を優先して」と気配りをしているのが常である。それでもこうした誤解が生まれてしまうものなのである。

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