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2014年1月30日 (木)

小さなイライラ

 年末から年始にかけ宴席が続き、宴席の苦手な私には少々つらい時期となった。
 日々の生活において、私は酒もタバコもたしなまないし、ギャンブルも全く興味が無い(一人でニンテンドーDSのマージャンぐらいはやることもある)。
 よく知らない女の人と話すのも苦手である。よって夜の巷を出歩くことも皆無だ。第一そんな時間があれば、早く帰宅して読書をするか、録りためたDVDを観るか、あるいは寝た方がましである。県会議員になった頃からスポーツもあまりやらなくなり、当時先輩から「一体何が楽しみで生きとるのだ。そんな奴は死んだ方がいいな」と言われたこともある。
 この手の夜の付き合いをするともう一つ苦手なことが発生する。タクシーで帰宅することになることである。

 我々のような職業をやっていると、様々な場面で色々な人から質問を受けたり議論を仕掛けられたりすることがある。私はそうしたことも仕事の一部であると思っているので、時間の許す限り、イチャモンをふっかけられるようなケースを除いて、ていねいに応対することにしている。
 時に、本人は悪気はないのだろうが、タクシーの運転手さんから行政の苦情を受けることがある。それも市民の声であるので、国や県の事業であっても受け答えをするが、何せ十分な時間が無く、中途半端な説明となってしまうこともある。第一、タクシーを使うような時には私は疲れ果てていることが多い。
 先日もこんなことがあった。
「市内の某幹線道路の歩道がきれいになったと思っていたら、水道工事が始まり、それが終わったら今度はガス工事で掘り返され、見苦しくなった。あれは税金のムダ使いだ」
 と言うのである。内容はごもっともな話であるし、かつて我々も県議会において何度となく採り上げて議論した問題である。

岡崎市役所

 通常、行政の行う土木工事は年次計画が策定され、なるべくそうしたムダのないように予定が立てられるものであるが、ものごとは市の都合だけでは進まない。民間の仕事との兼ね合いもある。
 長引く不況に対応するため、土木建設業界はスリム化を進めてきている。ところがこのところ、東日本の震災復興事業やアベノミクスによる景気対策により、逆に人手や資材の供給に追われるようになった。賃金や資材の高騰の結果、公共事業の受け手がなく、致し方なく入札が不調に終わるケースがある。市の発注計画どおりに進まないこともあるのだ。
 ことに年末や年度末に、入札差金を活用した前倒し的な工事や、国や県からの急な補助事業の決定がなされると、工事の箇所が重なる場合もある。その他にも、事故災害に備えるため、予算を補正して緊急工事をする場合もある。そんなふうに工事が重なってくる時期には、あちらこちらで道路を掘り返すこととなり、車を使ってお仕事をされる方から苦情が多くなるものである。
 一般の方からすれば、そうしたことのすべてが役所の不手際のように見えるかもしれないが、世の中のものごとは市役所の都合だけで回っている訳ではないのである。(中には純然たる民間の工事のケースで文句が来ることもある。)「そういうことだから我慢して下さい」と言えないところがまた役所仕事のつらいところである。

 話せば分かる人が相手で、時間さえあれば、行政の機構、仕事の手順、予算の決定、議会への説明と承認、国や県との対応などを説明して御理解頂く努力をするつもりはあるが、タクシーの中ではなかなかそこまでの話はできない。また、そういうことをきちんと説明しても「言い訳だ」と言って理解して頂けない方も世の中にはいるのである。
 民主主義体制における仕事は、あちら立てればこちらが立たず、ということがよくあり、時に「ヒトラーやスターリンのような独裁者でもこれは難しかろう」と思われる案件もある。そんな大げさな問題でないにしても、急な質問に対し上手に説明できなかった時は、小さなイライラがつのるものである。時事の問題で、まだ外に向かって発表できない事柄もある。そんな役所仕事の特殊性もぜひ御理解頂きたいと思っている。

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