岡崎市民病院西棟が完成しました
早期の完成を待たれていました岡崎市民病院西棟が、このたび多くの皆様の御理解と御協力によりまして無事完成することができました。去る9月22日(日)にその完成式典が催行されました。御尽力賜りました関係者の皆様には、心から感謝を申し上げます。
岡崎市民病院は、岡崎市と幸田町を対象とした「西三河南部東医療圏」において、唯一の高度急性期医療を提供する病院としての役割を担っております。その市民病院も、現在の高隆寺の地に移転してから15年の月日が経過しようとしており、その間の医療技術の進歩や医療需要の多様化など医療を取り巻く環境は大きく変化しております。
こうした医療環境の変化に対応するためと、この地域における慢性的な病床不足の緩和や外来診療機能の充実などを図るために、今回の西棟の整備を進めてまいりました。これまでのように「まだ治り切ってないのに退院させられてしまう」とか「なかなか入院の順番が来ない」といった苦情も減ることと期待しております。
10月1日から使用開始する西棟は、地上3階・地下3階で、地下にはトモセラピーなどの最新の放射線治療機器3機種(IMRT、リニアック、RALS)を導入し、ガン治療に対応することとなります。また、産婦人科、血液内科、外科、外来治療センターの4つの外来部門が西棟に移転し、これらの科は10月15日から稼働します。
IMRT | コンピュータ制御によりガンの病巣の位置や形に合わせて放射線の強さや照射範囲などを調整し、ガンの組織を集中的に消滅させるものです。 |
リニアック | 体のどこの部分のガンにも使える放射線治療装置です。 |
RALS | 映画の『ミクロの決死圏』のように、小さな放射線源をリモートコントロールで病変の近くまで送り込み、体の中でガン組織に直接照射するものです。 |
現在、市民病院には、外来患者の皆様が年間約31万人、入院患者の皆様が延べ約23万人と多くの方に御利用頂いております。
今回の①西棟建設に加え、②救急棟建設、③新・立体駐車場建設、④既設棟の大改修の全てが完了する平成27年(2015年)秋以降には、より余裕ある医療環境で、快適に、より安心、安全な高度の医療を受けて頂くことができることを確信しております。
西棟に移動した旧外来や医局の跡などには、この3月より県内初のハイブリッド手術室が稼働中です。今後、糖尿病センター、内視鏡センターを新設し、血液浄化センター(透析センター)を拡充する予定となっています。ハイブリッド手術室では、患者の体内に細い管を通して行うカテーテル治療と外科手術を組み合わせて行うことが可能です。血管の状況を画面で見ながらの手術も可能ですし、患者の急変時にはその場で通常手術への移行もできますので、より高い安全性が確保されます。その結果、以前ならば手術が不可能とされた危険性の高い重症例にも対応可能となります。
こうした新時代の医療環境に合った整備を継続することにより医療の質も上がり、さらにより多くの優れた医師、看護師、技術者が集結し、市民病院が文字どおりこの地域の高度医療の中核病院としての役割を果たすことができるようになることを願っております。
また昨年の選挙の折から申し上げて来ましたとおり、岡崎の医療は、市民病院をピラミッドの頂点として、市内の東西南北における地域医療の拠点を民間大手の病院に担って頂き、さらにそれを支える地域の個人病院との連携と協力によって医療ネットワークの充実を図って参りたいと考えております。
様々なデータや実績、側聞する評判においても、岡崎市の民間病院の医療レベルは優れたものであります。風邪や腹痛といった通常レベルの疾患の場合は、まずは御近所のなじみの主治医の先生(かかりつけ医)を信頼して頂き、市民病院は緊急性の高い高度医療対応のできる急性期総合病院としての本来の機能が十分発揮できますよう、改めて市民の皆様に御協力をお願い申し上げます。もちろん、もしもの時は、地元病院から市民病院へ紹介されることになりますし、病院から病院への連携を通じた方が結果としてスムーズな医療対応になります。
これからも岡崎市民病院は、医師会、歯科医師会、薬剤師会の皆様方とのしっかりした医療連携の上に新しい時代の医療需要に応えるべく、中核病院として進化の努力を重ねて行く方針であります。
今後とも、皆様に信頼され、愛される市民病院を目指して、医師、看護師、職員一丸となってより良い医療を提供して行く所存でありますので、変わらぬ御理解、御支援のほどお願い申し上げます。
岡崎市民病院西棟施設概要
1 目的
50床増床により慢性的な病床不足の解消を図ると同時に、放射線治療機器の導入により、がん治療を充実するなど、より高度な医療を提供することで、高度急性期病院として、更なる機能の高度化を図る。(これにより当院の病床数は700床となります。)
2 建物構造及び面積
鉄骨鉄筋コンクリート造 地上3階建て、地下3階建て 延べ112,303,19平方メートル
階数 | 名称 |
3階 | 病棟改修時などの非常用スペース |
2階 | 病棟50床(4人床9室、2人床2室、個室10室) |
1階 | 外来 (外科、血液内科、産婦人科、外来医療センター) |
地下1階 | 医局、ライブラリ |
地下2階 | 会議室、幹部室 |
地下3階 | 放射線治療、操作室、カンファレンス |
4 事業費
49億228万円(建設工事33億3,453万円、放射線器機12億5,959万円 ほか)
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