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2013年7月 2日 (火)

矢作川・森の健康診断

第9回 矢作川・森の健康診断

 6月に入ってすぐ、第9回「矢作川・森の健康診断」が行われた。一般的に、私をはじめ町で生活している人間は、森林のもたらす役割というものを十分理解していない傾向がある。そこで以下に記してみる。
 山間地の森林には、主に次の六つの働きがある。

  1. 水源のかん養――雨水を土壌に貯め、ゆっくりとろ過しながら下流へ流す「緑のダム」としての役割。洪水を防ぎ、渇水を緩和する。
  2. 土砂災害の防止――地表面の低木や草、落ち葉や木の根などにより、土壌を崩れにくくし、災害を防止する。
  3. 生物の多様性を守る――多様な野生動植物の生息・育成の場となる。
  4. 地球環境の保全――森林によるCO2(二酸化炭素)の削減作用による地球温暖化対策と空気の浄化。
  5. 物質の生産――木材、香料や染料の原料、きのこや山菜などの生産。
  6. 保健・心理作用――グリーン・ツーリズムなどで森林を訪れる人々に心の安らぎと癒しを与える。

 このように多くの効用が森林から我々にもたらされているのである。
 岡崎市は平成18年(2006年)に額田町と合併したことにより、市の全面積の6割、約23,000ヘクタールが森林でしめられることになった。しかもそのうちの6割が人工林である。人工林の多くは、戦後の殖産振興策の一貫として植林されたもので、早く育つスギやヒノキなどの針葉樹が多い。そのため今日の花粉症の第一原因ともなっている。
 こうした森林は間伐、下草刈り、枝打ちなど適切な管理と整備が不可欠であるが、このところの木材価格の低下と所有者、管理者の高齢化により、そうした手入れができていない森林が増加している。
 このまま森林が放置され続けると、国内で良質な木材を作り出すことができなくなるだけでなく、上記の森林のもつ有益な働きも失われてしまう。ことに昨今多くなっている集中豪雨による、土砂崩れや河川の急激な増水による災害の発生が心配される。

 そうした情況の中で、矢作川流域の人工林の現状調査をするために、市民と森林ボランティア、そして研究者が一緒になり始まったのが、この森の健康診断である。
 過去8回にわたるこのプロジェクトで、矢作川流域の人工林約58,000ヘクタールのうち、504地点で〝森の健康診断〟をおこなったそうだ。この岡崎地区での実施は、平成20年(2008年)に続き2回目となる。
 私は今回朝の挨拶にうかがうまで地域の一行事であると勘違いしていたが、北は宮城県、南は福岡県まで全国から総勢220人の参加者を迎えるほど調査は大規模なものであった。中には、東京大学生態水文学研究所の蔵治准教授の指導のもと、20数名の東大の学生のボランティアはじめ、人間環境大学、豊田東高校など学生の参加もあった。
 参加者は27グループに分かれて、額田の森林の植生や木の混み具合など様々な実施調査をおこなった。その診断結果を元に、今後の森林整備計画が立てられ、額田の森林再生に活かされることになる。
 岡崎市は額田町との合併によって、市の東西を流れる乙川の水源を全て市域に含むことになった。乙川は岡崎の水道水源の半分を担う大切な川である。合併により水源地と消費地が同じ市域となったことを再認識して、これまで以上に水源地域の森林を適切に管理し、豊かな水源域を守り育ててゆくことが大切であると考えます。市民の皆様の御理解と御協力をよろしくお願いします。

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