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2013年1月24日 (木)

またやっちまった! Ⅰ

 私はいわば結婚記念日恐怖症である。
 新婚当初のころは、毎年名古屋で外食し、劇団四季のミュージカルを観に行くという約束をきちんと守っていたが、それも三回くらいのことで長男が生まれてからはいつしか沙汰やみとなってしまった。それでもときには覚えていて、花など買って帰ったこともあったが、このところ忙しすぎて、つい忘れてしまうことが多い。何せ自分の誕生日も忘れているくらいだ。
 ことに5年前は最悪であった。夜遅くまで会合続きで少々疲れていた。人は疲れると、甘い物が食べたくなるものである。コンビニでプリン付きのカップケーキを買って帰り、11時すぎごろ、テレビを見ながら一人で食べていた(うちの女たちは甘い物が嫌い)。
 しばらくして、うしろで頭をつつく奴がいる。乾いた声で、
「今日は何の日か知ってる?」
 と言う。
 ようやく誰の声だかわかったが、何のことやらさっぱりわからない。
「真珠湾攻撃は12月7日だし・・・?」
「今日は12月11日ですよ」
 そこまで来てようやく結婚記念日であることを思い出した。しかも間の悪いことに25周年の銀婚式である。先月までは覚えていたのに忘れてしまっていた。
 友人の話を聞くと、奥さんがこうした記念日をとても大切にしていて、
「僕の場合、『忘れたら命はない』か『帰宅したときに猫しか待っていない』ということになりかねない」と言われた。
 隣で見ていた娘からは「サイテー」と言われるし、まったくとんでもない日であった。

 このときのことを教訓に30周年のときは絶対に忘れないようにしようと思い、先月手帳に赤い字で記入しておいた。
 今回も一か月前まではちゃんと覚えていたのだ。
 ところがである。「また、やっちまった!」のである。

岡崎市長選挙(2012年10月21日)

 10月21日に自分の選挙が終わって、「皆様のおかげで当選することができました――」と言っているうちに新しい職務が始まり、最初の議会と共に衆議院の解散、総選挙、ということに相なった。
 我々、政治を職業とする者は、選挙や議会のときには「親の死に目にも会えない覚悟をしろ」と言われている。しかし、今どきそんなことが通用する時代ではないこともわかっている。

 当日は某衆議院議員候補の総決起大会であった。無事大会が終わり、選挙事務所に顔を出してからうちに帰ると、再び「結婚記念日おめでとう」という乾いた声が響いて来た。まるで「番町皿屋敷」の皿を数えるお菊の声のようだ。何とも言い訳のしようがない。
 しかし、現在、給与も手当もボーナスもすべて彼女の管理する私の銀行口座に振り込まれている身の上としては、そのくらい大目に見てもらわねばやっていられないと思う。まあそれにしても、本当に「また、やっちまった!」である。

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またやっちまった! Ⅱ (2013.02.03)

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